10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 00:27:31.33 ID:S0nExSrI0
始まったか
犯人の靴を見たことついて響が抱いた疑問とと2つの録音について聞く
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 00:39:11.63 ID:
lFCT9U9P0
響「その前に……ちょっといいか? プロデューサー」
P「なんだ?」
響「さっき、プロデューサーは『靴を履いてる人に殴られた』って言ってたよね」
P「あ? あぁ。チラッとだったが、あれはブーツだったような……」
響「でも自分の聞いた足音は、硬いものが地面とぶつかる様な音だった。ヒールとかタップシューズみたいな音だな」
P「聞いたよ。『カツッコツッ』って感じだったらしいな」
響「自分、最初は人体模型の仕業だと思って、プロデューサーの話を聞いたとき、ん? って思ったんだ」
P「そういえば首を傾げてたか。で、それがどうした?」
響「それで――……あれ? 自分、何を聞こうとしてたんだっけ? ごめん、今の質問忘れてほしいさ」
P「? そうか。変な奴だな」
51 :
◆5foxAIkVmM 2014/02/28(金) 00:51:29.88 ID:
lFCT9U9P0
響「あ、そうだ。それとは別にもうひとつ質問いいか?」
P「この際だ。何でも聞きなよ」
響「実はさ。自分、プロデューサーの残した録音、2つとも聞いたんだけど、その時ある疑問が残って――」
P「は? 2つ? なに言ってるんだ。俺がお前に録音メモを残したのは1回きりだぞ?」
響「や、やっぱり……」
P「やっぱりって……一体何があったんだ? 録音? ちょっと詳細に聞かせてくれないか」
響「じ、実はプロデューサーを探しにここに入って、1回変なチャイムを聞いた直後だったかな?」
P「チャイム……。俺は聞いてないな」
響「もしかしたらプロデューサーが車に戻ってるかもしれないと思って車に戻ったら、自分の携帯が車内に置いてあって」
響「そこに2分前に録音完了したっていう音声メモが残っていて……」
P「ふむ……。内容はどんなのだった?」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:03:10.00 ID:
lFCT9U9P0
響「えっと……『こっちから響の声がしたと思ったのに』とか、『もう一度村の方を探してみようか』とかそんなの」
P「……あの時か。確か車の方から変な音と声がして、急いで車の方まで戻ってきたんだよな」
響「声? 音?」
P「あぁ。多分女性の声……。俺は響かと思ったんだけど誰もいないし、てっきり勘違いかと思ってたんだが――」
響「それは初耳だぞ。それで――変な音っでのは?」
P「ガチャンとかガンとか、そう。金属を叩くような音……あぁなるほどな」
響「なるほどって?」
P「いや。俺も疑問に思ってたんだよ。いつ車を弄られたのかを。多分その時だったのかもな」
響「車を……。で、でも姿は見えなかったんでしょ? あそこは校庭で、隠れる場所なんてどこにもないじゃないか!」
P「……一つだけあるぞ。遮蔽物が」
響「?」
P「車だよ。俺たちの乗ってきた車そのもの。例え近くにいても、車が作った死角にいたら気付けないかもしれない」
響「し、死角って……?」
P「俺の立っていた場所と対角方向。もしくは――……車の中、あるいは車の下だ」
響「車の中……。車の下……」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:17:06.95 ID:
lFCT9U9P0
響「じゃ、じゃあ自分があの時車を調べていた時に、もしかしたら近くにオバケが……」 ゾーッ
P「やっぱお前にとっては幽霊なのか。……しかし声を録音? なんでそんな真似を……」 ブツブツ
響「うぅ……。でも、あれ? じゃあ何でその時、自分は襲われなかったんだろう……?」
P「……確かにそうだな。仮に女性だったとして、俺相手だと返り討ちにあう可能性はあるから分かるが……」 チラッ
響「?」 プルプル
P「こんな震えてるちっこいの。襲おうと思えば特に問題なく襲えたはず」 ポンポン
響「ち、ちっこくなんかないぞ!」
P「……殺すのが目的じゃなかった? 少なくとも、その時は」 ブツブツ
響「で、でもブレーキが壊されていたり、ガソリンを抜かれていたんでしょ? それなら――」
