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小松伊吹「カラミ奏」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:55:01.46 ID:mi46V2IBO
伊吹「もやしを買いすぎた」


奏「なに、藪から棒に」


伊吹「ほら、もやしって安いじゃん? 一人暮らしの強い味方じゃん?」

奏「一人暮らししたことないからわからないわ」

伊吹「むう、この都会っ子のもやしっ子めー」

奏「あと数年もしたらひとりで暮らし始めるから、それまで我慢してね」

伊吹「え、そうなの?」

奏「ええ。一応、高校卒業したら実家を出ようかなって」

伊吹「ええー? 実家暮らしのほうがいいと思うけどな、いろいろ楽だし」

奏「あなたどっちのスタンスなのよ」

伊吹「んー……一人暮らしの大変さは共有したいけど、先輩として苦労はしてほしくない、みたいな?」

奏「複雑ね」

伊吹「まあね。これも先輩の葛藤ってやつかな!」

奏「先輩ねえ」

伊吹「先輩は敬わなきゃだめだぞ?」

奏「なら、先輩に数学の宿題でも教えてもらおうかしら」

伊吹「それは他の先輩に頼んで」

奏「頼りにならない先輩は敬えないわね……」



2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:55:57.60 ID:mi46V2IBO
奏「それで? もやしを買いすぎてどうなったの?」

伊吹「あ、そうそう。もやしの話をしてたんだった」

伊吹「もやしって安いけど、賞味期限短いんだよ」

奏「まあ、日持ちのするものじゃないわね」

伊吹「この前ついつい買いすぎちゃって、腐っちゃう前に使い切れるかどうか微妙なんだよね」

奏「……もしかして、押しつける気?」

伊吹「うーん……まあ、ぶっちゃけそんな感じ?」





その日の夜 伊吹の部屋


伊吹「というわけで、今夜はふたりでもやしパーティー! さあさあ召し上がれ♪」

奏「いただきます」

奏「最初は余りのもやしをそのまま押しつけられるのかと思ったけど、こういう押しつけられ方なら歓迎ね」

伊吹「へへ、でしょ?」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:56:27.22 ID:mi46V2IBO
奏「でも、誘うなら他の子でもよかったんじゃない? どうして私を」

伊吹「なんだかんだ『しょうがないわね……』って言いながら来てくれそうだったから」

奏「私、そういうふうに見えているの?」

伊吹「アタシ的には、頼りになると思ってるよ」

奏「ふうん」モグモグ

伊吹(あ、食べるペースが上がった)

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:57:05.92 ID:mi46V2IBO
奏「………」シャキシャキ

伊吹「………」シャクシャク

伊吹「もやしって、この食感がくせになるんだよね」

奏「確かに、いいアクセントにはなるわね」

伊吹「しかもだいたいの料理に出張できるし。今日だって、炒め物に味噌汁に大活躍」

奏「これで安いのだから、確かに一人暮らしの味方なのかも」

伊吹「そうそう。これで栄養たっぷりなら言うことないんだけどね」

奏「栄養、ないの?」

伊吹「ないことはないけど、他の野菜に比べて勝ってるわけじゃないらしいよ」

奏「へえ、そうなの」

奏「でも、全然ないよりはいいじゃない。塵も積もればなんとやら、よ」

伊吹「かな」

奏「誰かさんみたいにうっかり買い込みすぎて、いっぱい食べていれば栄養もとれると思うわ」

伊吹「それは言わない約束」

奏「ふふっ」



5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:57:37.18 ID:mi46V2IBO
奏「………」シャコシャコ

伊吹「………」

奏「……? どうしたの、急に黙り込んで」

伊吹「……奏って、一口が小さいよね」

伊吹「もぐもぐ食べるっていうよりも、もきゅもきゅって感じでかわいいかも」

奏「かわいい? もきゅもきゅ?」

伊吹「というか絶対かわいい。十人に見せたら十人かわいいって言う!」

奏「そうなの? 伊吹ちゃんが一口大きいから、相対的に小さく見えるだけじゃなくて?」

伊吹「アタシは別に、一口が大きくも小さくもないくらいだし」

奏「でも、この前あなたのプロデューサーさんと――」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 21:59:12.64 ID:mi46V2IBO
伊吹『あ。P、アイス食べてるの? 一口ちょーだい♪』

伊吹『はむっ……ん~♪ 甘くておいしい!』

伊吹『え? 食べ過ぎ? あはは、ごめんごめん。アタシ一口大きいからさ』




奏「みたいなことがあったと思うんだけど」

伊吹「それはそれ、これはこれ」

奏「ちゃっかりしてるわね」

伊吹「ふふふ、オトナだからね」

奏「ちなみに、あの時思い切り間接キスしていたことになるけれど。そこは平気なの?」

伊吹「………」

伊吹「………あああっ!?」カアァ

奏「オトナというよりオトメよね、伊吹ちゃんは」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:00:17.23 ID:mi46V2IBO
奏「ごちそうさま。おいしかったわ、ありがとう」

