5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:28:12.28 ID:
YzALlBVO0
P「せまるーショッカー……地獄のぐーんーだん」カタカタ
律子「……」チラ
P「あーかーいあかーあいー……赤い仮面の……」グッタリ
律子「……はぁ」
P「せたーっぷ、せたーっぷ、せたーっぷ」カタカタ
律子「小鳥さん、プロデューサー、何かあったんですかね?」ヒソヒソ
小鳥「さぁ……ずっとああやって歌いながら仕事してますね……」ヒソヒソ
律子「仕事に支障が出てないならいいですけどね……」ヒソヒソ
小鳥「どうなんでしょう、というか何なんでしょう……」ヒソヒソ
P「おーおーぞらにきけー……おーれーのぉー名はぁー」カタカタ
小鳥(そして何故……ライダーメドレーなのか……)
P「つーぅっぱしーれー……そーらーをーとべー」カタカタ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:32:16.19 ID:
YzALlBVO0
やよい「おはようございますー!……?ど、どうしたんですかぁ?」
小鳥「あ、やよいちゃん。おはよう。さぁ、私達にもよくわからないのよね」
P「とべーとべー……たーかーくー……そーらーをーゆけー……」カタカタ
小鳥「!そうだ、丁度いい所に来てくれたわね。ちょっと今からうっうーってやってもらえるかしら?」
やよい「え?いいですよ!それじゃ……」
P「セーイリーングジャンプ……」
やよい「うっうー!」
P「……ああ、やよい。おはよう」
小鳥(滑った……)
律子(滑ってるわ……)
やよい「おはようございます!」
P「あーおい空からやってきてー……」
律子「重症ですね」
小鳥「ですねぇ……」
P「電撃稲妻熱風……電撃稲妻熱風……」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:36:16.99 ID:
YzALlBVO0
春香「おはようございまーすっ!」
千早「おはようございます」
律子「おはよう。今日は一緒だったのね」
春香「あ、たまたま……あの……」
小鳥「余り見ない方がいいかも……」
P「時を……こーえろ空を……かーけろ……この星のためー」
春香「……す、スケジュール確認しとかないとね、千早ちゃん」
千早「そ、そうね。プロデューサーは疲れているようだし」
P「ウェイカッ!!」ガタッ
千早「ひっ」ビクッ
P「光の……オーロラ……身に纏い……」スッ
千早「なんで今立ち上がったのかしら……」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:40:06.58 ID:
YzALlBVO0
律子「放っておきなさい。ええと、二人のスケジュールだけど……」
春香「レッスンでしたっけ?」
P「大事な人数える……なら……あーなたー……」
やよい「あの、大丈夫ですかぁ?えっと、その……」
千早「高槻さんが頑張っているわ……」
律子「やよいー、こっち来なさい。伝染るわよ」
やよい「はわっ!プロデューサー、病気なんですか!?」
律子「そうよきっと。いいからこっちでスケジュール確認しなさい」
P「明日をさえーぎーるー……ガラスのかーべーをー今ー」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:45:13.18 ID:
YzALlBVO0
律子「あんた達の予定はこんなとこね。質問は?」
P「どーこまでも続くあーおーぞらーにー……」
春香「プロデューサーがどうしてああなったかは聞いても」
律子「原因不明」
春香「はい」
小鳥「多分そろそろ終わると思うわ。あの曲が終わったら……」
P「出会ったんじゃないさ……ふぅ」ガタッ
律子「流石音無さん。さて、それじゃ本式に仕事を……」
P「……空っぽの星……時代をゼロから……」スッ
小鳥(平成シリーズ始まった……)
律子「……ああもう!いい加減にしてください!」
P「やーみーのーなーかー……」
律子「……」ツカツカツカ
P「つーかーみーとーれー」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:48:19.53 ID:
YzALlBVO0
律子「いい加減に仕事しなさい!」パチィン
P「ひでぶっ!……はっ!律子!俺は一体……」
律子「全くもう……しっかりしてくださいよ」
P「あ、ああ。悪かった……ええと、それで俺はミラーワールドで戦えばいいんだっけ?」
律子「千早の送迎です!」
P「お、おう!いくぞ千早!」
千早「えっ、あのっ、はいっ!い、行ってきます!」
春香「いってらっしゃーい……」
やよい「元気になってよかったですぅ!」
小鳥「……律子さん、お母さんみたいだったわね」
律子「誰がお母さんですか……いやですよあんな息子……」
……。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:52:28.56 ID:
YzALlBVO0
千早「あの、本当に大丈夫ですか?」
P「ああ、悪かったな。どうも最近調子が出なくてな……」
千早「何かあったんですか?あの、私では頼りないでしょうけど……」
P「……そうだな、心配かけてばっかりも何だし。千早ならある意味適任か」
千早「私が?」
P「うん。何か、ってのはな。春香と真の事なんだよ」
千早「春香と、真の……」
P「なんか、あいつら頼もしくなっただろ。千早ならわかってると思うが」
千早「ええ、驚くくらいに……」
P「それがどうもなぁ。最近良く褒められるんだよ、スタッフの人にも」
千早「良い事なのではないですか?」
P「うん、もちろん良い事だよ。だけど、その……贅沢な悩みなんだろうなぁ」
P「あの二人は、なんていうか、普通に見たら駄目な所も魅力だと思ってたからな。それが薄くなったのが辛いのか」
P「それとももっと単純なことで……あいつらの良さがわかってるのは俺だけだ、とか思ってたのがそうじゃなくなったからか」
P「何にせよちょっと寂しくてな。大の大人が恥ずかしい話だけど」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 00:56:13.32 ID:
YzALlBVO0
千早「いえ、そんなこと。だって、その気持ちは良くわかりますから」
P「千早が?またどうして」
千早「仲間だと、親友だと思っていました。だけど、そんな二人の為に私が出来る事は何も無くて、それでも二人はどんどん進んでいく」
P「置いてかれた感じか。はは、あるよな。マラソン大会で一緒に走ろうねって言っといてめっちゃ速いとかな」
千早「えっと……それは、良く……」
P「あ、はい……」
千早「……本当に、そう。置いていかれた、って気分です。どこか、遠くへ……」
P「……ま、仕事はきちっとこなすぞ」
千早「そうですね、今はそれが一番大事です」
P「ん。そういう事。千早も悩んでるなら誰かに相談しろよ。勿論俺でも」
千早「プロデューサーがもう少し頼りになればいいんですけど」
P「返す言葉も無いな」
……。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:00:34.25 ID:
YzALlBVO0
美希「おはようなのー」
響「はいさーい」
貴音「おはようございます」
春香「あ、三人ともおはよー」
美希「ハニーは?お仕事?」
真「千早と現場だよ」
美希「残念なの。じゃあ真クンで我慢するの」
真「何をだよ……わっ」ポスッ
美希「真クンの膝もなかなかの寝心地なのー。おやすみー……」スリスリ
