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【アイマス】愛「涼さんにいろんなお願いをしてみよーっ!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:10:48.83 ID:qpL6wbWq0
愛「あたしの気のせいかもしれませんけど、絵理さんとは違って、たまに涼さんに壁を感じることがあるんです……」

愛「でもせっかく同じ事務所の仲間なんだから、あたし、涼さんともっと仲良くなりたいと思うんです!!」

愛「というわけで、まずは涼さんとご飯をご一緒するお願いをしてみるよーっ!!!」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:11:35.42 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛「涼さんに、お願いがあります!!」

涼「わ、いきなりどうしたの愛ちゃん。お願い?」

愛「あたし、涼さんともっと仲良くなりたいんです!!」

涼「うん、ぼ……私も、愛ちゃんとはもっと仲良くなりたいかな」

愛「だから、今日は一緒にお昼ご飯を食べに行きませんか?」

涼「ご飯?」

愛「はい! 絵理さんが別の仕事なのは残念ですけど……。駄目、ですか?」

涼「ううん、もちろんいいよ」

愛「本当ですかっ!?」

涼「うん。じゃあ、今日2人で美味しいお店を見つけて、今度は絵理ちゃんも誘って3人で行くっていうのはどう?」

愛「あ、それナイスアイデアです!! じゃあ、しゅっぱーつ!!」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:14:08.14 ID:qpL6wbWq0
~小さな喫茶店~

愛「ふわーっ、あたし喫茶店って初めてかもです……」

涼「そうなの? まぁ、私も打ち合わせで使ったりするくらいかなあ。一人だと入りにくかったりするよね」

愛「はい、それもあるんですけど……。なんだか、あたしみたいな子どもが入ってもいいのかなって」

涼「ふふ、駄目なわけないよ! それに実は、こういう所のほうが美味しいランチを出してくれたりするんだよ」

愛「そうなんですかー!? なんでも知ってて、涼さんってやっぱり大人なお姉さんですねー!!」

涼「お姉さんね、はは……」

涼「それより、注文は何にする?」

愛「うー、頼みたいものが多すぎて迷っちゃいますー。オムライスが食べたいけど、ミックスサンドも美味しそうだし……」

涼「あ、ミックスサンド美味しそうだね。フレンチトーストなんかもいいなあ」

愛「うーん、どうしよう、うーん……」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:19:38.55 ID:qpL6wbWq0
愛「そうだ! いいことを思いつきました! 涼さん、お願いがあるんですけど」

涼「? どうしたの?」

愛「あたしがオムライスを頼みますから、涼さんはフレンチトーストを頼んでください!! それで、2人で半分ずつ分けましょう!」

涼「確かにそうしたら、二人ともどちらも食べられるけど……。愛ちゃんは、それでいいの?」

愛「勿論です! どっちも食べられる方がいいですから!!」

涼「うーん……。まあ、いいか。じゃあ店員さん呼ぶね。すいませーん!」

店員「ご注文はお決まりですか?」

涼「はい、フレンチトーストとアメリカンを」

愛「あ、飲み物……。オムライスと、えとえと、ミルクセーキをお願いします!」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:24:34.06 ID:qpL6wbWq0
店員「お先にお飲み物をお持ちしました」コト

涼「あ、ありがとうございます」

愛「そういえば、アメリカンって普通のコーヒーとどう違うんですか?」

涼「え? うーん。実は私もよく分からないんだ。アメリカンが普通のコーヒーで、エスプレッソとかカフェラテは牛乳で飲みやすくしたもの、くらいしか知らないかも」

愛「ということは、それはちょっと苦いやつってことですか?」

涼「うーん、そうなるのかな」

愛「ちょっと飲ませてください! えいっ!」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:25:54.88 ID:qpL6wbWq0
涼「あ、愛ちゃん……。もう!」

愛「う、あたしにはちょっと苦いかもです……。ミルクセーキミルクセーキ」チュー

涼(全く気にしないで、いきなり飲むんだから……)

愛「あ、涼さんもあたしの飲みますか?」

涼(さすがにそれはまずいよ……)

涼「ううん、私はいいよ」

愛「えー? 美味しいですよ?」

涼「気持ちだけ受け取っておくね。ありがとう」

愛「そうですかー、とっても美味しいのに」チューチュー

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:31:04.44 ID:qpL6wbWq0
涼「それじゃあ、いただきます」

愛「いただきまーっす!!」

涼「」モグモグ

愛「」パクパク

涼「うん、結構美味しいや。そっちはどう?」

愛「~~~っ!!!」

涼「愛ちゃん……?」

愛「すっごく!! すっごく美味しいです涼さん!!!」ブンブン

涼「あ、愛ちゃんちょっと声大きい……」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:34:02.15 ID:qpL6wbWq0
愛「あ、ごめんなさい……。でもこのオムライス、とっても美味しいんです! もしかしたらママより美味しいかも!」

涼(やっぱり一番はお母さんなんだね)クス

愛「涼さんも食べてみてください!」

涼「じゃあ、私もちょっともらっていいかな?」

愛「もちろんですよ! はい、あーん」スッ

涼「えっ?」

愛「えっ?」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:38:05.74 ID:qpL6wbWq0
涼「大丈夫だよ愛ちゃん、私自分で食べられるから」

愛「でも、大事な人にはこうしてあげなさいってママが言ってました! あたし、涼さんともっと仲良くなりたいですから!」

涼「それ、意味が違うと思うんだけど……。それにいいの? 愛ちゃんのスプーンで」

愛「はい! あたしは全然気にしません! あ、でも涼さんが嫌ですか……?」ウル

涼「そ、そんなことないけど。え、っと、じゃあ……(いいのかな、これ)」パク

愛「どうですか!?」

涼「ほんとだ、とっても美味しいね」

愛「でしょーっ!? このお店に来れてすっごく良かったです!」パクパク

涼(あ、ほんとにスプーンそのままで……。うう、何か罪悪感が)

愛「涼さん、どうかしたんですか?」

涼「い、いや、なんでもないよ」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:43:54.14 ID:qpL6wbWq0
愛「あ、そうだ! フレンチトーストはどうでしたか?」

涼「うん、これもとっても美味しいよ。ちょっと食べてみる?」

愛「はい、ください! あーん」

涼「……。愛ちゃん、これ、私もやらなきゃだめ……?」

愛「あたしもやったんですから、涼さんにもやってほしいです! もちろん、嫌ならいいんですけど……」シュン

涼「い、嫌じゃない! 嫌じゃないよ! それじゃ、はい、あーん……」プルプル

愛「はむっ! む、ひょっとおおきひ……」モグモグ

涼(愛ちゃん、くわえて両手で握って食べてるとなんだかハムスターみたいだ。……って何考えてるんだ僕は)

