2 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:42:54.94 ID:
ASMNE41n0
テレレーレーレーレー
春香「え!? なにこれ! 照明が青に!?」
ガタッ
春香「千早……ちゃん?」
律子「ねぇ、今♪」
春香「『約束』!? なんで!?」
律子「見つめているよ、離れていても♪」
春香「千早ちゃん、律子さんが!」
千早「――――ぁ……」
春香「え、声……出ないの!?」
3 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:43:48.18 ID:
ASMNE41n0
ガジャーン
春香「ひいっ!」
美希「もうなーみーだーをぬーぐってわーらって♪」
春香「ねえ、社長室の壁! 大破したよ美希! 真!」
真「ひとりーじゃーなーいどーんなときーだーって♪」
春香「真、Sレア顔してる場合じゃないから! 白煙あがってるから!」
パリンッ!
春香「窓が!」
伊織「ゆーめーみーるこーとはいきーるーこーと♪」
春香「伊織なら弁償できるかもしれないけどさ!?」
キュイーン チュワーン…
春香「ドア溶けちゃったよ!?」
響「かなしみーを、こえるー、ちーかーらー♪」
春香「こういう所まで完璧じゃなくていいよ!」
4 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:44:22.67 ID:
ASMNE41n0
デデデン
律子・美希・真・伊織・響「あるこうー♪」
ピヨヨヨヨ ピヨヨヨヨ
春香「FAX!?」
『果てない道 四条貴音』
春香「貴音さん無駄に達筆ですね!」
ピリリリ ピリリリ
春香「電話だ……はい、765プ……」
亜美『うたおうー♪』
あずさ『そらーをこーえーてー♪』
春香「竜宮小町は忙しいから無理しなくていいよ!」ガチャ
5 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:45:09.42 ID:
ASMNE41n0
パッ
真美・やよい「おもいがー、とどーくよーうーにー♪」
春香「観葉植物の中に隠れてたの!?」
コツコツ
雪歩「約束しようー、前を向くこと♪」
春香「やっと普通に……って衣装!? しかもパンキッシュゴシック! 曲調考えようよ!」
全員『Thank you for smile~♪』
デデデン
千早「あるこうー♪」
春香「あ、あのライブの時の……!」
P「やった!」
春香「プロデューサーさん!? いたんですか!?」
6 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:46:03.39 ID:
ASMNE41n0
千早「はてーないーみーちー、うーたおうー♪」
春香「小鳥さぁん、どうしてこんな時にいないんですかー……」
千早「そらーをこーえーて、おもいがー、とどーくよーうーにー」
春香「なんなの……なんなのなの……」
千早「やくそーくしようー、まえをーむくーことー」
春香「思い出の曲なのにな……」
千早「Thank you for smile~♪」
デデデン
テレレーレーレーレー
春香「あの、みんな……?」
雪歩「千早ちゃんっ!」
千早「萩原さん……ありがとう!」ダキッ
春香「えっ……と…………」
7 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:47:13.47 ID:
ASMNE41n0
春香「――へ?」
真「つまり、千早は弟さんの名前を聞くと、特殊なα波を出すんだ」
貴音「そしてどこからともなく『約束』が流れ始め」
真美「真美たち、あのライブの時みたいに歌っちゃうんだ」
美希「でも春香だけは巻き込まれてないの。
美希は、春香が事務所の中でベストツッコミストだからって思うな」
春香「あの、ちょ、ちょっと待ってみんな!」
真美「どしたの?」
春香「私、優くんの名前は出してないよ。ダルビッシュって言っただけで」
真「フルネームにすればダルビッシュ有でしょ?」
春香「連想ゲームかい! 心配性のお母さんか!」
美希「おおー、なの」
パチパチパチパチ
貴音「さすが、べすとつっこみすと」
春香「別にそういうわけじゃないし、表彰されてもいませんっ!」
