4 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:15:18.05 ID:
5mCv2Jgd0
幕間
ケイト「ハーイ!」
ケイト「みなさん、準備は出来ましたカ?」
はーい!
メアリー「ケイト!アタシも準備ができたワ!」
ケイト「Okay!Please enjoy English!Let’s start today lesson!」
幕間 了
5 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:17:56.99 ID:
5mCv2Jgd0
1
時刻:先週木曜日18:00
場所:市立T小学校会議室(校舎2階)
市立T小学校
N県某市にある公立小学校。山の中腹に所在する。
会議室
校舎2階東端。1階職員室の真上。南窓。
(真鍋いつき:会議室に入ってくる)
いつき「お疲れ様!今日はどうだった?」
(持田亜里沙:笑顔で迎える)
亜里沙「毎日、驚くことばっかりです」
いつき「そうだよねー。私もそうだったな。今日は何か用事でも?」
亜里沙「ちょっと相談したいことがあって。かけてください」
(亜里沙:2つの机を挟んだ向かいの椅子をしめす)
いつき「それで、相談ってなに?」
(いつき:着席・机の上に置かれたタイマーに目を向ける)
いつき「何、これ?」
(亜里沙:タイマーを手に取る)
亜里沙「お時間はありますか?」
いつき「あるけど、そんな遅くならないでほしいな」
(亜里沙:タイマーをセットする。机に置く)
亜里沙「短めにしますね」
(いつき:タイマーをじっと見た後に、亜里沙と向き合う)
いつき「どういうこと、かな?」
(亜里沙:ほほえむ)
亜里沙「隠しごとをしていませんか」
6 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:19:46.35 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「ううん。そんなこと……」
亜里沙「話してくれますね?」
(亜里沙:タイマーに手をかける。カウントダウンが始まる)
いつき「なんのこと?」
亜里沙「昨日の、放課後のことです」
(いつき:うつむく)
いつき「……そう」
亜里沙「……話してくれませんか」
いつき「いいよ。持田先生の今後のため、だもんね」
(亜里沙:小さく口を噛む。すぐに戻す)
亜里沙「はい。お願いします」
いつき「放課後の話だね、薫ちゃんが階段から落ちた……」
(いつき:外を見る)
南窓から外の景色へ。
校舎と校庭には高低差があり、つなぐコンクリート階段のカット。
7 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:21:40.49 ID:
5mCv2Jgd0
2
時刻:先週水曜日17:50
場所:T小学校職員室(校舎1階)
職員室
校舎1階。東側は職員玄関、西側は生徒の玄関。南窓。
亜里沙「……」
いつき「……」
亜里沙「どうです……か?」
8 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:22:59.95 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「はい。よくできました」
亜里沙「ふー」
いつき「うん、自信持っていいよ。私はこんなにうまく出来なかったし」
亜里沙「そんな、いつき先輩は」
いつき「真鍋先生」
亜里沙「真鍋先生はお手本だもの、そんなことないです」
いつき「ふふ、ありがと、持田先生。はい、これ返すね」
亜里沙「ありがとうございます」
いつき「そろそろ6時になるね。お疲れ様」
亜里沙「お疲れ様でした。真鍋先生は?」
いつき「今日は戸締り担当だから、残って行くね」
亜里沙「わかりました。お先に失礼します」
いつき「また明日!」
9 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:26:05.81 ID:
5mCv2Jgd0
3
会議室
いつき「このあと、まっすぐ帰った?」
亜里沙「はい」
いつき「だから、何も知らない」
亜里沙「……はい」
いつき「ケイトさんとも会ってないの?」
亜里沙「そうです」
いつき「何も知らないって、ことね」
亜里沙「だから、聞かせてください」
いつき「昨日、あの後に何が予定されていたかは知ってる?」
亜里沙「ええ。ケイトさんが放課後授業をしてくれた」
ケイト
地元国立大学の留学生。英語教育のアシスタントをしてくれている。
いつき「その目的は?」
亜里沙「学童保育の延長ですね。利用しやすいように名前が変わりました」
いつき「はい、正解」
10 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:28:03.25 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「昨日は何人残ってました?」
いつき「えっと……」
(いつき:指を折りながら数える)
いつき「8人だね」
亜里沙「覚えてます?」
いつき「うん」
亜里沙「ケイトさんと……」
いつき「メアリーちゃん、仁奈ちゃん、みりあちゃん」
メアリー・コクラン
T小学校の児童。アメリカ人。英語関連では、ケイトのお手伝いをしている。
市原仁奈
