2 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:35:37 ID:
B7Z
晴「ったく、なにボーっとしてんだか。何してんの? パソコン?」
友紀「うん」カチリ
晴「へー。珍しいな、友紀がパソコン触ってるなんてさ」
友紀「まぁねー」
晴「何調べてるんだ? ……って、なんだよ野球じゃん。ゲーム?」
友紀「そそ、今ちょっとホームラン打ってるの」カチカチ
晴「ふーん」
友紀「おおぅ……露骨に興味失ったね……」
晴「だって野球だろ? またいつものパワ○ロ……」
晴「……ん、あれ? よく見たら、なんか違うくね? なんだこりゃ」
3 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:38:12 ID:
B7Z
友紀「うん。今日はこっちの気分だったんだ」
晴「いつものやつじゃねえんだ?」
友紀「ちっちっち。パソコンで○ワプロはできないんだな、晴ちゃんや」カチリ
晴「それは知らねーけど。……お、打った」
友紀「ちぇ、届かないかー」
晴「どっかで見たことある後ろ姿が草野球やってんな……」
友紀「そうそう、赤と黄色のクマがね、森で」
晴「……なぁ、これ映して大丈夫なヤツか?」
友紀「へーきへーき、ゲーム自体はちゃんと公認のだし」
晴「なら良いんだけど。ウチの事務所、こんなゲーム置いてあったんだ」
友紀「いや、これインターネットのやつ」
晴「へ? ネット?」
友紀「"ぶらうざげーむ"っていうらしいよ。よく分かんないけど」
晴「あー……、"ふらっしゅ"ってヤツ? 前に橘が言ってたような気がする。よくわかんねーけど」
友紀「ありすちゃんが言ってたなら、多分合ってるね」
晴「多分な」
4 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:42:02 ID:
B7Z
晴「……で? 友紀はなんで、急にこんなのやってんだよ。パソコンでゲームするようなタイプだったっけ」
友紀「普段は全然しないけどねー。なんとなく、もう1回やりたくなっちゃってさぁ」
晴「前にやったことあるやつなのか」
友紀「うん、何年か前だけど。ただ……」カチカチ
晴「ただ?」
友紀「終わっちゃうんだってさ。これ」
晴「え?」
友紀「近々サービス終了して、もうできなくなるんだって。最近知ったの」
晴「あー……」
友紀「今まで続いてたものが終わっちゃうのって、妙にさみしいよねぇ……」カチリ
晴「まぁな……」
友紀「サービス終了って、なんか他人事じゃないような気もするしさぁ」
晴「……何の話だ?」
友紀「あたしたちもさ、いつ急に終わるか分からないじゃん?」
晴「何が」
友紀「歌って踊る方もあるし、お隣の件もあるし。今あるこの瞬間を大事にしていきたいよね」
晴「わかんねえ……友紀が何言ってるのかわっかんねーよ……」
友紀「そう?」
晴「この辺でやめとこうぜ、この話。なんかこえーわ」
友紀「そっか」
5 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:44:34 ID:
B7Z
友紀「ともかく、なんか懐かしくなっちゃってさ。それでね」
晴「なるほどな」
友紀「晴ちゃんもやってみない? ハマると、けっこう楽しいよ?」
晴「いや、オレは別に……」
友紀「ふーん、そっか。これが最後の機会かもしれないのになぁ」
晴「……」
友紀「さびしいなぁ。晴ちゃんとゲームしたかったなぁ」
晴「……まぁ? 見てるぐらいなら、付き合ってやるよ」
友紀「はいはーい♪ いつでも代わるから、やりたくなったら言ってねっ」
晴「だからやらねーってば……」
友紀「♪」カチカチ
――
―
6 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:47:12 ID:
B7Z
友紀「ほい12本。クリアだね」
晴「へぇー……やるじゃん!」
友紀「まぁまぁ、まだ3人目だし。このくらいはね」
晴「いやすげーよ、なんか緩急すごかったのに、あっさりクリアするんだからさ」
友紀「へへー♪」
晴「てか、これでまだ前半なのか? まだまだ後ろに控えてそうな感じだけど」
友紀「うん、あと5人かな」
晴「ほぉ~ん……」
友紀「どうどう? やりたくならない?」
晴「……ちょっとだけ」
友紀「よしきた! カモン、晴ちゃん!」
晴「おうよっ」
