1 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)16:49:11 ID:
Fvn
――765プロ
周防桃子「……ふぅ」
(なんで……)
(何時からだろう、こんな気持ちになったのは……)
(何となくつけっぱなしのテレビから何か言ってるのはわかる)
(でも頭には入ってこない……)
――そうやって一人黄昏れる少女
(たまたま近くにいる男の人だったから?)
(桃子のプロデューサーだから?)
(でも……やっぱり……お兄ちゃんが)
「……好き」
2 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)16:55:02 ID:
Fvn
ミリP(以下P)「そうか、今日はすき焼きをやるのか」ニュッ
桃子「え……」
「うっぎゃー!!」
P「おわっ?!」
桃子「お、お兄ちゃん……?い、い、今の……」
P「あぁ?うん。聞いてたよ」
桃子「な、な、な……」
P「すき焼きだろ?今日のメニューは」
桃子「は?」
『千枝「唯と」』
『唯「千枝の」』
『二人「ぽてとまっしゃー料理帖!」』
桃子(て、テレビだったんだ……よかった)
3 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:00:01 ID:
Fvn
大槻唯「ということで、今日のゲストは」
佐々木千枝「ストレイライトの皆さんです!」
ワーワー
芹沢あさひ「どうも、よろしくっす」
黛冬優子「わぁ、ふゆ。いつも楽しみにして見てましたぁ」
和泉愛依「どうも……」←ミステリアスなう
唯「あははは……」
千枝「どうかしましたか?」
唯(愛依ちゃんも冬優子ちゃんも、化けの皮をかぶっててやりにくいよー)
4 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:03:35 ID:
Fvn
あさひ「今日はすき焼きって聞いてたんで楽しみっす!」
冬優子「でもぉ、関西風とか関東風とかあるんですよねぇ?」
唯「あはは……えっと今日のは、(19)28年の本に乗っていたレシピを採用したからねっ♪」
愛依「(平成)28年……?」
あさひ「新しいっすね?斬新っす!」
千枝「では作り始めますね」
5 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:13:34 ID:
Fvn
唯「まず、玉葱を輪切りにしてフライパンで牛脂で炒めるよ☆」
ジュージュー
あさひ「うわぁ、本格的っす!」
冬優子「割下じゃないから関西風なのかな?」
千枝「で、火が通りましたら取り出しておきます」
ストレイライト「??」
唯「次に、厚めに切った牛肉を一枚ずつ並べて同じ用に炒めるね♪」
ジュージュー
千枝「牛脂が手に入らない場合はバターで代用してください」
唯「それで、炒め終わったら玉葱と一緒にお皿に盛りつけて、醤油かソースで頂いちゃおう!」
冬優子「えっと……これって」パクパク
あさひ「ただの牛肉の炒め物っす」パクパク
愛依「しかも、下味無し?」パクパク
あさひ「あ、でもこのソースおいしいっす!」
唯「でっしょ!ゆい達の手作りなんだ」
冬優子「えっ!?ソースまで手作り?」
愛依「マジ、ヤバいな……」
千枝「ソースの作り方は番組の最後でお知らせしますね」
6 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:23:44 ID:
Fvn
唯「他にも(昭和)29年に雑誌付録にあった『家庭料理の作り方』にあった有名人のお家のすき焼きだよ!」
千枝「ある野球選手の考案だそうで……まず牛肉のロースとキャベツのざく切をフライパンでバターで炒めて」
ジュージュー
愛依「キャベツ……?」
唯「そしたら、砂糖を入れます」
サッ
冬優子「も、もしかして、味付けってこれだけ?」
千枝「はい。でもこれだけではなくて、小鉢に大根おろしと玉子の黄身を入れてポン酢を入れて掻き交ぜます」
あさひ「なるほど。これにさっきの肉を入れるんすね」
唯「せいかーい!」
千枝「では皆さんどうぞ」
愛依「あふあふ、けっこういける……」パクパク
あさひ「おかわりっす!」ペロリ
冬優子「バターの塩分とお砂糖でこんな味に……」
あさひ「おいしいけど、これってすき焼きっすかね?」パクパク
唯「まぁ、好きに作って食べるからすき焼きなんだよ、きっと♪」
7 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:32:21 ID:
Fvn
…………
……
P「そうか、なんでも好きなのを調理するからすき焼きか……うまいな」
桃子「うん……」
(お兄ちゃんも、好きな人にはどんな笑顔を見せるのかな……)
(もし……それが桃子なら)
(今すぐ見せて欲しい……)
(でも……)
8 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:40:18 ID:
Fvn
桃子(桃子……まだ子供だからそんな目では……)
(だからこの気持ちも……いつかは)
ジワァ
(や、やだ。涙が……)ゴシゴシ
P「桃子?」
桃子「あ……(///)」
(やだ……見られて…たの…)
P「大丈夫……か?」
桃子「うぅ……」モジモジ
(そんな目で……やさしい目で、桃子を見ないで……)
(そんなに見られちゃうと……『私』は……)
(もう……がまん…)
桃子「お…兄…ちゃん」ジリジリ
P「も、桃子……?」
チュッ
P「んっ!?」
桃子「お兄ちゃん……好きだよ」
(こい……しちゃうんだから)
9 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:47:51 ID:
Fvn
桃子(構って欲しいからって、わざと冷たくしてはぐらかしたりしたり)
(アプローチかけたりして勘違いみたいな感じにさせたりして気を引いて一人で期待したり……)
(こんな子供……お兄ちゃんはどう思う?)
