2 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:03:57.24 ID:
xusFoj7Jo
おじいさんは山へ芝刈りに、おば……美しい女性は川へ洗濯にいきました
礼子「ふううぅ……川で洗濯なんて面倒よね。ドラム式洗濯機はないのかしら?」
礼子「あら? 上流から何か流れてくるわ?」
礼子「何かしら?……桃?」
礼子「まあ、普通は川から流れてきた桃なんか拾わないわよね」
礼子「スルーしましょ」
どんどん
礼子「桃から音がするわ。わかったわよ…うるさいわね」
礼子「今日のPくんの晩ご飯はこれでいいかしら」
礼子「よいしょっと」
女性はその桃を家に持ち帰りました
3 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:04:43.43 ID:
xusFoj7Jo
やがておじいさんが山からかえってきました
P「ただいま帰りました」
礼子「お帰りなさい♪ あ・な・た♪」
P「……」
礼子「ご飯にする? お風呂にする? それとも…わ・た」
P「一人で寝ます」
がしっ
礼子「待ちなさい。それじゃ話が進まないでしょ」
P「えー」
礼子「今日の成果はどうでした?」
P「今日はあまりよくなかったですね。とりあえず、何人かに名刺を渡してきました」
礼子「スカウトしてくるんじゃないわよ! こんなに美しい嫁がいてまだ不満なわけ?」
P「そ、そうじゃないですよ、おば」
どすっ
P「ひいいっ! あと3センチずれてたら包丁刺さってますよ!!」
礼子「ば? 何?」
P「ば、ば……バーネットは今年大丈夫ですかね?」
トニー・バーネット
礼子「問題ないわ。2012年の33セーブを超える活躍をしてくれるはずよ」
P「そ、そうですか……」
P(ヤクルト好きなのかな?)
4 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:05:37.18 ID:
xusFoj7Jo
礼子「とりあえず桃をきっちゃいましょ」
ざくっ
ぱかっ
礼子「あら?」
P「おお」
??「おはよーでごぜーます」
中からはキグルミを着た元気な女の子がとびだしてきました
女の子は仁奈と名付けられ、すくすくと成長しました
市原仁奈(9)
5 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:06:59.36 ID:
xusFoj7Jo
そして、ある時
P「はぁ……」
仁奈「どうしたでごぜーますか?」
P「ん? ああ、最近なこの辺りに悪い鬼が来て、みんなに迷惑かけてるんだ」
仁奈「鬼でごぜーますか?」
P「おかげでスカウトも……」
礼子「……」ギロリ
P「と、とにかくみんな困ってるんだ」
仁奈「わかったでごぜーます。仁奈がこらしめてやるですよ!」
P「本当か?」
仁奈「任せてくれです。約束しやがりますよ」
P「でも鬼はすごく怖いらしいぞ」
仁奈「どんな風に怖えーですか?」
P「怒ったら暴力的になる。礼子さんみたいにな」
仁奈「じゃあ、いつも見てるからだいじょーぶでごぜーます」
P「それもそうか。あはははは」
じゃきっ
礼子「あなた、ちょっとこちらへ」
P「ひいいいいい!」
6 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:07:43.96 ID:
xusFoj7Jo
礼子「仁奈ちゃん、これを持って行って」
仁奈「これはなんでごぜーますか?」
礼子「きびだんごよ。お腹が空いたら食べなさい」
仁奈「ありがとうごぜーます」
礼子「鬼たちは鬼ヶ島にいるらしいわ。一人じゃ危ないから誰か連れていきなさい」
仁奈「だったら礼子おねーさまがいいですよ」
礼子「私は無理よ。か弱い乙女なんだし」
P「年齢的にもですね」
礼子「……先にこの人を懲らしめなきゃいけないからね」
P「ひいいっ…」
仁奈「わかりましたですよ! 仁奈におまかせしやがれです」
礼子「気をつけていってらっしゃいね~」