春香「こーら。真が困ってるでしょー」
美希「やっ!なの。離れないのー」
真「あはは、いいよ春香。だけど仕事になったらどいてよ?」
美希「わかってるのー」
響「なんか最近、春香と真は仲いいなー」
貴音「良い事ですね、とても」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:04:58.00 ID:
YzALlBVO0
春香「そうかな?」
真「元から仲いいよね」
美希「むっ、ミキは!?」
響「美希は美希からじゃれに行ってるようにしか見えないぞ」
美希「そんな事ないもん!仲良しだよね?」
真「うんうん」
貴音「……真は大人の対応も心得ているのですね」
真「へへっ、まぁね~」
美希「仲いいって言ってくれるまでここ動かないの!」
響「ちょ、自分たちレッスンがあるだろー!」
貴音「そうですよ美希。日頃の練習の大事さはわかっているでしょう」
美希「しょうがないの……春香!真クンの膝とっちゃダメだからね!」
春香「とらないよ……」
……。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:08:37.54 ID:
YzALlBVO0
トレーナー「はい、お疲れ様。三人ともオッケーでーす」
響「ふぁー、疲れたぞー……」
貴音「ですが、良い動きでしたよ、響」
美希「んー……ミキ的には、もうちょっとやれると思うな」
響「えー?そりゃ、出来ればいいけど……」
貴音「余り無茶をして体を壊しでもしたら元も子もありませんよ?」
美希「あのね、この前真クンのダンス見せてもらったんだけど、すごかったの」
響「あー、最近すごいな、真は。自分でも一緒に踊れるかわかんないさー」
美希「それがペアだったの」
貴音「なんと……誰が真の相手を務めたのでしょう?」
美希「春香だよ。春香と真の二人で踊ってたの」
響「春香がぁ!?……正直、ダンスで春香に負けるとは思ってなかったぞ……」
貴音「確かに、春香は歌唱方面に力を入れていたはずですが……」
美希「でも本当なの。正直、すごいなって思った。だから、私達もやれるところまでやってみたいの」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:12:30.54 ID:
YzALlBVO0
響「う~ん……でももう体が……」
美希「響や貴音が無理でもミキはやるの。……あんな風にキラキラしたいから」
貴音「……致し方ありませんね。ですが、ほんの少しですよ」
響「え゛っ、貴音、まさか……」
貴音「こうなっては美希は諦めません。ならば、私達がついて少しでも補佐してあげなければ」
美希「ありがとうなの、貴音!響は無理なら休んでてもいいよ?」
響「うぅぅ……うがー!やるさ!やればいいんでしょー!こうなったらとことんやってやるさー!」
トレーナー「……無理そうならそこで止めますからねー」
美希「お願いしますなの!」
……。
響「し、しぬ……これはしんでしまう……」
貴音「はぁ、はぁ、はぁ……流石に、限界です、ね」
美希「もう一回今のところ、お願いしますなの!」
トレーナー「星井さん、今日はもう無理。あとの二人の事も考えて」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:16:03.95 ID:
YzALlBVO0
美希「でも……」
トレーナー「一人で上手くなっても意味がないの。星井さんならわかってるでしょう?」
美希「……ごめんなさいなの、貴音、響」
響「いいよ、別に……久々にいいレッスンになった気がするし」
貴音「確かに、ここまで根を詰めたのは久しぶりですね。疲れはしましたが、どこか清々しくもあります」
美希「ありがとうなの。じゃあ、帰ろっか」
響「ひ、膝が笑ってるぞ……」
貴音「肩を貸しましょうか?」
美希「そういう貴音もぷるぷるしてるの……大丈夫?」
響「ま、大丈夫さー。歩けないわけじゃないし」
貴音「美希は平気なのですか?」
美希「ん、うん。別になんともないの」
貴音(……以前から思っていましたが)
響(美希はやっぱり底知れないぞ……本気出したらどうなるか)
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:20:25.10 ID:
YzALlBVO0
美希「二人とも、待ってて。荷物取ってきてあげるの!」
響「お、じゃあ頼んだぞー」
貴音「お任せします」
美希「うん。すぐ戻ってくるからね」タタッ
美希(二人には悪いことしちゃったの……けど、まだまだあの二人には追いつける気がしないの)
美希(どうして?ミキだってちゃんとやってるよね、ハニー)
美希「……“まだまだ、美希はレッスンが足りてないぞ!”」
美希「ぷぷっ、今の似てたの。言いそうなの」
美希「よし!もっと頑張ってもっともーっとキラキラするの!負けないの!」
美希「えっと、こっちが響の鞄で、こっちが貴音の……よし、っと。待たせると悪いから急ぐの」
春香「……!」
真「……」
美希「……あれ?あ、二人もレッスンだったのかな。けど、何か変なの。あんな真剣な顔で……」コッソリ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:24:27.73 ID:
YzALlBVO0
春香「……」
真「……」コクリ
春香「……!」ダッ
美希「あっ、ふたりとも走って行っちゃうの!追いかけなきゃ!」ポイッ
……。
美希「足、速すぎなの……この辺だと思うんだけどな……」キョロキョロ
美希「でも、やっぱりおかしいの。真クンはともかく、春香はあそこまですごくなかったはずなの」
美希「もしかして、何か秘密特訓とかしてるのかな……?」
美希「よし、見つけたら無理やりにでも聴きだしちゃうの!って、いた!」
美希「……あれ、誰だろう。知らない人もいるの」
男「またしても邪魔をするか!」
真「当たり前だ!」
春香「その子を離して。そうすれば、私達はあなたに何もしないから」
男「そうはいかん。この子どもは我々の爆弾になるのだ。誰にも警戒されずどこにでも入り込める遠隔操作の爆弾にな!」
真「そんな事、させるもんか!」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:28:16.29 ID:
YzALlBVO0
男「ならば力付くでも俺を止めてみろ!変身!」ザワザワ
美希(あ、わかったの。これ撮影なの……にしては、カメラもないし、着替えも速すぎるの)
美希(え、うそ、もしかしてミキ、凄い物見てるかもしれないの。これやばいヤツなの)
春香「……仕方ないよね。やろう、真!」
真「ボクは最初からそのつもりだよ!行くよ、春香!」
春香・真「変身!!」
美希「え……」
美希(あ、あれ……ミキ知ってるの。あのポーズ……)
ピリリリリ
美希「わっ、まずいの!逃げるの!」
真「……?」
春香「どうしたの、真?」
真「いや、今……」
ゲバコンドル「どうしたライダー!かかって来ないならこちらから行くぞ!」
真「って、そんな場合じゃないか!」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:32:42.93 ID:
YzALlBVO0
……。
美希「ここまで来れば大丈夫なの……もしもし?」
響『美希!何やってるの!』
美希「こっちの台詞なの!今すっごく大事な……」
響『どう考えてもこっちの台詞だぞ!自分と貴音の荷物放り出してどこで何やってるんさー!』
美希「あっ……」
響『プロデューサーも心配してるぞ!』
美希「ごめんなの、でも大丈夫だから心配しないでって言っておいて欲しいの。ミキこのまま帰るから」