愛「うわあ! これもすっごく美味しいです!! 涼さんの目に狂いはなかったですね!!!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:46:58.17 ID:qpL6wbWq0
涼「愛ちゃん、声声」ヒソヒソ

愛「あ、ごめんなさい……」

コトン

涼「え?」

愛「アイスクリーム?」

店長「お嬢ちゃん、何度も美味しいと言ってくれてありがとうね。これはサービスだよ」ニコ

涼「え、いいんですか?」

愛「ありがとうございますー! あの、うるさくってごめんなさい。あたし声大きくって……」

店長「いいんだよ。その代わり、また食べに来てくれるかな?」

愛「もちろんです! 今度は他の友達も連れてきますね!」

店主「うんうん、そうしてくれるととっても嬉しいよ」

涼(愛ちゃんの魅力はすごいなあ)

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:50:15.48 ID:qpL6wbWq0
愛「この間の喫茶店で、すごく涼さんと仲良くなった気がします!」

愛「あの後、ちゃんと絵理さんと一緒に3人でも行ったんですよ!!」フンス

愛「次は、何をお願いしよっかなあ……。あ、そういえば近所で夏祭りがあるんだっけ」

愛「一緒に行ってくれるかどうか、誘ってみよーっ!!」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:53:16.50 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛「涼さーんっ!」

涼「あ、おはよう愛ちゃん。今日も元気いっぱいだね」

愛「はいっ! あの、突然なんですけど、明日の夜ってお暇ですか?」

涼「明日? うん、夕方のお仕事が終わったら暇だよ」

愛「でしたら、涼さんにお願いがあります!!」

涼「?」

愛「あの、良ければ一緒に夏祭りに行きませんか? 明日近所の神社であるんです!」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:55:40.72 ID:qpL6wbWq0
涼「夏祭りかあ……。うん、楽しそうだね。もちろんいいよ」

愛「本当ですか? やったやったーっ!!」

涼「ふふ。そんなに喜ぶなんて、よっぽど行きたかったんだね」

愛「はい! 何と言っても、涼さんと一緒ですから!!」

涼「あ、そ、そうなんだ……。それは嬉しいな」

愛「それじゃあ、明日は事務所の前で待ち合わせでいいですかっ!?」

涼「うん、そうしよっか。私はお仕事終わったら事務所に戻ってくるから」

愛「分っかりましたー!」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 00:58:39.98 ID:qpL6wbWq0
~事務所前~

涼「ごめん愛ちゃん、待たせちゃったかな?」パタパタ

愛「いいえ、今来たところですよ! 涼さん、お仕事お疲れ様です!」

涼「ありがとう、それにしても……。愛ちゃん、浴衣なんだね」

愛「はいー! ママが折角だから来て行きなさい、って。どうですか?」クルッ

涼「うん、ピンクが愛ちゃんに似合っててとっても可愛いと思うよ」

愛「本当ですか!? ありがとうございます!!」

涼「私は仕事終わりだから普段着だけど、ごめんね?」

愛「気にしないでください! でもいつか、涼さんの浴衣姿も見てみたいなー」

涼「はは、それはまたの機会だね」

涼(仕事終わりでよかった……。僕が浴衣を着てなくても不自然じゃないし)

涼(普段着は慣れてしまっている自分も、どうなのさって思わないでもないけどね……)

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:03:28.97 ID:qpL6wbWq0
~神社~

涼「へー、結構人がいるんだね」

愛「涼さん、金魚すくいしましょう! 金魚すくい!」

涼「うん、いいよ。久しぶりだなぁ、金魚すくいなんて」

おっちゃん「はい、1回300円ね」

涼「よーし、行くよー」

涼「…………」

涼「……うりゃっ!」ピッ

愛「あっ!」

涼「あちゃー、全然ダメだ。すぐに破れちゃったよ。愛ちゃんもやってみる?」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:06:01.97 ID:qpL6wbWq0
愛「えへへ、あたし結構得意なんですよ! こういうところ来たら毎回やっちゃうんです」

涼「そうなの? じゃあお手並み拝見だね」ニコ

愛「よーし。いっくよー!」

愛「…………」

愛「」ピッ!

愛「」ピッ!!

愛「」ピッ!!!

涼「わあ、すごいよ愛ちゃん!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:11:41.59 ID:qpL6wbWq0
涼「金魚すくいも結構楽しめるものだねー。私、あんなに続いたの初めてかも」

愛「破れなかったらずっとできますもんね! 涼さん、すっごく上手かったですよ」

涼「愛ちゃんの教え方が良かったんじゃないかな? でも、持って帰るのは2匹でよかったの?」

愛「はい! あんまり持って帰っても、ちゃんと育ててあげられないですから! そういう涼さんは1匹も持って帰らなくていいんですか?」

涼「私も愛ちゃんと一緒。水槽とか持ってないし、ちゃんと育ててあげられそうにないから」

愛「じゃあ、この2匹は2人で1匹ずつすくったことにしましょう!」

涼「うん、それがいいや。たまに見に行ってもいい?」

愛「勿論ですよー! いつか遊びに来てください! ママもきっと、喜びます!」

涼(ママ……日高舞さん、か)

愛「約束ですよーっ!!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:14:46.59 ID:qpL6wbWq0
涼「うん、約束だね。……って愛ちゃん、ちょっと」

愛「何ですか?」

涼「もう、袖が濡れてるよ。さっきの金魚すくいのときからじゃない?」

愛「え? あーっ! 本当だーっ! 全然気付きませんでした……」

涼「折角可愛い浴衣なんだから、汚しちゃダメだよ。拭いてあげる」

涼(やっぱりまだまだ、子どもだなぁ)

愛(えへへ、また涼さんに可愛いって言ってもらっちゃった♪)

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:20:37.27 ID:qpL6wbWq0
愛「またまた、涼さんと仲良くなれた気がします!!」

愛「でも実はあの後、かき氷とかわたがしとか、いろんなものをご馳走になっちゃって……」

愛「涼さんは『私の方が年上なんだから、このぐらいいいんだよ』って言ってましたけど、やっぱりこのままじゃダメですよね!!」

愛「そこで今回はひみつへーきを用意してみました!! いっくよー!!」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:25:01.65 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛「涼さんに、お願いがあります!」

涼「愛ちゃんこんにちは。この間は、いろいろ教えてくれてありがとね」

愛「いいえ、どういたしましてー!」

愛「……じゃなくて、涼さん! これを受け取ってください!」

涼「ん、これって……。遊園地のチケット?」

愛「はい! この間のお祭りでご馳走になったお礼です! よかったら一緒に行きませんか!?」

涼「そんな、お礼だなんて気にしなくていいのに。私なんかより、お母さんか絵理ちゃんと行った方がいいんじゃない?」

愛「なんか、じゃありません! あたしは涼さんと行きたいんです!」ガシッ

涼「ちょ、ちょっと、腕、つかまないで……!」

涼(あた、当たるから……!)