仁奈は荷物を整えて旅立ちました
家からおじいさんの悲鳴が聞こえたような気がしました
7 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:08:35.91 ID:
xusFoj7Jo
やがて道を歩いていると、動物たちが道をふさぐように言い争っていました。
仁奈「おお。どうぶつさんがいやがりましたよ」
仁奈「こっそりみてみるです」
仁奈はこっそり草むらからのぞいてみました。
8 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:09:34.86 ID:
xusFoj7Jo
拓海「だから、バイクでかっ飛ばすほうがいいに決まってんだろ! このクソワン公が」
向井拓海(18)
涼「は? ロックガンガンかけながらシャウトがサイコーなんだよ! エテ公にはわかんねーか」
松永涼(18)
拓海「んだと!?」
夏樹「まあ、バイクに乗りながらロック聞くのが最高なんだけどな」
木村夏樹(18)
涼「うるせートサカ頭」
拓海「ニワトリのくせに空飛んでんじゃねえよ」
夏樹「誰がニワトリだ! キジだよ! キジ!!」
9 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:11:45.10 ID:
xusFoj7Jo
ぐううううう
拓海「ちくしょー。ハラ減ったぜ」
涼「アンタのせいでファミレス追い出されたんだからな」
拓海「ドリンクバーでケツ触ったバカがいたから、しゃーねーだろ」
夏樹「だからって半殺しにすることねーじゃん」
拓海「うっせえ。終わったこといつまでも言うな」
涼「でも、どうすんだよ?……これから」
仁奈「話は聞かせてもらいやがりましたよ!」
10 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:12:33.33 ID:
xusFoj7Jo
拓海「なんだ? おめーは?」
涼「あらま、カワイイ」
夏樹「どうした? 迷子にでもなったのか?」
仁奈「仁奈はここにきびだんご持ってやがりますよ。仁奈の家来になったらこれをあげるです」
拓海「なんで、あたしらが家来にならなきゃなんねーんだよ?」
涼「アタシは別にいいけどね」
拓海「お前は小さい子が好きなだけだろ」
涼「うっせ」
11 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:13:33.61 ID:
xusFoj7Jo
夏樹「まあ、待てよお前ら……なあ、なんで家来がほしいんだ?」
仁奈「仁奈はこれから、鬼ヶ島に鬼をやっつけにいかなきゃなんねーですよ」
夏樹「なるほど。それで手助けできる家来がほしいってことか」
仁奈「そうでごぜーます。お姉さんたち強そうなんで、一緒に行ってくれると助かるですよ」
涼「アタシはいいよ。こんな小さな子ほっとけないじゃん」
夏樹「まあ、他にやることもねーしな。拓海はどうする?」
拓海「そこまで言われちゃしゃーねーだろ」
仁奈「ありがとうごぜーますだ。これ、食べてくだせー」
夏樹「忠誠の証代わりにか。腹も減ってるし、遠慮なくいただくよ」
涼「でも、これ3つしかないじゃん。仁奈のぶんは?」
仁奈「仁奈はいらねーですよ。みんなで食ってくだせー」
12 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:14:23.00 ID:
xusFoj7Jo
拓海「そんじゃ、いただくぜ」
ぐうううぅ
仁奈「あううぅ……」
涼「腹減ってんじゃん」
夏樹「正直に言いなよ。ほら、全員で半分づつにしようぜ」
仁奈「でも……」
夏樹「大将が腹ぺこじゃ勝負になんないだろ。ほら」
涼「アタシも半分でいいや」
拓海「あ、あたしは腹減ってるし!」
涼「……」
夏樹「……」
拓海「わ、わーったよ! ほら、半分」
仁奈「あ、ありがとうごぜーます」