響『もう、ちゃんとしてよねー。じゃあ、また明日』
美希「うん、またね」プッ
美希「……すっかり忘れてたの。いや、でも」
美希(あれ……撮影じゃないよね。じゃあ、じゃあとんでもない物見ちゃったの)
美希「あの二人が……仮面ライダーだったなんて、なの」
……。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:36:20.99 ID:
YzALlBVO0
美希「おはようございますなの!」
P「おっ、おはよう。今日は早いな」
美希「そりゃ早いの!それより春香と真クンは?」
P「今日はまだだぞ?何か用か?」
美希「別になんでもないの!来たら起こしてハニー!」パタン
P「お、おう。そりゃ構わんけど……って、寝てるし」
小鳥「どうしたんでしょう、美希ちゃん……?」
P「さぁ……何でしょうね……?」
律子「おはようございまー……って、美希。早く来てると思ったら寝てるし」
P「何か張り切ってたぞ。何なんだろうな」
律子「さぁ……そうそう、聞きましたか?この辺でまた誘拐未遂らしいですよ」
P「え、何だそれ」
小鳥「あ、聞きました。男の子が拐われそうになったんですよね」
P「物騒な……」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:40:52.69 ID:
YzALlBVO0
律子「最近多いみたいですよ。それで、被害にあった人はだいたい“仮面ライダーに助けてもらった”なんて言ってるみたいです」
P「へー、本当なのかな」
小鳥「だったらアツいですね!」
律子「本当かどうかはわかりませんけど、そういう奇特な人がいるんでしょうね、体を張って人助けするような人が」
P「いい話だなぁ。けどまず被害にあわないようにしないとな。防犯徹底!」
律子「……ま、仮面ライダーって人のマッチポンプの可能性もありますしね」
P「それは無いだろ……と思いたい……」
小鳥「でも、防がれてる割に犯人は捕まってないんですよね、確か」
律子「それもあっての話ですね」
P「それなら簡単だろ。ライダーの相手だから、怪人なんだよ。んで、倒された後は爆発するから……」
律子「はいはい。さー仕事仕事」
小鳥「私は理解しますよ、そういうの……」
P「へへ、ありがとうございます……」
……。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:44:19.08 ID:
YzALlBVO0
春香「おはようございまーす」
真「おはようございまっす」
美希「」ピクッ
P「おう、来たか。おはよう。あのな……」
美希「おはようなのふたりとも!ちょっとお話したい事があるの!」ガバッ
春香「うわっ!どうしたの美希、急に……」
真「話って、ボクらに?」
美希「そうなの。ちょっと聞きたい事があるの。いいでしょ?」
春香「まぁ、いいけど……」
P「と、いうことらしい。後任せた」
真「はぁ、まぁ……」
美希「できたら内密にいきたいの!社長室借りますなの!」
小鳥「りょーかいしましたー」
律子「……何なんでしょう?」
P「さっぱり」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:48:17.90 ID:
YzALlBVO0
美希「ここなら大丈夫なの……」
春香「あの、本当にどうしたの?何か相談?」
真「美希らしくないよね、内緒話なんて」
美希「内緒にしたいのはミキじゃないの。二人の方でしょ」
春香「……何の、事かな?」
美希「とぼけなくていいの。言いふらすつもりも無いし……でも、正直に答えて欲しいの」
美希「二人は、仮面ライダーなの?」
真「……」チラ
春香「……」フルフル
真「……はぁ」
春香「美希、どうしてそう思ったの?」
美希「見ちゃったの、昨夜。レッスンしてたんだよね、ふたりとも」
春香「確かに、レッスンはしてたけど……」
真「春香、もういいよ。昨日の、美希だったんだね」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:52:14.07 ID:
YzALlBVO0
春香「昨日の……?あ、あの時言おうとしてたのって、そうなの?」
真「みたい。電話の音が聞こえた気がしたんだけど」
美希「そうなの。それミキなの」
春香「あちゃー……参ったなぁ」
真「美希、ライダーなんて知ってたんだ」
美希「ハニーの趣味はミキの趣味なの。二人は、改造されてるの?」
春香「んー、まぁ、見られたなら仕方ないか。そうだよ、私と真はもう人じゃないの」
真「はは、内緒にしていたかったんだけどね。いつかボロが出るとは思ってたけど、思ったより早かったな」
春香「この皮膚は人工細胞で、体のほとんどは機械。もう健康診断も受けられないね」
真「普通じゃないよね。気持ち悪いでしょ?だから、内緒に……」
美希「ずるいの!」
真「そう、ずるいって思うのが普通……え?」
春香「ちょ、ちょっと美希?何言ってるか……」
美希「ふたりとも、最近すごいなって思ってたの!すっごくキラキラしてて、追いつきたいなって」
美希「でもまさかそんな秘密があったなんて知らなかったの……羨ましいって思うな!」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 01:56:07.93 ID:
YzALlBVO0
春香「……真さん、一言どうぞ」
真「えー……美希、そんないいもんじゃ無いんだよ?」
美希「でも、かっこいいの。羨ましいの」
真「あーうん。その気持ちはね、よくわかるよ。うん。だけど、あのね……」
美希「ずーるーいーのー。ミキも改造して欲しいのー」
春香「美希。冗談でもそんな事言わないで」
美希「どうして?」
春香「どうしてって……」
美希「ミキは、キラキラ出来るならそれでいいの。真と春香みたいにすごい事したいの」
春香「美希、わからないかもしれないけど聞いて。この体になって得た物は大きいよ。私の体はずっと強くなった」
春香「だけど、失った物も大きいの。大きいんだよ。出来る事が増えて、それでも嬉しいなんて思えない」
美希「……むー」
真「実はね、ボクも美希と同じように思った。それで改造してもらったんだけどさ」
美希「そうなの!?」
真「うん。その結果は散々だったよ。雪歩が怪我してるでしょ?あれ、やったのボクなんだ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:00:11.34 ID:
YzALlBVO0
美希「えっ……」
真「今では、どうしてあんな事したんだろうって思ってる。手に入る物が余りに眩しいと、近くにある落とし穴も見えなくなっちゃうんだね」
美希「……わかんないの。ミキは、ミキは……」
春香「もし、さっきの……改造して欲しいっていうのが本気だとしたら、私達は本気で止めるよ」
真「後悔する事がわかってるからね。美希にはボクたちみたいになって欲しくない。それがボクたちから言える事だ」
美希「そんなのってないの!ミキだって……」
春香「軽くないんだよ。自分の体が全く別物になる感覚なんて、想像も出来ないでしょ?」
美希「でも……」
真「それにさ、順番で言ったら次はV3でしょ?だけどボクたち、改造なんて出来ないからさ。諦めてよ、ね?」
美希「……もう、いいの。ごめんなの、変な話して」
春香「ん……けど、本当に」
美希「もういいの!!」ガチャッバタンッ
真「あっ、美希!」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:04:26.43 ID:
YzALlBVO0
春香「大丈夫かな、美希」
真「あー、どうだろう。経験者としては、非常にマズいかも」
春香「私、なるべく目を離さないようにする……」
真「ボクも、出来る限り見とくけど……どうにもならないかも、ね」
春香「考えたくないけど、美希だからね……あの子、なんていうか、凄い瞬発力あるし」
真「大丈夫、ボクたちがさせなければいいよ。きっと出来る」
春香「……そうだよね」
……。
トレーナー「はい、お疲れ様。今日はちょっと早めに切り上げましょうか」
響「ふぅー……今日も疲れたぁ!って、そうだ、美希が……」
貴音「美希、今日は追加でれっすんしないのですか?」
美希「もういいの。どれだけレッスンしたって無駄なの」
トレーナー「……早めに切り上げた理由は星井さんなのだけど、わかってるかしら」
美希「ミキが悪いの?」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:08:17.92 ID:
YzALlBVO0
トレーナー「何か悩んでいるのかもしれないけど、身が入ってないわね」
美希「ふーん。別にいいの。こんなの無駄だし」
響「み、美希……それはマズいぞ。トレーナーさんに悪いって……」
美希「本当の事なの。どれだけ頑張っても無駄なの」
貴音「そのような事はありませんよ、美希。しっかりとれっすんすれば……」
美希「そんなの嘘だって思うな。だって、ミキはどれだけやっても人間だもん」
響「は……?何言ってるさ、美希」
美希「もう放っておいて欲しいな。お疲れ様なの」
響「ちょ、美希!待って……」ガシッ
美希「離して!なの!」パッ
響「あ痛っ!」
貴音「美希!」
美希「な、急に掴んでくる響が悪いの」
貴音「子供のような事を言わず、早く謝りなさい」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:12:14.62 ID:
YzALlBVO0
美希「……ほっといてなの!」ダッ
貴音「あっ……美希!」
響「い、いいよ貴音。怪我したわけじゃないし」
貴音「しかし……」
響「自分より美希が心配さー。だって、あんな美希みたの初めてだぞ……」
貴音「確かに、何か思いつめたような……どうしたのでしょうか」
響「プロデューサーにでも相談してみるかなぁ……」
貴音「真、心配ですね……」
……。
美希「ただいまーなのー」
菜緒「おかえりー。どうしたの、今日は早かったね」
美希「別に、なの」
菜緒「ふーん……何か悩み事?」
美希「そんな事ないの。ただちょっと色々面倒になっただけなの」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:16:15.87 ID:
YzALlBVO0
菜緒「あっそ。まぁいいけどね、お姉ちゃんは。けどそんな顔してたらプロデューサーさんに嫌われちゃうんじゃないかなぁ」
美希「は、ハニーは関係ないの!」
菜緒「あら、本当みたいね。じゃあ別か……」
美希「もうっ!ほっといてなの!」
菜緒「はいはい。あ、私ちょっとお買い物行ってくるからお留守番お願いね」
美希「わかったの、いってらっしゃいなの」
菜緒「すぐ帰ってくるけどね。行ってきます」ガチャン
美希「……どうせ、レッスンしたって無駄なの」
美希「ミキはただの人間だから、あんなふうにキラキラはできないの」
美希「響……と、貴音には謝っておこうかな……一応……」
美希「明日ちゃんと謝るの、だからまずはメールしておくの」カチャカチャ
美希「……ちょっと、お昼寝しよう。頭の中がもやもやなの」
美希「……あふぅ」
……。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:20:26.79 ID:
YzALlBVO0
ピリリリリリ……
美希「んもう、うるさいの。もしもーし?」
美希「……え?お姉ちゃんが、えっ……なんで!?どうしてなの!?」
美希「わかったの!すぐ行くの!」
美希「うそだ、嘘なの……きっとからかってるの!」
美希「だから、確かめに行くの!そんなはずないの!」
……。
菜緒「……」ピッ ピッ ピッ
美希「……」
『原因が全くわかりません。神経毒なのか、あるいは何か別の……』
『外傷が全く無いにも関わらず、眠ったままなのです。現状では、回復の兆しも……』
『脳波にも異常はありません。本当に、“眠っている”ような状態で、そのまま……』
美希「……もう、目を覚まさないなんて、嘘なの」
美希「お姉ちゃんは、きっと、また起きて、ミキに笑ってくれるの」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:24:19.59 ID:
YzALlBVO0
美希「罰なのかな、ミキがレッスンなんて無駄だって言ったから」
美希「ミキが怠け者だから、こんな……」
春香「美希!」ガチャンッ
真「美希、大丈夫?」
美希「……?どうして二人がいるの?」
春香「えっと、その……」
真「美希のお姉さんが、あそこに居たってわかったから……」
美希「あそこ?どこ?」
春香「あのね、美希。あの、本当に、謝ってすむ事じゃないと思うんだけど……ごめんなさい」
美希「何を言ってるの、春香。全然わかんないの。わかるように言って欲しいの」
真「……ボクら、また戦ったんだ。ショッカーの怪人と」
春香「その、その怪人がね。あの……神経ガスを使ったテロをやろうとしてて」
真「ボクらもそれを知って、急いで向かったんだけど……何人か、その」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:28:17.87 ID:
YzALlBVO0
美希「待って」
春香「本当に、ごめんなさい。私達が間に合っていれば……」
真「最善は、尽くしたつもりだけど。それでも、言い訳は出来ない。ボクらが間に合わなかったから、美希のお姉さんは……」
美希「待って、なの」
真「ごめん。ボク達のせいだ」
美希「待て、なの。それ以上言わないで欲しいの」
美希「二人、は、戦う力があって、なのに、間に、合わ……?何、言って、じゃあ、何のために」
春香「……」
真「……ごめん」
美希「お姉ちゃんは、どうしてこんな、ミキと違って、マジメで、ちゃんと、なのに」
春香「美希……」
美希「黙ってて欲しいの。今、二人の声を聞きたくない気分なの」
春香「ッ……」ビクッ
真「……これが、改造人間になって得た物だよ。仲間の家族も救えない。そんな程度だ」
美希「黙れなの。美希の仲間は人間だけなの」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:32:13.64 ID:
YzALlBVO0
春香「……あの、私、帰るね」
真「そうしようか……ごめんね、美希」
美希「……」
春香「じゃあ、ね」ガチャッ バタン
美希「お姉ちゃん……」
……。
春香「……涙は、出ないんだけどなぁ」
真「不便だね、この気分を流せないっていうのはさ」
春香「間に合わなかったのは事実だし、私達のせいだけどさ。あは、キッツい……ねぇ」
真「美希だって、本心でそう思ってるわけじゃないよ。今は、さ……」
春香「わかってるけど、やっぱりね。真は平気なの?」
真「ほら、見て」パッ
春香「……爪は切ろうよ。血、出てるよ」
真「思い切り握ってないと、大声出そうだったから。耐えるのに必死」
春香「どうして、私達なのかな……こんな、誰かを守る事すら出来ないような力……」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:36:05.92 ID:
YzALlBVO0
