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樋口円香「ばーーーか」

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1 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:37:28.73 ID:SU8ObpYy0
P「………」カタカタ

円香「………」カリカリ

P「んー……」カタカタ

円香「んー……」ケシケシ


P・円香「はぁ………」


P「………」

円香「………」

P「ははっ」

円香「何笑ってるんですか」

P「いや、なんか息合ってたから」

円香「私と息が合うとそんなに嬉しいんですか」

P「普段なかなか合わない分な」

円香「なら、これからもその喜びを奪わないように、あなたとはそりが合わないようにすることを心がけていきます」

P「できれば普段から息が合ってた方が嬉しいかな!」

円香「夢見ることは自由ですね」

P「この夢は現実にしたいもんだけどな……」

2 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:38:12.60 ID:SU8ObpYy0
円香「もういいですか。ただでさえ眠いのに、時間を無駄にしたくないんですけど」

P「なんだ、円香も寝不足か。実は俺もゆうべなかなか寝付けなくて」

円香「眠気覚めてきたかも」

P「どれだけ俺と一緒が嫌なんだ」

円香「他意はありません。さっき飲んだコーヒーが効いてきただけです」

P「そういえば、最近よくコーヒー飲んでるよな。ハマっちゃったか?」

円香「最初に飲んだのが苦すぎて腹立たしかったので、自分に合うものを探しているだけです」

P「はは。まあ理由はなんであれ、コーヒー仲間が増えるのは嬉しいよ。眠気も覚めてなによりだ」

円香「……あなたも、コーヒーを飲むと眠気が覚めるんですか」

P「いや? もうコーヒー飲みすぎてカフェインに耐性がついちゃったみたいでな。全然効かない」

P「だからまあ、飲んでるのはもう癖だな。癖。そこにあるのが当たり前、って感じか」

P「円香にとっての透達みたいな?」

円香「コーヒーと幼馴染って自分で言ってて寂しくないんですか?」

P「確かに……寂しい人間だな俺……」

円香「はぁ……本当、わからない。コーヒーも、あなたも」


3 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:38:45.96 ID:SU8ObpYy0
P「それで、さっきから何を書いたり消したりしてたんだ?」

円香「進路希望調査です」

P「へえ、進路調査か。そういえばこの前雛奈も言ってたな」

円香「第3希望まで書かないといけないから大変です。無難に大学進学とだけ書いて終わらせられれば楽だったのに、もう少し具体的に書けって事前にアナウンスされてて」

P「大変そうだな」

円香「ええ。誰かのせいで人生設計が滅茶苦茶になってしまったので、進路を考えるのも本当に一苦労です」

P「それって、ひょっとしなくても俺のことか」

円香「さすがに罪の自覚はあったようで安心しました」

P「アイドルっていう、普通じゃない道に誘ったのは事実だからな……そこはちゃんと心得てるよ」

円香「なら手伝ってください。この白紙の調査票、どう埋めればいいと思いますか」

P「えっ? うーん……それはやっぱり、最終的には円香自身が決めるべきことであって」

円香「こんな世界に引きずり込んでおいてそんな当たり障りのない無責任発言が許されるとでも?」

P「うっ」

円香「冗談です」

P「ほっ」

円香「半分は」

P「もう半分は!?」

4 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:39:26.23 ID:SU8ObpYy0
円香「参考にするつもりはありませんが、あなたは高校生の時、なんて書きました?」

P「俺か? えっと……あ、そうだ。社長って書いた」

円香「はっ」

P「鼻で笑われた!」

円香「なれるといいでちゅね」

P「でもわかるだろう? 人間誰しも偉くなりたいじゃないか」

円香「確かに、私もあなたよりは社会的地位を上にしたいという欲はあります」

P「俺が基準なのか……」

円香「なんだか私があなたを意識してるみたいで嫌なので取り下げていいですか」

P「その発言自体が意識してる証拠にならないか?」

円香「………」

P「………」

円香「きも」

P「女の子はそれ言えば勝てるからずるいよな!」

円香「流石に今のは自分でも卑怯だと思いました」

円香「なので、白状しますけど……初めてですからね。家族以外でこれだけ付き合いの不快……深い異性ができるのは」

P「今発音おかしくなかったか」

円香「思春期の不安定な心が恨めしいです。きっと、必要ないことまで考えたり感じたり、本当に面倒」

P「……ちなみに確認なんだが」

円香「はい、おしまい。これ以上は何を聞かれても答えたくありません。言いたくありません。伝えたくありません」

P「残念だ」

円香「本当に?」

P「少しだけ、ほっとしてるところもある」

円香「でしょうね。……はぁ、私も浅倉みたいにいつでも同じ調子でいられればいいのに」

P「透か……でもあの子もあの子で、結構どきどきしたりどきどきさせてきたりするけどなぁ」

円香「……ふーん」

P「あ、いや、でも別にやましいこととかは全然、な?」

円香「桃色で幸せそうだこと」

P「違うんだ円香」

円香「なんですかミスタースケコマシ」

P「スケコマシって肉声で聞いたの生まれて初めてだよ」

5 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:41:06.82 ID:SU8ObpYy0
その日の夜


円香「……無駄話してたせいで、結局進路希望調査白紙のままだし」

円香「………」カキカキ

円香「………」ケシケシ

円香「……はぁ」

円香「もう、テキトーに書いてとりあえず出してみてしまえば……」



Prrrrr


円香「………」

円香「なんですか、こんな時間に」

P『ごめんな、急に電話かけちゃって』

円香「すぐに切るなら許してあげます」

P『じゃあ、怒られる覚悟でちょっと話すよ』

円香「怒られ慣れてるからってあっさり流さないで」

P『ははっ……それで、昼間の話なんだけど』

円香「昼間?」

P『円香の進路の話』

円香「はぁ……? それが何か」

P『円香の言う通り、無責任なままじゃダメかなと思ってさ。俺の意見というか、お願いだけ伝えようと思って』

円香「………」

P『俺のわがままを言うなら、円香にはこれからもずっとアイドルを続けてほしい。高校を卒業してからも、俺と一緒に華やかな、輝くステージを創っていってほしい』

P『辛いことや厳しいこともたくさんあるだろうけど……その分、楽しさを伝えていきたい。支えていきたいと思ってる』

円香「………」

円香「言いたいことはそれだけですか」

P『ああ……すまん、多分何の参考にもならないよな』

円香「そうですね。第一希望にトップアイドルだなんて書くつもりは毛頭ないです」

P『だから今のは、俺が言いたかっただけ。言い切って、すっきりしたかっただけだ』

円香「いい性格してますね」

P『はは』

円香「最低」

P『そこまで言われると少し凹む』

円香「明日、早いって言ってましたよね。もう寝たらどうですか」

P『ありがとう。円香は優しいな』

円香「会話を切り上げる口実が欲しかっただけです」

P『それでもだよ。じゃあ、おやすみ』

円香「……おやすみなさい」ピッ

6 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:41:48.95 ID:SU8ObpYy0
円香「………」

円香「………」カキカキ

円香「……なんで私、第三希望から埋めてるんだろ」

円香「………」スッスッ


Prrrr


P『もしもし? どうしたんだ円香、何か言い忘れたことでも』

円香「ばーーーーーーか」

P『えっ、ちょっ』ブツッ



円香「ふぅ……」


円香「私も、ばーーか」





『第三希望 アイドル続行』





おしまい

7 : ◆C2VTzcV58A 2020/06/21(日) 20:42:44.58 ID:SU8ObpYy0
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
お互い気にしすぎてるPと円香の距離感すき



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