13 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:15:12.60 ID:
xusFoj7Jo
夏樹「んじゃ、いただこうか」
ぱくっ
涼「ん?」
夏樹「おっ?」
拓海「うめーじゃん! 体に力が溢れてくる感じだぜ!!」
夏樹「これ、どうやって作ったんだ?」
仁奈「よく知らねーですが『すたどり』ってのを、混ぜてるって礼子さん言ってたですよ」
涼「なるほど。半分食ったからスタドリハーフってことか」
仁奈「そういう……こと……で……ごぜ…ZZz」
涼「寝ちまったぞ」
夏樹「まあ、1.5人分食ってるからな。力が余りすぎて寝ちまったんだろ」
涼「しょうがねえな。おぶっていくか」
拓海「よっしゃ! んじゃ鬼ヶ島に殴りこみに行くぜ!!」
夏樹「お前、イキイキしてんな」
14 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:16:35.95 ID:
xusFoj7Jo
こうして仁奈一行は鬼が島を目指して歩き始めました。
やがて、海岸に辿り着きました。
海の向こうには鬼ヶ島が見えます。
夏樹「あれが鬼ヶ島か」
涼「でも、どうする? 夏樹は空飛べるからいいけど、あたしらは泳いでいくにも遠すぎるよ」
夏樹「船でもあればなあ」
拓海「お? おまえらちょっと待て」
涼「ん?」
15 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:18:26.04 ID:
xusFoj7Jo
みく「おさんぽ おさんぽ たのしいにゃあ♪」
前川みく(15)
みく「おひさまぽかぽか。こんな日はお船を浮かべておひるねするにゃあ」
みく「あれ? え?」
みく「ない! みくのおふねがなくなってるにゃ!!」
みく「ん? この書き置きはなんだにゃ?」
『船をしばらくかりるぜ 夜露士苦』
みく「……え、ひどくない?」
16 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:19:44.48 ID:
xusFoj7Jo
夏樹「勝手に船出してよかったのかよ?」
拓海「緊急事態だ。しゃーねーだろ」
涼「なんで、あたしが漕がなきゃなんないのさ?」ギーコギーコ
拓海「じゃんけんに負けたお前が悪い」
涼「きたねーぞ! 犬の手じゃグーとチョキだせねーじゃん!」
拓海「知るか。キャンキャン吠えてねーで早く漕げ」
涼「覚えてろよ」
拓海「んで、うちの大将はどうなんだ?」
夏樹「ぐっすり寝てるよ。お気楽なもんだ」
仁奈「すうぅ……すうぅ……」
拓海「んじゃ、起きる前にさっさと鬼どもぶっ倒すか」
17 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:20:21.23 ID:
xusFoj7Jo
一行は鬼ヶ島にたどり着きました
鬼ヶ島には鬼たちが住む城があります
そして城の前には大きな城門がそびえ立っていました。
18 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:21:36.74 ID:
xusFoj7Jo
涼「でっけえ城門だな、おい」
夏樹「10メートルくらいありそうだな」
拓海「デカかろうがどうだろうが関係ねーよ。正面突破あるのみ!」
??「待ちたまえ、君たち」
拓海「なんだ?」
真奈美「ここを通りたくば、私を倒してから行くんだな」
木場真奈美(25)
拓海「早速、一匹出てきやがったか。いいぜ、あたしが相手してやんよ」
真奈美「ほう。なかなか腕に覚えがありそうだね? どうだい? ボクシングで勝負ってのは?」
拓海「好きにしな。あたしはブッ倒せんならなんでもいいぜ」
真奈美「君は試合用のグローブをつけたまえ。私はダメージの残りにくい練習用のグローブをつけよう」
拓海「ナメやがって……あとで後悔すんなよ」
夏樹「お、おい……拓海!」
拓海「これはタイマン勝負だ。邪魔すんじゃねえぞ」
夏樹「やれやれ…」
