2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:07:25.70 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「この世は老いも若きも男も女も…心の寂しい人ばかり」コツ...コツ...
喪黒「そんな皆さんのココロのスキマをお埋め致します」コツ...コツ...
喪黒「いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます」コツ...コツ...
喪黒「さて、今日のお客様は…」コツ...
―――
――
―
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:08:51.58 ID:
0RwKI+SQO
「はぁ…。どうしたらみんなみたいに個性が出るんだろ…。こんな私…イヤだなぁ…」
【天海春香(17):アイドル】
―【コセイコウ】―
喪黒「ホーッホッホッホ…」
―――
――
―
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:10:21.45 ID:
0RwKI+SQO
――レッスンスタジオ
ボイストレーナー「春香ちゃん?私の勘違いならいいのだけれど…ひとつ、聞いてもいいかしら…」
春香「はい!なんですか?」
ボイストレーナー「春香ちゃん、何か悩み事とか…あるんじゃない?」
春香「へっ?」ドキッ
ボイストレーナー「あっ!私の勘違いだったらいいの!忘れて?」
春香「は、はい…」ドキドキ
ボイストレーナー「じゃ、じゃあ私は次のレッスンの準備をしてくるわね?」タッタッタッタッ...
春香「…」
春香「…」ハァ...
春香「悩み事、かぁ…」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:11:37.02 ID:
0RwKI+SQO
春香「私…そんなに個性が無いのかな…」
春香「千早ちゃんには歌、あずささんはおっぱい、伊織はお嬢様…」
春香「765の皆って…凄く個性的だよね…」
春香「私の個性って…なんだろ…もう何もない私なんてイヤだよ…」ハァ...
――
喪黒「…」コツ...
―――
――
―
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:12:38.26 ID:
0RwKI+SQO
次の日
――レッスンスタジオ
P「春香!もっと自分を出すんだ!歌に自分の想いを託すように!」
春香「はっ、はいっ!」ハァ、ハァ
春香「はぁ…はぁ…」ハァ...ハァ...
P「よし、じゃあひとまず休憩にしようか。頑張ったな」
春香「あ、ありがとうございます…」
P「けどな、春香」
春香「?」
P「今のままじゃお前は…平々凡々なアイドルで終わる」
春香「…」
春香「えっ?」
P「特筆すべきものが、無いんだ。今のお前には」
春香「…」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:14:11.89 ID:
0RwKI+SQO
P「自分らしさ…春香らしさを、もう少し自分の中で見つめ直してみたらどうだ?」
春香「…はい…」ギリッ
P「喉、渇いたろ?何か飲み物でも買ってくるからさ、さっき俺が言った事、考えてみてくれ」スタスタスタ
春香「…」
――ガチャッ、バタン
春香「また…」
春香「また!」
春香「また個性!!」
春香「個性!個性!個性!みんなそればっかり!」
春香「そんなに個性が大事?じゃあ今の私はなんなの!?」バンッ
――ガチャッ
春香「だれっ!?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:15:52.34 ID:
0RwKI+SQO
??「ホーッホッホッホ。これは失礼。少々、驚かせてしまいましたかな?」コツ...コツ...
春香「だ、誰ですか?」
??「ホーッホッホッホ。私は、こういう者です」スッ
春香「喪黒…福造…さん?」チラッ
喪黒「ホーッホッホッホ。そして貴女は、天海春香さん…ですね?」ニヤニヤ
春香「ど、どうして私を?」
喪黒「ランクが下であるとはいえ、アイドルである貴女を、私が知っていても不思議ではありませんよ」
春香「えへへ…」テレテレ
喪黒「時に、天海さん」
春香「は、はい?なんですか?」
喪黒「貴女、何か悩みがありますね?」
春香「えっ?」ドクン
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:17:15.21 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「そうそう。申し遅れましたが、私はセールスマンをしております」
春香「…私に、何を売ろうっていうんですか?」
喪黒「ホーッホッホッホ。私が取り扱う品物は、ココロ」
喪黒「ニンゲンの、ココロでございます」
春香「ココロ…?」
喪黒「そう。例えば今の貴女のココロがそうであるように…ココロのスキマをお埋めさせていただきます」
春香「ココロの…スキマ…」
喪黒「ホーッホッホッホ。天海さん?」
春香「は、はい…」
喪黒「貴女は今、自分を見失っていますね?」ニヤニヤ、ニヤニヤ
春香「えっ?」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:18:46.30 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「同じ事務所のニンゲンは、個性派揃い。けれど、自分には特筆すべき物がなにもない」コツ...