7 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:51:59 ID:
B7Z
友紀「操作は大丈夫?」
晴「動かしてクリックするだけだろ? 見てりゃわかるぜ、ヨユーだっての」
友紀「じゃあまずは、手始めに最初の……」
晴「ほいっと」カチ
友紀「お、おぉ~……いきなりカンガルーいっちゃう? 攻めるね……」
晴「チュートリアルとか嫌いなんだよな、オレ」
友紀「いやでも、難しくないかな……」
晴「だーいじょうぶだって! やってる内に掴めるって……」
晴「……」
目標:12本
8 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)22:54:58 ID:
B7Z
ホームラン:3本
晴「なんだコレ……めちゃくちゃにムズいじゃねーか……」
友紀「だから言ったのに」
晴「なんだあのボール! ぐにゃぐにゃしやがって! マンガかよ!?」
友紀「漫画みたいなモンでしょ、原作も」
晴「だからって、あの動きはありえねーだろうが!」
友紀「そういうゲームなんだよねコレ」
晴「これでホントに前半なのか? 12本も打てるかよこんなの!」
友紀「初めてで3本打っただけでもすごいと思うけど」
晴「マジか……うおぉ、やりづれえ……」スカッ
友紀「リトライはするんだね……」
9 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:00:34 ID:
B7Z
ガチャ
相葉夕美「お疲れさまですっ♪」
友紀「あ、夕美ちゃんに飛鳥ちゃん!」
二宮飛鳥「やあ」
友紀「やほー! レッスン帰り?」
飛鳥「そんなところだね」
夕美「ミステリックガーデン、久々のレッスンでしたっ」
友紀「いいねー! ユニット活動、頑張ってるねぇ」
夕美「えへへ♪」
10 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:04:07 ID:
B7Z
飛鳥「キミたちは、デスクで何を? これはどういう状況なんだい」
友紀「今、晴ちゃんとゲームしててさ!」
飛鳥「へぇ、珍しい」
夕美「2人で一緒に座って画面見てるなんて、仲良しだね」
友紀「いいでしょ~? 晴ちゃん良い匂いするんだ」
晴「おい! 気持ち悪いこと言うな友紀! 気が散るだろ!」
友紀「へへー」
晴「ったく……うぁっ、スカった」
夕美「ゲーム……野球の?」
友紀「そうそう! これなんだけど」
飛鳥「これは……成程」
夕美「あ、見たことあるよこれ! クマのだねっ」
飛鳥「ハチミツ飲むヤツだな」
11 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:08:01 ID:
B7Z
友紀「2人とも知ってるんだ?」
夕美「なんとなくね? やったことはないんだけど……」
飛鳥「同じく。ボクはネットで知った」
友紀「じゃあ話が早いね!」
飛鳥「サービス、終了してしまうんだろう? 昨日聞いたよ」
夕美「へぇ……じゃあ、もうやれなくなっちゃうの?」
友紀「うん。最後にやっておこうかなって思ってさ」
夕美「終わっちゃうのは……ちょっとさみしいね」
飛鳥「あぁ。どうにも他人事として切り捨てられないな」
友紀「やっぱそう思う? だよねー」
晴「その話、また掘り返すのかよ……っおりゃ! どうだ!」
12 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:15:32 ID:
B7Z
ホームラン:13本
友紀「おぉー! やったね」
晴「どーよ、これくらいヨユーだぜッ」
夕美「すごーい! 流石だね!」
飛鳥「反射神経と動体視力が重要と見ている。晴は適任だね」
晴「だろ? 任せとけって!」
友紀(1回ポシャってるんだけどね……。言わないでおこう)
飛鳥「? 何か言ったかい?」
友紀「何でもないっ」
晴「次はどいつだ? かかってこい」
13 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:22:12 ID:
B7Z
友紀「2人はどう? やってみない?」
夕美「う、うーん……」
飛鳥「やらない……と、言いたいところだが」
友紀「だが?」
飛鳥「ここで出会ったのも何かの縁だろう。ボクの中のボクが、今日くらいは悪くないと言っている気がする」
友紀「おお!」