愛「あ、すいません! 勿論、無理にとは言わないですけど……」

涼「愛ちゃん、ありがとう。じゃあ今度の日曜日にでも行こうか。ちょうどその日、オーディションの発表だから気を紛らわせたいと思ってたんだ」

愛「はいっ! やったやった、やったーっ!」

涼(本当に僕なんかでいいのかなあ。……まあ、喜んでくれてるみたいだからいいか)

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:30:39.89 ID:qpL6wbWq0
~遊園地~

~ジェットコースター~
愛「きゃーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!」

涼「ひゃーっ!」

~フリーフォール~
愛「ううわああああああああああああっっ!!!!!!!」

涼「くううっ!」

~ヴァイキング~
愛「うわわわわわーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!」

涼「う、ひゃああ!」

~ウォーターライド~
愛「ひゃあああああああああああああ!!!!!!!」

涼「うわああ!!」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:36:11.51 ID:qpL6wbWq0
~ベンチ~

涼「はい、愛ちゃん。アイスクリーム買ってきたよ。楽しんでる?」

愛「あ、ありがとうございます! もうすっごく楽しいです! 来て良かったーっ!」

涼「凄い声出してたもんね、愛ちゃん」

愛「あ、あれは思わず……。そんなこと言わないでくださいよ、もうっ!」プン

涼「ふふ。それじゃあ私、ちょっとトイレに行ってくるね。荷物を見ててもらっていいかな? 」

愛「あ、はい! 分かりましたー!」

涼「じゃ、ちょっとだけお願いね」

涼(さて。バレないようにちょっと遠いトイレに行かないと)スタスタスタ

愛「あ、涼さん! トイレならあっちに……!」

愛「……行っちゃった。急いでたのかな?」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:41:35.56 ID:qpL6wbWq0
prrrr prrrr

愛「あ、涼さんの携帯だ。置いていっちゃったのかな」

愛「かけてきたのは……石川社長だ! あ、もしかして、オーディションの発表って言ってたやつかも……?」

愛「だとしたら大変! すぐに知らせないと!」

愛「今なら、走れば追いつけるかな……? 涼さん! 涼さーん!」ダッ

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:47:05.21 ID:qpL6wbWq0
~遠い方のトイレ~

愛「うーん、いない……。あ、あのトイレかな?」キョロ

愛「あ、涼さん出てき……」

愛「……えっ?」



涼「~~♪」

愛「見間違いじゃない……よね?」

愛「今、涼さん、男子トイレから出てきた……?」

涼「~~♪」テクテク

愛(あ、こっちに来る! とりあえず元の場所に戻ろう!」ダッ!

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:49:25.23 ID:qpL6wbWq0
~ベンチ~

涼「ごめんね愛ちゃん、遅くなって」

愛「い、いえー。あの、石川社長から電話があったみたいでしたよ」

涼「え、本当!? ありがとう愛ちゃん、ちょっと電話してきてもいいかな?」

愛「はい! オーディション、いい結果だといいですね!」

涼「ありがとう! じゃあちょっと待っててね」タッ

愛「うーん…… どこからどう見ても女の人なんだけどな……」

愛「やっぱりあたしの見間違いだったのかな?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:53:36.38 ID:qpL6wbWq0
~お化け屋敷~

愛「」

涼「愛ちゃん、大丈夫? 怖いの苦手なの?」

愛「だ、だいじょぶです……」プルプル

涼「あんまり大丈夫そうに見えないんだけど……」

涼(僕もこういうのは結構苦手なんだけど、愛ちゃんはそれ以上だなあ)

愛「と、得意じゃないでふけど苦手でもないですから」

???「」

涼「……愛ちゃん? 誰に話してるの……?」

愛「誰ってりょりょ、涼さんに」

涼「私、こっちだよ?」

愛「え? じゃあこの影は……」

みいら「」

愛「……………………」ヒク

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:55:39.49 ID:qpL6wbWq0
愛「きゃあああああああ!!!!!!」

みいら「」ビクッ!

涼「」ビクッ!

愛「涼さあああああああん!!」ガシッ

涼「ちょ、ちょっと愛ちゃん! 大丈夫!?」

愛「」フルフル

涼「駄目っぽいね……。じゃあ私につかまって、私の後ろからゆっくり歩いて行こう。いい?」

愛「はい……ごめんなさい……」ギュー

涼(力いっぱい掴んじゃって。愛ちゃんにも苦手なものがあるなんて、意外だなぁ)

愛(涼さん、すっごく頼りになる……)

愛(もし涼さんが本当に男の人だったら……。どうしよう?)ドキ

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 01:58:16.10 ID:qpL6wbWq0
愛「こないだの遊園地で、またまた涼さんと仲良くなれた気がします!」

愛「ちょっと不甲斐ないところも見せちゃいましたけど! 楽しかったからオッケーだよね?」

愛「それより今は、もっと大切な問題があります……。やっぱり、ちゃんと涼さんに直接聞くのがいいのかなぁ」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:02:51.97 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛(でも、どうやって聞けばいいんだろう。迷惑な子って思われたりしないかな)

涼「愛ちゃんおはよう。考え事?」

愛「あ、おはようございます、涼さん」

涼「……なんか、元気ないね?」

愛「え、そうですか? ……うーん、言われてみたらそうかも。最近あまり眠れなくって……」

涼「そうなの? 駄目だよ愛ちゃん、睡眠はしっかりとらないと。元気の源なんだから」

愛「そうなんですけどー……」

涼「何か悩み事でもあるの? 私でよかったら力になるよ?」

愛「本当ですか?」

涼「うん、もちろん」

愛「でしたら、あの、涼さんに聞きたいことがあるんですけど……」

涼「聞きたいこと? なーに?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:06:34.51 ID:qpL6wbWq0
愛「涼さんって、勉強は得意ですか?」

涼「へ?」

愛「あたし最近アイドル活動と遊んでばかりで、全然勉強してなくてー。もうすぐ期末テストなんですよー!」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:11:07.94 ID:qpL6wbWq0
愛「このままじゃ赤点になっちゃうー!」