8 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:48:42.27 ID:
ASMNE41n0
春香「それに、私が歌わない理由がツッコミ担当だからって……」
貴音「しかし、実際にそうなっているのです」
『時刻は6時15分。トゥデイニュースチェックです』
千早「じゆうな~いーろで~♪」
春香「……たとえば貴音さん。今千早ちゃんはあそこで音楽を聞いています」
貴音「春香がわたくし達と話す故、共に帰るのを待って欲しいと」
春香「そうですね。……この場合、今私が優くんの名前を出しても?」
貴音「はい。千早が優、と呟けば、その瞬間」
千早「優!」ガタッ
テレレーレーレーレー
貴音「このように……」
春香「千早ちゃんの声が出ないのも、デフォなんですか……?」
9 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:49:39.13 ID:
ASMNE41n0
美希「ねえーめをーとじれーばみーえるー♪」
真「きーみのーえがーおー♪」
春香「青い照明とか、音源とか、α波じゃ説明つかないよね?」
貴音「聞こえてるよ、君のその声が♪」
真美「笑顔ーみーせーてかーがやいてーいーてとー♪」
春香「えっ、話すことも出来ないの!?」
シャッ
小鳥「痛みーをいーつか勇気へと♪」
春香「あ、えっと、おかえりなさい!?」
貴音「思い出を、愛に変えて♪」
10 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:51:10.24 ID:
ASMNE41n0
デデデン
千早「あるこうー、もどーれぬーみーち♪」
春香「…………」
真「うたおうー、なかーまとーいーま♪」
スタスタ
雪歩「祈りをー、響かすようにー♪」
春香「また衣装……って、フォーエバースター!? 曲調考えようよ!」
千早「約束すーるよー、夢をーかなーえるー♪」
全員『Thank you for life~♪』
11 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:51:43.24 ID:
ASMNE41n0
貴音「――とまあ、こうなってしまうのです」
雪歩「私、毎回衣装を着てる途中に呼び出されちゃうんです……」
真「…………これ、どうにかならないかなぁ」
春香「千早ちゃんは気づいてるの?」
真「ううん。千早、歌ってる間のこと、全く覚えてないみたいだよ」
千早「…………あっ、エナドリ足りない……」カチカチ
真「ほらね」
春香「あ、シンデレラガールズやってるんだね……」
貴音「それでは、千早の『約束』対策委員会、いんソファーを開催いたします」
真美「お姫ちんがinって言うと、違和感バリバリだよね→」
春香(こうして私、真、雪歩、真美、貴音さんの5人で対策委員会は始まったのです)
12 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:54:07.46 ID:
ASMNE41n0
貴音「雪歩は、こういうことを常に予測し、丁度良い衣装を着るべきです」
雪歩「そんなこと言われても……四条さん、無理ですよぅ……」
春香「まず音楽とか照明とか、いろいろツッコミどころはあると思うんですが」
真美「ツッコミははるるんの得意分野だし、真美たちは遠慮しとくよ」
真「多分、ボクらが気づかないうちにいじってるのかな?」
――
千早「…………やっぱり、お仕事を進めていないのがいけないのかしら?」カチカチ
美希「千早さん、美希でも埼玉ぐらいまで進んでるの」カチカチ
千早「そう……」カチカチ
美希「…………フリートレードすれば?」カチカチ
千早「エナドリが足りないのよ」カチカチ
13 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:57:13.59 ID:
ASMNE41n0
真美「耳栓とかすれば、防げるんじゃないかな」
真「持ってないよ……」
雪歩「でも、千早ちゃんの『約束』は私たちにとって特別な曲だから……」
春香「私以外のみんなは、耳栓とかをしないと歌っちゃうんだよね?」
貴音「ええ、そうですね。……耳栓、探しましょうか」
――
