2 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:50:45.670 ID:
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ラフィエル「……ええと、お味は?」
ガヴリール「なんだろうな、普通は酸っぱい味がするはずなんだろうけど、そんなのなかったわ。無味だった。
ほんのりヴィーネの香りは鼻に抜けたけどね」
ラフィエル「聞かなければよかった」
ガヴリール「そうしたらヴィーネは目を剥いちゃってさ、ガッツポーズしながらデスメタルみたいな叫び声あげたんだよ。
金払いたいレベルの見事なヘッドバンキングだった」
ラフィエル「いいエクソシストを紹介しましょうか?」
ガヴリール「やめろよ。寂しいじゃん」
ラフィエル「悪は早めに断つべきでは」
3 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:51:08.613 ID:
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ガヴリール「まあその日はそのまま解散になったんだ。ヴィーネが酸欠でぶっ倒れたこともあったし」
ガヴリール「でもその夜さ、なんかこう……ぐわって込み上げてくるものがあったんだよね」
ラフィエル「その心は?」
ガヴリール「ドクターペッパーってあるじゃん」
ラフィエル「妙な味のするドリンクですね」
ガヴリール「あれってさ、時々とんでもなく飲みたくなるのよ。
もう飲みたいの奔流が全身にほとばしって、いてもたってもいられなくなる感覚」
ラフィエル「サターニャさんを導きたくなる衝動みたいな感じでしょうか」
ガヴリール「そんな感じだね。もうヴィーネの匂いを嗅ぎたくて感じたくてヤバかったんだ」
ラフィエル「」
ガヴリール「距離が一メートル以上空いたな」
ラフィエル「あ、ここから私の陣地ですから。
ガヴちゃん入ってこないでくださいね」
ガヴリール「わかった」
4 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:51:31.988 ID:
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ガヴリール「そんでもって翌朝、まああの世話焼き悪魔は私のもとに来るわけだ。
さながら通い妻の如く」
ラフィエル「はい」
ガヴリール「通い妻の如く」
ラフィエル「二回言わなくていいです」
ガヴリール「理性が沸点ギリギリでくすぶっていた私が、実物のヴィーネを前にして耐えられるはずもなかった」
ガヴリール「私は獲物をかっさらう鳶のようにヴィーネへ飛びかかると、その勢いで押し倒したんだ」
ラフィエル「あらあら、ガヴちゃん大胆ですね」
ガヴリール「そしたら、もう! すごい!
なにがすごいって、普段は私に変態的な行為ばっかりしてくるヴィーネが、顔を真っ赤にして口をパクパクしていたんだ」
ラフィエル「ドSは攻められるのに弱い……みたいな感じでしょうか」
ガヴリール「お前と同じだな」
ラフィエル「一緒にするな」
ガヴリール「ごめん」
5 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:52:00.114 ID:
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ガヴリール「私はニヤニヤを必死にこらえつつ、思い切りヴィーネの髪のニオイを嗅いだんだ。あいつも別に抵抗したりしなかった」
ラフィエル「それはそうでしょうね」
ガヴリール「ヴィーネはしどろもどろになりながら、私を弱弱しく抱きしめたんだ。
その細腕が生娘みたいに震えていて、私はそう云う内面的な機微の一つ一つを、たいそう好いと感じたのである」
ラフィエル「どうしたんですか急に」
ガヴリール「五分くらいそのままだったか。
私の肺がヴィーネで満たされた頃合いで、あいつは若干涙ぐんだ瞳でこう言ったんだ」
ガヴリール「が、ガヴ……私の匂い、よかった?」
ガヴリール「やれやれ私は射精した」
ラフィエル「死んでしまえ」
6 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:52:31.528 ID:
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ガヴリール「それからというもの、ヴィーネの気持ちが理解できた気がしたんだ」
ガヴリール「あいつが私のジャージで無料頒布の薄い本みたいなことをやっていたのも、
あいつが私の布団を濡らしていたのも、なにもかも理由あっての行いだったんだってな」
ラフィエル「類は友を呼ぶという言葉をご存知ですか?」
ガヴリール「私は愚かな天使だった。
誰かを救いへ導くべき存在である私が、他ならぬ子羊の感情から逃げていただけだったなんてな……」
ラフィエル「天使はそんなことしない」
ガヴリール「涙ながらに謝った私を、ヴィーネは十年来の友みたいに温かい抱擁をもって受け入れてくれた」
ラフィエル「あ! さては良い話風に収めようとしていますね!」
ガヴリール「服が洗濯したばっかりだったのか、洗剤とヴィーネスメルが混ざってマジヤバかった」
ラフィエル「さすがガヴちゃんです」
ガヴリール「心配するなラフィエル。