伊吹「こっちこそありがとうだよ。おかげで食材無駄にせずにすんだし」

奏「Win-Winね」

伊吹「だね♪」



伊吹「あ、そうだ。面白そうなお菓子見つけたから買ってきたんだけど、奏も食べる?」

奏「今ごはん食べ終わったところなのに?」

伊吹「そこはほら、お菓子は別腹ってやつ?」

奏「太るわよ」

伊吹「そのぶん運動すれば大丈夫だし」

奏「清々しいわね」

伊吹「それで? 食べる? 食べない?」

奏「……食べる」

伊吹「さすが奏! それでこそJK!」

奏「JKは関係ないと思うけど」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:01:07.69 ID:mi46V2IBO
奏「で、どんなお菓子なの」

伊吹「それはね……じゃーん! 世界一の激辛ポテトチップス!」

奏「………」

伊吹「本当に世界一かどうかは知らないけど、こういう宣伝されると食べたくなっちゃうよね」

奏「世界一……激辛……」

伊吹「? どうかした?」

奏「いいえ、なんでも」

伊吹「そう? じゃあ、早速食べよっか」

伊吹「………」ポリポリ

伊吹「うわっ、辛っ! これは食べる時に水が必須だ……用意しておいてよかった~」

奏「……そんなに辛いの?」

伊吹「うん。世界一かどうかは知らないけどね」

伊吹「さ、次は奏の番」

奏「………」

奏「そうね。いざ」

伊吹(なんでライブ直前の時みたいな目つきしてるんだろう)

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:03:21.19 ID:mi46V2IBO
奏「はむっ」

奏「………」

伊吹「………」

奏「………」

伊吹「あれ、意外と平気だった――」


奏「~~~~っ!!!」ゴクゴクゴク

伊吹「と思ったらものすごい勢いで水分補給しだした!?」

奏「~~~っ!!」

伊吹「おかわり? 水のおかわりだね! 了解!」

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:04:24.95 ID:mi46V2IBO
奏「……ふう。やっと落ち着いたわ」

奏「まだ舌が疼くけれど」

伊吹「辛いの苦手なら、最初から言ってくれればいいのに。奏の涙目、初めて見た」

奏「………」

伊吹「子供っぽいと思われるのが嫌だったとか?」

奏「そういうわけじゃないわ」

伊吹「目線がそっぽ向いてるんだけど」

奏「………」

伊吹「奏」

奏「なに」

伊吹「正直すっごいかわいい」

奏「………」プイ

奏「いつか、リベンジするわ。私が辛味を克服したその時に」

伊吹「それ、いつになりそう?」

奏「五年後くらいかしら」キリッ

伊吹「顔は強気なのにだいぶ弱気な目標設定だな……」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:05:41.03 ID:mi46V2IBO




伊吹「で、あれから本当に五年経ったわけだけど」

奏「あら。この激辛スープって面白そうね。伊吹ちゃん、一緒に注文する?」

伊吹「克服どころか、辛いのが好きになるまで成長するとは」

奏「もう成人して数年だもの。味覚だって変わるわ」

奏「お酒だって、甘くないものを飲めるようになったし」

伊吹「奏は向上心が高いからね」

奏「そういうものでもないと思うけど。ふふっ」

奏「それはそうと。このお店のお酒、おいしいわ」

伊吹「よかった。連れてきたかいがあったね」

奏「ええ」ゴクゴク

伊吹(とまあ、そんなわけで、辛味を克服した奏なんだけど)

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:06:20.98 ID:mi46V2IBO
数十分後


奏「ねえ伊吹ちゃん? 伊吹ちゃん、いつになったらプロデューサーさんにアプローチかけるの?」

伊吹「あ、アプローチって」

奏「もう出会って五年でしょう? たまには大胆に攻めてみてもいいじゃない。ね?」

伊吹「大胆って……そもそも、アタシはアイドルで、あいつはプロデューサーだし」

奏「ね?」

伊吹「いや、だから」

奏「ねえ?」

伊吹「………」

奏「ねえ? ねえ?」トローン



伊吹(奏、絡み酒なんだよね……酔うとすぐ耳が赤くなって、べたべたしてくるし)

奏「ねえ、伊吹ちゃん? 聞いてる?」

伊吹「はいはい、聞いてるって」

伊吹(ま、これはこれで無防備でかわいいんだけど)

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:06:50.74 ID:mi46V2IBO
伊吹(辛味苦手な奏から、絡み酒の奏に……なんて)

奏「今すごくくだらないダジャレ考えてなかった?」

伊吹「なんだよエスパーか!?」



おしまい

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/18(日) 22:09:52.63 ID:mi46V2IBO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます。伊吹と奏の絡みが好きです

前作
小松伊吹「ハラミ奏」
速水奏「小松菜伊吹」

関係ない過去作
藤原肇「佐藤さん、佐藤さん」 佐藤心「はぁとって呼べよ☆」
橘ありす「雪ですね」 佐城雪美「呼んだ……?」




SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介です

元スレ: 小松伊吹「カラミ奏」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482065701/

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[ 2016/12/18 22:55 ] モバマスSS | TB(0) | CM(1)
コメント
6425: 2016/12/19(月) 12:47
カラミ…
スラグとも言う。漢字表記は「鍰」。鉱石から金属等を精錬する時、不純物として排出される残滓のこと。大抵は廃棄物として棄てられるが、高温耐性があるため耐火レンガ等に再利用される場合もある。
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