1 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:40:28 ID:
ZwA
フレちゃんのSSです。クレイジークレイジーを聞いていたらこれができていた。
何を言っているかわかんねえと思うが(ry
一つだけ言えるとしたら、イノタクは神。
2 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:40:45 ID:
ZwA
◇
「らびゅ─!アナタのアイドル、宮本・アンドレ・ザ・フレデリカだよー♪」
「よく知ってる。それでフレちゃん、なぜ今ここに? 」
「なぜってー?」
「今はレッスンの時間では? 」
「ふっふっふ……プロデューサー、フレちゃんの潜在能力を見誤っているな─? もうこれ以上ないくらい完璧に終わらせて、やることないって言われたから帰ってきちゃった─!」
「トレーナーさんに電話……っと。」
「あっ信用してなーい!」
「…はい、いつもお世話になっております、宮本の担当のものですが、今こちらに宮本が来ているんですが……えっ終わった? 完璧? 言うことない? ……はい、お世話になりました、今後ともよろしくお願いします……」
「ふふふー!フレちゃんはおサボりなんかしないもんね!」
「いや、これは済まなかったフレちゃん。」
「担当アイドルを信用していない悪徳プロデューサーには罰として、あたしが淹れたコーヒーを飲んでもらおう!」
「いつも思うんだがそれはむしろガチのご褒美なのでは?」
「1/2 の確率でカップ焼きそばの湯切り前に間違って液体ソースを入れてしまった時の汁を飲むことになるけどねー!」
「確率もすげぇし外れた時のヤバさもすげぇや。まあ、甘んじて受けさせてもらおうかな。」
「フッフフーン、任せてね!フレちゃんのホットココアは絶品なんだよ!」
「おっと何が出てくるのかもう皆目見当つかねぇや」
3 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:41:01 ID:
ZwA
◯
「それでプロデューサー? 今日はこのあと何かあるの?」
「いやー、今日はもう予定は入っていないな。雑誌の撮影も明後日だし、今日この後と明日はオフだよ。」
「本当に!? じゃあプロデューサー、フレ散歩に付き合ってよ!6時間くらい!」
「今雨降ってるし、そもそも平日の15時だから無理かな……てか散歩しすぎじゃね? フルマラソンでも出るの?」
「ちがうよー!フレちゃんぽはね、長崎に飛んでちゃんぽんを食べるんだよ!」
「散歩じゃなくなっちゃった……まぁちゃんぽんは長崎、それはわかる。」
「ちゃんぽん食べの旅、始まります。」
「フレちゃん要素なくなっちゃった!てか昼飯食った後の会話なんだよコレ!?」
「フンフンフフーンフンフフー、ちゃんこニスタだよー!」
「ちゃんぽんですらなくなった!しかし甘いぞフレちゃん。真のちゃんこニスタはお相撲さんのみだ!!」
「ちゃんこニスタってなぁに?」
「唐突に裏切るのやめてくれる?フレちゃん発なんだから、自分の言動に責任持って?」
「真のちゃんこニスタになれなかった…… それじゃあフレちゃんはこの後一人寂しくウィンドウショッピングでもしてこよっかなー。じゃあプロデューサー、じゅてーむ!」
「別れの挨拶なら多分、Au revoir だな。」
4 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:41:18 ID:
ZwA
◇
あなたと一緒なら空を飛べる気がしたんだ。
きっとそれは夢物語なんかじゃなくて。
でも、いつもあなたは早く夢から覚めなさいって。
砂糖をひとさじだけ入れたコーヒーを飲み干して、そういうんだ。
街を一人で歩いている。
昔はそんなことなかったのに、どうしてかな、隣が少し寂しい。
一緒に遊びたい友達はたくさんいるのに。大好きなパパやママもいるのに。どうせ寂しくなるってわかってるのに。
それでも一人で歩いてしまう。
スーツ姿の男性に少し空見をしてしまうけど、うん、やっぱり違うよ。
雨が降る午後。変わらないのは、私だけ。
流れる景色。雨粒が髪から一粒滴る。
視界に入り,そして去って行く人。
みんなみんな、次の一瞬、今の自分と違う自分になって、そしてほら、また変わって行く。
でも、あたしは。あたしだけはきっと変わらない。どんなになっても──きっと、ね。
おかしいなんて、言わないでね。
あたしだって、わかんないんだ。
おかしいなんて、わかってるんだ。
変だよね。あなたと喋りたい、あなたの隣にいたい、あなたと……なんて。
でも、わかんないんだ。わかんないの。
