2 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)21:48:19 ID:
1sl
ーー部室ーー
花丸「『姉』とはなにか」
善子「は? アネ? アネって……姉妹の年上の方の姉?」
花丸「そうずら。おねえちゃん、でぃすいずしすたーの『姉』ずら…………ねぇ、善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
花丸「『姉』というものについて考えたことある?」
善子「スルーするんじゃないわよ!」
花丸「…………」
善子「……いや、ないけど」
3 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)21:54:21 ID:
1sl
花丸「フッ」
善子「……な、なによ」
花丸「全く善子ちゃんは哀れずら」フッ
善子「ちょっと! その腹立つ表情やめて!」
花丸「…………常々まるは思ってたんだ。理想の『姉』とはいったいどんなものなのか」
善子「あっ、今日はあれね。ヨハネの意見全スルーの日ね」
花丸「ずら」コクリ
善子「…………で、なに? 理想の姉?」
花丸「そう!」
善子「なんでいきなりーー」
花丸「いきなりじゃないずらッ!!」バンッ
善子「」ビクッ
4 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)21:58:45 ID:
1sl
花丸「まるが『姉』というものに取り憑かれてから4年!」
善子「えぇ……」ヒキッ
花丸「まるは4年という長い時間の中で理想と現実の狭間で苦悩し続け、諦めかけていた」
花丸「けれど!」バンッ
善子「」ビクッ
花丸「まるは!」バンッバンッ
善子「ヒッ!?」ビクッ
花丸「ついに理想の姉を見つけたずらぁぁぁぁ!!!」バンバンバンバンバンッ
善子「ヒエッ」
5 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:01:21 ID:
1sl
花丸「…………」フンス
善子「…………」ヒキッ
花丸「…………」チラッ
善子「…………」
花丸「…………聞きたい?」
善子「いや、べーー」
花丸「そう!」
花丸「聖良さんこそ理想の姉ズラァァッ!!」バンッバンッバンッバンッ
6 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:05:30 ID:
1sl
花丸「あの圧倒的包容力!」
花丸「周りへの気配りも完璧!」
花丸「そしてなにより、丁寧な言葉遣いながらも感じられる妹への愛ッ!」
花丸「あれこそ理想の姉と言っても過言ではないずら!!」
善子「……へー」
花丸「善子ちゃんもそう思うよね?」
善子「アー、ハイハイ、ソウズラネ」
花丸「ふっふっふっ、やはりまるが見つけ出した聖良さんという存在こそ理想の姉と呼ぶにふさわしいーー」
7 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:11:08 ID:
1sl
???「ちょっと、まったぁぁ!」トビラバーン
善子「」ビクッ
花丸「! その声は!」
???「はなまるちゃん、その結論をルビィは認めないよ!」
花丸「まるの四年間の苦悩を否定する…………いったい何者ずら!」
???「理想の姉? おねえちゃぁがいないはなまるちゃんはなにもわかってないよ!」
花丸「ふっ、何を言うかと思えば……そんなこと2年前に乗り越えた壁ずら」
???「……真の『姉』とはなにかおしえてあげるよ、このーー」
ルビィ「黒澤ルビィがねッ!」ババンッ
花丸「!」
善子「なにこれ……」
ーーーーーー
8 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:18:57 ID:
1sl
ーーーーーー
千歌「始まりました! 仁義なき抗争! 真の姉を語れぇぇぇ!!」
千歌「実況はこのわたし、二人の姉をもつ妹おぶ妹、高海千歌がお送りします!」
千歌「そして、解説にはこの二人をお招きしております!」
果南「うむ」
善子「なにこの突っ込み不在の空間……」
千歌「さて、果南ちゃん、善子ちゃん。早速両者にらみあっておりますが、どうみられますか?」
果南「うむ」
善子「え、どうって……」チラッ
花丸「ああん?……ずら」
ルビィ「ピぎ、ピぎぃ!」
善子「なんで今日に限ってこんな好戦的なのよ……」
千歌「うんうん。互角の戦いを繰り広げてるねぇ」
果南「うむ」
善子「……………………助けて、曜さん(ツッコミ担当)」
9 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:23:28 ID:
1sl
千歌「それでは、まず二人の理想の姉をフリップにお書きください! どーぞー!」
花丸「!」シャシャシャシャッ
ルビィ「!」シュババババ
善子「えぇ!? なんでそんな気合入れて!?」
花丸「ズラァッ!!」バーン
ルビィ「ピギャァッ!!」バーン
千歌「おーっと! これは同時! 同時に描き上げた!」
善子「この短時間で絵を描き上げたの!?」
果南「はーい。それじゃあ、まるから解説どーぞ」
善子(……うむ以外しゃべるんかいッ!)
