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【ミリマス】五月の第二日曜日

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1 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:06:10.79 ID:BZIDKoWm0
※ 某ラジオドラマ風

===

N『今回のお話は、変わりばえのない765プロに秋月君が戻って来たところから始まります』

秋月律子「……ただいま戻りました」


P「ん、お帰り」

音無小鳥「お帰りなさい。律子さん」


律子「あい」

N『扉を開けて入って来るなり、のっしのっしと気だるげに、自分のデスクへ戻る秋月君』

N『そんな彼女の姿を見て、Pと音無さんはコソコソ内緒話を始めます』


P「……小鳥さん。なんだか律子、元気ないですね」

小鳥「え、ええ。出発前はいつも通りだったハズですけど」

N『さて、一体どのようにいつも通りだったのか? ここで少し、振り返って見ましょうか』

2 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:07:18.85 ID:BZIDKoWm0
===

N『時間は少々遡り、出発前の事務所です』

律子「えぇっと? こっちの案件は処理済みで――」

双海亜美「てぇーいっ! とりゃーっ!」


我那覇響「ほっ! はっ!!」


望月杏奈「…………とうっ」


七尾百合子「はぁっ! そこですっ!」


星井美希「むにゅ……すぅ」


伊吹翼「ふふっ、美希先輩ってば面白い寝顔~♪」



N『ご覧の通り、見慣れた事務所の光景ですね』

3 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:09:36.58 ID:BZIDKoWm0

律子「これは、新しく入った子に任せますか」

百合子「聖なる風よ! 動きを止めて!」

杏奈「ん……亜美ちゃん、響さん。今、です!」

亜美「ガッテン! 喰らえ、亜美たち二人の必殺技――」

響「ミリオン剣、Vの字切りだあぁぁっ!!」

律子「そうそう響。響の探検番組に出す子も、決めておかなくちゃいけないのよねー」


響「……って、うぎゃーっ!?」

百合子「ひっ、響さん! 大丈夫ですか!?」

杏奈「盛大に……外した!?」

響「ちょっ、待って! 自分のキャラがタコ殴りに……」

亜美「あっ、やられた」

杏奈「ゲーム、オーバー……」

百合子「……ああ、私たちの三十分が」

4 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:12:16.73 ID:BZIDKoWm0

律子「雪歩は準レギュラーだから。美也なんかを入れると面白いかも……って、あら。もうこんな時間じゃない」

N『書類仕事を切り上げて、秋月君が遊んでいた四人に呼びかけます』

律子「みんなー? そろそろ仕事の時間だけど」

響「ごめんみんな! もう一回、もう一回だけチャンスをちょうだい!」

百合子「そ、そんなに謝らなくっていいですよ」

亜美「うんうんそうそう! ひびきんが肝心なところでポンコツなのは」

杏奈「ん……みんな知って、ます」


律子「ゲームも止めて、準備してー」

響「うぅ……ありがとう、ありがとう!」

百合子「それじゃあ、装備を整えて」

亜美「もう一狩り!」

杏奈「おー」

律子「止めなさいって言ってるでしょ!」

響「うわあぁっ、律子!?」

亜美「ああっ! ひびきんがリアルでモンスターからのコーゲキを!」

律子「誰がモンスターだ! 誰が!」

5 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:15:52.88 ID:BZIDKoWm0

杏奈「ど、どうしよう百合子さん……!」

百合子「えっ!? と、とりあえず退却? 反撃?」

律子「アンタたちもいつまでゲーム気分なの! さっさと片付けて準備する!」

杏奈&百合子「は、はい!」

律子「亜美もほら、ゲーム機の電源切って」

亜美「待って待って、今セーブしてるとこだから――」

N『そうして我那覇君の持っていた携帯機の電源を、ぷちっと落とす秋月君』


響「ちょっ、律子! 自分まだセーブしてなかったのに!」

律子「えっ? あ、そうなの?」

響「ひ、酷すぎるぞぉ……」

律子「ご、ごめんなさい。ほら、泣かない泣かない!」

杏奈(……急がなきゃ!)

百合子(こっちまで消されたらたまらない!)