P「……ここ以外で、例えば事故で死ぬことを望んでいたとか? ここに警察や人が来ないように」
P「いや。でもそれなら俺たちを殺して埋めて、車は処分して隠蔽すればいいだけ……」
P「意志が一致してない。……複数いる? それも共通の意志をもっていないやつが」 ブツブツ
響「お、おうい。プロデューサー」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:32:46.19 ID:
lFCT9U9P0
P「あ、あぁ。すまんすまん。ちょっと考え込んでしまってた」
響「ブツブツ言ってて、端から見たらすごく不気味だったぞ……。あ、そうだ、それと2つ目の録音は」
P「2つ目……? あぁ、俺が残した音声メモのことか。あれがどうかしたか?」
響「いや。プロデューサーって殴られて監禁されてたんでしょ? それいつ録ったのかなーって……」
P「殴られる直前だな。確かあの後……あれ?」
響「どうかしたのか?」
P「いや。ちょっとその前後の記憶が曖昧で……。あれ、俺どこに行ったんだっけ、あの後」
響「お、覚えてないのか?」
P「というより思い出せん。……しくったなー。殴られた影響か?」 ウーン
響「むぅ……。でもあの録音はプロデューサーのもので間違いないってことなら、それは良かったぞ」
行動安価>>113
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:33:41.06 ID:heassSmj0
周囲を警戒しつつ南校舎の違和感を探りに行く
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:44:13.48 ID:
lFCT9U9P0
P「南校舎? まぁ目と鼻の先だからいいけど……そこがどうした?」
響「いや。南校舎ってあまりよく知らないから……。北校舎もわかんないけど、こっちもよく調べておきたくて」
P「まぁ……別にいいか。変な声がしたってのが教員舎や北校舎の方向なら、ハチ合う可能性も少ないし」 ガチャッ
響「調べるなら今のうちだぞ!」 ガラララ
P「だな。幽霊にしろ人間にしろ、出会いさえしなきゃ問題ないし」
響「やさしいおばけだったら良かったのにな」 ガララ ピシャッ
P「……」
響「? どうしたんだ、プロデューサー」
P「……いや、別に。ただこの学校、引き戸と普通の扉が結構混在してるんだなーって思ってな」
響「それは、まぁ確かにそうだぞ……。でもそれが?」
P「いや、なんでもない。じゃあさっそく行くか」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:52:44.89 ID:
lFCT9U9P0
- 南校舎 2F 廊下 -
響「お。ここはクラスのプレートが残ってる。……4-1、4-2、4-3と……資料室? って書いてあるのか? 読めないぞ」
P「あとは倉庫とかトイレとか、給食用のエレベーターが残るだけだな。……特に変な場所はないか」
響「まぁ、見た限りでは特に変ではないぞ。見て回る?」
P「少し教室の中を覗く程度でいいだろ。ドアも開いてっぽいし、窓もいくつも割れてるしな」
響「じゃ、全部回ってなにもなければ3階に行くぞー」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 01:57:54.48 ID:
lFCT9U9P0
- 南校舎 3階 -
P「2階はとくに何も無かったな。次は3階か」
響「ここは――やっぱりクラスプレートが抜き取られてるぞ。何の教室なのかわからない……」
P「でも、部屋の構造は同じだな。普通に上級生の教室だと考えて問題はないだろ」
響「2、4と来て……。じゃあここは6年生の教室なのかな?」
P「多分なー。まぁここも見て回るか。何かあるでもなさそうだけど……」 スタスタ
響「うん」 テクテク
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:07:38.44 ID:
lFCT9U9P0
- 南校舎 屋上 -
P「……お。ここはすんなり開いたな」 ガチャッ
響「月が出てるぞ。はぁ、こんな時じゃなければ綺麗だなーって、思えるのに……」
P「しかし結局めぼしい成果は得られなかったな」
響「3階は荒れ放題だったから仕方ないぞー。例え重要な部屋があっても、あれじゃ調べられないし」