T小学校の児童。着ぐるみ好きの模様。
赤城みりあ
T小学校の児童。元気な女の子。
亜里沙「あとは……」
いつき「舞ちゃん、千枝ちゃん、千佳ちゃん、こずえちゃん」
福山舞
T小学校の児童。趣味は一輪車。
佐々木千枝
T小学校の児童。おませさん。
横山千佳
T小学校の児童。魔女っ子に憧れのある女の子。
遊佐こずえ
T小学校の児童。ぽやんぽやん系。
いつき「それと……」
11 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:29:53.04 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「薫ちゃん……」
龍崎薫
T小学校の児童。転落事故の被害者。
いつき「……」
亜里沙「……様子はどうですか」
いつき「命に別状はないようだけど……」
亜里沙「意識は戻ってないんですか」
いつき「そうみたい……」
亜里沙「退院の予定は……」
いつき「そんな状況じゃない、かな」
亜里沙「……そう」
いつき「私がいたのに、こんなことになってしまって」
亜里沙「……」
いつき「昨日、ご両親に謝ったけど……どうしたらいいかわからなくて」
亜里沙「……ご両親は責めていませんでしたよ」
いつき「……話をしたの?」
亜里沙「はい」
いつき「……いつの間に」
亜里沙「ねぇ、真鍋先生」
いつき「なにかな」
亜里沙「……」
いつき「なに……?」
亜里沙「薫ちゃんを突き落したのは、誰なのかな」
12 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:33:05.85 ID:
5mCv2Jgd0
4
いつき「何を言ってるの、かな」
亜里沙「……」
いつき「本気?」
(亜里沙:首を振る)
亜里沙「いいえ」
いつき「タチの悪い冗談は、やめてね。ドキドキしちゃった」
亜里沙「はい。だって、真鍋先生は」
いつき「……目撃者だもの」
亜里沙「真鍋先生の職員室の席は、窓際だものね」
いつき「はっきりと、見ちゃった……」
13 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:36:57.29 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「何時頃でしたか」
いつき「知ってはいると思うけど、19時20分くらいかな」
亜里沙「ケイトさんが真鍋先生に呼ばれたと言ってますね」
いつき「酷い傷だったから、すぐに助けを呼んで……」
亜里沙「ケイトさんは準備室からかけつけた。その時、薫ちゃんは既に……」
いつき「意識はなかった。頭から出血していたから、すぐに応急処置をして……」
亜里沙「包帯は、救急箱から?」
いつき「うん。職員室の救急箱から」
亜里沙「真鍋先生は、職員室で薫ちゃんが階段から落ちるのを目撃し、すぐに救助に向かった」
いつき「うん」
亜里沙「ケイトさんを呼んだのはいつですか?」
いつき「ケイトさんを?それは、薫ちゃんの様子を見てからかな」
亜里沙「なぜ、ですか?」
14 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:39:19.10 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「どういうこと……?」
亜里沙「落ちた時に呼べば、良かったんじゃないですか」
いつき「そうだね……でも、慌ててたから」
亜里沙「救急箱は持って行けるのに?」
いつき「……それは」
亜里沙「その後に、救急車と薫ちゃんのご両親が来た」
いつき「……ええ」
亜里沙「救急車を呼んだのは、真鍋先生ですか」
いつき「そうだよ。ケイトさんは不安げだったから」
亜里沙「ケイトさん、取り乱していたみたい……」
いつき「ついさっきまで元気に話してた子が、ぐったりとしていたら、どう思う?」
亜里沙「……わかります」
いつき「救急車が到着したのは19時50分頃、すぐに薫ちゃんは病院に搬送されました」
亜里沙「真鍋先生とケイトさんがつきそいに?」
いつき「ええ、何が出来るわけではないんだけど……」
亜里沙「……」
いつき「9時までは居たんだけどね……命に別状はないってわかったし、ご両親にそれからは預けた」
15 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:41:48.90 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「……昨日のことは、それで終わり?」
いつき「うん。昨日起こったことはそれだけ」
亜里沙「……ごめんなさい、真鍋先生」
いつき「なに……?」
亜里沙「嘘、ついてますよね」
いつき「……」
亜里沙「……」
いつき「まるで、取り調べみたいだね」
亜里沙「否定しません」
いつき「……そう」
16 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:46:08.05 ID:
5mCv2Jgd0
5
亜里沙「聞きたいことがいくつかあります」
いつき「……どうぞ」
亜里沙「真鍋先生、本当に目撃したんですか」
いつき「ええ」
亜里沙「本当に?」
いつき「本当、だよ」
亜里沙「昨日、階段の下に何が落ちていたか知ってますか?」
いつき「ううん、覚えてない」
亜里沙「トンボがあったらしいの」