美希「どの娘が欲しいの?」
千早「えっと……『[ふわふわスマイル]』の三村かな子のSレアを1枚」
美希「だったら、美希持ってるよ?」
千早「本当に!?」
美希「じゃあ、あとで贈り物に入れとくね!」
千早「ありがとう美希、私絶対増資するわ!」
美希「うーん、美希のプロダクションじゃないから、それはハニーに言って欲しいの」カチカチ
14 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 21:59:17.97 ID:
ASMNE41n0
春香(結局……耳栓は2セットのみ。私に一旦預けて、緊急時に投げ渡すことにナリました)
貴音「……分かりませんね、解決策が」
真美「まあ、原因が分かってないもんねぇ」
雪歩「もう7時になっちゃいますね」
真「そうだね……。というか、唐突に入ってくるプロデューサーを捕まえればいいんじゃないかな?」
春香「……電話してみる?」
真美「でもでも、りっちゃんもいないよ? 忙しいんじゃないかな」
貴音「携帯取り出し」ポパピプペ
真「貴音、スマホじゃポパピプペは言わないよ……」
貴音「すまほ?」
真「……ごめんなんでもない」
貴音「…………もしもし、あなた様」
雪歩「……プロデューサー、電話出てくれたんだね」
15 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:01:00.50 ID:
ASMNE41n0
貴音「今、どちらに。…………はあ、奥日光」
春香「……なんで……?」
真「……温泉ロケの手配とか?」
雪歩「……あずささんとかがやりそうな仕事だけど……だったら律子さんだよね」
貴音「響の温泉ロケの撮影中なのですか」
真美「……ひびきん、さっき居たよね?」
真「……響は身体能力高いし、多分大丈夫だと思うよ」
春香「……そういう問題じゃないよね!?」
貴音「やよいも一緒なのですか?」
春香「……やよいと響ちゃんって、珍しい組み合わせだよね」
真美「……あ、でもやよいっち、ひびきんといおりんに家に来てもらったって」
真「……その縁で温泉ロケ?」
貴音「はい、はい。……ところで、あなた様。千早の件なのですが」
16 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:02:42.78 ID:
ASMNE41n0
貴音「千早の近くで弟君の名や近いものを口に出すと、『約束』が始まって……」
春香「……状況が分かってても、改めて聞くと、コレ意味がわからないよね」
雪歩「…………うん」
貴音「どのような、ですか? 例えば、『優』と言うと――あっ」
真「バっ――!」
千早「……!」ガタッ
春香(ああーっ……)
千早「優……!?」
テレレーレーレーレー
春香「みんな、耳栓っ」
真美「えっ、あっ――」パッ
雪歩「春香ちゃ――」パッ
真「しまった! 取れな――」
18 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:06:48.65 ID:
ASMNE41n0
真「ねえ、いまー♪」
春香「遅かったかーっ!」
雪歩「あ、平気だ! 平気だよ、春香ちゃん!」
真美「はるるーん、耳栓つけると平気だよ~!」
春香「本当!? 良かった……孤軍奮闘はいやだもん」
貴音「見つめているよ、離れていても♪」
バタン
律子「もうなーみだーをぬーぐってわーらって♪」
真美「りっちゃん、帰ってきたんだ! ってことは、竜宮が」
伊織「ひとりーじゃなーいどーんな時ーだって♪」
あずさ「夢みーるこーとはいきーるーこーと♪」
亜美「かなしみーをーこえるー、ちーかーらー♪」
雪歩「竜宮小町のみんなが……」
デデデン
貴音・伊織・あずさ「あるこうー、はてーないーみーち♪」
貴音・亜美・律子「うたおうー、そらーをこーえーてー♪」
19 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:10:52.34 ID:
ASMNE41n0
ドガァン
高木「おもいがー、とどーくようーにー♪」
真美「しゃちょー!?」
春香「ああ、給湯室のしきりが!」
高木「約束しようー、前をーむくーことー♪」
律子「Thank you for smile~♪」
デデデン!