飛鳥「普段のボクなら絶対に断っているだろうけれど、事情が事情だ。電子の波に消える前に、記憶に残しておくことにしようか」
友紀「そうこなくっちゃ! 夕美ちゃんは?」
夕美「やってみたいのは山々なんだけど……私、これから用事があって」
友紀「ちゃちゃーっとやってけば? ワンプレイならすぐ終わるし」
夕美「そう? なら、ちょっとだけ……」
晴「っくぁーーー!? なんだお前! 変なボール投げるんじゃねえ!!」
14 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:24:33 ID:
B7Z
ホームラン:2本
晴「ダメだ……初見殺しすぎる……」
友紀「ドンマイ」
飛鳥「では夕美さん、お先にどうぞ」
夕美「うん、やってみる!」
夕美「……私も同じ気持ちだよ、飛鳥ちゃん」
飛鳥「ふむ?」
夕美「花びらが散っちゃう前に、いちばん綺麗に咲いてる瞬間を見ておきたいもんね」
飛鳥「……ああ。終わりの刻が理解っていればこそ、より輝いて感じられるモノもあるだろう」
夕美「最後にひと花、咲かせてあげたいっ」
晴「おい、なんか始まったぞ」
友紀「うんうん、ユニット間の熱い友情タッグだね」
晴「絶対違うと思う」
15 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:30:33 ID:
B7Z
夕美「私たちだって、いつかは終わりが来ちゃうのかもしれないし」
飛鳥「永遠に続くものなんて、存在しないさ」
夕美「だからこそ、それまでの時間、今を大事にしていきたいよ」
飛鳥「フフ。その言い方だと、ボクらまで休止するのが確定しているようだね」
夕美「あ。そ、そっか、違うよ? そういう意味じゃなくってね?」
飛鳥「大丈夫、理解ってるさ。そう簡単に終了したりしないだろう、此方は」
友紀「攻めるなぁ」
晴「やめろやめろ、色んな方向に矛先を向けるのは」
飛鳥「もちろんそうなったとしても、ボクらはボクららしく、最後まで歩き続けるだけだ」
夕美「だねっ!」
友紀「二宮と相葉が言うと、言葉の重みが違うね……」
夕美「そうかなぁ」
晴「そうなんだよ! なぁ、やめとこうぜこの話も。誰かに怒られる前にサ」
飛鳥「そう」
晴「何なんだよみんなさっきから……怖くて仕方ねえよ、イエローどころか下手すりゃ一発退場だろ」
夕美「よぉし、頑張っちゃうからねっ」
飛鳥「健闘を祈るよ」
目標:15本
16 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:33:05 ID:
B7Z
夕美「えいっ」スカ
夕美「あれっ」スカッ
飛鳥「なんだこれは」
晴「わかるぜ、その気持ち」
夕美「む、難しいね……やあっ」ブンッ
友紀「やっぱ最初は難易度低い方からやった方が……」
飛鳥「ボールが加速している……これがマグヌス効果か」
友紀「違うんじゃないかな」
晴「理不尽だよな。こっちは普通にスイングしてるだけなのに、あんな球放るなんてよ」
友紀「まぁ……だからこそやりがいがある、って見方もできるし……」
18 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:39:24 ID:
B7Z
飛鳥「難易度がおかしいとのウワサは本当だったんだね……」
晴「えー! そうだったのかよ」
飛鳥「子供向けとは到底思えないレベル、とは話に聞いていた。特に最後の2人が」
晴「嘘だろ……全クリできんのかな……」
友紀「……飛鳥ちゃん、それもネットで見たの?」
飛鳥「? そうだけど、それが?」
友紀「その……あんまり変な影響受けないようにね」
飛鳥「ああ、それなら大丈夫さ。板まで踏み込んだことはまだ無いから」
友紀「あ、そう? なら良いんだけど」
晴「なんかまた怪しい話してないか……?」
友紀「だいじょぶだいじょぶ、こっちの話だから!」
晴「ホントかよ……」
夕美「やった! クリアっ♪」
晴「えっ?!」
19 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:47:33 ID:
B7Z
ホームラン:16本
友紀「え、すごっ」
飛鳥「あそこから巻き返したのか……」
夕美「ギリギリだったけど、何とかなったよ! ぶいっ」
晴「スッゲー! 夕美、天才かよ!」
友紀「すごいすごい! 夕美ちゃん、才能あるんじゃない?!」
夕美「えへへ」
晴「くっそー! オレ2本しか打てなかったのに! なあ、どうやったんだ!?」