いつき「トンボ?校庭を整備する、あれ?」
亜里沙「はい」
いつき「なんのために?」
亜里沙「足跡を消すため、です」
いつき「……え?」
亜里沙「といっても、もう足跡含めて痕跡はありません。あの階段はいくらでも、使いますから」
いつき「……」
亜里沙「本当にトンボがあったかどうかもわかりません。ケイトさんが、言っていただけです」
いつき「……何が言いたい?」
亜里沙「その答えは後にしませんか。次の質問をしていいですか」
いつき「……どうぞ」
17 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:49:37.16 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「薫ちゃんの絆創膏、覚えてますか」
いつき「うん、もちろん。昨日の昼間につけたんだ」
亜里沙「真鍋先生がいつも持ってるものだものね」
いつき「そうそう。ぶつけてね、膝が内出血してるみたいだったから、それを隠すために、ね」
亜里沙「傷を隠すため……」
いつき「昼間の間に、注意しておけば、起こらなかったかもしれない」
亜里沙「不注意だったの?」
いつき「足元をみないで、遊んでいたようだから。鉄棒にぶつけたみたい」
亜里沙「……それを証言できますか」
いつき「……どういうことかな」
亜里沙「あの絆創膏、直前に貼ったんじゃないですか」
いつき「いいえ。ケイトさんとか、知ってるはずです」
亜里沙「ええ。ケイトさんと薫ちゃんの両親は、そう言ってました」
いつき「そうでしょ?」
亜里沙「でも、どうやらケイトさんの授業中は貼られてなかったみたいです。こずえちゃんが言ってました」
いつき「こずえちゃんが、ね……」
18 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:51:35.16 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「真鍋先生は、昼間に自分が注意していれば防げたかもしれない、という話で絆創膏の記憶を上書きした」
いつき「それで……?」
亜里沙「お医者さんに調べてもらいました。絆創膏の下の傷を」
いつき「……なにか、わかった?」
亜里沙「内出血でした。鉄棒にでも膝をぶつけたんじゃないか、と」
いつき「……え?」
亜里沙「どうかしました?」
いつき「それだけ?」
亜里沙「はい。次に行きましょう」
いつき「え、うん、いいけど……」
19 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:54:05.03 ID:
5mCv2Jgd0
6
亜里沙「真鍋先生、薫ちゃんはどんな様子でした?」
いつき「頭に大きな傷があって……」
亜里沙「出血していたんですよね」
いつき「うん……ひどい傷だった」
亜里沙「どこで傷がついたか、わかりますか」
いつき「階段の下の方かな、血もついてたし」
亜里沙「はい。そうだと思います」
いつき「コンクリートの階段だったし、角に当たるようなことがあれば……」
亜里沙「はい。だから、おかしくありませんか」
いつき「……何が?」
亜里沙「どんな傷がついていたか、教えてくれますか」
いつき「後頭部に、横にすっぱりと」
亜里沙「はい。だから、おかしくないかな」
いつき「……」
亜里沙「薫ちゃんは階段から落ちた」
いつき「そう、見たから。足を踏み外したのを……」
亜里沙「1階の職員室で」
いつき「うん」
亜里沙「もし、見えるのだったら頂点近くだけ」
いつき「……」
亜里沙「職員室から校庭の階段近くは死角になります。目撃できるとしたら、薫ちゃんが階段を踏み外したのが一番上の時だけ」
いつき「ええ」
亜里沙「それだと、あの傷はつきません」
20 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:55:44.99 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「……」
亜里沙「おそらく、薫ちゃんが足を踏み外しただけじゃない」
いつき「……なんで」
亜里沙「それだけじゃ、あの傷はつけられない。後頭部を階段下で強く打ちつけられない」
いつき「……言っちゃうの、そのことを」
亜里沙「薫ちゃんは突き落された、可能性があるの」
21 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 21:59:05.31 ID:
5mCv2Jgd0
7
いつき「……違う」
亜里沙「でも、それを否定しているのは一人だけです。ケイトさんは、準備室にいたようですから」
いつき「……」
亜里沙「真鍋先生、だけです」
いつき「そう。なら、聞いていいかな」
亜里沙「なんでしょう」
いつき「なら、誰が、突き落したの?」
亜里沙「話を聞いて来ました。まずは、ケイトさん」
いつき「職員室に来たのは、19時過ぎだったよ」
亜里沙「放課後授業が終わったのは19時ほんの少し前」
いつき「それから、多目的室の戸締りをして、職員室に」
亜里沙「そうみたいです。10分くらいに職員室へ」
いつき「ケイトさんが言ってたの?」
亜里沙「はい」
いつき「それなら信用できそうね。ケイトさん、良く腕時計見るし」
亜里沙「……ええ。その後は、準備室へ」
