3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:25:38.78 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「楓、向日葵のこと好きか?」
楓「お姉ちゃん大好きなの!」
櫻子「よし、じゃあちょっと声真似してみろ」
楓「えっ……?」
櫻子「そうだな、じゃあ『お早う、櫻子』って言って見な」
楓「お、おはようさくらこ?」
櫻子「まだ遠いな」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:34:14.08 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「なんかこう、もっと芯を通す感じで」
楓「?? よくわかんないの……」
櫻子「私もよくわかんない」
楓「櫻子お姉ちゃん、どうして声真似するの?」
櫻子「そりゃ向日葵と仲良く話したいかr違う、楓と向日葵が仲良くなるようにだよ」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:45:46.43 ID:
dNyM3wSpO
楓「お姉ちゃんとお話したいの?」
櫻子「よく聞いてやがるな」
楓「お姉ちゃんならもうすぐ帰ってくるの。そしたらお話できるよ?」
櫻子「楓、それが出来たら苦労しないんだよ」
楓「どうして」
櫻子「そりゃあ私――向日葵が私にベタぼれだからな」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:46:25.93 ID:fNR7gFMT0
な、なんだってー!?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:53:10.71 ID:
dNyM3wSpO
楓「好きなのにお話できないの?」
櫻子「困ったやつだよ。だから私がわざわざ――」
楓「わざわざ?」
櫻子「……練習に来た」
楓「お姉ちゃんの真似?」
櫻子「本当に賢いな、お前は」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:03:16.47 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「まぁ、そういうわけだ。もう6才児に見栄ははらん」
楓「わかったの! 楓も頑張ってお姉ちゃんの真似するの!」
櫻子「よし、練習再開だ!」
楓「おはようさくらこー」
櫻子「違う! もっとこう、高圧的に」
楓「よくわかんないの……」
櫻子「私も」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:17:50.21 ID:
dNyM3wSpO
櫻子(違う……何かが違う……)
楓「うまくできないの……」
櫻子「うーん」
楓「ごめんね、櫻子お姉ちゃん……」
ひまわり『ごめんね、さーちゃん……』
櫻子「!! わかった!!」
楓「!?」
櫻子「大発見だ、ノーベル皆勤賞ものだ!」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:26:35.35 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「楓、『さーちゃん、あそぼー』って言ってみてくれ」
楓「う、うん。さあちゃんあそぼう」
櫻子(やっぱり。小さい頃に向日葵に似てたんだ!)
楓「ど……どうだった?」
櫻子「お前はやればできると信じてたぞ」
楓「!! えへぇ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:41:33.46 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「よし、もっと語尾を伸ばしてもう一回だ」
ひまえで「さあちゃん、あそぼー」
櫻子「もう少し甘える感じで」
ひまわで「さーちゃぁん、あそぼー」
櫻子「行きすぎた」
ひまわり「さーちゃん、あそぼー」
櫻子(おぉ……まだ可愛かった頃の向日葵だ……)
楓「どうだった?」
櫻子「まさに向日葵の分身だった。感動した」
楓「これが昔のお姉ちゃんかぁ」
ひまわり「かえでー、あそぼー」
楓「えへへ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:50:07.28 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「よし、次のステップだ」
楓「お話の練習?」
櫻子「その通り。まずは台本を――よし、ほれ」
楓「お話なのに台本いるの?」
櫻子「向日葵が言いそうな内容にしといた。はい、これも渡しておこう」
楓「電話?」
櫻子「花子が昼寝してたから黙って借りてきた」
楓「平気なの?」
櫻子「まぁ、電話越しの方が練習になりそうだし」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:57:06.18 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「よし、じゃあ楓は廊下で待機してくれ」
楓「わかったの」
櫻子『もしもし』
ひまわり『もしもし』
櫻子『向日葵、急にどうしたんだよ』
ひまわり『さーちゃんとお話したかったの』
櫻子『困ったやつだなぁ、いつも話してるだろ?』
ひまわり『だって、いつもはすなおにいえないから』
櫻子『甘えんぼうだなぁ』
ひまわり『さーちゃんだいすきー』
櫻子(こ、これはハマる!)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:01:43.28 ID:ZxPIuIJR0
やはり天才か…
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:03:38.38 ID:
dNyM3wSpO
櫻子『仕方ないなぁ、明日デートしてやるよ』
ひまわり『わーい、さーちゃんとデート』
櫻子『じゃあ朝9時に待ち合わせな』
ひまわり『ねぼうしちゃったらどうしy』
櫻子『私が起こしてやるよ。なんなら泊まりにくるか?』
向日葵『ドキドキしてねむれないよー』
櫻子『可愛いなあ、向日葵は』
ひまわり『おかしつくるねー』
櫻子『わあいひまわりのおかし、櫻子ひまわりのおかしだいすき』
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:12:19.88 ID:
dNyM3wSpO
ひまわり『あ、あの……櫻子お姉ちゃん』
櫻子『ん? 台本だと「さーちゃんとチュッチュナウ」だろ?』
ひまわり『違うの、あの――』
ガラッ
向日葵「さーちゃんとチュッチュッナウ」
櫻子「おっ、向日葵っぽ――」
櫻子「なん……だと……」