美希「むぅ~……みんなワーワーうるさいの。ミキ、お昼寝してるんだよ?」

翼「そうですよ。折角わたしの膝枕で、気持ちよさそうに寝てたのに~」

亜美「ちょっとバサバサ、今はそういうのめちゃマズ――ひぇっ!?」

律子「アンタら二人も静観決めてないでっ! さっさと準備を済ませなさーいっ!!」

6 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:17:37.87 ID:BZIDKoWm0
===

P「――で」

P「半泣きになった響をなだめつつ、叩き起こした美希も連れて外回りに行ったんだよな。確か」

小鳥「ええ、だいたいそんな流れでしたよね」

N『はい。そういう流れでした』

律子「はぁ~……」

小鳥「……どうします? 作品を捨てられちゃった時の、ロコちゃんみたいな目をしてますよ?」

P「これは……結構重症かもしれません」

小鳥「それじゃあここは、プロデューサーさん」

P「なんです?」

小鳥「理由、聞いて来てください」

P「……どうして俺の役目なんですか」

小鳥「そんなの、質問するまでもないでしょう?」

小鳥「落ち込んでいる女性を元気づけるのは、男の甲斐性じゃないですか!」

P「むぅ……そんな物ですかね」

小鳥「はい。そんな物です」

7 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:18:45.49 ID:BZIDKoWm0

N『自信満々で言い切る音無さんに、Pが渋々頷きます』

P「まぁ、俺だって何があったか気になりますし。それぐらはしてもいいですけど――」

律子「……うぅ、ぐすっ」

P(な、泣いてる!?)

小鳥(律子さんが!?)

小鳥「これは……物凄いほどの落ち込みようですね」

P「一体、律子の身に何が……?」

小鳥「何がって、それを聞いて来るんですよ。ほら、早く早く」

P「えぇっ!? ちょっと待って、雰囲気滅茶苦茶重いですよ!」

小鳥「わ、私だっておいそれと行けませんよぉ~!」

N『……騒がしそうにしてますが、一応二人とも内緒話です』

8 :P『ミリオンライブ!』 ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:20:11.61 ID:BZIDKoWm0
===

P「……うぅ、怖いなぁ」

小鳥「頑張ってください! 骨は拾ってあげますから!」

P「その言葉、頼もしいほどに頼りない」

N『そうしておっかなびっくりと、Pが秋月君に近づきます』


P「……な、なあ律子、ちょっといいか?」

律子「……ん、なんですか?」

P(うわぁ……急いで涙を拭ったけど。目、真っ赤じゃないか)

小鳥(普段は気丈な律子さんが見せる、弱ってしまったこの姿……)


小鳥(良い! 凄くそそられる!)

N『こら、そこの事務員さん』

9 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:21:25.42 ID:BZIDKoWm0

P「その、何かあったのか? ちょっと、元気が無さそうだけど」

律子「……なんでもないです」

P「な、何でもないことはないだろう? その、そんなに目を腫らしてさ」

律子「これは……花粉です。花粉症なんで、ちょっと目が痒くなってただけですよ」

P「うっ、あ……そうか」

律子「そうです」

P「…………よし」


P「――司令、ただいま帰還しました」

小鳥「ちょっと!? 何すごすごと戻って来てるんですか!」

10 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:22:42.17 ID:BZIDKoWm0

P「だってだって居たたまれないんだもん!」

P「無理です無理! あの目で見つめられちゃったら、言葉も詰まって出てきません!」

N『へたれなPの言い訳に、音無さんが吐き捨てます』

小鳥「ちっ、この根性無しの役立たずめ」

P(どストレート!)

小鳥「いいわ、やるわ。事務所の最年ちょ――げふんげふん!」

小鳥「事務所の頼れる先輩として、私が聞きに行きましょう!」

P「……言い直す必要ありましたかね?」

小鳥「ヘタレは黙っていてください」

N『そうしてPを一蹴し、音無さんが不敵に微笑みます』


小鳥「坊ちゃんはそこで座ってな。本当の甲斐性って奴を、アナタに見せてあげますよ!」

11 :小鳥『ミリオンライブ!』 ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:24:14.27 ID:BZIDKoWm0
===