19 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:22:39.47 ID:
xusFoj7Jo
かーん
拓海「先手必勝!! くたばりやがれっ!!!」
ひょい ひょい
真奈美「ふむ……言うだけあって、なかなかスジはいいな……だが」
どすっ
拓海「ぐはっ!!」
真奈美「ガードが甘い」
拓海「くっそぉ……」
真奈美「かつて、ヘビー級王者を何人も排出した伝説のコーチに仕込まれた本格派だ。あきらめて、タオルを投げたまえ」
拓海「ふっざけんなああ!!」
20 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:23:44.02 ID:
xusFoj7Jo
涼「あのバカ、頭に血が上ってんな……ちょっと加勢してくるわ」
夏樹「仁奈はどうすんだよ?」
涼「見つかると面倒だ。そこの茂みに寝かせておくよ」
夏樹「一人で大丈夫か?」
涼「なんとかなるだろ。いってくる」
21 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:24:36.86 ID:
xusFoj7Jo
涼(どうやらあの女には気づかれてないようだな)
涼(まともにぶつかったら厄介だ)
涼(よし! 背中を向けたな、今だ!!)ダッ
??「お待ちなさい」
涼「なに?」
クラリス「この試合は神の御名のもとに執り行われる神聖なもの。いかなる邪魔も許されません」
クラリス(20)
涼「悪いね。そんな呑気なこと、こっちは言ってらんないのさ。あんたもケガしたくなかったら下がってな」
22 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:25:19.81 ID:
xusFoj7Jo
クラリス「そうですか……では、私の目を見てください」
涼「へ?」
ばちばちっ
涼「ぐはっ!!」
涼(な、なんだ? 体が動かねえ!?)
クラリス「しばらくはそのままでいてください。さもなくば神の雷があなたのもとに降り注ぐでしょう」
涼(なんだ、こいつ……目を見た瞬間、体がしびれてくる……)
23 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:26:22.77 ID:
xusFoj7Jo
夏樹「こいつはまずいな……一時撤退して体勢を立て直すか」
夏樹「とりあえず、拓海だけでも助けねえとな」
ばさばさっ
夏樹「よし、この高さなら大丈夫だろ」
夏樹「急降下で一気に助けだすか」
24 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:27:17.88 ID:
xusFoj7Jo
??「……侵入者……発見した」
夏樹「へ?」
のあ「……私達の土地を……騒がすもの……排除するわ」
高峯のあ(24)
夏樹「ウソだろ?! 15メートル以上あんだぜ!? あんたも飛べるのか?」
のあ「……普通に……跳躍した」
夏樹「ふざけんな! なんでメイド服でそんなにジャンプできんだよ!!」
のあ「……眠りなさい」
ばきっ
夏樹「ぐわっ!!」
ひゅーん
どかーん
夏樹「っててて……なんなんだよ……こいつら」
夏樹「門番クラスでこの強さかよ……シャレになんねえな」
25 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:28:20.29 ID:
xusFoj7Jo
仁奈「待ちやがれですよっ」
真奈美「……」
クラリス「……」
のあ「……」
仁奈「仁奈の家来をいじめたら許さねーですよ」
真奈美「おやおや、ずいぶんとカワイイ大将さんだ」
仁奈「ここからは仁奈が相手になるです!!」
拓海「ば、バカ野郎っ!! すっこんでろ!!」
涼「アンタじゃ無理だって!」
夏樹「いいから、逃げろ!!」
26 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:29:16.40 ID:
