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【ミリマス】満腹至極バァスディ

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1 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:13:50.49 ID:p3DqHRTxO
・アイドルマスターミリオンライブ!の佐竹美奈子お誕生日SSです。
・pixivにも同じ作品が上がっておりますが、作者は同一人物です。
・佐竹美奈子さん、誕生日おめでとうございます。

2 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:17:15.63 ID:p3DqHRTxO
俺は、彼女から、奪ってしまった。
新しい女の子をスカウトしてアイドルにするたびに、こう思ってしまう。
しかし----

3 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:18:50.92 ID:p3DqHRTxO


「「「「ハッピーバースデー!!」」」」

担当アイドルと共に仕事をこなして事務所に帰ってくると、待っていた四人がクラッカーの音で出迎えてくれた。
ささやかながら開かれた誕生日パーティー。うちの事務所は所属アイドルたちの仲が良く、誰かが誕生日を迎えると、必ずといっていいほどオフの子たちがこうした催しを開いている。
ひと息でロウソクを吹き消し、拍手に包まれている今日の主役、佐竹美奈子。アイドルになって迎える初めての誕生日だ。中華料理店の娘で、立ち仕事で培った足腰の強さから生まれるダンスと、看板娘として自然と鍛えられてきた笑顔、そして人当たりの良さが彼女の持ち味。
アイドルとしての素質は十分、どころか期待以上の活躍を見せてくれた。礼儀正しさから現場でのウケが良いので細かい仕事が切れ目なく舞い込み、瞬く間に知名度は上昇。そろそろ次のステップに進んでも良いかもしれない。

「そういえば、わたし美奈子さんをシアターで見るの久しぶりかもしれないです。」
「そう言われると…でも、翼ちゃん私の作り置きデザート、いっつも食べてくれてるよね!」
「いつもありがとうございまーす!美奈子さんを見ると杏仁豆腐の味を思い出しちゃって~…」
「なんと、美奈子はらぁめんだけでなく、でざぁとまで堪能なのですね。」
「はいっ!今度、事務所の冷蔵庫にも置いときますね!」
「貴音!ラーメンだけじゃないよ!HANABI団の時にも、差し入れに色々作ってくれて…」
「翼ちゃんにのり子さんも、いいなぁ~…私も食べてみたいかな~…」
「ふふっ、可奈ちゃんにも今度なにか作ってあげるからね!」


4 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:20:07.15 ID:p3DqHRTxO

女三人寄ればとはよく言ったもので、五人も寄れば会話の尽きることがない。最近の美奈子は外での仕事が多かったので、事務所のみんなとこうして会うのは久々だと思う。楽しそうで何よりだ。

"毎年、誕生日は家族で過ごしてるんですよ、凄いごちそうを作って、友達もウチのお店に呼んで…"

誰かの誕生日パーティーの最中、こんな話を美奈子本人から聞いたことがある。きっと去年の今頃は、実家で賑やかな誕生日を過ごしていたのだろう。
アイドルになるということは、アイドルの暮らしをするということで、得られるものは多いけれど、失うものも多いということ。
アイドルを始めると、ほとんどの子は雑談の内容が家族や友達のことから芸能関係のことが多くを占めるようになるものである。しかし美奈子は、そのバランスが最初の頃から変わらない。

ここまでの話で俺が考えているのは、つまり、この子はアイドルとして生きることに向いていなかったんじゃないか、ということだ。普段の振る舞いを見ていると、他の子より人一倍、家庭に幸せがあるように思えてしまう。円満な家庭を築いて、笑顔の絶えない毎日を送る、美奈子の笑顔の向こうにアイドルにはあり得ない未来が明確に見えてしまう。そんな未来を俺は……


5 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:21:32.28 ID:p3DqHRTxO

「プロデューサーさん?」
「っと、どうした?」
「どうした?はこっちのセリフですよー。はいっ、プロデューサーさんの分のケーキです!」
「あぁ、ありがとう。」
考え込んでしまっていたようで、目の前のパソコン画面はスリープ状態になっていた。
「疲れたときは甘いもの、ですよ?」
「そうだな、ちょっと休憩を…」

美奈子と、目があった。

「あのさ、ごめんな。」
「何がですか?」
「誕生日、毎年家族で過ごすって言ってたと思うんだけど、今年はそうさせてあげられなくて。」
「えぇ、プロデューサーさんそんなこと考えてくれてたんですか!? 」
「えっ、なに、変だった?」
「いえ、真面目な顔してたから、お仕事が大変なのかなって。」

驚いた顔は、優しい笑顔にかわる。彼女の瞳から目が離せないまま、返事を待った。

「…午前はお仕事でしたけど、久々に事務所のみんなと一緒に過ごせて嬉しいです。それに、家族や友達とは帰ってお店閉めてからパーティーしますから、ご心配なく!」
「そう、か。それなら良かった。」
「だから、ごめんなんて言わないでください!今日はそれよりも"おめでとう"ですよ?」
「そうだよな。美奈子、誕生日おめでとう。」
「ありがとうございます!この一年も、仕事もプライベートも、みーんな満腹にしていきますから、プロデュースお願いしますね!」
「こっちこそ、よろしく頼む。」
「あ、あとケーキの後に作ってきたマンゴープリンもありますから、そっちもお願いしますね?」
「お、おう…頑張るよ。」

6 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:22:06.28 ID:p3DqHRTxO

去り際におかわりを宣告し、彼女は仲間の輪の中に戻っていった。なんだか彼女のエネルギーに全て持っていかれてしまったようだった。

俺は、彼女から、奪ってしまった。
新しい女の子をスカウトしてアイドルにするたびに、こう思ってしまう。
しかし、アイドルはいつも俺の想像を超えていく。

そんなことを考えながらケーキを食べていると、あっというまに無くなってしまった。
彼女たちの方に目をやると、視線に気づいた美奈子がマンゴープリンを持ってこようとするが、翼がそれを止めた。
「プロデューサーさーん!アレ、言わないとですよー?」
「あっ!そーですよ、プロデューサーさん!ライブのときのお客さんみたいに!」
「そうですね、欲しいのならばひと声かけるのが道理というもの。さぁ、いざ!」
「ほらほらプロデューサー、美奈子待ってるよー?」

次の一年、彼女は今より成長し、与えた分だけ活躍していくだろう。仕事とプライベートの両立は難しくなるだろうが、そのサポートは俺の仕事だ。彼女が俺のプロデュースを求めるように、俺も彼女の未来をもっと求めていこう。

「美奈子、おかわり!」
「はいっ、プロデューサー!」

この笑顔で、彼女がもっと多くの人を満腹にさせられるように。

7 : ◆xcyucaPKUE 2019/03/22(金) 23:26:52.23 ID:p3DqHRTxO

以上となります。
投稿ボタンを押してから気づいてしまったのですが、最後の呼称にさん付け忘れてますね…やってしまった…。



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