千早「あるこうー」
伊織「やった!」
雪歩「伊織ちゃんが言うの!?」
千早「はてーないーみーち、うたおうー、そらーをこーえーてー♪」
春香「千早ちゃん、こんなに喉を使っても記憶が飛んでるんだ……」
千早「おもいがー、とどーくようーにー♪」
真美「やっぱり千早お姉ちゃん、すごいよね……」
千早「約束しようー、前をーむくーことー、Thank you for smile~♪」
20 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:19:00.10 ID:
ASMNE41n0
春香(そして)
高木「なるほど……。いやあ、私も恥ずかしながら、歌っていた記憶が無くてねぇ」
春香(社長も委員会に加わることになりました)
貴音「千早にやめさせることは出来ないのでしょうか?」
高木「そうだね……。如月君には、弟のことを克服してもらうしか、ないようだね」
真美「……はるるん、はるるん」
春香「……ん?」
真美「……なんだか、一気に話が重くなってきたよね」
春香「……ヘビーだね」
真美「……マーティ?」
高木「弟――優、という名前を聞いても彼女が歌わないように」
真「わーっ! わーっ!」
雪歩「社長、言わないで下さい!」
高木「えっ……ああ! すまない」
春香「ふう……セーフ」チラッ
千早「…………」スック
春香(立ち上がった!?)
21 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:22:53.88 ID:
ASMNE41n0
千早「……春香」
春香「なっ、なにっ!? 千早ちゃん!」オロオロ
千早「もう、7時20分だけれど……泊まってく?」
春香「えーっと、うん、そうしようかな」
貴音「……千早、わたくしもご一緒してもよろしいでしょうか?」
千早「四条さんが? ええ、部屋は広いですから構いませんけれど……」
真美「あっ、じゃあ真美も泊まるー!」
真「ボクも!」
雪歩「私も!」
高木「じゃあ、私も」
千早「あの、社長は、ちょっと……」
高木「ああ、すまない。つい」
千早「えっと、私と、春香と、四条さんと、真美、萩原さん、真で……6人?」
春香「そう、だね。あの、千早ちゃん。大変なら私……」
千早「こんなに沢山の人に来てもらうの、初めてかもしれない……」キラキラ
春香(まさか最初に『約束』が始まった時、こんな急展開を迎えるとは思ってもいませんでした)
22 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:26:10.59 ID:
ASMNE41n0
春香(ファミレスでご飯を食べて、千早ちゃんの家)
千早「ゆっくりしていて。私は布団を出してくるから」
春香「あ、私もー!」
千早「大丈夫よ、春香。お客さんなんだから」
春香「そ、そう? じゃあ、お言葉に甘えて」
貴音「……じゃんけん、ぽい!」パー
真美「ぽいっ!」チョキ
真「ぽい!」チョキ
雪歩「ぽい!」パー
春香「えっ、あっ、ぽい!」チョキ
真「へへっ、やーりぃ!」
貴音「なんと!」
春香(修学旅行のノリ……!)
23 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:29:36.17 ID:
ASMNE41n0
春香「あの、貴音さん」
貴音「どうかしましたか?」
春香「私は、家が遠いから……ですけど。どうしてみんなは、千早ちゃんの家に?」
貴音「……いい質問ですね、春香」
雪歩「池上さんっぽいです」
貴音「そう、これは『約束』対策委員会の延長戦なのです」
真「委員会に延長戦って……?」
貴音「例えば、環境が違えば問題がないということも有り得ます」
真美「そっか! 千早お姉ちゃんのお家の中で、また『約束』に持ち込めるか試すんだね!」
春香「それでなんともなければ、原因は事務所。何かあれば、やっぱり千早ちゃんのα波……」
貴音「そういう事です」
24 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:32:42.55 ID:
ASMNE41n0
千早「お待たせ。……? テレビ、つけてもいいわよ?」
真美「あ、じゃあお言葉に甘えちゃうよ~!」パチッ
春香「千早ちゃん、テレビ……」
千早「ああ、部屋があまりにも殺風景だからこれぐらいはと思って」
春香「みんなの番組、録画してあるの?」
千早「ええ。『モヤモヤふぇあり~ず』は特にダビングしているわ……ふふっ……」
春香「響ちゃんのツッコミ、好きそうだもんねぇ」
真美「……よし!」
雪歩「あ、ニュース?」
真「スポーツコーナーだね」
春香「…………なんか、嫌な予感が」
25 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:37:05.23 ID:
ASMNE41n0
『それでは、メジャーリーグから! あのダルビッシュ投手が大活躍!』
春香「……」チラッ