夕美「えっとね……」
20 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:53:08 ID:
B7Z
夕美「ノルマ達成無理だなって途中でわかっちゃったから、F5押したのっ」
飛鳥「あっ」
友紀「あー」
晴「? なんだそれ」
飛鳥「いつの間に……」
友紀「ずるい大学生だ……」
夕美「だ、だって、時間短縮って大事じゃない?!」
友紀「失敗しても一応経験値は入るんだけどね……」
夕美「ほら、私たちは今の時間を大切にしないとっ」
友紀「そこに繋げていくんだ」
飛鳥「物は言いようだな」
晴「?? よくわかんねーけど、スゲーな!」
21 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:58:25 ID:
B7Z
晴「オレ、もっかい勝負する」
友紀「リベンジ?」
晴「おう。負けっぱなしでいられるか、良いだろ飛鳥?」
飛鳥「ご自由に」
夕美「頑張ってね! 慣れればどうってことないよっ」
飛鳥「フフ。2周も打ってた人は言うことが違うな」
夕美「に、2周もやってないもん」
友紀「じゃあ3周?」
夕美「違いますー! もう、2人ともからかわないでよぅ……」
友紀「あはは、ゴメンゴメン」
飛鳥「だが、攻略法としてはあながち間違いでも無いような気がするな。効率重視で、プレイヤー側の経験値を積む方にシフトしていく方が、結果的にてっとり早いかもしれない」
友紀「え、そこまでガチで極めにいく……?」
飛鳥「何を言う。どうせやるのなら、徹底的にだよ」
夕美「げ、ゲームって奥が深いんだね……」
砂塚あきら「……あの、失礼しまーす」
22 :
名無しさん@おーぷん 19/07/06(土)23:59:34 ID:mEd
あっガチ勢だ
23 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/06(土)23:59:56 ID:
B7Z
夕美「あ! あきらちゃんっ」
あきら「あ、ハイ。どーもデス」
飛鳥「やあ」
友紀「どしたの? 入ってくれば?」
あきら「ええと……良いんデスかね。なんだか立て込んでるのかな、って」
友紀「そんなことないよ? おいでおいで」
あきら「はあ、そーデスか」
夕美「そんなに改まらなくても良いのに」
あきら「んー……その、まだちょっと慣れてなくって」
友紀「わかるー! ルームに入る時って、なんか職員室みたいだよね」
あきら「そうかな……それとはちょい違うような……近い、のかな……?」
24 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:05:51 ID:
auQ
あきら「ところで。Pサンかちひろサン、いません?」
飛鳥「いや、今日は見ていないけれど」
友紀「2人とも留守だよ? プロデューサーは外回りで、ちひろさんは社長の付き添いで出掛けちゃった」
あきら「ありゃ。タイミング悪かったかな」
夕美「何か用事?」
あきら「渡したいものあったんデスけど。まぁ、机に置いておけばいいか……」
友紀「書類?」
あきら「ハイ。配信とかチャンネルの収益について、事務所通すのと通さないのとで色々あるから、契約書諸々に目を通してハンコついて欲しいって。Pサンから宿題出されてましてね」
あきら「このご時世、大事デスからね。契約とか」
飛鳥「あぁ、確かに」
夕美「大事だね」
友紀「ね」
晴「やめろやめろやめろ、その話題が1番闇深いわ」
夕美「そうかな?」
晴「そうだよ!」
25 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:08:30 ID:
auQ
あきら「お。どこかで聞いたことある曲だと思ったら、なつかしいのやってる!」
友紀「あきらちゃんも知ってるんだね!」
あきら「当然。実況主としてはハズせないタイトルだったよね、森でホームランをダービーするやつ」
晴「そんなに人気だったのか……」
あきら「一部の界隈でねー。人気っていうよりは……まぁ、話題性? 面白そうなのには喰い付いとけ、みたいな」
飛鳥「あぁ……うん。大体察したよ」
夕美「やったこともあるんだ?」
あきら「まあ、ちょっとだけ。数年前に」
友紀「へへ、同じだね」
あきら「あ、そうなんデスか」
友紀「ちょっとやってみようと思っただけだったのに、妙にハマっちゃってさぁ」