真「本当に、不要な力だね。どうしてこんな体になろうなんて思ったのか、もうわかんないや」
春香「……だけど、やめられないんだよね」
真「もう、戻れないからね。これからもこんな思いをし続けるんだと思う」
春香「だけど、やめちゃったら……戦えるのに、戦わなかったら」
真「もっと後悔するよ」
春香「もう二度と、こんな思いしたくない」
真「だったら、出来る事をやろう」
春香「……うん」
……。
美希「あの二人だけじゃ、ダメなの」
美希「やっぱり、ミキも……」
美希「次に怪人が出たら、そこに行こう。それで……改造してもらえばいいの」
美希「お姉ちゃん、きっとミキが……」
……。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:40:15.46 ID:
YzALlBVO0
千早「被害者の中に、美希のお姉さんがいたらしいわ」
雪歩「嘘……美希ちゃん……」
千早「また、私は何も出来なかった」
雪歩「そんな事ないよ……」
千早「戦えない私達にも出来る事はあるはず、そう思って色々考えたのだけれど、ね」
雪歩「千早ちゃん……」
千早「ごめんなさい、少し……一人になりたいの。帰るわね」
雪歩「う、うん。気を付けてね」
千早「ええ。雪歩も……」
……。
P「最近、事務所の空気が重い」
律子「どうしたんですか急に」
P「律子はなんとも思わないのか?」
律子「……原因は何となくわかってますけどね」
P「やっぱり……」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:44:07.89 ID:
YzALlBVO0
律子・P「美希」
P「だよなぁ……」
律子「ですね……」
P「まぁ、お姉さんの事があるから仕方ないとはいえ、な」
律子「あの子だけじゃないんですよ。春香や真、それから千早に雪歩もなんだか気まずそうで」
P「何かあったのかな、美希と……」
律子「それを無理になんとかしようとして、やよいとあずささんが玉砕してますし」
P「他のメンツは我関せずだな」
律子「それが一番正しいんでしょうけどね。出来る事が無い以上、必要以上に干渉しても仕方ない」
P「とはいえ、気にしてるのは確かみたいだな。全員どこか様子がおかしい」
律子「仕事は今のところなんとかなってますけど……どこから綻ぶかわかりませんね」
P「参ったなぁ……」
貴音「その話……」
響「自分たちに任せて欲しいさ!」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:48:08.38 ID:
YzALlBVO0
律子「あら、二人ともいたの」
貴音「今し方到着致しました。それで、美希の事ですが……」
P「ああ。難しい問題だよなって話してたんだ」
響「自分たち、美希と話して見るさー」
P「お前達が?大丈夫なのか?」
律子「ユニット組んでる三人ですから、他の子よりは良いかもしれませんよ」
貴音「実を申せば、姉上の件より以前から美希の様子がおかしかったのです」
P「あ、それは俺も思ってた。だけど元々ムラのある美希だからな……」
響「あれはそんなもんじゃなかったぞ。だから、気になってたんだ」
貴音「一度、私達に任せてもらえませんか」
律子「悪化する可能性もあるわね。特に響は口さがないし」
響「じっ、自分口さがあるぞー!」
貴音「そうですよ。響は口さがないのではなく、つい隠している事を言ってしまうだけなのです」
P「それもどうかと思うが。……わかった!好きにやってみろ!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:52:09.16 ID:
YzALlBVO0
響「本当!?」
P「ああ。俺より美希の事を良くわかってるかもしれないしな。ダメだったら俺がなんとかするから、やるだけやってみてくれ」
貴音「ありがとうございます。それで、美希は……」
P「今日はレッスンだけだから、お前達と一緒にオフにしとくよ。処理は任せろ」
響「それじゃ、自分美希呼び出すさ!」
貴音「そうですね……なんとしても普段の快活な美希に戻ってもらわねば」
律子「……いいユニットですね」
P「だろ」
……。
美希「話って何?ふたりとも」
貴音「いえ、大した事では無いのです。ねぇ響?」
響「そうさー。最近三人で話することも無かったなって思ってさ!」
美希「それでわざわざレッスン休んだの?」
貴音「良いではありませんか。時にはこういった事も面白いのではないでしょうか」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 02:56:20.53 ID:
YzALlBVO0
美希「……てっきり、ミキを励ますとか言うのかと思った」
響「なっ、なんでわかったんだ!?あっ」
貴音「響……」
美希「やっぱりなの」
響「あっ、えっと、その……」
美希「わざわざ呼んでもらって悪いけど、“余計なお世話”なの。じゃあね」
貴音「待ってください。いえ、待ちなさい、美希」
美希「やなの。帰るの」
響「待っ……待って欲しいぞ!」
美希「……どうして二人はそんなに必死なの?ミキ的にはそれが不思議って思うな」
響「どうしてって……だって、美希は同じユニットで、同じ事務所の仲間で……」
貴音「心配なのです。仲間として、友人として」
美希「ふぅん。でも美希はその仲間に裏切られたの。だから、仲間なんて信じない」
響「仲間に……?やっぱり、春香や真と何かあったのか?」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:00:20.57 ID:
YzALlBVO0
美希「別に、二人に言ってもわからない事なの。もう放っておいて欲しいの」
貴音「無理です。美希がなんと言おうと、私は美希を仲間だと思っていますから」
美希「だから……」
響「あのっ、よくわかんないけど……春香も真も、自分達を裏切ったりなんかしないと思うぞ」
貴音「響に同感です。結果として裏切る事になったとしたら、何か理由があったはず。そうではありませんか?」
美希「うるさいの」
貴音「美希も本当はわかっているのでは無いですか?」
美希「……二人は、家族が酷い目にあった事が無いからそんな事が言えるの!他の事なんて考えてる余裕、ミキには無いの!」
響「自分は、家族みんな元気だからわかんないぞ。だけど、美希だって家族と同じくらい大切だぞ!!」
貴音「……私の仲間に、家族と仲間に序列を付ける人がいるとは思えません。美希にとって、仲間とは家族より軽んじるべき物ですか?」
美希「そんな事……そんな事……」
響「自分、美希のねぇねが大変だって聞いた時、悲しかった!自分の家族が辛いって時と、同じくらい悲しかったぞ!」
響「自分にとっては美希だって大事な仲間で……家族みたいなものだって思ってたのに!美希は違うのか!?美希は……」
美希「ほっといてなの!どうしてミキに構うの!?ミキはもう何も考えたくないの!」
貴音「先程も申しましたが、心配だからです。美希が家族の事で頭がいっぱいになるように、私達も美希の事で頭が一杯だからです」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:04:13.59 ID:
YzALlBVO0
響「美希がいつもみたいに明るくないと、なんかつまんないんだよ……いつもみたいに、自分を馬鹿にしてでも、それで笑ってて欲しいんだ」
貴音「真っ直ぐ自分の道を行く美希が、私達は大好きなのですよ」
美希「……帰るの」
響「美希ぃ!」
美希「今は、一人で考えたい事ばっかりなの。でも、二人の気持ちは……」
きゃあああああああ!!