P「しかし……なんでクラスのプレートがないんだろうな。他の、2年と4年は普通にあったのに」
響「さぁ……。あ、でもそういえば南校舎の3階、ここも多分上級生の教室だろうけど、クラスのプレートがなかったぞ」
P「んー、何でだろうな。深い意味はないかもしれないが……。少し気にはなる」
響「……このプレートを隠したやつが、放送室のプレートを摩り替えたのかな?」
P「さあな。そこまではわからん」
響「うーん……」
行動安価>>180
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:08:32.29 ID:/mbPb8DGO
北の声のした方に行く
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:17:53.85 ID:
lFCT9U9P0
P「じゃあ……そろそろ声の聞こえたほうに行ってみるか」
響「えっ!? ほ、本当に行くのか? 危険だぞ!」
P「あれから時間も経ってるし、大丈夫だろ。それにもう、遅れはとらんよ」 シュッシュッ
響「うぅー……。行きたくないぞー……」
P「まぁ、いいじゃないか。それで、北のほうってことは北校舎か?」
響「ううん。遠くから聞こえたから……教員舎だと思う。階までは分からないけど……」
P「じゃあ……とりあえず行ってみるか、教員舎」
響「うぅ~……。オバケに会いませんように」 ブルブル
P「大丈夫だって。お前は俺が守ってやるから、絶対に。だからそんなに怖がるな。な?」 ヨシヨシ
響「……うん」
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:26:32.59 ID:
lFCT9U9P0
- 玄関ホール -
P「ここを抜ければ教員舎だ。誰かいるかも知れないから気を引き締めろよ」
響「う、うん。怖いけど、頑張るぞ」 ギュー
P「うし。それならオッケーだ。……あとはしがみ付かなければ100点なんだけどな」
響「そ、そんなこと言ったって……。あ、じゃあ手。手握って」
P「……ライト持ってるから、それだと両手が塞がっちゃうんだが」
響「じゃあ我慢するんだぞ!」 ギュウ
P「って、俺が我慢する側なんかい。……っと、そろそろ見えてきたが、荒れている……?」
響「ん……。ん? あれ? あそこって――」
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:35:14.63 ID:
lFCT9U9P0
- 教員舎 1F 廊下 -
P「あーあー。印刷室か、これ。すげぇ数のプリント」
響「ち、違う」
P「違う? 何がだ。もしかしてここ、響の知ってる印刷室じゃないのか?」
響「違うぞ。その隣……。隣の倉庫が開いてる」
P「倉庫……? 本当だ。開いてるっていうか……なんだこれ。無理やりこじ開けたのか?」
響「さっき、職員室へ行くときにはなんともなかったのに……。あの後に何かあったのか?」
P「或いは、さっき響が聞いた声。ここが現場なのかもな。ほれ、見ろ」
響「? これ、傷……? 刃物で叩いたような」
P「まさかりか、ナタみたいなでっかい刃物だろうな。……入るぞ。響は周りを警戒しててくれ」
響「う、うん」 キョロキョロ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:36:10.77 ID:4qZH9faYI
大丈夫か…?
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:44:35.49 ID:
lFCT9U9P0
-???-
P「これって……。ここは――」
響「ぷ、プロデューサー。何か見つけたのかー?」 ブルブル
P「おい響見ろ。こんな単純な場所に、目的の場所があったみたいだぞ」 スッ
響「え? 目的の場所って……。え? この機材、マイク……。これって――」
P「放送室、だな。見ろこれ。使われた形跡があるぞ」
響「使われた形跡って……。いや、でも電気がないと動かないんじゃ?」
P「それはそうだが――。とりあえず動くかどうかは確認したいな。それ次第では色々見るべきものがある」
響「じ、実際に動かしてみるのか? でももしそれがオバケが聞いてたら――」
P「ん? 何だこれ。カセットテープが入ってる」 ガチャガチャ
響「カセット?」
P「とりあえず再生してみるか」
響「さ、再生って。一応どこかに持っていって、そこで調べれば――」
バタン!!