喪黒「と、」スッ
春香「!?」ドキッ
喪黒「そう、考えているのではありませんか?」
春香「あっ…あっ…」ドクン...ドクン...
喪黒「ホーッホッホッホ。よろしい!」ニヤッ
春香「…えっ?」ドキッ
喪黒「ここに、こんな物があります」ゴソゴソ
喪黒「さぁ、どうぞ」スッ
春香「あの…これは?」チラッ
喪黒「【個性香】」
春香「こせい…こう?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:20:47.14 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「その昔、中国の仙人が焚いていたという伝説があります。これを焚けば、きっと貴女は【今の】貴女を捨て去る事が出来、個性を身に付ける事が出来るでしょう」
春香「個性を…」ドクン
喪黒「さぁ、焚くのです」コツ...
春香「いや…でも…」
喪黒「焚くのです」ジリッ...ジリッ...
春香「えっ?えっ?」
喪黒「焚くのです!」ジリッ...
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:22:11.79 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「ドーーーーーーーーーン!!!!!!!」ドーーーーーーーーーン!!!!!!!
春香「きゃあぁぁあぁぁあ!!」グルグルグルグル...
―――
――
―
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:24:02.82 ID:
0RwKI+SQO
次の日
――レッスンスタジオ
春香「ほらほら!プロデューサーさん!ガンガン行きますよー!?」ニコニコ
(イヤ!)
P「おぉ!春香!なんだか【いつも】の春香じゃないみたいな感じだな!」
(ワタシジャナイ!)
春香「あはは!もうあんな昔の、無個性な【天海春香】なんてポイしちゃいました!
今の私は、新しい天海春香です!」
(ウソ!)
P「そうかそうか!うん!これなら、今度のオデも受かるよ」
春香?「そう…【あんな】天海春香はポイしちゃった」クスクス
(チガウ!)
P「?」
春香「ふふっ。何でもないでーす!」ニコニコ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:25:29.44 ID:
0RwKI+SQO
P「そうか?じゃあ俺は、トレーナーさんと打ち合わせしてくるから」
春香「はい!じゃあ私は休憩でもしてます!」ゴソゴソ
(ッ!ッ!)
春香「うるさいな…」ボソッ
P「ん?春香、そんなお香なんか持ってたか?」
春香「これがないと、私が私じゃないんです」クスクス
(ヒッ!)
P「?」
春香「ふふっ。私の事は気にしないで、プロデューサーさんは打ち合わせに行ってきてください!」ニコニコ
(マッテ!マッテ!)
P「あ、あぁ…じゃ、また後で」スタスタスタ
――ガチャッ、バタン
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:26:17.53 ID:
0RwKI+SQO
春香「ふふっ…」シュッ
(…)
春香「これからは…私が、」
(アレ…)
春香「天海」
(ワタシッテ…)
春香「春香」
(ナンダッケ…)
春香「うふふふふ」
―――
――
―
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:27:23.00 ID:
0RwKI+SQO
喪黒「ホーッホッホッホ。自分が自分じゃない、今の自分に満足出来ないというのも…贅沢な悩みなのかもしれませんねぇ」
喪黒「ホーッホッホッホ」コツ...コツ...コツ...
おわり
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:28:43.19 ID:
0RwKI+SQO
はい。ここまでありがとうございました
天海春香編でした
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:30:42.34 ID:
0RwKI+SQO
これで、響、千早に続いて三人目
さて、次のお客様は…誰になるのでしょうか
元スレ:
春香「ココロの…スキマ…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349370394/