xusFoj7Jo
仁奈「とりゃああああ」
とてとてとてとて
どたっ
真奈美「コケたな」
クラリス「転びましたね」
のあ「……転倒」
仁奈「ふぐっ………うぐぐっ……ふぇ……」
真奈美「おいおい、大丈夫かね?」バッ
クラリス「あらあら」タタタタ
のあ「……大丈夫かしら」タタタタタ
27 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:30:38.08 ID:
xusFoj7Jo
仁奈「ふぇぇ……ぐすっ……」
真奈美「だいじょうぶ、すりむいただけだよ」
クラリス「いたいのいたいの、とんでけ~♪」
のあ「……消毒しましょう」
仁奈「うぐぅ……ぐすっ…………えいっ!」
ぽか ぽか ぽか
真奈美「いたっ」
クラリス「いたい」
のあ「……いたい」
仁奈「ぐすっ……ぐすっ……どうだ! 参ったでやがりますか!」
28 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:32:11.06 ID:
xusFoj7Jo
真奈美「……はははっ! こいつは一本取られた! 私達の負けだ」
仁奈「ほんとうでごぜーますか?」
クラリス「負けてしまいましたわ。お詫びにおやつでもいかが?」
仁奈「おやつ!!」
クラリス「のあさん、ティーセットを用意してもらえるかしら?」
のあ「……了解した……89秒で用意するわ」
仁奈「仁奈はカルピスしか飲めねーですよ」
のあ「……わかったわ……103秒待ってくれる?」
仁奈「ついでに門を開けてもらえねーですか?」
真奈美「いいとも。城の中でゆっくりと過ごすとしよう」
仁奈「わーい! みんな、やったですよ!!」
拓海「あたしら……」
涼「いったい……」
夏樹「なんだったんだよ……」
29 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:34:16.91 ID:
xusFoj7Jo
こうして仁奈たちは、3人の門番の招き入れで城の中に入ることが出来ました
そして、温かい飲み物とおいしいおやつを振る舞ってもらいました
仁奈「ところでモグモグ……ふぁいひょうはほほへ」
真奈美「ははは。ゆっくり食べていいんだよ」
クラリス「お口についてますよ」
のあ「……拭いてあげる」
仁奈「んー……ありがとうですよ。鬼の大将はどこにいやがるですか?」
真奈美「この上の天守閣だ。そこにいる」
仁奈「わかったですよ。それじゃあ行ってくるです」
真奈美「気をつけたまえ。ウチの大将は我々よりはるかに強い」
拓海「マジかよ……まだそんなのが残ってんのか」
クラリス「まともに行ったところで返り討ちでしょうね」
涼「どうする? いったん出直す?」
のあ「……無理よ……この後はさらに……城壁を堅固にする予定」
夏樹「つまり、今がラストチャンスってわけか」
30 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:36:14.96 ID:
xusFoj7Jo
仁奈「仁奈は今行きてーです。Pさんと礼子さんに約束したですよ。やっつけるって」
夏樹「でもな……あたしらはさっきの戦闘で体力的に厳しいぞ」
拓海「うだうだ考えてもしゃーねーだろ。鬼が出るか蛇が出るか、突進あるのみよ」
涼「出るのは鬼だろ」
夏樹「そうだな……いざとなったらあたしらが盾になる。仁奈は絶対守ってやるからな」
仁奈「みんな……ありがとうですよ!」
31 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:37:38.69 ID:
xusFoj7Jo
仁奈たちは大将のいる天守閣を目指しました。
天守閣には大広間がありました
夏樹「ここが大広間か。さすがにデカイな」
拓海「んで? 大将はどこだよ?」
涼「奥に誰か座ってるぞ」
??「よくここまで来れましたね」
仁奈「お前が鬼の大将ですか!?」
ちひろ「いかにも。私が鬼を仕切る大将よ」
千川ちひろ(??)