響「!!!!」
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:44:48.55 ID:TEhSQkfJ0
あっ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:49:45.79 ID:
lFCT9U9P0
響「う、うぎゃー! ぷろ、プロデューサー!」 ガバッ
P「ぐおっ! ちょ、響、苦しい!」 トントン
響「いま、いま扉が開く音が! かなり近くで……に、逃げよう! 早く逃げようよう!」 グイフイ
P「お、落ち着け! 違う、違うんだよ!」
響「違うってなにが!」 ガタガタ
P「今の扉の音の発生源はここ。スピーカーからだ」 ケホッ
響「……へ?」
P「お、これがカセットのケースか。なになに? 『演劇用 効果音 その2』。つーことは効果音その1とかもあるのか」
響「……」 ポカーン
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 02:50:12.30 ID:zanYQznt0
まじか
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:04:18.59 ID:
lFCT9U9P0
P「えーっと他には……。『雨の音』、『声援』、『足音』、『波の音』……。いろいろあるのか」
響「こ、効果音? いまの扉の音、ただの効果音だったのか?」
P「全部が全部って訳じゃないだろうけど――そうなんじゃないか? ほら、覚えてるか? さっきのこと」
響「さっき……。もしかして中庭に向かう途中のことか?」
P「あぁ。妙だと思ったんだよ。扉を開く、或いは閉じる音にしては、あまりに音が大きすぎるって」
響「……確かに。今思えば存在感をアピールしているような、そんな感じだったかも……」
P「古いとはいえ、階を違えているんだぞ? 窓が全開だったとしても、あまりにデカすぎた」
響「じゃあ、今まで自分が聞いた音も全部この効果音テープからの再生だった可能性も……」
P「十分ありえる。たしか響、印刷室にいたときも扉の音を聞いたんだっけ? 隣なら誰かの気配とかしなかったか?」
響「誰かの気配? それは……。いや、あの床が軋む音がもしかして……」
P「校内放送が生きているなら、スピーカーは廊下にも各部屋にもある。演出だって可能だったはずだ」
響「あのあと必死に逃げ出して、そのあと誰かがそこへ近づく足音が聞こえて、その後扉を開け……あ」
P「ん。何か気付いたか?」
響「自分、印刷室から逃げ出したとき、扉なんて閉めてない。じゃああの時の扉が開く音は――」
P「誰かが、となりの放送室の扉を開けた音だろうな。恐らくそこから移動するのに響が邪魔だったんだろう」
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:08:16.55 ID:
lFCT9U9P0
響「ん……。ん、でも待ってほしいぞ! それなら電話のトリックはどうなるんだ?」
P「電話?」
響「仮に、隣から音を操ってたとしても、自分が飛び出す切欠になったのは春香からの電話だぞ」
響「あの電話が切られた瞬間に演出が入るなんて、出来すぎてるぞ!」
P「あ、そうか……。じゃあ電話の方もその放送室のやつが何らかの手段で――」
響「そんな方法あるのか?」
P「……思いつかないな。どういうことだ?」
響「わかんない。わかんないけど……まだまだ謎は沢山残ってる気がするぞ」
行動安価>>277
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:09:31.81 ID:/mbPb8DGO
寮
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:17:49.83 ID:
lFCT9U9P0
P「……とりあえず移動しよう。幽霊にしろ人間にしろ、武器を持ってるのは危険すぎる」
響「でも、じゃあどこに行くんだ?」
P「寮にでも行ってみるか? もしこいつの行動範囲が廃校内だけなら、少なくともここよりかは安全かもしれん」
響「かも……って。確定じゃないのか?」
P「仲間がいるかもしれないってことだ。それにこの扉、外から無理やり壊されてる」
響「それが?」
P「つまり扉を壊した奴は正式に放送室に入る手段を持ち得なかった。なら誰が放送を行った?」
響「そ、それは……」
P「これでほぼ確定できるかもしれんな。この学校には複数の人間、或いは幽霊がいる。ま、前者だろうけどな」
響「複数の……。じゃあ複数の内の少なくとも1人はここでもう1人に襲われたのかな」
