http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453323817/
1 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 06:03:38.02 ID:
kczu6DSG0
何故艦娘とは結婚出来ないのか。そう聞くと、じじいは莫迦を見る目で答えてくれた
「夫が死んでも、嫁だけが残る」
成る程と、だから私は言った
「殺せればいいんですね」
阿呆を見る目でじじいは言った
「そうだな」
2 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 06:04:34.43 ID:
kczu6DSGo
「だから私は、君を殺す」
理由を説明して、そう彼女に宣言した
彼女はとても楽しそうに、嬉しそうに目を細めて答えた
「喜んで」
3 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 06:06:41.27 ID:
kczu6DSGo
私は艦娘の殺し方を調べた
明石に聞いた
「艦娘に毒物は効きません」
夕張に聞いた
「身体能力が生の人間とダンチですよ?」
誰かが言った
「無理」
4 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 06:15:30.23 ID:
kczu6DSGo
前を歩く彼女に向かって真っ直ぐナイフを振ってみた
振り返りつつ私の方に倒れ込み、彼女は俺の胸の中に収まった
「暖かいですね」
彼女は喉を鳴らしながらそう言った
6 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 11:03:45.38 ID:
kczu6DSGo
彼女に後ろから襲いかかってみた
私の手を優雅に捌きながら彼女は言った
「冷たいですね……外は寒かったでしょう?」
私の手を包んだ彼女の手は柔らかかった
7 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 11:04:21.15 ID:
kczu6DSGo
寝ている彼女の首元目掛けて鉈を振り下ろした
彼女は私の腕をするりと絡め取り、同じ布団に誘った
「独りでは広すぎるんです」
そう言う彼女の顔は暗くて見えなかった
8 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 11:04:57.27 ID:
kczu6DSGo
隣で寝る彼女の顔にナイフを突き立てた
起き上がった彼女は私をその胸に抱いた
「まだ……ちょっと恥ずかしいですね」
胸の間から目だけで見上げると、彼女は微笑んでいた
9 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 11:06:41.53 ID:
kczu6DSGo
何日も、何十日も、何年も、何十年も、そんな日が続いた
力も、刃物も、銃器も、火薬も、何に対しても彼女は無敵だった
もう私の先は長くなかった、ベッドに横たわる私を見下しながら、彼女は言った。笑顔と涙を浮かべながら言った
「私にして欲しい事はありますか?」
殺されて欲しい。私に、殺されて、死んで、死んで、死んで欲しい。死ね
私は言った
「結婚してくれ」
「喜んで」
そして私の世界は暗くなった
私が最期に聞いたのは、柔らかい物に刃物が突き刺さったような耳障りな音だった
10 :
◆eYw0lnfieY 2016/01/21(木) 11:07:07.67 ID:
kczu6DSGo
おわり
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 11:09:58.94 ID:rLDhrXI/0
歪んでやがる
おつ
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 11:12:50.79 ID:uWl74D3/o
歪んでるけど素敵なお話でした
SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介です
元スレ:
提督「殺してやる」神通「喜んで」
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