(だけど、今の桃子では……これが『私』の精一杯)
(いつも正面から好きだって言いたいだけなのに……)
「…………ごめんなさい」
P「あ……桃子?そのな……」
桃子「好きになって……ごめんなさい……」
「だから、今の無し!無しなんだから!!」
P「桃子っ!」
ギュッ
桃子「あ……」
10 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:54:36 ID:
Fvn
P「……すまん。そんな風に思ってくれていたなんて」
桃子(…………うん、わかっていた)
(でも、実際に言われると……頭からすごい血が引いているような感覚)
(まるで血を抜かれているよう……)
P「だから……その」
桃子「もう……いいよ」
「桃子はアイドルで、お兄ちゃんはプロデューサーだから……」
「それに桃子はまだ子供だから、手を出しちゃうと逮捕されるだけだし」
「けど」ツンッ
P「え……と」
桃子「お断りの返事は7年先まで待ってあげるよ」
「それまでに、フったことを後悔させるだけのレディになってあげる」
(……それだけ本気なんだからね」
11 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)17:58:35 ID:
Fvn
P「……あぁ、わかった。これからもよろしくな」
桃子「うんっ!」
P「なんて言ってたのが7年前か」
桃子「うん……」
P「はぁ……初めて抱いた時に気をつけていたつもりだったけど」
桃子「うん……Pって鈍感だからね」
P「……じゃあ、桃子の実家へ挨拶に行かないとな」
桃子「うんっ!」
「親子共々、これからずっと大好きだからねっ!」
おわり
12 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)18:05:19 ID:
Fvn
おまけ
――番組終了後
あさひ「いやぁ、ハンバーグの時といい、千枝ちゃんはやっぱり頼りになるっすね」
冬優子「あん時は、あさひが響子ちゃんの絵をけなしたからでしょ!」
愛依「まぁまぁ……」
唯「やっはろー」
千枝「お久しぶりです」
あさひ「千枝ちゃーん!」ダキッ
千枝「きゃっ」
冬優子「あさひ!その誰かれ抱き付くのはやめなさい!」
愛依「まぁまぁ、それより唯ちゃんも久しぶりじゃん」
唯「そだねー、先々月にカラオケに行った以来だねー☆」
冬優子「あら?二人はそんな仲だったの?」
唯「うん、美嘉ちゃんや恵美ちゃんも一緒だよー♪」
愛依「マジヤバ埼玉シスターズってね」
冬優子「うわぁ……」ドンビキ
13 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)18:09:58 ID:
Fvn
唯「あー、そんなコト言う~?」ガシッ
愛依「ちょっと付き合ってもらわないとね~?」ガシッ
冬優子「え?な、何を?!」アタフタ
唯「も~、取って食うわけじゃないから、緊張すんな♪」
愛依「軽く朝までカラオケに付き合ってもらうだけじゃん☆」
冬優子「うわぁ……」
――この後、逆に冬優子のアニソンメドレーで撃沈された二人であった
おしまい
14 :
◆Vysj.4B9aySt 19/11/02(土)18:11:43 ID:
Fvn
あくまで桃子とくっつくのは今回の次元であり、今後どうなるかは作者の記憶力次第です
では、皆様にいちごの入ったすき焼きを
おーぷん2ちゃんねるに投稿されたスレッドの紹介です
元スレ:
【モバミリシャニマス】すきやきは大好き?
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1572680951/
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