P「さぁな。2人だけとも限らんし、そもそも血痕も何も無いし、逃げおおせたか、或いは空だったのかもしれん」
響「……うぅ。複雑すぎて頭がこんがらがってきたぞ」
P「今はここから移動することに専念しよう。寮までつけば一息つけると思うし」
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:29:44.17 ID:
lFCT9U9P0
-寮への道-
P「……」 タッタッタ
響「……」 スタスタ
P「……しかし放送が生きてるってのには驚いたな」
響「だぞ。でも車を弄れるくらいなんだから、もしかしたら修理をしたのかもしれない」
P「学校中の配線を直すなんて、それこそ色々用意してなきゃ無理だろ」
響「それも……そうかー。でも思えば不審な音は全部教員舎にいる時に聞いたような気がする」
P「生きていたのが教員舎の放送だけだったのかもしれないな」
響「……でも、そうだとしても電気はどうなるんだ? ここ、流石に電気は通ってないんじゃ」
P「それだけどな……。俺の車からガソリン抜かれてたろ? それ使ったのかもしれない」
響「ガソリン?」
P「発電機だよ。ジェネレーター。それで放送に使える最低限の電気を確保したのかもしれん」
響「自分を脅すためだけにか?」
P「……わからん。他に目的はあったかもしれんが……なんともな」
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:37:57.29 ID:
lFCT9U9P0
-寮-
響「ここが……寮か? ずいぶんでかいなー」
P「男女別……ではないみたいだな。昔の、かつ小学校とはいえなぁ」
響「で、どうするんだ? 見た感じ玄関は閉まってるぞ」
P「ちょっと回りを探索して、中に入れる場所が無いかを探そう。響はそっちを頼むぞ」 スタスタ
響「えっ? りょ、了解だぞ」 テクテク
P「んー……。窓の位置が低いな。さすが小学生の寮」 テクテク
響「……」 テクテク
P「中は……。うげ、結構荒れてるなぁ。窓割って入っても、移動しにくいだろうなぁ」
響「……」 テクテク
P「……で、響はいつまでついてくるんだ?」
響「だ、だって怖いんだもん」 モジモジ
P「……まぁ、万が一ってこともあるし、別にいいか」
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:43:41.46 ID:
lFCT9U9P0
- 寮 裏手 -
P「ここは……。あぁ、ブランコとか遊具がある。遊び場だったのかな」
響「あ、プロデューサー。あれ」
P「ん? おぉ。荒れてない部屋が見えるな。内装からして……寮母の部屋かな?」
響「ちょうど窓も壊れてるみたいだし、中に入ってみるぞ!」
P「おう。そうだな」
響「……」
P「……」
響「……」
P「……入らないのか?」
響「……」 モジモジ
P「……分かったよ。俺から入るから、響はちょっとライトで床の方を照らしててくれ」
響「だぞ」 コク
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 03:57:32.41 ID:
lFCT9U9P0
-室内-
P「んー……。思った以上に綺麗だな。流石に埃は溜まってるけど」
響「ここが閉じられる前に整理でもしたのかな。きっと寮母さん、慕われてたんだろうな」
P「じゃ、しばらく探し物タイムといくか。これだけ綺麗なら、楽に見つかるだろうし」
響「? ここを調べるのか? 寮は学校とはあまり関係ないと思ったけど」
P「そうでもないぞ。もしかしたら当時の学校の様子がわかるかもしれんし、何か探して損はないだろう」
響「……それもそうだな。じゃあ自分は本棚とかを調べてみるぞ。日記とかないかな」
P「じゃあ俺は机やロッカーを。資料が見つかれば、或いはなにか分かるかも」
響「寮日誌。……うーん、見た感じこれは違うかなー」 ゴソゴソ
P「思った以上に紙が多いな……。あれ、アルバムだ。一応とっておこっと」 ガサガサ
響「……お? これは個人の日記みたいだぞ。ここに置いて行っちゃって良かったのかな」
P「ん? あぁ、鍵かかってる引き出しもあるのか。これは仕方ないかな」 ガチャガチャ
響「お? ここにも絵本がある。……モチモチの木? かわいい題名だな。怖い気分を晴らすために読んでみよっと」 ペラ
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:13:14.03 ID:
lFCT9U9P0
-数分後-
P「そこそこ資料が集まったな。……響、なにしてんだ。涙目だぞ」