涼「期末テストかあ、なるほど…… もしかして寝不足なのもそのせい?」

愛「はいー。英語も数学も何やってるのかさっぱりで……。夜遅くまでやってるんですけど、眠くなったらますます分からなくなってきたりして」

愛「ママに聞いても、『そんなのもう忘れちゃったわよ。自分でやりなさい』って言われちゃったりして……」

涼「あはは、舞さんらしいね」

愛「笑い事じゃないですよー! 勉強が原因でアイドルできなくなるなんて、絶対やです!」

愛「涼さん……。もしよかったら、勉強教えてくれませんか?」

涼「うん、分かった。私もそろそろテストが近いし、一緒に勉強しようか!」

愛「ありがとうございます!!」ペコ

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:13:15.58 ID:qpL6wbWq0
涼「……だからね、グラフを考えるときは慌てずに1つずつこのxに代入してあげればいいんだよ」

愛「なるほどー。涼さんってやっぱり、頭いいんですね!」

涼「私は一応高校生だからね……。中学校の内容が分からなかったらまずいよ」

愛「あ、いえそれもそうなんですけど。説明もすっごく分かりやすいなーって! あたし最近は、授業聞いててもさっぱりで……」

涼「まあ、基本的に女の子は理系科目が苦手っていうから、しょうがないんじゃないかな? しっかり練習してないと」

愛「女の子『は』……?」

涼「(やばっ!?)あ、いや、私は女子にしては珍しく、数学が得意な方だからさ。よく言われるんだー」

愛「…………」

涼「さ、さあ次の問題行こっか! あは、あはは……」タラタラ

愛(涼さんって、やっぱり……?)

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:17:56.93 ID:qpL6wbWq0
~喫茶店~

涼「かん!」

愛「ぱーい!!!」カツン

愛「涼さん、CMオーディション合格、おめでとうございます!!」

涼「ありがとう。愛ちゃんも期末試験、お疲れ様」

愛「涼さんのおかげで、赤点取らなくて済んだんですよ! それどころか、先生にもママにも褒められちゃいました!」

涼「それは嬉しいな。今日は祝杯、だね」

愛「はいー!」

愛「……じゃないですよっ! 今日は涼さんのオーディション合格祝いだって、あたし言ったじゃないですか!!」

涼「あれ、そうだったっけ?」シレッ

愛「そうですよ―……。あたしの試験と涼さんのオーディションじゃあ、比べ物になりませんもん」

涼「あはは。とはいえ、補欠からの繰り上がりだけどね。二度目の連絡が来たときは驚いちゃった」

愛「あーあ。あたしも早くオーディションに合格したいなあ」

涼「愛ちゃんならすぐだよ。だっていつも、すごく頑張ってるじゃない。次のオーディションは、来週だったっけ?」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:20:40.55 ID:qpL6wbWq0
愛「はい! 何週間も前から、このオーディションに向けてまなみさんと一生懸命対策してきたんです!」

涼「そうなんだ。じゃあ、絶対に負けられないね」

愛「もちろんです! 今回のあたしは、一味違いますよーっ!!」

涼「ふふ、気合入ってるなあ。じゃあ愛ちゃんが次のオーディションに合格したら、私がここのオムライスご馳走してあげる」

愛「え!? 本当ですか!?」

涼「もちろん。愛ちゃん大好きだもんね、ここのオムライス」

愛「わあ、とてもやる気が出てきました! 今までもう100%だったのに、これで120%です!」

店長「涼ちゃんがそんなことしなくても、私がご馳走してあげるよ。私も愛ちゃんのこと、応援してるからね」

愛「ええっ!? てんちょーさん、いいんですかっ!?」

店長「当然さ。私も愛ちゃんのファンなんだから。今日も涼ちゃん、サービスしとくからね」

涼「わ、ありがとうございます」ペコ

愛「よーし! 絶対絶対、合格するよーっ!」

涼「その意気だよ、愛ちゃん」

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:25:58.12 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛「うっ……。ぐすっ……。っ……」

涼「あ、愛ちゃん。元気出してよ。また次頑張ろう、ね?」オロオロ

愛「うう……。次、ですか……?」グス

涼「そうだよ。今までも何度か落ちちゃったけど、そんなことでへこたれる愛ちゃんじゃなかったでしょ?」

愛「違うんですよぉ……。今まで、と、今回じゃあ、全然違うんです……」

涼「え」

愛「だって今回! あたしは完璧だったんです!」

愛「緊張はしてましたけど! まなみさんと何度も何度も練習してきて!」

愛「ダンスも、ボーカルも、ビジュアルも、全部練習通りにできたんです!」

愛「それなのに、結果は不合格で……。完璧にできても合格しないんじゃあ、あたし、あたし、一生合格なんかできないんじゃないかって……」グズ

涼「愛ちゃん……」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:31:28.33 ID:qpL6wbWq0
愛「…………ぐす。……っ」

愛「……あたし。……涼、さんに、お願いが、あります……」グス

涼「お願い?」

愛「今だけで、いいです。ぎゅーって、抱きしめてくれませんか?」

涼「!?」

愛「駄目、ですか……?」

涼「……愛ちゃん」

涼「でも、私は……」

愛「大丈夫、です」

涼「え?」

愛「……あたし、うすうすだけど気付いてます。多分、涼さんが、隠してること」

涼「……え!?」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:34:28.77 ID:qpL6wbWq0
愛「でも……。ううん、だからこそ。あたしは、涼さんに抱きしめて欲しいんです」

愛「お願い、お願いです涼さん。あたしを、泣かせて、ください。そうしたら、いつものあたしに戻りますから」ウル

涼(……)

涼「…………」

涼「……………………」

涼「」ギュッ

愛(あっ……)

愛「うっ……。うわああああああああん!!!」

愛(やっぱり)

愛「あたし、あたし……!!」

愛(やっぱり、あたしは、涼さんのことが)

愛「みんなが応援してくれたのに、悔しいよおおおお!!!」

涼(愛、ちゃん……)

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:40:28.70 ID:qpL6wbWq0
~後日~

涼「愛ちゃん、話ってなにかな?」

愛「……話というより、お願いって言った方が、いいかもしれません」キュ

愛「あたし、涼さんに、大切なお願いがあります!」

涼「…………」

愛「あたしの、あたしの一番大事な人になってください!!」

涼「い、一番大事な人……? それって」

愛「涼さんは、その、男の人なんですよね?」

涼「う、本当にばれてたんだ……。一体どうして?」

愛「この間の、遊園地のとき。男子トイレから出てくるのを、見ちゃったんです」

涼「あのときかあ……。見られちゃってたんだ」

愛「でも、知ることができてよかったです」

愛「だって、あたしが涼さんを大好きだ、ってことに気付けましたから!」

涼「……」

愛「だから涼さん、あたしの一番大事な人になってください!」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:42:30.57 ID:qpL6wbWq0
涼「……私は」