美希「!?」
響「な、なんだぁ?」
貴音「……アレを!」
トリカブト(人間態)「この場にいる人間は全て!ショッカーの戦闘員となる素材だ!逆らうと痛い目に遭うぞ!」
響「なんだあれ!?なんかの撮影か!?」
貴音「どうやらそうでは無いようです。響、美希、私達も逃げましょう!」
美希(……)
響「そ、そうだな!美希、行こう……美希?」
美希「二人は逃げて、なの」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:08:19.57 ID:
YzALlBVO0
貴音「何を言うのです!美希も……」
美希「美希はあの人に用があるの」
響「何言ってるんさー!今は逃げなきゃ!」
美希「いいから早く逃げて!!」
響「美希ぃ……」
貴音「……響、逃げましょう」
響「貴音!でも美希を置いてなんか……」
貴音「美希の目は、何か思慮のある目でした。信じましょう」
美希「流石貴音なの。お見通しだね」
響「でも、美希……」
美希「いいから早く逃げるの。それで、安全なところまで逃げたら春香と真クンを呼んで欲しいな」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:12:13.11 ID:
YzALlBVO0
貴音「わかりました。美希も、なるべく早く避難を」
美希「わかってるの。響をお願い」
響「貴音!自分も残るぞ!」
貴音「なりません。行きますよ」タッ
響「美希!美希ぃ!後で、後で絶対、春香と真連れてくるからなぁ!」タッ
美希「あはっ、お願いなの!」
美希(あの人にお願いすれば、もしかしたら……)
美希「……響、貴音。ごめんなの」
……。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:17:20.45 ID:
YzALlBVO0
春香「美希!」
真「美希!大丈夫……か……」
美希「げほっ、う……」
春香「美希!どうして、どうしてこんな……」
真「まさか、ショッカーの怪人に改造してくれって……」
美希「ちが!……う、よ。ミキが、ちょっとでも気を引けば、春香と真クンが……来てくれるまで」
春香「まさか、その時間を稼ぐ為に……?」
美希「失敗して、逃げられちゃったけど、ぐっ、ごほっ!ね。でも、結構……たくさんの人、を、逃せたって……おも……」
真「もう喋らなくていい!今、今病院に……」
美希「ミキね、今日の朝まで……ほんのちょっと前まで、お姉ちゃんの、仇を取るんだって……そればっかり、考えててね」
春香「美希!救急車……えっと……携帯……!」
美希「でも、響と、貴音がね……ミキの事、家族みたいに思ってるって、言ってね……ミキ、わかったんだ」
美希「ミキだけがキラキラしたって、意味が……無いんだよね。765プロの、皆が……いて。お姉ちゃんが、いて」
美希「それで、ミキがいて。それで、みんなで……キラキラ、できたら。それが、一番……」
美希「だから、ミキは……誰かを、助けようって……思って……」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:20:14.31 ID:
YzALlBVO0
真「春香、もう……」
春香「まだ、まだわからないじゃない!」
真「ボクらの“眼”ならわかるだろ!!」
春香「だけど、諦められるワケ無いじゃない!!」
真「どうすれば……」
春香(本郷さんなら、美希を改造して蘇生する事が出来るかもしれない)
真(だけど、ボクたちは……体こそ機械でも、脳は普通の人間だ)
春香(技術と……知識が。圧倒的に足りない)
真「……そうだ、伊織!伊織に連絡して、一番いい環境を……」
春香「そ、そっか!もしかしたら……」
美希(もう、ふたりともうるさいの。ミキ、頑張ったのに、全然褒めてくれないし)
美希(なんだか、眠くなってきたの。……あふぅ)
美希(ありがとうね、響、貴音。それから、来てくれてありがとう、春香、真クン……それから……)
美希「ハニー……今まで……」
……。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:24:32.40 ID:
YzALlBVO0
千早「また!今度は仲間が……なのに、私は……」
雪歩「だから、千早ちゃん。自分を責めちゃ……」
千早「雪歩は悔しくないの!?今こうしてる間にも、美希は、もしかしたら……」
雪歩「……それ以上ダメだよ」
千早「っ……どうして、どうして私には……」
……。
P「まだ面会謝絶だってさ」
響「そっか……大したことないといいんだけど……」
貴音「きっと大丈夫です。今は信じて待ちましょう」
P「そうだぞ。お前達までそんな顔してどうする」
響「一番死にそうな顔してるの、プロデューサーだぞ」
P「……まぁ、な」
貴音「大丈夫ですよ、大丈夫。美希なら、きっと……」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:28:31.10 ID:
YzALlBVO0
響「……うん、そうだよな!よし、帰ろう!」
P「いいのか、もしかしたら……」
響「美希は絶対大丈夫!だから、戻って来た時にちゃんと元通りキラキラできるように、自分たちがしっかりやっとかないとね!」
貴音「響……ええ、その通りです。私達がきちんとしていなければ、戻ってきても居場所が無いなどという事態になりかねませんから」
P「……よし!じゃあ帰るぞ!んで仕事だ仕事!頑張れ、お前ら!」
……。
響「おーい貴音ぇ。自分の鞄、どこか知らないか?」
貴音「それでしたら確かここに……」
P「ふたりとも、準備いいか?今日はそんなに大きいイベントじゃないけど、だからって……」
響「もっちろん、手なんて抜かないさ!自分、完璧だからな!」
貴音「美希無しでの舞台となってしまったことは残念でなりませんが……見事、こなして見せましょう」
P「よし、その意気だ。俺は別の現場も回らないといけないから最後までは見ていけないけど、大丈夫だな?」
響「安心していいぞ。だから早く他に行ったげてよ」
貴音「あの、よろしければ美希の容態も……」
P「ん、わかった。じゃあ、後は任せたぞ」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:32:18.68 ID:
YzALlBVO0
響「わかったさー!」
貴音「それでは……」
響「……さって!美希の分も頑張るかー!」
貴音「あれから一日……では、面会謝絶は解けませんでしたね」
響「仕方ないよ、検査とかいろいろあると思うし。それより今はステージステージ!」
貴音「……そうですね。集中するとしましょう」
響「よし、気合い入れていくぞー!」
貴音「ええ。しっかりと行きましょう」
響「今日は二人だけど、765プロー……ファイッ!」
貴音「おー!」
……。
響「みんなー、今日は来てくれて……って、あれ?」
観客「Zzz……」
貴音「お、おかしいですね……皆、眠っている様子」
響「す、スタッフさん?これ、どうなって……」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:36:13.97 ID:
YzALlBVO0
スタッフ「Zzz……」