千早「…………? どうしたの?」
春香「う、ううん!」
『このキレのあるストレート! メジャーの選手にプレッシャーを与えたダルビッシュ有』
千早「……っ」
貴音「!」
千早「…………」
真美「あ、あー、あれ、あれだよね! ダルビッシュって……ほら、あの、ほら、まこちん!」
真「えっ? あ、ああ、そうそう! 野球選手だよ! ね、雪歩?」
雪歩「ええっ!? えーっと、えっと、そうだよ! そうそう! ボールを投げるんだよね、春香ちゃん!」
春香「ほわっ! えー、えー、その、そう、そう! なんて名前でしたっけ、貴音さん?」
貴音「名前……そう、名前はダルビッシュ……有! 有です!」
千早「…………ゆう……!」
26 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:41:20.89 ID:
ASMNE41n0
バッ
春香「電気が……!?」
パッ
真美「青……?」
千早「…………ずっと眠っていーられーたら」
雪歩「眠り姫……!?」
千早「……この悲しみをわーすれーられる」
真「どうして!?」
千早「そうねーがい、ねむーりにーついた、よるもある」
27 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:44:31.08 ID:
ASMNE41n0
千早「あーれは、はかないゆめー、そう」
貴音「…………そう、ですか。わかりました」
千早「あなたーと見た、うたかたーのーゆーめ」
春香「貴音さん、何か分かったんですか?」
千早「たとえひゃーくーねんのー、ねむりーでさえー」
真美「お姫ちん、なになに!?」
千早「いつか、物語ならおわってくー、最後のページめーくーったらー」
デン デン デン…
真「これ、アイドルジャムの時の……伴奏が途中まで鳴らなかった時の音だ!」
28 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:49:04.31 ID:
ASMNE41n0
千早「ねむりー、ひめー」
貴音「『目覚める 私は今』……ですか」
雪歩「もう、よくわかりません……」
春香「あの、貴音さん……?」
貴音「春香、真美、雪歩、真。よく聞いて下さい。
千早の身体には、今弟君が宿っているのです」
春香「えっ!?」
真美「そんな…………だからなの!?」
千早「めざめるーわたーしーはー、いまー」
貴音「弟君を身体に感じた千早は、弟君の印象が強かったわたくしたちの思い出を、
こうして吐き出しているのです」
29 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:52:18.77 ID:
ASMNE41n0
千早「誰の助けもかー、りずー」
真「どうして分かったの?」
貴音「感じませんか? 千早の瞳……。
生気がありません」
春香「……本当だ……」
千早「たったひーとーりーでもー」
雪歩「どうすれば、千早ちゃんは元に戻るんですか?」
貴音「それは分かりませんが……幸いにも、『眠り姫』ではわたくしたちは
巻き込まれていません。それを利用するしか手はないでしょう」
真美「『眠り姫』を歌った時、真美たちは裏にいたもんね」
貴音「――裏に、いた……?」
真美「うん」
貴音「『約束』は、皆で歌った思い出。では、『眠り姫』は……千早にとって、どんな思い出でしょう?」
春香「えっ……?」
30 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:55:45.84 ID:
ASMNE41n0
春香「――自分一人の力で、歌い上げた歌」
貴音「……だとすれば、わたくしたちは『眠り姫』を共に歌い…………、
春香」
春香「は、はいっ!」
貴音「わたくしたちのことを、精一杯ツッコんでください。
きっと、最後に千早のことをツッコめば、彼女は元に戻ります」
春香「…………えっ」
雪歩「が、頑張りますっ!」
真「千早、待っててね!」
真美「よーし! 頑張るよー!」
春香(真面目な雰囲気だけど、貴音さんの言ってることって……)
千早「あーすーへー」
貴音「あーるきだすたーめに♪」
千早「……!?」
31 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 22:59:40.27 ID:
ASMNE41n0
真美「朝の光がまーぶしーくてー♪」
雪歩「…………」
真「涙ー、あふれてもー♪」
貴音「ひとみをー、あーげー、たまーまでー♪」
千早「――っ、ぁっ……」
春香(雪歩、カバンの中身を…………って)
貴音「どんな茨のみーちだーって♪」
真美「あなたとならば平気だった」
真「こーのーてーとて、つなーいでーずっと、歩くなら」
パッ
雪歩「きーづけばそばにいーたひーとは、遙かな森へとーさーっていた」
春香「衣装持ってきたの!? しかもそれストリートホッパーのやつだよね!?」
千早「ぅっ…………」
春香(なんか効果ありそうなんですけど!?)