いつき「メアリーちゃんが授業道具を運んでくれて、ケイトさんはそこで別れた」
亜里沙「ケイトさんは後片付けをしていた。準備室で」
いつき「準備室は校舎1階西側つきあたり。窓は西側にしかない」
亜里沙「はい。だから、薫ちゃんがいた校庭側は見れない。そして、真鍋先生に呼び出された」
いつき「そうだね」
22 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:02:24.50 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「時刻は19時20分ごろ。大きな声だったようですね」
いつき「慌ててたから」
亜里沙「ケイトさんは、どこから出てきましたか?」
いつき「うーんと、東玄関からかな。上履きのままで」
亜里沙「はい。多分間違いないと思います」
いつき「ケイトさんを疑ってるの?」
亜里沙「……」
いつき「……どうしたの、持田先生、そんな人だったっけ?」
亜里沙「他の子達も確認しますね」
いつき「うん、お願い」
亜里沙「……なんで」
いつき「どうしたの?」
亜里沙「いいえ、なんでもないです。順番に確認していきますね」
23 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:05:37.09 ID:
5mCv2Jgd0
幕間
メアリー「ケイト!」
ケイト「Oh!」
メアリー「ほら、また英語で反応しようとしたでしょ!ケイトも日本語勉強するのヨ!日本にいるんだから!」
ケイト「オー、どっちが先生かわからないですネ。フフ」
メアリー「バイバーイ!」
ケイト「バーイ♪」
幕間 了
24 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:09:47.20 ID:
5mCv2Jgd0
8
亜里沙「授業終了後に、まず教室から出たのは、こずえちゃんでした。お母さんが迎えに、教室まで来たみたい」
いつき「うん。見たから」
亜里沙「校庭には行っていないですね?」
いつき「職員室の前を通って、校舎裏にある駐車場に向かった。お母さんに会釈されたかな」
亜里沙「はい。間違いないそうです。真鍋先生に会釈をしたと。反応してくれたみたいですね」
いつき「……調べてあるんだ」
亜里沙「こずえちゃんはそのまま帰宅しました。次に行きましょうか」
いつき「駐車場に向かう道を通った人なら、みんな見てるよ」
亜里沙「教えてください」
いつき「最初に、仁奈ちゃんとみりあちゃん」
亜里沙「はい。ケイトさんもそう言ってました」
いつき「すぐに帰ってないよね?」
亜里沙「いいえ。みりあちゃんのお父さんが迎えにくるそうだったのですが、少しだけ遅れて、19時15分くらいだったみたいです」
いつき「……そう」
亜里沙「……次は誰でした?」
いつき「千佳ちゃん」
亜里沙「はい。駐車場で待っていた、仁奈ちゃんとみりあちゃんもそう言っています」
いつき「次は、舞ちゃん。駐車場に行ったのはこれで全員」
亜里沙「そうですね。誰の証言とも矛盾してません」
25 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:11:47.40 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「他の子は、それぞれ帰ったんだよね?」
亜里沙「はい。まずは、千枝ちゃん」
いつき「階段を降りて行くのを見たよ」
亜里沙「はい。薫ちゃんが教室から出る前に、帰宅しています」
いつき「千佳ちゃんの後ぐらいだったかな。階段を降りて、校庭を横切って帰って行った」
亜里沙「はい。見ましたか?」
いつき「校門まで行くと、見えるようになるから。うん、赤いランドセルの子が帰って行くのを見たよ」
亜里沙「わかりました。次は、メアリーちゃんですね」
いつき「ケイトさんの後片付けを手伝ってたのよね?」
亜里沙「ええ。ケイトさんと舞ちゃんと一緒に部屋を出ました。ケイトさんがカギを閉めるのを見てから、舞ちゃんは駐車場へ。ケイトさんは職員室へ」
いつき「メアリーちゃんは、準備室に」
亜里沙「はい。その後、校舎東側にある階段を降りて、プールサイド横に出て、そこから帰りました」
いつき「私、メアリーちゃんは見てないんだ」
亜里沙「ケイトさんが、準備室の窓から帰ったのを見ています。手も振ってくれたそうで」
いつき「なら、時間もわかる?」
亜里沙「19時15分ごろですね」
いつき「メアリーちゃんは、用具室の隣を通ったの?」
亜里沙「あの、竹馬とか一輪車が入ってる小屋ですか」
いつき「うん。トンボもあそこに入ってるから、もしかしたら誰か見たかも」
亜里沙「いいえ。わざわざ回らないと、小屋には出て来れないので。校庭には行っていないようです」
いつき「……そうなんだ」
26 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:15:27.42 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「後は、薫ちゃんです」
いつき「……薫ちゃんの両親は来るのが遅れた」
亜里沙「はい。薫ちゃんのケータイに、メールが来てました」
いつき「舞ちゃんよりも少し前に、薫ちゃんは多目的室を出た?」
亜里沙「ええ。見てましたか?」
いつき「うん。校庭に一回降りて行って、戻って来たから」