涼「いや、もういいんだっけ。『僕』はね、愛ちゃん」

愛「はい」グッ

涼「愛ちゃんのことを、ずっと妹みたいな存在だと思ってきたんだ」

涼「夏祭りだったり、遊園地だったり。いろんなところに誘ってくれて、とっても楽しかった」

涼「でもね。好きとか、そんな風に考えたことは、一度も無かったんだ」

涼「もちろんそれは、絵理ちゃんも同じ」

愛「妹、ですか……?」

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:45:54.99 ID:qpL6wbWq0
愛「それって、とっても嬉しいです!」

涼「え?」

愛「だって、涼さんはあたしのことをすごく身近に感じてくれていたってことですよね?」

涼「それは、そうだけど……」

愛「だったらあたし、もっと頑張ります!」

愛「もっともっと頑張って、あたしが涼さんの一番に来るようにします!」

愛「だから、あたしが涼さんを好きだってことを、ずっと覚えててください!!」

愛「今は、それだけで充分です!!」ニコ

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:49:26.36 ID:qpL6wbWq0
涼「……ぷっ。あははは!」

愛「な、なんで笑うんですかっ! あたし、何か変なこと言いましたか?」

涼「いや、愛ちゃんはいつでもまっすぐだなあって。あれこれ考えたのが馬鹿らしくなっちゃったよ」

愛「……?」

涼「そうだよね。悩む必要なんて無かったんだ。愛ちゃんが僕にとって大切だ、なんていうのは分かりきってたんだから」

愛「それって……」

涼「だからさ、愛ちゃん」

愛「は、はい」

涼「僕は、愛ちゃんの一番になるための努力をしても、いいかな?」ニコッ

愛「……っ!」

愛「はいっ!!!」パァッ

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:50:04.67 ID:qpL6wbWq0
とりあえずは終わり。綺麗に終わりたい人はここまでで終わっといてください
以下だらだらとおまけ

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:54:31.40 ID:qpL6wbWq0
~いつもの喫茶店~

涼「かん」

愛「ぱーいっ!!」カツン

絵理「愛ちゃん、オーディション合格、おめでとう」

涼「本当におめでとう、愛ちゃん」

愛「絵理さんも涼さんも、ありがとうございますっ!」

涼「やっと愛ちゃんの実力が認められたね!」

絵理「ずっと頑張ってた、成果だね」

愛「はいっ! 今回は本当の本当に完璧でした! これで落ちてたらどうしようかと……。涼さんにもたくさん助けていただきましたし」

涼「大したことはしてないけどね。愛ちゃんが合格して、私も本当に嬉しいよ」

絵理「これぞ、愛の力?」

愛&涼「」ブーーーッ

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:56:56.65 ID:qpL6wbWq0
絵理「……飲み物を噴出すのは、汚い?」

涼「だ、だって絵理ちゃんが変なこと言うから……」ゲホゲホ

愛「そ、そうですよ絵理さん! あたしの名前が愛だからって、愛の力なんて……」コホコホ

絵理「……もしかして、気付いてないと思ってる?」

愛「……え?」ギク

涼「な、なんのことかな?」

絵理「愛ちゃんも涼さんも、前よりすごく仲良くなった」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 02:58:21.64 ID:qpL6wbWq0
絵理「そして、お互いのことがすごく特別になった。そうでしょ?」

涼「それは、そうだけど……」

愛「ど、どうして分かったんですか?」

絵理「だって、たまに『2人きりになりたいなー、早く帰ってくれないかなー』って雰囲気を感じたから」

愛「そ、そんなこと! ……無いって言ったら、嘘になります、けど」

涼「う……。まあ、否定はできないね」

絵理「でしょ?」

涼「じゃ、じゃあ、僕が男だってことにはいつから気付いてたの?」

絵理「えっ」

涼「えっ」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:03:49.16 ID:qpL6wbWq0
絵理「……涼さん、男の子だったの?」

涼「ぎゃおおおおおん! そこには気付いてなかったの!?」

愛「じゃあ、さっきの『愛情』ってなんだったんですかーっ!?」

絵理「私はてっきり……。禁断の愛かと?」

涼「あはは……」

愛「見事に墓穴掘っちゃいましたね、涼さん……」

絵理「安心して。誰にも言わないから」

涼「そうしてくれると助かるかな……」

絵理「そう……。涼さん、男の子だったんだ……。ふーん」

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:06:08.46 ID:qpL6wbWq0
絵理「まあとにかく。私はそろそろ帰るね?」

愛「え、もう帰っちゃうんですか?」

絵理「だって、そんな『雰囲気』を感じるから?」

愛「あ、いや、それは、えーと……」

絵理「いいの。涼さんのこと、大事なんでしょ? でも」

絵理「これからもちゃんと、私とも仲良くしてくれると、嬉しい」

愛「もちろんです! 絵理さんと仲良くなくなるなんて、考えたくありません!」

絵理「うん、ありがとう。それと、涼さんとは今度じっくり話がしたい?」

涼「そうだね、あはは……」

絵理「それじゃあ、私はこの辺で。あ、最後に一つ」キィ

愛「何ですか?」

絵理「あんまり事務所でいちゃいちゃするの、禁止?」バタン

愛「そ、そんなことしてませんよーーーっ!!」カァ

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:09:38.06 ID:qpL6wbWq0
涼「あはは……。まさか、ばれてたとはなぁ……。しかも、気まで使ってもらっちゃった」

愛「本当にいい人ですよね、絵理さん」

涼「そうだね。今度何か埋め合わせしなきゃ」

愛「……」

涼「……」

愛「……」

愛「…………」モジモジ

涼「……どうしたの、愛ちゃん?」

愛「あ、あの、涼さん。涼さんに、お願いがあって……」

涼「? なーに?」

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:13:15.86 ID:qpL6wbWq0
愛「あたし、オーディション合格しましたよね?」

涼「うん」

愛「頑張りましたよね?」

涼「うん、愛ちゃんはすごく頑張ったよ。僕が保証する」

愛「だから、ご褒美が欲しいかな、って……」

涼「あ、そうだったね。オムライス頼まないと」

愛「……っ、違いますーっ!!」

涼「え??」

愛「そうじゃなくて、あの。もう一回だけ、ぎゅー、ってしてほしいな、って……」カァ

涼「」

愛「い、いや、嫌ならいいんですっ! 変なこと言ってごめんなさい!」

涼「えと、嫌じゃないんだけど、なんかその、恥ずかしいなあって……」カァァ

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:17:50.83 ID:qpL6wbWq0
愛「そ、そうですよね。ここ喫茶店ですもんね」