向日葵「いつから本物はいないと錯覚してた」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:15:07.06 ID:fNR7gFMT0
わろた
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:20:28.41 ID:OTcrWZgs0
台本ひどいなwwww
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:21:44.22 ID:
dNyM3wSpO
向日葵「ハァ、あなたいったい何がしたいんですの?」
楓「お姉ちゃん、違――」
向日葵「どうせまたバカなことしようとしたんでしょう。まったく」
櫻子「!?」
向日葵「楓まで巻き込むなんてもう――」
櫻子「バカなことじゃない!!」
向・楓「!?」
櫻子「楓を巻き込んだのは悪かったよ! でも、でも――」
楓「櫻子お姉ちゃん……」
櫻子「う、う……向日葵のバカ! 風船おっぱい! もう知らん!!」
向日葵「櫻子!? 待ちなさ――」
楓「櫻子お姉ちゃん、泣いてたの」
向日葵「……しかられて泣くなんていつまで子どもなのかしら」
楓「お姉ちゃん、あのね――」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:31:28.14 ID:
dNyM3wSpO
~大室家~
櫻子「ヒック ヒック」
向日葵『どうせまたバカなことしようとしたんでしょう。まったく』
櫻子(……どうせバカだよ)
櫻子(仕方ないじゃん、他に思い付かなかったんだから)
櫻子(そもそも向日葵が悪いんだ。いつもグチグチ言ってきて)
櫻子(――たまには昔みたいに話したいだけなのに)
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 02:43:13.09 ID:
dNyM3wSpO
櫻子(……そういや、ケンカしだしたのいつからだっけ)
櫻子(そうだ。たしか――)
さくらこ『ひまちゃんだいすき!』
ひまわり『じゃあ、さーちゃんもっとだいすき!』
さくらこ『わたしの方がすきなの!』
ひまわり『わたしの方がすきだもん!』
櫻子(――あれからだったかな)
櫻子(……なんだ、向日葵もバカじゃん)
櫻子(あぁそっか。だから私、向日葵のことが――)
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:01:19.54 ID:
dNyM3wSpO
~翌朝~
「――こ」
「――らこ」
「櫻子!!」
櫻子「うおっ!? えっ、向日葵!?」
向日葵「今何時だと思ってますの!」
櫻子「!? だって今日学校休みだろ?」
向日葵「あなた、昨日『朝9時に待ち合わせ』って言ったでしょう」
櫻子「昨日――で、でもあれは……」
向日葵「……本気じゃなかったんですの?」
櫻子「いや、そうじゃなくて」
向日葵「話はあとでききますわ」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:15:01.04 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「……昨日、さ」
向日葵「昨日はごめんなさい」
櫻子「な、なんでお前が!?」
向日葵「楓にききましたの。理由もきかずに叱ったのはごめんなさい」
櫻子「……」
向日葵「でも、どうして今さら『話したい』なんて考えたんですの?」
櫻子「――ッ!」
向日葵「こうして二人きりで話す機会なんていくらでm」
櫻子「それが嫌なんだよ!」
向日葵「さ、櫻子?」
櫻子「やっぱり向日葵はわかってないよ……」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:25:24.38 ID:
dNyM3wSpO
向日葵「どうしたんですの、急に」
櫻子「それが嫌なんだよ! 親みたいに叱ってばっかで!」
向日葵「……それはあなたがいつm」
櫻子「昔はすぐ隣にいたのにさ、今の向日葵は離れた感じがするんだよ」
向日葵「櫻子……」
櫻子「向日葵は上でも下でも嫌だよ。私の隣にいろよ……」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:42:42.62 ID:
dNyM3wSpO
向日葵「……ハァ まったくもぅ」
櫻子「グスッ ひまちゃんにあいたいよ……」
向日葵「本当にバカですわね」
櫻子「うるさ――」
ギュッ
向日葵「だいすきですわ、さーちゃん」
櫻子「ひま……ちゃん?」
向日葵「この際、どちらでも構いませんわ」
櫻子「??」
向日葵「向日葵でもひまちゃんでも変わりませんもの。櫻子の、さーちゃんの幼馴染ですわ」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:51:30.67 ID:
dNyM3wSpO
櫻子「昔のひまちゃんは優しかった」
向日葵「代わりに櫻子の失敗を注意できませんでしたけど。というより、今の私は嫌いですの?」
櫻子「怒るの嫌だけど……嫌いじゃない」
向日葵「昔と今で変わるのは仕方ないでしょう」
櫻子「嫌なものは嫌なんだよ!」
向日葵「……櫻子、手を出して」
櫻子「??」スッ
向日葵「はい、じゃあこれからは叱るときは手を握りますわ」ギュッ
櫻子「な、なんでだよ」
向日葵「私はいつでもそばにいますから。伝わるでしょう?」
櫻子「……うん」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 03:59:21.14 ID:
dNyM3wSpO
~古谷家~
櫻子「なぁ、いっぱいミスしたらいっぱい手握ってくれるのか?」
向日葵「……そもそも失敗しなければ叱りませんわ」
櫻子「無理だよ。昔からだもん」
向日葵「変わりませんわね」
櫻子「向日葵は変わらないことないのか?」
向日葵「ありますわ」
櫻子「教えろ」
ひまわり「さーちゃん、だいすきー!!」
櫻子「!? え、おま――」
向日葵「い、いまのは私じゃありませんわ! か、楓!!」
楓「えへへ、お姉ちゃんたち仲良しなの!」
おわり
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 04:02:48.36 ID:EXRRJYuSO
おつおつ
ほっこりしたわ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 04:21:16.72 ID:522WpYe60
乙
さくかえだと思ったらさくひまだったよ!
元スレ:
櫻子(楓と向日葵って似てるなぁ……)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349191210/
各務原なでしこ CV: 花守ゆみり(出演), 志摩リン CV: 東山奈央(出演), 大垣千明 CV: 原紗友里(出演), 犬山あおい CV: 豊崎愛生(出演), 斉藤恵那 CV: 高橋李依(出演), 各務原桜 CV: 井上麻里奈(出演), 京極義昭(監督)