5 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:41:31 ID:
ZwA
◇
歩く、歩く、歩く。
空は鉛色で、切れ間に湿った青色が少しだけ顔をのぞかせる。だけど、やっぱり相変わらず雨は降り続いて。
歩く、歩く、歩く。
お気に入りのバッグを持って。新色のルージュを引いて。ちょっぴりお高いヒールを履く。
歩く、歩く、歩く。
少し困りながら、笑っているあなたの顔が思い浮かぶ。
それでも雨は降り止まない。傘は、どこかに置いてきてしまった。
どこにだっけ? わかんないや。
もしかしたら最初から、持ってきていないような気もするし。
持ってきているけど、差したくないだけかもしれないし。
────差してくれる人を、待っているのかもしれないし。
Lady の定義。
少し立ち止まって、差し出された模範解答を整える。
Maybe, 景色は悪くない。
6 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:41:45 ID:
ZwA
◇
あなたの好きな、ひとさじだけ砂糖を入れたコーヒー。
私は頬杖をつきながら、それを飲んでいるあなたの横顔を見る。
仕事に集中してて、たまにしか口をつけないそのマグカップ。
唇がカップのフチから離れ、あなたがふっと息をつくとき、
あたしは、どうしてかな、とても嬉しくなるんだ。
美味しく淹れられていたかなって、聞きたくなるんだ。
雨は依然として降り続く。おあつらえ向きのシチュエーション。
よくある、誰にでもある、どこにでもある、ただの女の子の気持ちの話。
だけど、やっぱり、なんでかな?
なんでかな?
悲しさの色なんて知らない雫が、つうと頬を伝い、雨に混じって消える。
7 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:41:58 ID:
ZwA
うん。だから、なんだよ?
この気持ちを抱えたまま、あなたとおしゃべりなんて。
できないよ。できないの。
だから、いつも一番最初に、”アイ・ラブ・ユー” を。
バレないように、でもバレちゃってもいいように。
8 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:42:12 ID:
ZwA
あなたとなら。二人なら。
あのまま、他愛もないおしゃべりをこなしながら。
ふと、思い立ったように。
そして、何も思っていないかのように。
自然と、大胆に。さりげなく、情熱的に。
あなたの唇に、触れたい。
あたしの心に、触れてほしい。
あなたの気持ちを、いっぱいにしたい。
あたしの身体の疼きを、満たしてほしい。
9 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:43:51 ID:
ZwA
お別れの挨拶なんて、いつだってしたくない。
だからいつも、冗談めかして、私の本当の気持ちを伝える。
あなたが柔らかく微笑む。私の心は掻き乱れる。だけど、あたしも笑って、また明日。
あなたは中で、あたしは外。
あなたはソトで、あたしはナカ。
「────おかしくなっちゃうよ……」
雨が小粒になる。雲の切れ間に突き抜ける青い空。
水たまり越しのアイコンタクト。ベクトルが交わり、だけどその和はきっと、あたしからあなたに向いている。
10 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:44:03 ID:
ZwA
Alors, tout d'abord, "アイ・ラブ・ユー".
11 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:44:52 ID:
ZwA
以上です。真面目に恋しちゃうフレちゃん可愛くね?という思いで書きました。よろしければ是非。
12 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)13:56:35 ID:
ZwA
完全に余談ですがソトって書いた時に横浜DeNAベイスターズのソト選手が思い出されて書いてる途中爆笑してた
13 :
名無しさん@おーぷん 19/05/12(日)14:02:39 ID:
ZwA
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【モバマスss】First of all【フレデリカ】
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