響「うがー!こっちも寝てるしぃ!どうなってんだこれ!」
トリカブト「む、まだ眠っていない人間がいたか」
響「うぇ!?な、何さあれ!今日はヒーローショーじゃないぞ!」
貴音「あの、貴方は一体……」
トリカブト「俺はショッカーの怪人、トリカブトだ!」
貴音「しょっかぁ……確か、昨日の……」
トリカブト「ちっ、取り逃がした連中の内にいたのか。あの時は妙な小娘が執拗に妨害してきたからな……」
響「妙な小娘……美希か!」
貴音「貴方は美希に何をしたのですか!」
トリカブト「ただの人間がこのトリカブト様に敵うものか。ひねり殺してやったわ!」
響「な……」
貴音「で、ですが、今美希は治療中と……」
トリカブト「あの時は息があったにしても、俺の毒を食らった人間が生きていられるものか。どちらにせよ死んでいるわ」
響「そんな……じゃあ、美希は……」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:40:07.11 ID:
YzALlBVO0
貴音「……響、逃げましょう。今は、私達が危ない」
響「でも……」
貴音「逃げて、春香と真を呼ぶのです。あの時美希が呼べ、と言ったからには、何か対応する策が……」
響「春香も真も、今日は地方さ……呼ぶったって間に合わないぞ。それに……」
響「自分、あいつが許せない。美希を……ころ、した……あいつが……!」
貴音「いけません、逃げましょう!」
響「貴音、自分が時間稼いでる間に逃げて。一人が逃げる時間くらいは……」
トリカブト「出来ると思うか!どちらも逃がさんわ!」
響「うるさいっ!よくも、よくも美希を!」
美希「ミキがどうしたの?」
響「美希!こいつは、こいつは美希を……え?」
貴音「み……美希……?どうして……」
トリカブト「貴様は確かに殺したはず……何故ここにいる!」
美希「答えは簡単なの。美希が不死身だからだよ」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:44:22.77 ID:
YzALlBVO0
トリカブト「ぬ、ぬぬぬぬ……ならばもう一度、二度と蘇らんように殺すだけだ!」
貴音「美希!危険です、早くこちらへ!」
美希「んーん、心配しなくていいの。美希、負けないから」
響「バカ言ってないで、一緒に逃げよう!せっかく助かったのに……」
美希「ミキが逃げたら、ここにいる人達みんなこのままだよ?だから、ミキ、戦うの」
美希「変……身!」カシャンッ
美希「V!3!!」
……。
伊織「……無理ね。どう考えても」
春香「でも、水無瀬グループの伝手でなんとか……」
伊織「あんた達の話を全部本当だと仮定して、人体改造なんて事、一般の技術で出来るわけがないじゃない」
真「そうしないと美希が死んじゃうんだよ!このわからず屋!」
伊織「あのね、私は冷静に事実を言ってるの。それに、その話でリスクがあるのは私だけじゃない」
真「それは……」
伊織「私は勿論、グループ自体にも影響があるかもしれない。それに、私はお祖父様にもお父様にもお兄様にも頭を下げなければならないでしょうね」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:48:22.68 ID:
YzALlBVO0
春香「伊織が、お父さんやお兄さんを見返したいっていうのは知ってる。だけど……」
伊織「……別に、そんな事は大した問題じゃないのよ。美希の命が懸かってるんだから。けどね、私はどうしても賛成できないのよ」
伊織「その、改造人間?になったとして、あの子は普通の人生を送れるの?」
真「それは……」
伊織「私はそうは思わない。そんな事を今意識の無い本人に黙って決めていいのかしら?」
春香「……私達は、辛い目にたくさんあってきた。これからもそれは変わらないと思う」
伊織「だったら……」
春香「でも、それでも、生きていた方がずっと良い。辛くても、厳しくても、生きていた方がいい」
真「春香……」
伊織「……それが、改造人間の先輩の意見ってワケ?」
春香「うん、そうだよ」
伊織「……嫌になるわね、何もかも。予測通りだったってわけ」
真「え、それ……どういう事?」
伊織「あんた達が来る少し前にね、変な男が二人会いに来たのよ」
春香「変な二人組……?」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:52:08.16 ID:
YzALlBVO0
伊織「何か妙な事を言ってね、こんなものを置いて言ったわ」ドサ
真「これって、腕!?」
伊織「そう、義手よ。ただの義手じゃない、このカートリッジを入れ替えると……ほら」ギュイーン
春香「変形した……」
伊織「今開発されているどんなアームより精密に動くそうよ。技師が信じられないって叫んでたわ。常識外の技術ね。オペレーションアームっていうらしいの」
真「それで、こっちは……」ペラ
伊織「それは、あんた達の方が詳しいんじゃないかしら」
春香「……真!これって」
真「うん、間違いない。これ、ボクらと同系統の改造人間の……設計図だよ」
伊織「必要になるだろうって、置いていったわ。それで、本題はこれからよ。美希の為に、あんた達がリスクを負う覚悟はあるかしら」
春香「……」コクン
真「なんだって、覚悟の上さ」
伊織「……そう言うと思ったわ。じゃあ、その体をよこしなさい!」
春香「私達の……」
真「体を……?」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 03:56:12.93 ID:
YzALlBVO0
伊織「その男が言ったのよ……」
『その二人が本当のライダーなら、間違いなく頷くだろうよ。そうしたら、きっとコイツは最高の改造人間になる』
『俺の腕を置いていく。願わくば、俺達の後輩が……友達の為に体を投げ出せるヤツであって欲しいね』
伊織「あんた達の体を参考に、水無瀬の総力を上げて手術をするわ。あんた達の良いとこ取りで、最高の仮面ライダーを作ってみせる」
春香「……そういう事なら、喜んで!」
真「なんだ、無理とか言って本当はやる気だったんじゃないか」
伊織「もしいいえって言ってたら、私達は何もリスクが無いのだからそれで良かった。ただ、あんた達の事は軽蔑してたでしょうね」
伊織「はいって言っても可能かどうかもわからないリスクの塊みたいな選択。正直、気が進まない。だけど……」
伊織「あんた達は、私の中で最高の仲間のままだったわ。にひひっ!」
伊織「さ、時間が無いわ。今こうしてる間にも美希の体は危ない状況にある。さっさとするわよ!」
春香・真「うん!」
……。
響「み、美希が……変身した?」
貴音「これは……驚きましたね」
美希「ごめんなの、ギリギリで。さっきまで体の調整してたから……」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 04:00:06.63 ID:
YzALlBVO0
響「その、それはいいけどっ!勝てるのか!?」
貴音「相手はあのような怪物……いくらその、不思議な体であっても……」
美希「大丈夫、負けないから。ミキの体にはね……」
美希「先輩ライダーの、それも二人分の正義がいっぱい詰まってるから!」
トリカブト「それがどうした!生まれたての改造人間が勝てると思うな!」