亜里沙「千枝ちゃんが校庭で会ってますね。遅れるから、少しだけ遊んでるんだって」
いつき「……ええ」
亜里沙「それが、今回の事件につながってしまった」
いつき「……ご両親は自分達を責めてたかも。そんなこと、ないのに」
亜里沙「……昨日のことは以上です」
いつき「終わり?」
亜里沙「……はい」
いつき「誰も、薫ちゃんを突き落せないよ。だって、誰もいなかった。ケイトさんは準備室で、他の児童は事故の前にみんな帰ったんだから」
亜里沙「いいえ……います」
いつき「……」
亜里沙「あなたです、真鍋先生」
27 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:17:00.10 ID:
5mCv2Jgd0
幕間
みりあ「迎え、来ないねー」
仁奈「来ないでごぜーます」
みりあ「ごめんねー。妹がぐずっちゃったかも」
仁奈「いいでごぜーます。みりあお姉さんとお話するのも楽しーです」
みりあ「ありがとう、仁奈ちゃん♪」
舞「あ、みりあちゃん、仁奈ちゃん!」
みりあ「舞ちゃん!」
舞「えへへ、今日は楽しかったね♪」
みりあ「うん!」
仁奈「次が楽しみでやがります」
舞「えへへっ。お母さんが呼んでるから、行くね。ばいばーい」
仁奈「さようならでごぜーます」
みりあ「またねー!」
幕間 了
28 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:19:23.85 ID:
5mCv2Jgd0
9
いつき「……そうなるよね」
亜里沙「あの時間、校庭にいた可能性があるのは、薫ちゃんと真鍋先生だけです」
いつき「……」
亜里沙「あなたの証言は、嘘なんですね」
いつき「……」
亜里沙「どうなんですか……真鍋先生」
いつき「持田先生に隠し事は出来ないかな。いや、昔からしてないけどね」
亜里沙「……」
いつき「そうだよ。薫ちゃんが階段から転落したっていうのは、嘘だよ」
亜里沙「……」
いつき「……突き落したのは、私だよ」
29 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:21:41.60 ID:
5mCv2Jgd0
幕間
ケイト「ハーイ、今日の授業はここで終わりデス。メアリー?」
メアリー「とっても良かった!皆、アタシみたいなレディーになる日も近いワ!」
ケイト「良いジョークデス。号令をお願いします」
みりあ「きりーつ!ちゅーもく!れい!」
一同「ありがとうございました!」
ケイト「いい挨拶ですネ」
千枝「こずえちゃん、お母さん来てるよ」
こずえ「ふぁー。今行くのー」
ケイト「サヨウナラ」
こずえ「Good Bye. See you again」
キャシー「ワォ!飲み込みがはやいのネ、こずえ!」
幕間 了
30 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:23:42.62 ID:
5mCv2Jgd0
10
いつき「……不思議だよね」
亜里沙「……」
いつき「あれだけさ、持田先生にも偉そうなこと言ってさ」
亜里沙「……」
いつき「でも、所詮はこんなもんだった」
亜里沙「……」
いつき「教え子、突き飛ばして、意識不明にさせるなんてね」
亜里沙「……」
いつき「あーあ、なんかね、疲れてたのかも。向いてなかった」
亜里沙「……」
いつき「元気というよりは、手のやく子供だったんだ。だから、ね」
亜里沙「……」
いつき「やっちゃいけないことやったのに、こんなに冷静だし、やっぱり」
亜里沙「……」
いつき「ずっと憧れてきたし、努力してきたよ。いい先生になりたいって」
亜里沙「……」
(亜里沙:唇をかむ)
31 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:25:26.59 ID:
5mCv2Jgd0
いつき「でも、違った。無理な夢だったみたい」
亜里沙「……」
いつき「私自身も持田先生も騙していたみたい」
亜里沙「……やめてください」
いつき「……なに」
亜里沙「私の憧れを、それ以上、侮辱すると、怒りますよ」
いつき「……ごめんね。警察に出頭する」
(いつき:立ち上がろうとする)
亜里沙「座ってください」
いつき「これ以上、何か知りたいの?」
亜里沙「私の憧れは変わってないです」
いつき「……どういうことかな」
亜里沙「真鍋先生は変わってないの。あなたは犯人じゃない……」
いつき「いいえ、あなたが信じたいのはわかるけど……それは違うよ」
亜里沙「……私も嘘をつきました」
いつき「……何を」
32 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:27:06.02 ID:
5mCv2Jgd0
亜里沙「薫ちゃんの傷は転落ではなくて、もっと可能性の高い方法があります」
いつき「……」
亜里沙「地上側から、階段に向かって突き出された。その勢いで後頭部を強打した可能性が、高いと、思います」
いつき「違う……私がやったの、私が突き落したの!」
亜里沙「違います……突き落してないです。全部、嘘です」
いつき「……」
亜里沙「……座ってください。お願いします」
いつき「……ええ、そうよ」
33 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:43:44.75 ID:
jwpSfX5+0
11