あいつも台風みたいな鼻息を私の頭に押し付けていた」
ラフィエル「ところで私、この後サターニャさんとご飯食べる予定があったんですよね」
ガヴリール「なんだ、私も行くぞ。サターニャも交えて話し合おうじゃないか」
ラフィエル「嫌味が通じません……」
7 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:52:48.990 ID:
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ガヴリール「それからはもう、毎日が一変したね」
ラフィエル「ガヴちゃんへの評価も一変しましたよ」
ガヴリール「箸ひとつでのあーんは序の口だ。
そのうち食べさせ合わないでも同時に食べられるようになった」
ラフィエル「それってマウストゥマウスじゃ……」
ガヴリール「いや、ミートボールを味わう味蕾の上にあいつの舌が滑って来るんだ。新感覚だった」
ガヴリール「そのうち弁当を食べてるのか唾液飲んでるのかよくわからなくなるけどな。
あはは」
ラフィエル「なに笑ってるんですか」
ガヴリール「ラフィエルもサターニャとやってみなよ」
ラフィエル「汚れた口でその名を呼ぶな」
ガヴリール「弓仕舞って。危ない」
8 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:53:11.088 ID:
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ガヴリール「まあともかくだ。そういうわけで私は博愛の心を手に入れた」
ラフィエル「それを博愛と呼ぶのはやめなさい」
ガヴリール「いやぁ……先入観だけで否定するのはよくないんだなってことに気付かされたよ。
これは生物としてごく当たり前の欲求だったんだ」
ラフィエル「受け入れたの変態だけじゃないですか。
それに博愛と言いますが、ヴィーネさん以外がそんなこと迫ってきたらどうするんですか」
ガヴリール「おいおいラフィエル……そういう話題は感心しないぞ?
お前意外と貞操観念低いのな」
ラフィエル「納得いきません……」
ガヴリール「あ、時間だ」
ラフィエル「やっと解放される時間ですか」
ガヴリール「いや、これからヴィーネの家に向かう予定なんだよね」
ラフィエル「はい。もう好きにしてください」
ガヴリール「なにするか聞きたい?」
ラフィエル「あー! あんなところにネトゲのスーパーレアアイテムがー!」
ガヴリール「質問に答えろ!!!!!!!!!」
ラフィエル「聞きたくないです!!!!!!!!!!」
ガヴリール「よぉし!! 話してやろうじゃないか!!!!!」
ラフィエル「ファック!!!!」
10 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/29(月) 23:53:25.349 ID:
ryq7G1sk0NIKU.net
ラフィエル「うぅ……ミーム汚染とでもいえばいいのでしょうか……。
なんだか言葉で脳を汚染された気分です……」
サターニャ「あら、ラフィエルじゃない」
ラフィエル「サターニャさん!」
サターニャ「どうしたのあんた? ひっどい顔よ?」
ラフィエル「い、いえ……お気になさらず……」ゲッソリ
サターニャ「……」
サターニャ「ラフィエル」ギュッ
ラフィエル「!? さ、サターニャさん!?」
サターニャ「……なにか、つらいことがあったのなら話しなさいよ。
私は大悪魔。あんた程度の悩みを解決することなんか造作もないんだから」
ラフィエル「さ、さたーにゃさぁん……」ブワッ
サターニャ「……すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁ。あぁぁ、ラフィエル……」
ラフィエル「!?」
サターニャ「さあ、話してみなさい」
ラフィエル「」
ラフィエル「……」
ラフィエル「サターニャさんの匂いを死ぬほど嗅ぎたいです!!!!!!!」
サターニャ「よしきた!!!!!!!」
終われ
13 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/30(火) 00:02:46.351 ID:oM7b7YgU0.net
安心感があった乙
16 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/30(火) 00:31:01.454 ID:sKzYP9XRa.net
乙
この会話のテンポ好き
18 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/30(火) 00:51:47.130 ID:iwboS+aX0.net
乙
素晴らしい変態だった
20 :
以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/30(火) 02:03:40.160 ID:zDX9/rxF0.net
これはひどい
元スレ:
ガヴリール「ヴィーネって変態じゃん?」ラフィエル「そうですね」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1496069425/
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