32 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:04:18.23 ID:
ASMNE41n0
貴音「てーをーのーばし、なまーえーをーなんど、呼んだって♪」
千早「……っ、ぁぁっ」
雪歩「わーるい、ゆーめーなーらー、いい♪」
真美「そーうねがーってみーたーけーどー♪」
春香「真美、エアマイクなの!? しかもインカム!? 分かりにくいよ!」
千早「ああっ!!」
春香「えっ!?」
真「たとえひゃーくーねんのー、ちかいーでさえー♪」
真美「それが、砂の城なら崩れてく♪」
貴音「さあ、春香! 千早にツッコミを入れてくださいっ!」
雪歩「最後のKissをおーもいーでに♪」
千早「ぅ……」
春香「……千早ちゃん!」
千早「……?」
春香「……取り憑かれてるなんて知らなかったよっ!! 事前に言ってよっ!!」
33 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:05:53.84 ID:
ASMNE41n0
真美「――!」
真「――――!」
雪歩「…………っ!」
貴音「……千早!」
春香「千早ちゃんっ!!」
デン!
千早「ねーむりー、ひめー♪」
春香「やったあ!」
真美「千早お姉ちゃん!」
真「千早っ!」
雪歩「千早ちゃん!」
貴音「――成功、したのですね……」
34 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:09:25.20 ID:
ASMNE41n0
千早「あおきひかりのむーこうーへとー、なみーだはー」
春香(千早ちゃんは歌いきった。『眠り姫』を)
千早「ぬぐいーさりー、あーのーそーらー、みーあーげてー♪」
貴音「千早!」
千早「……」パタン
真美「うあうあー! 千早お姉ちゃ~ん!」
春香(ただ、すぐに倒れてしまったから、記憶はなかったけれど)
――――
春香(千早ちゃんはあれから、優という言葉を聞いても、もう歌わなくなりました)
千早「……よし、ゲット」カチカチ
春香(ちょっと残念、かな……)
35 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:12:39.78 ID:
ASMNE41n0
ピロリン♪
千早「あれ? メール……」
春香(そして今日も、帰る約束をしているんです)
千早「……? 春香、美希と私、何か約束したかしら?」
春香「約束?」
千早「このメール」
春香「……」
『件名:(><)』
『本文:
……うそつき(><)
-END- 』
デレレデレレ デレレレ デレレレデーン!
春香「あっ……! 身体、が、勝手に」
千早「ちょ、ちょっと、春香!? って、これって『START!!』……? 事務所の照明が赤く」
36 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:13:54.18 ID:
ASMNE41n0
春香「ラララっ、おっでかっけー♪」
千早「え、ちょっと、春香!?」
春香(今度は私が……歌うことになっちゃって……トホホ)
おわり
37 :
ネル ◆K8xLCj98/Y 2013/02/12(火) 23:16:39.63 ID:
ASMNE41n0
最後のメールはアニマス11話です。Pが美希のメールを確認して、START!!の流れです。
ギャグオリジナルが難しいということを痛感しました。
ダルビッシュとか言っておきながら野球ほぼ無関係ですみません。ちなハムです。
過去作は『
美希「深夜食堂、今夜も開店。なの」
』/『
春香「あなたの夢を、叶えます!」
』です。
まとめていただいたブログの方、コメントしていただいた方。本当にありがとうございました。
それでは、またいつか書かせていただきたいと思います。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火) 23:19:11.69 ID:LuBDDS9Go
乙!
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元スレ:
春香「あ、ダルビッシュ」千早「優!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360672921/