仁奈「お前のせいでみんな迷惑してるですよ! やっつけてやるです!」
32 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:39:17.75 ID:
xusFoj7Jo
ちひろ「やっつけてどうするの?」
仁奈「みんなから奪い取ったお宝を取り返しやがります!!」
ちひろ「私の……宝を……?」
ちひろ「そんなことが許されると思ってるの?」
ごーーーっ
拓海「うおっ! すげえ気迫だ! 台風みたいな風だぞ?!」
涼「まともに立ってらんないよ!」
夏樹「そこまで執着するってのは、とんでもないお宝みたいだな」
33 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:40:09.84 ID:
xusFoj7Jo
仁奈「仁奈に任せるですっ」
とたたたたたた
拓海「バカっ! 一人で行くなっ!」
夏樹「ちっ! この風さえなけりゃ!」
涼「仁奈! もどってこい!」
ちひろ「ふうん……」
34 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:41:29.42 ID:
xusFoj7Jo
ちひろ「ねえ」チョイチョイ
仁奈「なんでごぜーますか?」
とてててて
拓海「なんでノコノコ歩み寄ってんだよ!」
ちひろ「耳を貸して」
ちひろ「……」ボソボソ
仁奈「……」コクコク
35 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:42:22.72 ID:
xusFoj7Jo
ちひろ「じゃあ、やってみて」
仁奈「えいっ」
ぽくっ
ちひろ「うわー。やられたー」
仁奈「勝ったですよ!」
拓海・涼・夏樹「ウソだろーーーっ!?」
36 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:43:10.08 ID:
xusFoj7Jo
ちひろ「きー。おぼえてなさいー」
仁奈「お宝はどこです!?」
ちひろ「言わないわよー。この奥の部屋にお宝隠してるし、鍵もそこの棚にあるなんて言わないんだからー」
夏樹「なんつー棒読みの演技だよ」
涼「ウソくせー」
仁奈「あったですよ!」
拓海「マジかよ!!」
ちひろ「じゃあ、私は撤収しまーす。じゃあねん」ヒョイ
夏樹「本当に逃げやがった……」
拓海「とりあえず、お宝は……」
がちゃ
仁奈「これが……おたから……」
37 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:44:20.07 ID:
xusFoj7Jo
仁奈たちは車いっぱいのお宝を積んで家に戻ってきました。
仁奈「ただいま帰ったでごぜーます!」
P「おお! 仁奈お帰り!!」
礼子「ケガはなかった?」
仁奈「大丈夫でごぜーます。鬼はやっつけたですよ」
P「本当か? それはすごい」
仁奈「おたからも持って帰ってきました。そこの車に積んでるです」
礼子「おたから!! カルティエの指輪!! バーキンのハンドバッグ!!」
38 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:45:10.91 ID:
xusFoj7Jo
がらっ
礼子「え」
P「こ、これは……」
P「すごいぞ! 仁奈!! スタドリにエナドリ……プラチケに鍵クロまで。ものすごい数だ!!」
礼子「なーんだ」
P「これでフリトレからたくさんトレードできる!! よくやったぞ!! 仁奈」
仁奈「照れるでごぜーます……あ、あとこれも」
39 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:46:13.27 ID:
xusFoj7Jo
P「ん? 何だ? 紙?」
『請求書 1,200,000MC 指定の期日までに下記の口座までお振り込みください』
P「」
ばたん
仁奈「Pさんがぶっ倒れやがりました!」
こうして仁奈はいつまでもしあわせにくらしました
40 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:47:19.87 ID:
xusFoj7Jo
拓海「やれやれ、やっと終わったな」
涼「それよりあんた、船は返したんだろうね?」
拓海「あったりめーよ。もちろん、タダじゃねーからな」
夏樹「?? どういう意味だ?」
41 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:47:53.39 ID:
xusFoj7Jo
みく「おふねがないとおひるねできないにゃあ……」
みく「波にゆられながら寝たかったのに……」
みく「あっ! みくのおふねが戻ってるにゃ!!」
みく「え? また書き置き?」
『船は返した レンタル料だ 釣りはいらねえ』
みく「???」
みく「にゃああああああああ!!!」
びちびちっ
みく「みくのおふねが、おさかなでいっぱいにゃー!」
みく「ひどいにゃあああああ」
みく「生臭っ!」
おわり
44 :
◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:50:49.01 ID:
xusFoj7Jo
※これでおわりです。
某コーラのCMにティンときて書きました。
礼子さんがヤクルトファンかどうかはわかりません
必要に応じてバリントンやバルディリスに置き換えてください
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
45 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 02:01:12.96 ID:PPzpn3HOo
乙! 仁奈ちゃん可愛いでごぜーますっ☆
元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396368159/
ガスト (2014-06-26)
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