いつき「ええ、突き落してない。薫ちゃんが傷を負ったのは、校庭側」
亜里沙「……そう思います」
いつき「でも、それだけ。私がやったことは……変わらない」
亜里沙「どうして、突き落したと言ったんですか」
いつき「事故に見せたかったから」
亜里沙「……いいえ」
いつき「……ならなんだと思うの?」
亜里沙「意図をもった傷害事件だと思わせないため」
いつき「そうだね。突き落したなら、もののはずみだけど、校庭側ならそうともいかないから」
亜里沙「……そうしたら」
いつき「厳しい刑は避けられない」
亜里沙「だから、事故とした」
いつき「そう、私は保身のため、嘘をついた」
亜里沙「……」
いつき「どうしたの?」
亜里沙「聞いていい、ですか……」
いつき「……これ以上、何を?」
34 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:44:37.09 ID:
jwpSfX5+0
亜里沙「トンボはなんで使ったんですか」
いつき「何って……持田先生が言ったでしょう、足跡を消すため」
亜里沙「消す必要が、ないんです」
いつき「……なんで?」
亜里沙「目撃者として、ずっと現場にいたからです。足跡があって、当り前なんです」
いつき「……あ」
亜里沙「その場にいるのに、消す必要がないんです。なら、なぜ、消そうと思ったのですか」
いつき「隠そうと必死で……」
亜里沙「トンボはどこにあるか、わかりますか」
いつき「……用具小屋」
亜里沙「校庭の東端です。そこまで遠くもありませんが、離れるほうが、危険だと思いません?」
いつき「……」
亜里沙「でも、行かないといけなかった」
いつき「……なんのために」
亜里沙「何かを隠しに行った」
35 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:45:30.38 ID:
jwpSfX5+0
いつき「……」
亜里沙「例えば、鉄の棒、遊具の竹馬がありますね」
いつき「……なにが言いたいの」
亜里沙「膝の傷、おそらく人為的な打撲痕です」
いつき「……そう。ええ、そう。自分でつけた傷を、自分で手当てして……間抜けだよね」
亜里沙「……真鍋先生」
いつき「薫ちゃんに、それが出来るのは私しかいない。だから」
亜里沙「……いいえ。違います」
いつき「何が言いたいの?」
亜里沙「凶器とトンボにより足跡を消すのに、時間がいります。だから、思い当たることはひとつ」
いつき「……」
36 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:47:36.74 ID:
jwpSfX5+0
亜里沙「薫ちゃんが傷を負った時刻が、違うんです」
いつき「いいえ、薫ちゃんが傷を負ったのは、20分で間違いない。私が、やった私が言うんだから」
亜里沙「……少しだけ早ければ、残っている人は、います」
いつき「……」
亜里沙「あなたは時間をかけて、証拠を消し、傷の手当をした」
いつき「違う!もう、あの時には誰もいなかった!駐車場にも!」
亜里沙「……なんで、なんで知ってるんですか」
いつき「……」
亜里沙「なんで、その時点で駐車場を確認してるんですか。すぐにケイトさんを呼べばよかったんじゃないんですか……」
いつき「……」
亜里沙「あなたは、薫ちゃんが傷を負った時間を誤認させた。あえて、助けを呼ぶのを遅らせたんですね」
いつき「……」
亜里沙「包帯、とても綺麗に巻かれていたそうです。焦らず、丁寧にやったんじゃないかって、看護師さん、言ってました」
いつき「……だから」
亜里沙「時間をかけて治療を行った。薫ちゃんが怪我を負ったのは、20分より前」
いつき「それは、私が混乱してて……」
亜里沙「混乱してる手際じゃない、って言いました」
いつき「……」
亜里沙「それをした理由は、」
いつき「……理由なんて」
亜里沙「自らの犯罪の隠ぺいじゃありません。誰かをかばうための、もの」
37 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:48:45.96 ID:
jwpSfX5+0
幕間
千佳「ルルーン!スーパーマジカルパワーでメルヘンチェーンジ!ラブリーチカ、がんばっちゃいま……」
仁奈「……」
みりあ「……」
千佳「……ま、待ってたんだ」
みりあ「ブイ♪はーい、じゃあ、みりあも魔女っ子やるー!」
仁奈「仁奈にマスコットキャラを任せやがってください!」
千佳「えへへー♪また今度、遊ぼうね!ばいばーい!」
みりあ「ばいばい!」
仁奈「さようならでごぜーます」
幕間 了
38 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:50:09.67 ID:
jwpSfX5+0
12
いつき「……違う」
亜里沙「……違いません」
いつき「違う!私が、私が犯人なの!」
亜里沙「……いいえ。真鍋先生は犯人ではありません」
いつき「全部想像でしょ!そんなことで、子供達を疑わないでよ!」
亜里沙「……子供達の中にいるんですか」
いつき「ち、違う!」
亜里沙「疑問な点があります。どうして、気づいたんですか」
いつき「何に……」
亜里沙「職員室からは、薫ちゃんが見えません。階段下に倒れていたのに」
いつき「それは!」
亜里沙「なんで、怪我していることに気が付いたんですか」
いつき「そんなの私がやったからに……」