涼「そう、そうだよ。ほら、合格祝いなんだから。も、もう一回乾杯しちゃおっか?」

愛「あ、い、いいですね。せ、せーのっ、かんぱーいっ!」

コトン

店長「はいお待たせ。オムライス2つね。今日はおじさんのサービスだから」

愛「わーっ! ありがとうございます!!」

店長「その代わりと言っちゃなんだけど、一つ頼みごとをしてもいいかな?」

愛「頼みごとですか? あたしにできることなら何でもやりますよーっ!」

店長「そりゃ良かった。ちょっとお茶っ葉を切らしてしまったから、買ってくるまでお留守番しててもらっていいかな?」

涼「っ!?」

愛「はい、そのくらいでしたら大丈夫です!」

店長「ごめんね。30分はかかると思うから。それまで閉店にしとくから、貸切だよ」

涼「……」

愛「貸切だなんて、すごい! 気をつけてくださいね!」

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:23:48.27 ID:qpL6wbWq0
店長「ありがとう。じゃあ、行ってくるよ」ガチャ、バタン

愛「貸切だなんて、なんか偉くなったみたいですねー!!」

涼「……愛ちゃん、気付いてないの?」

愛「? 何がですか?」

涼「いや、気付いてないならいいんだ……。今お茶飲んでた人なんていないとか、そんなことはいいんだ……」

涼「それより、腹を括ろう、うん」

愛「……どうか、したんですか? 冷めちゃいますよ?」

涼「ううん。それより愛ちゃん、こっちに座らない? 隣で食べようよ」

愛「いいですけど……。どうしたんですか?」ポスン

涼「」スー、ハー

愛「深呼吸……? どうかしたんでs」

涼「」ギュウッ

愛「ひあっ……。りょ、涼さんっ!?」ボッ

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:28:19.39 ID:qpL6wbWq0
涼「愛ちゃん、本当におめでとう。よく頑張ったね」

愛「りょ、りょりょ涼さんっ! びっくりするじゃないですかっ!」

涼「こうしてほしいって言ったのは、愛ちゃんじゃない」

愛「それはそうですけどー! 嬉しいけど、恥ずかしいよー!!」ジタバタ

涼「……じゃあ、もうやめる?」

愛「それも嫌ですーっ!!!」

涼「ふふ、愛ちゃん可愛い」

愛「あうう……」




愛(結局、オムライスを食べ始めたのはてんちょーさんが帰ってくるほんの少し前でした)

愛(少し冷めちゃってたけど、とっても美味しかったです!)

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:33:57.53 ID:qpL6wbWq0
~事務所~

愛「涼さんに、お願いがあります!」

涼「お願い? どうしたの、愛ちゃん」

愛「あたしの学校の、文化祭に来てくれませんか?」

涼「文化祭?」

愛「はい! あたしのクラスは喫茶店をやるんです! それで是非、涼さんにも来てもらいたくって!」

涼「なるほどね。いつあるの? 予定が合えば、是非行きたいな」

愛「えーと、日付はですね……」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:38:24.46 ID:qpL6wbWq0
~文化祭~

涼「えっと、2組だから……。ここか。愛ちゃんの番は今の時間でいいんだよね」ガラガラ

生徒「いらっしゃいませー!」

愛「いらっしゃいませー!! あ、涼さん!!」

涼「あ、愛ちゃん。……どしたの、その格好」

愛「えへへ、似合ってますか? ロシアン喫茶、って言うらしいですよ!」

涼「なんか、変わった衣装だね……」

愛「なんでも、演劇部にこの衣装がたくさんあったので、借りてきたらしいです!」

涼(大丈夫なのかな、その演劇部……)

女生徒A「ねえねえ愛、この人ってもしかして」

女生徒B「秋月涼さんじゃない!?」

愛「えへへ、そうだよ! 事務所の先輩なんだ!」

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:42:44.39 ID:qpL6wbWq0
涼「本当にありがとうございます。とても嬉しいです」ニコ

愛「涼さん、ご注文……」

女生徒A「あの、お願いです。握手とかって、してもらえませんか?」

涼「ごめんね愛ちゃん、ちょっと待ってて」

涼「握手くらいなら、もちろん。はい」ニコニコ

女生徒C「あ、私も!」

女生徒D「私、カードにサインしていただきたいです!」

女生徒B「あー! ずーるーいー! 私もカード、持ってくればよかったー!」

涼「みんな持ってるんだね。本当にありがとう」カキカキ

女生徒C「写真は!? 写真は撮ってもらっちゃだめですか?」

女生徒D「あ、それいいかも!」

涼「ごめんね、写真はちょっとNGなんだ……。事務所の決まりで」

女生徒A「そうなんですかー。でもでも、握手ができるだけですごく嬉しいです!」

女生徒B「あ、次私なのにー!」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:46:29.28 ID:qpL6wbWq0
ワイワイ

キャッキャッ



愛「……」

愛「…………」ガラガラ

バタン

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:50:30.45 ID:qpL6wbWq0
女生徒「「「「ありがとうございましたっ!!」」」」

涼「あはは、どういたしまして……。それより、愛ちゃんはどこに行ったのかな」

女生徒A「あれ? 愛、さっきまでここにいたのに」

女生徒B「もうすぐ交代の時間だから、先に抜けちゃったのかな?」

涼「!」

女生徒C「秋月さん、ご注文は何にします?」

涼「あの、それより愛ちゃんが行きそうなところって分かるかな?」

女生徒D「休憩だったら、人が少ない中庭の方だと思いますけど……」

涼「中庭か、ありがとう。ちょっと探してくるよ」ダッ

女生徒C「あ、秋月さあん!」

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:53:39.81 ID:qpL6wbWq0
~中庭~

涼「いたいた。愛ちゃーん!」

愛「……」ムス

涼「愛ちゃん…… 急にいなくなって、どうしたの?」

愛「別にどうもしませんっ」

涼「ほら、早く教室戻ろうよ」

愛「あたしはいいです。涼さんこそ、早く戻ってあげないとファンのみんなが悲しみますよ?」

涼「もう、そんなこと言わないでよ」

愛「あたしは行きません! 涼さんひとりで、女の子に囲まれてニヤニヤしてればいいんですっ!」

涼「……愛ちゃん、もしかして拗ねてる?」

愛「拗ねてなんかいませんっ!」

涼「……あはは」

涼「僕、初めて女装してて良かったって思っちゃったよ」

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:00:02.53 ID:qpL6wbWq0
涼「だってさ」ギュ

愛「……っ!」

涼「こうやって抱きついても、女の子がじゃれてるようにしか見えないもんね」

愛「な、何やってるんですかぁっ……。涼さん、向こうでファンの子と話してる方が、楽しいんでしょう……?」

涼「僕、そんなこと一言も言ってないよ」

涼「ファンの子が大事なのは、本当だけど。僕、言ったよね」

涼「『愛ちゃんの』一番になる努力をしてもいいかな、って」ボソ

愛「あ、うう……」カァ

涼「ね、だから一緒に戻ろうよ。僕は、愛ちゃんの喫茶店に来たくて今日来たんだからさ」

愛「うぅ……。そんな言い方、ずるいですよお……」

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:57:29.61 ID:qpL6wbWq0
涼「あ、さっき言い忘れてたけどさ」

愛「?」

涼「似合ってるよ、その衣装」

愛「もう、遅いですよっ! 涼さんのばかっ!!」

涼「ごめんね、愛ちゃん」

愛「ふんだ! しばらく許してあげませんっ!!」

愛(うう、顔がにやけちゃって戻んないよ…… 涼さんって本当ずるい!)