あきら「自分も、FPSの息抜きで。配信中にURL貼られたりとかされたっけ、あれは面白かった」
友紀「ハランデ……いや、何でもない」
あきら「今やってるってことは、サービス終了する話もご存じで?」
友紀「そうそう! またやりたくなっちゃって」
あきら「なるほど。納得」
26 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:16:54 ID:
auQ
あきら「みんなで攻略中ってところデスか? 見たところ、中盤は突破したようデスけど」
晴「おう! コツ掴めば、楽勝だったぜ」
飛鳥「やはり試行回数が肝か」
あきら「かもね。トライ&エラーが基本っしょ、こういうのは」
晴「タイミングに慣れてきたら、打てるようになったな」
あきら「それは何より。でも、こっからが本当の勝負だよ」
晴「うへぇ、やっぱり?」
飛鳥「流石。詳しいね」
あきら「あ、いや。なんかスミマセン、急に偉そうに……」
晴「なんでそこで謝るんだ」
飛鳥「ふむ……順番的にはボクの出番だが、キミはどうだい?」
あきら「……え、自分? いや、いいデスよ別に」
友紀「えー! やっていけばいいのにー」
あきら「でも……」
飛鳥「……まあいいか。ならば晴、交代だ」
晴「おーう」
飛鳥「フクロウか。相手にとって不足はない……!」
晴「鳥対決だな!」
飛鳥「わざわざ言わなくてもいいんだよ……」
27 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:25:50 ID:
auQ
夕美「もしかして、忙しかった? 私もこれから、用事があって帰っちゃうんだけど」
あきら「いえ、そういうワケでは。暇の極みデスね」
夕美「なら、遊んでいけばいいよっ」
友紀「そうそう!」
あきら「んー……居ても良いんデスかね、自分」
友紀「もっちろん!」
夕美「遠慮しないで♪」
あきら「遠慮というか、何というか……」
夕美「?」
あきら「なんか皆で攻略してる途中っぽい空気なのに、そのグループに自分が入るのはどうなのかな、みたいな」
友紀「細かいこと気にしないの!」
飛鳥「おい、なんなんだこれは」
晴「やっぱりマンガで読んだことあるぞ、こういう魔球。ジグザグするヤツ」
飛鳥「さっきから掠りもしないんだが」
晴「投げる側の台詞だったら超カッコよかったんだけどな、それ」
目標:19本
28 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:33:30 ID:
auQ
友紀「ていうかさ。あたしは、特に攻略目指してる訳じゃなくって、みんなでワイワイやりたいだけなんだよね」
あきら「はぁ……?」
友紀「そりゃ、クリアできれば1番良いけど。それよりも、まずは楽しんでからでしょ?」
あきら「……確かに」
友紀「あたしがたまたま始めただけなのにこうして盛り上がってくれて、こういうの、なんかすっごく嬉しいよね」
友紀「みんな良い感じに熱中できてるし、人数多い方が楽しいしさ。もう1人いれば、絶対楽しいと思うのになー」
夕美「苦戦してるみたいだし、ゲーマーとして助けるつもりでっ」
友紀「折角の機会だし、やれる内に遊んでおかない? どう?」
あきら「……なら、お言葉に甘えて」
夕美「やったね!」
友紀「イエーイ!」パチン
あきら「な、なんで2人がハイタッチしてるんデスか……」
夕美「え? うーん……なんでだろ。アハハ」
友紀「ノリだよノリ! あきらちゃんも、はい!」
あきら「え、ぁ、っとと……」ペチ
あきら「……ほんっと、変な人ばっか。へへ」
29 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:35:58 ID:
auQ
ホームラン:3本
飛鳥「ぐっ……」
晴「1周回って清々しいな、このゲーム。どうするよ?」
飛鳥「どうするもこうするもない……もう1回だ」
友紀「ハイハーイ! 次は、あきらちゃんがやるってさ!」
あきら「ドモ……」
晴「お、来たな」
飛鳥「ム。待ってくれ、今リトライしてしまったんだが」
あきら「ああ、ならその回終わってからでいいデスよ。その間に自分は……」
あきら「……あー」
夕美「うーん、なんだかこっち見てるのも楽しそうだなぁ……」
友紀「用事の方、行かなくていいの?」
夕美「んー……大丈夫、ギリギリまで居るね」
あきら「……ん、んん。コホン」