10 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:25:08 ID:
1sl
花丸「まるは勿論、聖良さんずら」
果南「……エプロンをつけてるみたいだね」
花丸「よくぞ気づいてくれたずら。これはーー」
11 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:29:44 ID:
1sl
~~~~~~
微睡みの中。
窓から差し込む光で、目を覚ます。
どうやら昨日はあのまま寝ちゃったみたい。
昨日は土曜日だったこともあって、少し夜更かしをしてしまった。
いけないいけない……。
スクールアイドルたるもの、練習に備えなきゃなのに……。
「って、あれ?」
鼻腔をくすぐる香り。
これはわたしの好きなお味噌汁の香りだ。
12 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:37:47 ID:
1sl
「!」
急いで布団をはねのけ、起き上がる。
そのまま、階段をあわてて駆け降りて、台所へ。
そこにいたのは、
聖良「あっ、おはようございます」
聖良「朝ごはん作っておきましたよ」
にこりと頬笑む姉、聖良の姿。
本来ならば、私が今日の朝御飯当番なのに……。
慌てて謝る。
怒られるかな?
そう思ったんだけど……。
聖良「大丈夫ですよ。昨日はずいぶん熱心でしたからね、ふふっ」
「///」
聖良「でも、そうですね。罰してーー」
聖良「その可愛らしい顔を見せてください、花丸」
花丸「はいずらぁ、姉様ぁぁ///」
~~~~~~
13 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:42:52 ID:
1sl
花丸「はい」
善子「はいじゃないが!?」
果南「合格」
善子「なんでっ!?」
善子「いやいやいやいや、おかしいでしょ!? まぁ、お味噌汁のくだりはいいとして! なんでずら丸が聖良さんの妹になってるのよ!?」
花丸「願望ずら」
善子「正直か!!」
花丸「ゆくゆくはそのポジションを奪いたいと思ってるずら」
善子「黒い!?」
千歌「善子ちゃんとどっちが黒いの~?」
善子「千歌さんはちょっと黙ってて!?」
14 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:45:13 ID:
1sl
ルビィ「……ふっふっふっ、甘いね、はなまるちゃん」
花丸「! ルビィちゃん……」
ルビィ「やっぱりはなまるちゃんはわかってないよ、理想の姉ってものを」
花丸「ふぅん、いうずらね。じゃあ、ルビィちゃんのその絵の真意を聞こうじゃあないか!」
ルビィ「…………ルビィの描いたこのおねえちゃぁはねーー」
15 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:53:27 ID:
1sl
~~~~~~
ダイヤ「ルビィ!!」
ルビィ「ピぎぃ!?」
ダイヤ「あなたという人は……っ」ワナワナ
ルビィ「お、おねえちゃぁ……?」
ダイヤ「またわたくしのプリンを食べましたわね!!」
ルビィ「!!」
16 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:57:15 ID:
1sl
ルビィ「あ、えっと……その……あれはルビィじゃなくて……」
ダイヤ「ルビィ!!」
ルビィ「ピぎぃ…………ご、ごめんなさい」
ダイヤ「…………」
ダイヤ「…………ルビィ、わたくしがなぜ怒っているか分かりますか?」
ルビィ「え……? おねえちゃぁのプリンを食べたからさぎゃ……」
ダイヤ「ぶっぶ~~、ですわ」
ルビィ「え、じゃあ……」
ダイヤ「ルビィ、わたくしが怒っているのはーー」
ダイヤ「プリンを『ひとりで』たべたからですわ」
ルビィ「!!」
17 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)22:59:22 ID:
1sl
ルビィ「あっ、る、ルビィ……ルビィ……っ」
ルビィ「ごめんなさぁぁぁいっ」ワーン
ダイヤ「……いいのですよ、分かってくれたなら」ナデナデ
ルビィ「うんっ、うんっ、ルビィ今度からはひとりでたべないっ」