亜里沙「犯人は、あなたの目の前を通ったんですね。階段を上がってきて」
いつき「……」
亜里沙「真鍋先生なら、様子が違うことに気づけると思います。だって、真鍋先生だから」
いつき「……そんなこと」
39 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:51:11.10 ID:
jwpSfX5+0
亜里沙「そして、様子を見に行った。犯人が上がってきた階段の下を」
いつき「……」
亜里沙「薫ちゃんの様子を見て、あなたは全てを理解した。そして、犯人をかばった」
いつき「……」
亜里沙「犯行の時間と詳細だけが嘘だった。犯人は正直に帰った時刻を言っても、疑われない」
いつき「……」
亜里沙「この時間帯に学校にいて、他の子に犯行を見られず、あなたの証言が嘘だった子が犯人です。つまり……」
40 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:52:10.15 ID:
jwpSfX5+0
いつき「持田先生!」
(いつき:机を叩く)
亜里沙「……!」
いつき「言わないで」
亜里沙「……認めますか」
いつき「いいえ。認めない」
亜里沙「なんで……」
いつき「私は、先生だから」
41 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:55:12.46 ID:
jwpSfX5+0
13
いつき「もし、傷害事件だとわかったらどうなるかな」
亜里沙「……」
いつき「報道される。世間に明らかになる。被害者はもちろん、犯人も、この学校も」
亜里沙「少年法は……」
いつき「それは、人の口をふさげる?」
亜里沙「……」
いつき「わかるよね。好奇心の目にさらされる。そして、意識しないといけなくなる」
亜里沙「何を……?」
いつき「人の目を。それだけで傷つくのに。人々はそれじゃ納得しない」
亜里沙「……」
いつき「そう、傷ついているように見せないといけない。時には犯罪者と同じように見られ、扱われる。そして、自分で自分を傷つける。自分はこんな存在なんだって」
亜里沙「……」
いつき「だから、守るの。被害者も犯人も、この学校の子供は誰も傷つけさせない」
亜里沙「だから……全部、自分が背負うのですか」
いつき「……そうだよ」
42 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:58:58.86 ID:
jwpSfX5+0
亜里沙「そんな、そんなのって」
いつき「なら、誰が守ってくれる?私がやらなかったら、誰が守るの?」
亜里沙「それは……」
いつき「答えられないよね。だから、私は言わない」
亜里沙「……真鍋先生」
いつき「確認していいかな」
亜里沙「……何をですか」
いつき「私が証言しないと、何もわからない、よね」
亜里沙「……」
いつき「私が犯人だと名乗れば、その通りに」
亜里沙「……」
いつき「今のままなら、事故。学校と私が責任を取る」
亜里沙「変える気は、ありませんか」
いつき「ない」
亜里沙「そんな……」
いつき「私はあなたが話したこと、全て認めない。それで、終わり」
亜里沙「……」
ピリリリリ……
43 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 22:59:53.34 ID:
jwpSfX5+0
いつき「時間みたい。タイマーとめるよ」
亜里沙「……はい」
いつき「これで、おしまい。またね、亜里沙」
亜里沙「真鍋先生……」
いつき「私はなれなかったから、良い先生になってね。亜里沙せんせい」
亜里沙「いつき先輩、待って!」
いつき「……ばいばい」
(いつき:退場)
亜里沙「いつき先輩……どうして……」
44 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:01:32.87 ID:
jwpSfX5+0
幕間
千枝「薫ちゃん、まだ遊んでるんだ」
薫「うん!ママのお迎えがね、遅れちゃうから、遊んでるんだー。一緒に遊ぶ?」
千枝「ううん、遅くなる前に帰らなきゃ」
薫「そうなんだ……」
千枝「ごめんね。気をつけて遊んでね」
薫「はーい」
千枝「ばいばい」
薫「千枝ちゃん、またねー!」
幕間 了
45 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:04:07.73 ID:
jwpSfX5+0
14
SWOW部室
亜里沙「……私の話は、終わり」
亜季「むー、実に厳しい話ですなぁ」
惠「……ええ」
久美子「その、真鍋先生は犯人をかばったのよね」
恵磨「犯人をかばってるなら、共犯だー、って強く言えるけど」
亜季「守ってるものが違うでありますからなぁ」
久美子「被害者と周りを助けるため、だものね」
惠「……正しいことだとは思えないけど」
恵磨「覚悟はかたそうだった?」
亜里沙「……はい」
惠「……」
久美子「時子ちゃんはどう思う?」
時子「……」
恵磨「時子ちゃん?」
時子「……ふん。大変だったわね、亜里沙。こっちに来なさい」
亜里沙「……うん」
時子「顔見せなさい」
亜里沙「……泣き腫れてないかな」
46 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:06:27.02 ID:
jwpSfX5+0
時子「気にしないでいいわ。だって」
バチーン!