響「挿絵が……。影絵が……」 ブルブル
P「……? よくわからんがここで少し腰をすえて見つかった情報の整理をしようか。響もそれでいいか?」
響「う、うん」
P「まずアルバムを見つけたんだが――。響、ちょっとこれを見てくれ」
響「なんだ? ……おー、集合写真だぞ。たくさんあるなー」
P「多分、卒業して寮を出るときに集合写真を撮るんだな。それで――ほら。ここ」
響「えっ? そこに一体何が……って、うわっ! こ、この人ってもしかして」
P「ん。職員室で見つけた写真に写ってた、一つ目の女性だな。ここの寮母さんだったんだ」
響「確かにここにも……。ここにもいるぞ」
P「しっかし見てみると、人の良さそうな女性じゃないか。周りの子も笑顔だしさ」
響「うぅ……。初見でおばけなんて言っちゃって心が痛いぞー……」 ズキズキ
P「えっと……。裏に名前も書いてあるようだな。えーっと、樋村 千代子……さんね」
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:27:49.10 ID:
lFCT9U9P0
響「樋村千代子……。あ、じゃあこの日記、やっぱ寮母さんの日記だったのかー」
P「日記? へぇ、そんなものを見つけてたのか。どれどれ?」
響「……んー。割と普通っぽい日記だね。天気のこととか子供たちのこととか」
P「そうだな。まぁ、学校はアレでも、寮は平和だったってことか……ん?」
響「どうしたんだ?」
P「いや、この記述……。ホラ」
『連絡が来た。明日に2人、流されるとのこと。今ある分で足りるのか心配である』
『……だめなようだった。とても足りない。用意できるのは1人分だけ。あまりの無力さに打ちひしがれる』
『ペースが速くなっている。恐らく今年は年30人はいくだろう。何故この世界はこんなにも無慈悲なのか』
『足りない分を代用できないか息子に相談したが、私のは老いすぎて使えないらしい』
『何とかしてあの子たちを救いたい。もう、どうすることもできないのか』
響「……なんだこれ? 言ってることがちんぷんかんぷんだぞ」
P「……」
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:39:53.78 ID:
lFCT9U9P0
『そもそも鉱山が閉鎖したあの日に、いっそ心中でもすれば良かったのだ』
『もう私には義を掲げ非を糾す権利などどこにもない。それは村全員も同じだろう』
『あの日から私たちはどうしようもなく、運命共同体でいるしかなくなったのだ』
『博だけは巻き込むまいと思ったが、いつしかあの子も、あの人と同じ夢を見るようになった』
『親子とはかくも似るものなのか。運命と言うものがあるのなら、それを呪わずにはいられない』
響「心中とか……穏やかじゃないぞ」
P「うん……。やっぱこれは――」
響「? プロデューサー、どうしたのか?」
P「いや……。ところで響、もし廃校に戻ったら探したい場所があるんだが……」
響「なんだ? どこか探したい場所が?」
P「保健室か、或いは水道施設のあると思われる場所。まぁ無理にとは言わない。覚えていたらでいい」
響「ん……。わかったぞ。頭にいれておくぞ」
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:48:26.47 ID:
lFCT9U9P0
響「でも。自分にもちょっとずつ分かってきたぞ」
P「……そうか。響が何を想像しているのかは分からないけど……。当たっていなければ、いいな」
響「そうだな……」
続く
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:49:16.80 ID:ikpnhv+80
乙
そろそろ終わりが見えてきたな
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:49:48.29 ID:
lFCT9U9P0
この時間だと、もう寝ないのも一つの手かと思いましたが、やっぱ寝たいので失礼します
多分このまま続けたらミス連発すると思うので
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/28(金) 04:50:21.16 ID:U4lHBcOp0
乙!
元スレ:
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1393514736/
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なんか儀式っぽい感じがする…