30 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:44:44 ID:
auQ
友紀「どうかした?」
あきら「えぇと、その……」
夕美「?」
あきら「……もし、もし良ければなんデスけど。写真、一緒に映ってもらっても……なんて」
晴「写真?」
あきら「ハイ。SNSに上げたいなと思って。駄目、デスかね」
夕美「私は気にしないけど。ね?」
晴「オレも」
飛鳥「ボクの惨めなスコアで良ければ、いくらでも撮るがいい」
友紀「あはは……あっ、あたしも撮っていいよ!」
あきら「そ、そーデスか。よかった……」ホッ
あきら「ありがとうございます。それじゃ、遠慮なく」パシャリ
31 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:48:38 ID:
auQ
あきら「アイドル垢が良いかな。ええと、#ゲーム #ホームラン #ひさしぶり #ダービー #開幕 #苦戦中 後は……」
晴「なあ、何かアドバイスくれよあきら。コイツどうすりゃ倒せる?」
あきら「え? うーんと……ブレてる軸の真ん中狙うしかないんじゃないかな。投げてから着弾までは遅い方デスし」
友紀「ボールをよく見てタイミング合わせないとね」
あきら「てかこの感じ、もしかしてステ強化してない? そういう縛りでやってたりする?」
晴「え! この熊パワーアップすんの?! 早く言えよ!」
あきら「あ、知らなかった系か。なるほど」
友紀「そういえば教えてなかったっけ。メンゴメンゴ」
あきら「スピードとパワー上げておけば何とかなるかも。困ったらハチミツ、これ常識ね。#ハチミツください」
飛鳥「なに、平気さ。もしもの時には、必殺のキーがあるからね」
あきら「必殺?」
飛鳥「教えてあげようか? F5というんだけれど」
夕美「ちょ、飛鳥ちゃん!」
あきら「……ふふっ、何デスかそれ。強制終了とかウケる!」
夕美「余計なこと言うんじゃなかった……」
32 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:53:24 ID:
auQ
晴「なーなー。さっきから言ってるボタンって、何のことだ?」
友紀「えーっと……試しに押してみた方が早いんじゃないかな」
晴「どれ?」
夕美「い、今押しちゃダメだよっ?!」
晴「え、そうなの」
飛鳥「問題ない。既に、クリア不可能な域まで達しているからね……」
友紀「ありゃ」
あきら「あははは。確かに、これはもう駄目そうデスね」
飛鳥「もういいよ、交代だ。あきら、キミの実力を見せてくれ」
あきら「あんまり買い被らないで……あ そうだ、最後に」
あきら「#事務所のみんなで……っと。へへ、送信っ」
33 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)00:57:33 ID:
auQ
晴「送ったのか?」
あきら「ハイ。気になったら、後で見ておいて」
晴「ん、今見るよ。どれだ?」
あきら「名前でアカウント検索すれば一発だと思う。あ、もし良ければ、ついでにフォローよろしくね。フォロバするし」
晴「えーっと。す、な、づ、か……」
晴「……たくさん出てきたんだけど。どれなんだよ」
あきら「あ そっか、ファッション垢にゲーム垢もあるから。併せてよろしく」
飛鳥「ちゃっかりしているな……」
晴「これか? いや、こっちかな」
夕美「見せて見せてっ」
友紀「あたしも見たーい!」
晴「ちょ、待てよ、押すなって……」
あきら「さてそれじゃあ……まぁ、よろしくお願いします……っと」カチ!
おしまい
34 :
◆uMEAzbBMSc 19/07/07(日)01:04:17 ID:
auQ
以上です
35 :
名無しさん@おーぷん 19/07/07(日)01:08:35 ID:UB4
乙
プニキ…お前、森に帰るのか…?寂しくなるな…
おーぷん2ちゃんねるに投稿されたスレッドの紹介です
元スレ:
姫川友紀「ホームランをダービーするやつ」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1562420034/
渋谷凛(CV:福原綾香)、早坂美鈴(CV:朝井彩加)、木村夏樹(CV:安野希世乃)、小日向美穂(CV:津田美波)、塩見周子(CV:ルゥ ティン)
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