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 03:58:27.80 ID:qpL6wbWq0
~日高家~

愛「ただいまーっ!」

涼「お、お邪魔します……」

舞「お帰り、愛。あら、その子が?」

愛「うん! あたしのいちばん大事な人の、涼さんだよ!」

涼「ちょ、ちょっと愛ちゃん……」アセ

舞「あの金魚の子よね? ふうん……。ちょっと妬けちゃうわね」

涼「は、初めまして。秋月涼と申します。日高さんのお噂はかねがね……」ガチガチ

舞「止めてよ、堅苦しいし紛らわしい。舞、でいいわ」

涼「は、はい。舞さん」

舞「それより、愛がいつも迷惑かけてないかしら?」

涼「いえいえ、迷惑だなんてそんな。いつも元気を貰っています」

舞「元気、ねえ。ま、この子はそれだけが取り柄みたいなもんだからね」

愛「あー!! ママ、そんな言い方ひどいー!!」

舞「だって本当のことじゃなーい♪」

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:02:04.87 ID:qpL6wbWq0
愛「涼さん涼さん! あたし今日、シュガーパイ焼いたんです! 是非食べてってください!」

涼「へえ、愛ちゃんってお菓子作ったりするんだ。それは楽しみだな」

舞「シュガーパイは愛の大好物だもの。いつもは私が作るんだけど、この子ったら、ずいぶん前からすっごく張り切ってれんしゅ」

愛「マーマー!! 余計なことは言わないでよー!!」ブンブン

舞「はいはい。まあそういうわけだから。涼くん、でいいのかしら? 美味しくなくても食べていってあげてね」

涼「あはは、勿論ですよ……」

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:05:06.84 ID:qpL6wbWq0
涼「」パク

愛「ど、どうですか……?」ドキドキ

涼「うん、美味しいよ愛ちゃん!」

愛「ほ、本当ですか!? 良かったー!」

涼「うんうん。とっても甘くて、僕の好きな味。こんなの作れるなんて、すごいよ愛ちゃん」

舞「良かったわね愛。ちゃんと食べてもらえて」

愛「うん! 頑張って練習してよかった!」

舞「それじゃ、こっちも食べてみて?」

愛「へ?」

涼「こ、これって…… 舞さんが作ったんですか?」

舞「そうよ? 愛のより、形も綺麗で美味しそうでしょう?」

涼(た、確かに……)

愛「え? え?」

舞「ほらほら。何なら私が食べさせてあげるわよ? はい、あーん」

涼「え、ええと……」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:07:00.98 ID:qpL6wbWq0
愛「ダメーーーー!! 今日は涼さんは、あたしのを食べに来たの!!」

舞「あら、別にいいじゃない味見してもらうくらい」

舞「そんなに慌てなくても、取りゃしないわよ」クスクス

涼「ま、舞さん、冗談はその辺に」オロオロ

舞「ま、確かに涼くん、若くていい男だとは思うけどね」グイッ

涼「ちょ、ちょっと舞さん!」

涼(そんなにくっつかれると、む、胸が……)

舞「愛に飽きたらいつでも乗り換えてくれていいのよ? せっかくいい男なんだから」

涼「あはは、あ、ありがとうございます……?」

愛「もー! 涼さんも嬉しそうにしないでください!」ムス

愛「涼さん、あたしの部屋で食べましょう! ここじゃ落ち着けません!」

涼「あ、待ってよ愛ちゃん! すいません、舞さん」

愛「いーのよー。 ほんと、わが子ながらからかい甲斐のある子だわ♪」

涼「あはは……。じゃあ、失礼しますね」パタパタ

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:27:45.96 ID:GD6be8oe0
舞「……」

舞「涼くん、ねえ。ちょっと話してみただけだけど」

舞「……愛。あんた、私の娘だわ」フゥ

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:34:17.75 ID:GD6be8oe0
~愛の部屋~

愛「全く、ママったらー!」プン

涼「あはは。舞さんは愛ちゃんをからかってただけだよ」

愛「それは分かってますけど! 大人気ないと思いませんか?」

涼「そ、そんなこともないと思うけどなぁ……」

愛「むー! やっぱり涼さん、さっきの嬉しかったんでしょ!?」

涼「さっきの、って……?」

愛「あたし、ママには負けません!」ズイ

愛「今度はあたしがやってあげます! はい、あーん!」スッ

涼「あ、そのことね……」

涼「えと……。あーん」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:41:31.82 ID:GD6be8oe0
涼「えと……。あーん」

ヒョイ

愛「」パク

涼「え? あれ?」

愛「ふーんだ! 浮気者の涼さんにあげるパイなんてありませんよーだ!」

涼「もう、愛ちゃんいじわるしないでよ……」

愛「じゃあ、涼さんがやってくれたら許してあげます!」ニヤ

涼「えー……」

涼「もう、しょうがないなあ。はい、あーん」

愛「はむっ! えへへ、嬉しいです……」ニパ

涼「それはよかったよ……」

愛「初めて涼さんとお食事に行ったときも、こんな感じでしたよね!」

涼「そういえばそうだね。ほんと、あのときは困ったよ……」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:44:53.87 ID:uYsxfxHN0
愛「あのときは涼さんのこと、男の人だなんて全然思ってませんでしたからね!」

涼「そうだよね…… あ、僕もう食べていい?」

愛「はい! じゃあ、あーんしてください!」

涼「いやいや、いいよ。自分で食べれるから」

愛「だーめーでーす! はい、あーん」

涼「えー……」

愛「あーーーん!!」

涼「わ、分かったよ。あーん」

涼「」パク

涼「ん、おいしいよ」モグモグ

愛「♪」

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:48:54.96 ID:uYsxfxHN0
涼「あ、これ夏祭りのときの金魚?」

愛「そうです! 順調に育ってますよー!」

涼「へー。名前とかつけてるの?」

愛「はい! こっちのちっちゃいのが『アキ』で、もう一匹の方が『ツキ』です!」

涼「もしかしなくても、それって……」

愛「はい! 涼さんの苗字からもらいました!」

涼「もっといい名前があっただろうに……。一体どうして?」

愛「だってあの夏祭り、涼さんのおかげでとっても楽しかったですから!」ニパ

涼「ふふ、ありがとう」

涼(愛ちゃんは、かわいいなあ)