ダイヤ「そうですわね。今度は……」ニコッ
ルビィ「こんどはっ!」ニコッ
ダイルビ「「口移しで!」」
~~~~~~
18 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:03:19 ID:
1sl
ルビィ「はい」
善子「だから、はいじゃないが!?」
果南「合格」パチパチ
善子「だから、なんで!?」
善子「おかしい! 絶対おかしい!」
千歌「善子ちゃん、人を想う心はそれぞれ違うんだよ」シンミリ
善子「いやいやいや!! なによ、口移しって、これもずら丸と同じく願望!? だったら、ルビィの願望相当歪んでるわよっ!」
ルビィ「実話です」
善子「ヒエェェェェ……」
20 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:23:55 ID:
1sl
千歌「それでは最後の議題です」
善子「え!? もう最後なの!?」
果南「善子は続いてほしいの?」
善子「え……あっ、早く終わってほしかったんだったわ……」
ルビィ「よしこちゃん、だいじょうぶ?」
花丸「ツッコミ疲れずらねぇ」
善子「だれのせいよ!?」
花丸「すべては『姉』という罪な存在のせいずらね」
ルビィ「そうだねぇ」
善子「…………」
21 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:26:46 ID:
1sl
千歌「では、最後の議題は…………」
花丸「……」ゴクリ
ルビィ「……」ゴクリ
千歌「理想の姉としたいこと!!」
花丸「!!」
ルビィ「!!」
千歌「それでは、フリップにーー」
花丸「」ズバババババ
ルビィ「」ゴゴゴゴゴゴ
善子「」
22 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:31:42 ID:
1sl
千歌「これはすごい! すごい勢いだぁ!!」
千歌「やりたいことが溢れ出している! 邪な発想が漏れ出て千歌たちにもオーラとして見えている!!」
善子「っ、オーラ……」ソワッ
果南「うむ」
花丸「」ガリガリガリガリ
ルビィ「」ガリガリガリガリ
千歌「さ~て、先に出来上がるのはどちらなのか!」
果南「あっ、ちなみに千歌はどっちが好きなの?」
千歌「ふぇ?」
果南「しま姉とみと姉」
千歌「えー、好き度で言うなら…………」
千歌「果南お姉ちゃん///」チラッ
果南「えっ……///」トゥンク
善子「百合はよそでやってどうぞ」ゲンナリ
23 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:34:53 ID:
1sl
ルビィ「はいっ!」
千歌「はっ! はい、ルビィちゃん!」
ルビィ「ふふっ、はなまるちゃん、ルビィからいかせてもらうよ」
花丸「まぁ、先に出した方が有利だから譲ってあげるね。それくらいはハンデずら」
ルビィ「ピぎぃぃん」
花丸「ずらぁぁん」
善子(訳のわからない擬音で同級生が威嚇しあってる。怖い、一年生怖い)
24 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:35:40 ID:
1sl
ルビィ「それでは、ルビィのおねえちゃぁとやりたいことを発表します」
ルビィ「それはっ!!」
ルビィ「これだぁぁっ」
25 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:40:24 ID:
1sl
~~~~~~
ルビィ「…………」カリッ
ダイヤ「んっ……っ」
ルビィ「…………きもちいい?」カリカリ
ダイヤ「え、えぇ……ルビィ……」
ルビィ「……むぅっ! ルビィ、じゃないでしょ?」
ダイヤ「っ……/// きもちいい、よ…………」
ダイヤ「ルビィおねえちゃぁ……///」
ルビィ「それはよかった、ダイヤちゃん」
ダイヤ「~~っ///」
ルビィ「あ、暴れちゃダメだよ、耳かきしてるんだから」カリッ
ダイヤ「んあっ///」ピクッ
26 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:44:41 ID:
1sl
ルビィ「…………」カリカリ