P「――で、何か申し開きはありますか」

小鳥「無いです。皆無です。まったく何も聞き出せませんでした」

P「でしょうね。なんですかあの『君の心も曇り空かい?』って台詞」

小鳥「ドラマであった台詞ですよ。イケてるやり手のプレイボーイが、その台詞で落ち込んでる女の子を物にするんです」

P「じゃあ、『君をジャッキアップしたいのさ』ってのは?」

小鳥「そっちはゲームの台詞ですね。車の修理工をしている相手を、主人公が落とす時の名台詞です」


P「小鳥さん……アナタの甲斐性ってやつは、ドラマとゲームにしか無いんですか?」

小鳥「失礼ですね、漫画もあります!」

12 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:25:27.77 ID:BZIDKoWm0

N『その時、事務所の扉を開けて一人の少女が現れました』

P「なんだ?」

小鳥「あら、星梨花ちゃん」

箱崎星梨花「あ、プロデューサーさんに小鳥さん」



星梨花「ちょうど良かった。実は、お二人に用事があったんです」

P「俺たちに用事? なんだい?」

星梨花「はい。えぇっと……どうぞ!」

P「どうぞって……これ、花か」

小鳥「とっても綺麗なカーネーションね」

P「でも、どうして急に花なんか……それも大きな花束で」

13 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:27:12.42 ID:BZIDKoWm0

N『Pの言葉に箱崎君が、もじもじと照れ臭そうに笑います』

星梨花「あの、今日は母の日ですから」

星梨花「日頃の感謝の気持ちを込めて、いつもお世話になってる
プロデューサーさん達に、内緒で花束を贈ろうって話になったんです」

P「ああ、それでカーネーション」

星梨花「はい! 事務所のみんなでお金を出し合って」

星梨花「今日がお休みの人もいますから、私が代表で持って来ました!」


N『笑顔で報告する箱崎君に、音無さんも微笑み返します』

小鳥「そっか……ありがとう星梨花ちゃん。嬉しいわ」

P「そうだな、みんなの気持ちが伝わる贈り物――って、ちょっと待った」

小鳥「あ、そうね。そうですね」

14 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:28:20.80 ID:BZIDKoWm0

星梨花「はい? どうかしましたか、プロデューサーさん」

P「いやな、こうしてプレゼントは貰ったけど――」

小鳥「私たち二人は受け取ったけど、律子さんの分はどうしたの――ですよね? プロデューサーさん」

P「えっ? あ、まぁ確かに。それも引っかかるとこですけどね」

星梨花「律子さんですか? ……えっと、律子さんの分のカーネーションは」

律子「私は……もう、受け取っていますから」

小鳥「きゃっ!?」

P「律子!」

小鳥「は、背後から急に声をかけないでください! ビックリします!」

律子「あ、ごめんなさい」

15 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:29:57.19 ID:BZIDKoWm0

律子「……でも今言った通り。私はお二人よりも一足先に貰ってるんです、カーネーション」

P「そうなのか? でも、いつ?」

律子「丁度外回りから帰る車の中で、響達から渡されて」

N『そうしてPたちが見守る中、みるみるうちに涙目になる秋月君』

律子「あ、あんまり急なものだから。何だか凄く泣けて来ちゃって」

星梨花「響さんたちは特にお世話になってるから、自分たちで渡すんだって言ってたんですよ」

律子「嬉しいやら驚いたやら……気持ちの整理がまだつかないんです。恥ずかしい話なんですけど」

小鳥「でも、花束なんてどこにも持ってませんでしたよね?」

N『音無さんのもっともな質問に、秋月君は照れ臭そうに答えました』


律子「だって、六人が一つずつ渡して来たんですよ? とても持ちきれなかったから、今は車に置いてあります」

16 :律子『ミリオンライブ!』 ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:31:22.25 ID:BZIDKoWm0
===

N『そうして、事件はひと段落』

P「じゃあ結局、落ち込んでたワケじゃないだな」

律子「違いますよ。当然じゃないですか」

小鳥「それにしても、母の日ですか。……なんだか不思議な感じですね」

P「と、言うと?」

小鳥「だって三人とも誰一人、結婚だってしてないのに」

小鳥「……そう、結婚だってしてないのに」

律子「ちょっと小鳥さん。自分の発言で傷つかないで」

P(この人も難儀な人だなぁ……)


律子「でも――小鳥さんの気持ちは分かります。私も、普段はあの子たちに口うるさく接してましたから」

律子「正直、嫌われててもしょうがないって思ってたんですよね。……なのに、本当のお母さんみたいに慕っててくれて」

小鳥「そう、そうなんですよね! なんというか、頼りにされてるっていうか」

律子「嬉しい気持ちになれますよね」

小鳥「ええ、とっても!」

17 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:33:25.46 ID:BZIDKoWm0

N『すると二人の会話を複雑な表情で聞いていたPが、突然ポツリと呟きました』

P「お二人には悪いんですけど、さっきからソコが引っかかってるんです」

小鳥「はい?」

律子「何がですか?」

P「そのですね……どうして俺にまで、花が贈られたんでしょう?」

律子「あっ」

小鳥「え、えぇっと、それは……」

N『……以上、五月の第二日曜日でも頑張っている765プロのお話でした』


P「母の日ですよね? ねぇってば!?」

P「誰か、答えてくださいよぉー!」

18 : ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/14(日) 20:33:56.23 ID:BZIDKoWm0
===
おしまいです。芸能事務所に休みなんて無い……のか?

お読みいただき、ありがとうございました。



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