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:51:04.18 ID:uYsxfxHN0
~事務所~

愛「りょ、涼さんに、お願いがあります!」グッ

涼「今日はどうしたの? 愛ちゃん。えらくかしこまっちゃって」

愛「じ、実はですね……」ゴニョゴニョ

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:52:34.48 ID:uYsxfxHN0
涼「キスシーン!?」

愛「そ、そうなんです……。今度のドラマの撮影で、入ることになっちゃって」

愛「もちろん、する振りだけにしてくれるっていうんですけど、やっぱり心構えとかは練習しておきたいなって」

愛「それにあたし、例え振りでも、やっぱり最初は涼さんが、いい、ですから…… あうう」カァ

涼「れ、練習かあ……」

愛「だから、涼さん、お願いします!」

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:54:35.23 ID:uYsxfxHN0
愛「い、いつでもオッケーです! どんとこい!」

涼「じゃあ、行くよ、愛ちゃん……?」

涼「」ガシッ

愛(あ、肩……)

涼「……」

愛「……」

涼「……」

愛「……」

涼「あの、愛ちゃん」

愛「な、なんでふかっ!?」

涼「……目、つぶらないかな? ちょっと恥ずかしいんだけど」

愛「あ、は、はい! そうですねっ!」ガチガチ

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:56:13.78 ID:uYsxfxHN0
愛「で、では、改めて! どんとこいです!」

涼「」ガシッ

愛(うう……。見えないと緊張するよお)プルプル

涼「……」

愛「……」

涼「……」

愛「……」

涼「……愛ちゃん」

愛「こ、今度はなんですかっ!?」

涼「力、入りすぎ。もっとリラックスしてよ。練習なんでしょ?」

愛「でもぉ……」

愛(涼さんがキスしてくれるのに、落ち着けるわけないよーっ!)

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 04:58:33.31 ID:uYsxfxHN0
愛「こ、今度こそ……」グッ

涼「」ガシッ

愛(ついに、涼さんと……)

涼「……」

愛「……」

涼「……」

愛「……」

涼「愛ちゃん」

愛「もう! 今度はなんで」

チュッ

涼「えへへ、隙あり」

愛「え」

愛「えっ?」ボッ

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:01:24.18 ID:uYsxfxHN0
愛「もう! 涼さんはずーるーいーでーすー!」ブンブン

涼「だって愛ちゃん、がちがちだったんだもん」

愛「そんなの理由になりませんよーっ! こうなったら、今度はあたしからしてやるんだからーっ!」

涼「わ、ちょ、ちょっと待って愛ちゃん! 危ないから!」

愛「待ちません! 覚悟―っ!!」ドタバタ

涼「ぎゃおおおん! こ、転んじゃうからーっ!」

愛「え? う、わーーーーっ!!」

ガタ、ドタドタ、ドテン!!

涼「もう、言わんこっちゃない……。あたた……」

愛「うー…… いたた……」

涼「! ちょ、ちょっと愛ちゃん! 早く降りて! こんなところ誰かに見られたら」

愛「わわわっ! すいません、涼さん!」

絵理「ふーん……」

涼&愛「」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:05:37.17 ID:uYsxfxHN0
絵理「私、事務所でのいちゃいちゃ禁止って、言った?」

涼「こ、これは違うんだよ絵理ちゃん!」

愛「そ、そうです! あたしはただ、キスしてもらおうと思っただけなんです!」

絵理「ふーん」

涼「愛ちゃああああん!! それは合ってるけど違うよおおお!!」

絵理「それじゃ、ごゆっくり?」

涼「ちょっと待って絵理ちゃん! 誤解なんだってばあああ!」

愛(えへへ)

愛(涼さんにキスしてもらっちゃったのは、本当だもんね♪)

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:11:11.36 ID:uYsxfxHN0
~とある会場~

涼「愛ちゃん、お願いがあるんだ……」

愛「ふぇっ!? どうしたんですか、涼さん?」

涼「この憂鬱な気持ちをどうにか吹き飛ばしてくれないかな、ってさ……」

愛「そんな、憂鬱なんて言わないでくださいよーっ! 今日はとってもおめでたい日なのに!」

涼「確かにおめでたい日、ではあるんだけどさ……」

涼「もう僕が男だってことはばれちゃってるのに、みんなの前で女装の映像流されるなんて。恥ずかしいどころじゃ済まないよ」

愛「あー、そのことですか。律子さん、ノリノリでしたもんね」

涼「律子姉ちゃん、こういうの大好きだからなぁ。全く、人の気も知らないで」

愛「いいじゃないですか。あたしは女の子の格好してる涼さんも好きですよ?」

涼「ちょちょっ! 何てこと言うの!」

愛「何度もテレビにも出ちゃったんですから、今更一緒ですよ!」

涼「それはそうだけどさ……。愛ちゃんはそれでいいの? 全然男らしくない姿なわけだけど」

愛「うーん、四六時中そんな格好をされたら確かに嫌かも知れないですけど……。でも、それも含めて涼さんですから、オールオッケーです!」

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:23:03.03 ID:GD6be8oe0
愛「なんなら、今あたしが着てるこれも着てみますか?」ヒラッ

涼「何言ってるの愛ちゃん! む、む、む、無理だよ!」

愛「えー、これは涼さんが選んでくれたものなのに。せっかくだから自分で着てみるのもありだと思いますよ?」

涼「無理無理無理! 絶対無理だから! それに愛ちゃん、そんなこと絶対律子姉ちゃんに言ったらだめだからね!」

愛「? どうしてですか?」

涼「総力を結集して僕に着せにかかるからに決まってるからだよ……」

愛「!」ピン

涼「いやいや、その手があった! みたいな顔しないでよ。誰がなんと言おうと、僕は着ないからね。それは愛ちゃんが着てないと意味が無いんだから」

愛「ちぇー。あ、そうだ! 涼さんに、お願いがあり」

涼「それでも、だーめ」

愛「むー。涼さんのケチ」

涼「そんなこと言わないで。それより、もう行こうよ。きっとみんな待ってるよ」

愛「あ、はーい!!」

愛「……それにしても、勿体ないなあ」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:29:03.10 ID:GD6be8oe0
愛「涼さんに似合うと思うのにな、このウェディングドレスっ♪」




おわり

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/07(金) 05:35:17.15 ID:GD6be8oe0
愛ちゃんがかわいすぎて、涼シナリオまだ始めてすらないのにかっとなって書いた。
涼ちんこんな感じでいいのか自信ないけど、楽しんでもらえたら幸い。
支援してくれた人、ほんと感謝でした。ではー。



元スレ: 愛「涼さんにいろんなお願いをしてみよーっ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346944248/


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