美希「勝てるよ。だってミキ、アイドルだもん。響や貴音っていう観客が、ミキの事を応援してくれるなら……」
響「あ、当たり前だぞ!美希ー!頑張れー!」
貴音「勝ってください、美希!」
美希「……ミキは、絶対に負けないの!あはっ!」
……。
春香「今頃、美希も戦ってるんだろうね」
真「だろうね、さっき連絡あったし」
春香「じゃあ、私達も頑張らないとね」
真「営業、一緒で良かったよね」
春香「ほんと、そうだよねぇ」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:23:23.45 ID:
0CokD1tV0
真「まさか……今まで倒した怪人全員出てくるとはね」
春香「そろそろショッカーも余裕がなくなってきたかな」
真「とにかく今は……」
春香「戦って!」
真「切り抜ける!」
春香・真「変身!!」
……。
千早「春香!春香!」ドンドン
雪歩「だ、だめだよ千早ちゃん!あの二人は、私達を隠す為にここに……」
千早「それでも、ただ見ているだけなんて……祈るだけしか出来ないなんて、私には耐えられない!」
雪歩「千早ちゃん……」
千早「もう、嫌なのよ。何も出来ないのは!何も出来ず、大切な人を失うのは……絶対に、嫌なのよ!」
雪歩「千早ちゃん……ごめんね」
千早「何をっ……」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:28:35.44 ID:
0CokD1tV0
パシーンッ……
千早「雪、歩?」
雪歩「ぐすっ、千早ちゃんのバカ……」ポロポロ
雪歩「私を……春香ちゃんを、真ちゃんをバカにしないで!」
千早「何を言って……」
雪歩「春香ちゃんが、真ちゃんがどんな気持ちで信じて待っててって言ってるかわからないの!?」
雪歩「あの二人は……私達と、歳も変わらない二人が、あんな、あんな戦いをして……」
雪歩「それでも、私達に笑って“信じて”って……そう言う二人の気持ちが、わからないの!?」
千早「あの、私……」
雪歩「もどかしいのは、私も一緒だよ。だけど、信じてって言われたから、信じる。そうすれば戦えるからって、二人は言ったから」
雪歩「祈るだけしか、じゃない。祈ることが出来る。信じようよ、あの二人を。それから、美希ちゃんも」
千早「祈る事が、出来る……」
雪歩「叩いちゃってごめんなさい。だけど、これ以上……あの二人の覚悟を侮辱されたくなかったから」
雪歩「苦しくても、信じ続けるのが私の戦いだって決めた、私の覚悟を……侮辱されたくなかった、から」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:31:21.96 ID:
0CokD1tV0
千早「……私の方こそ、ごめんなさい。考えが浅かったわ」
千早「そうよね。あの二人は私達が戦う事なんて望んでいない。むしろ、真逆なのに……私は、何を焦っていたのかしら」
千早「今は、信じて待つ事。それが、私達の戦い。そういう事ね?」
雪歩「うん。だから、応援してようよ。二人のことを。だって二人はアイドルなんだもん」
千早「応援してくれるファンの前で、情けない姿は見せない……わね」
千早(春香……お願い、無事で……)
雪歩(真ちゃん……私、信じてるから。信じてる、から……!)
……。
死神博士「これ以上の戦力は失えんな」
被り物の男「我々の目的を達するには、やはり仮面ライダーを倒すより他無いか」
軍服の男「いいだろう、潮時だ。そろそろ……決着をつけよう」
死神博士「無策で挑むのは我々と言えど無謀だが、どうするのだ?」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:34:52.23 ID:
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被り物の男「……アイドル、というのは、衆目に晒されるのが仕事なのだな」
軍服の男「もともとそれが目的で素材にしたわけだからな。何か考えが?」
被り物の男「何、ならば衆目に晒してやろうではないか。奴らの姿をな」
死神博士「……なるほど、それは良いな」
軍服の男「どちらに転ぼうと……次で、全てを終えるか」
……。
響「すごかったなー美希のキック!ばしーってさ!」
貴音「ええ、見事でしたね。しかし美希、体は本当に大丈夫なのですか?」
美希「もう全然平気なの。むしろ強くなったんだよ!」
響「んー自分も改造してもらったら……」
美希「それはダメなの。だって辛い事の方が多いし。それは先輩に聞いたから知ってるの」
貴音「そうですよ。人で無くなる苦悩……それは想像を絶する物なのでしょう」
美希「うん……だけど、ミキは信じてたの。どうなっても、みんなはミキの仲間だって」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:37:20.23 ID:
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響「あったりまえじゃん!」
貴音「当然ですね」
美希「そう言うと思ってたの!あはっ!ただいまーなのー」ガチャッ
春香「あ、美希……」
真「……」
美希「……勝ったの」
真「……こっちも」
春香「……ふふっ」
真「へへっ」
美希「あはっ」
響「な、なんだよー。自分達も仲間に入れて欲しいぞー」
貴音「これは……なんというか……奇妙な空気ですね」
P「おーい!大変だぞ!」バタバタバタ
美希「ハニー、どうしたの?」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:39:41.58 ID:
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P「うおっ、美希!体は……まぁ丁度いいか!美希のお姉さん、目、覚ましたって!」
美希「……本当!?」
響「やったなぁ、美希!」
貴音「良かったですね、美希」
美希「良かった……良かったのー!」
……。
春香「……終わりが近い……気がする」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/20(木) 10:41:46.99 ID:
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次回予告
あずさ「う~ん……ここ、どこなのかしら」
営業に出た地方で迷子になったあずさ。
そこで出会った妙な男にベルトとカブトムシ型の“何か”を託される。
あずさ「このベルト、意外としっくりくるわ~……でも、何に使うのかしら」
なんとか帰りの道に辿り着いたあずさだったが、そこで人に擬態していた怪人が本性を現し、殺戮を始める。
その時、カブトムシ型の“何か”……カブトゼクターがベルトのバックルにセットされた。
あずさ「あ、あらあら~?これ、生きてるのかしら、って、あら?」
Henshin
あずさ「……えーと。どうしましょうか」
次回、アイドルマスター『戦いはへそでするものよ』
元スレ:
真「仮面ライダーも楽じゃないよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1355930691/