ダイヤ「っ……」
ルビィ「………………」コリッ
ダイヤ「はぁっんっ///」ビクッ
ルビィ「……ダメだよ、動いちゃ(小声)」
ダイヤ「っ、みみもとでっ///」
ルビィ「ダイヤちゃんはえらい子だから、ちゃーんと我慢できるよね……?」
ルビィ「フゥーッ」
ダイヤ「ッッッ///」ビクビクッ
ルビィ「ねぇ、ダイヤちゃん、おねえちゃぁになにしてほしい……?」ニコッ
ダイヤ「あ……わ、たしは……おねえちゃぁにーー」
~~~~~~
27 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:47:32 ID:
1sl
花丸「これはッ!?」
花丸「姉妹逆転耳かきプレイだとッ!?」
花丸「かなりのマニアック! だが、いつもと力関係が逆転してるからこその非日常感」
花丸「さらに、耳かきを同時に行うことで背徳感までも演出している、だと……!?」
善子「……………………」
28 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:49:48 ID:
1sl
ルビィ「そう、これこそルビィのやりたいこと!」
ルビィ「というか先週末にやったことだよ!」
千歌「おーっと、花丸ちゃんが動揺している! これはなかなかの評価が出たようです! 解説の果南ちゃん、どうですか?」
果南「合格」パチパチ
29 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:51:20 ID:
1sl
花丸「くっ、確かに姉妹逆転耳かきプレイは至高の領域……」
花丸「けれど、まるだって負けていない!」
花丸「まるが聖良姉様とやりたいこと!」
花丸「それはこれだぁぁぁ!!!」
30 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:52:47 ID:
1sl
~~~~~~
聖良「花丸」
聖良「私のことを……」
聖良(女体盛)「食べてください///」
~~~~~~
31 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:55:30 ID:
1sl
果南「優勝!!」パチパチ
果南「優勝!!!」パチパチパチパチ
ルビィ「ッ!?」
花丸「どうずら? 北の海の幸、そして、聖良姉様の女性的な美しい肢体」
花丸「ダイヤさんではできないことずらぁぁっ!!!」
ルビィ「うぅぅっ」ガクッ
千歌「どうやら、勝負は決したようだね」
32 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/15(土)23:59:22 ID:
1sl
ルビィ「こんな、ルビィが……ルビィのおねえちゃぁ愛が負けるなんて……」
花丸「…………ルビィちゃん」
ルビィ「はなまる、ちゃん……?」
花丸「…………握手を」スッ
ルビィ「!」
花丸「『姉』を愛する者として、まるたちは今ぶつかり合い、そして、認め合った」
ルビィ「はなまるちゃん……」
花丸「まるも口移し、やってみるずら」
ルビィ「っ、うんっ! ルビィも女体盛やってもらうねっ!」
ーー ギュッ ーー
果南「ブラボーブラボー」パチパチ
33 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/16(日)00:01:25 ID:
YYt
千歌「ここに今、姉論争は終わりを迎えた」
千歌「いや、ちがう」
千歌「これこそが始まり」
千歌「なのかもしれないね、善子ちゃん」
善子「もうかえる!!」
ーーーーーー
34 :
◇6cZRMaO/G6 19/06/16(日)00:03:44 ID:
YYt
ーーーーーー
ダイヤ「覚悟はよろしいですか?」ゴゴゴ
聖良「どちらの妹が最カワか裁判を始めます」ゴゴゴゴ
曜「助けて、よーしこー……」
ーーーーーー fin ーーーーーー
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【ラブライブ!サ!!】ルビィ「真の姉力について」花丸「議論する」
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