亜里沙「……え」
恵磨「あわわわわ!なんでビンタするのさ!」
時子「バカじゃないの!」
久美子「そんな言い方は……」
時子「あのねぇ、その先輩、亜里沙の大切な人なんでしょう。そんな人、そのままにしていいと思ってるわけ?」
亜里沙「そんなわけじゃ……」
時子「それなのに、おめおめ帰って来たわけ?信じられないわ」
亜里沙「……」
時子「いい、バカみたいな報道とか世間の目とか、バカな奴らが悪い奴に決まってるわ。少なくとも、そんな奴らに育てたわけじゃない、その先輩が責任を取ることじゃない」
惠「……そうね」
時子「このままじゃ認めるだけよ。真鍋いつきが危惧している状態でいいと、認めてしまうだけよ。それでいいの、亜里沙?」
亜里沙「ううん……」
時子「当然よ。それの変えるのが、あなたの仕事でしょう。違うかしら、亜里沙」
亜里沙「……うん」
時子「よろしい。私の言いたいこと、わかるわね」
亜里沙「……」
47 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:08:21.04 ID:
jwpSfX5+0
時子「惠」
惠「わかったわ」
亜季「え、わかるでありますか」
惠「行く気はある、亜里沙ちゃん?」
亜里沙「……はい」
時子「よろしい。ひっぱたいて、目を覚まさせてきなさい。いいわね?」
亜里沙「……わかった。行ってくる。惠ちゃん、よろしくね」
惠「ええ。行きましょう」
亜里沙「……言ってたな」
久美子「何を?」
亜里沙「正しいことができないと、お手本になれないよ、って」
時子「そう。聞かせてやりなさい」
亜里沙「自分の言ったことくらい、思いださせなきゃ。行ってきます!」
エンディングテーマ
A Modelist
歌 持田亜里沙
48 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:11:37.19 ID:
jwpSfX5+0
オマケ
数十分後
SWOW部室
太田優「ただいまぁー!」
太田優
S大学教育学部。亜里沙と同期間、母校で教育実習を行った。
恵磨「あ」
亜季「あら」
久美子「あー」
時子「忘れてたわ」
優「なぁにぃ、この空気?」
時子「……教育実習はどうだったかしら?」
優「母校だったしぃ、楽しかったよ☆女子校っていいよねー♪」
久美子「……まぁ、亜里沙ちゃんが特別だっただけよね」
亜季「……そうでありますな」
優「あれ?亜里沙ちゃんと惠ちゃんはー?」
時子「時期に帰ってくるわよ。心配しなくていいわ」
優「ふーん……あ、そうだ、お土産あるんだ☆」
恵磨「お、なになに?」
時子「あら、気がきくじゃない」
優「はい、どーぞ♪いっぱいあるよー」
亜季「落花生……」
久美子「見事なまでの千葉土産ね……」
おしまい
49 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/08(金) 23:33:48.34 ID:
jwpSfX5+0
あとがき
小学校にいたら誰がいいかな、と考えた結果が真鍋いつき先生。
そんな邪念で書いたのに内容はこんなのに。
それでは、また
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/09(土) 00:45:42.49 ID:Xg8VdY5e0
乙
短いのもいいね
犯人わからん
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/09(土) 01:16:04.54 ID:l+H3+heb0
え、犯人わからずじまいなのん?
とりあえず乙……
53 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/09(土) 11:36:24.68 ID:
YaOFG+AA0
一応、時系列表でも書けば犯人の目星はつくんじゃないかな
話的には、いつきが言わない以上は「わからない」ままでいいんですが
次回予告だけ投下しておきます
54 :
◆ty.IaxZULXr/ 2014/08/09(土) 11:39:49.13 ID:
YaOFG+AA0
次回予告
関裕美「その銃で撃って。あなたが……止めて」
裕美「幸せなまま……終わらせて」
大和亜季「7人が行く・ハッピーエンド」
近日公開
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/09(土) 15:16:04.37 ID:FudEc6Z2O
短いながらに頭使う回だったなぁ...
なんにせよ乙ー次回作も期待してま
元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407499766/
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だから千枝ちゃんだと思うが