3 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:09:10.18 ID:
ludgYOqS0
美羽「もしかしてプロデューサーさん、私たちの存在忘れてましたか?」
P「そうじゃないけど……ああ、油断したな」
友紀「営業のときに、そんな顔しないでよね? したら大量失点間違い無しだよ」
P「するかっての。ただ、最近プロジェクトの関係で、いろいろと慌ただしくてさ」
美羽「忙しそうですもんね、プロデューサー」
P「嬉しい悲鳴って奴だよ」
薫「せんせぇ、頑張るのもいいいけど無理し過ぎないでね」
P「ははっ、ありがとうな薫」
4 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:10:50.01 ID:
ludgYOqS0
美羽「でも、最近は休み取れてるんですか?」
P「まあボチボチ。ひちろさんにその辺りは、気を使ってもらってるし。明後日も午後からは半日休みになってるんだ」
美羽「流石ちひろさんですね……ちひろさんこそ休んでるんですかね?」
P「休んでる……とは思うけど……?」
美羽(なんか、ちひろさんなら休まなくても何とかなりそう……)
友紀「へえ。明後日、午後から休みなんだ……」
P「さあ、もうひと踏ん張りだよ」
薫「せんせぇ頑張って―!」
ワイワイ
P「」モクモク
友紀「……」
5 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:12:21.17 ID:
ludgYOqS0
美羽(……? ユッキーさん、どうかしたのかな?)
友紀「ちょっとごめんね」スッ
美羽(あ、もしかして……)
P「……」カタカタ
友紀「ねえプロデューサー」スッ
P「おっ、どうした」
友紀「明後日、お休みなんでしょ?」
P「午後からだけどな」
友紀「それだったらさ、その日に……ほら、この前に約束した」
P「あ、ああ。あれか。野球観戦」
友紀「どうかな。まあ、プロデューサーも疲れてるだろうし。無理にとは言わないけど?」
P「いや、うんうん。大丈夫。その日なら。……実は俺も――」
薫「なんの話してるのー?」ヒョイ
P「うおう!?」
6 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:14:18.38 ID:
ludgYOqS0
友紀「わっ! 薫ちゃんか。びっくりしたー」
薫「せんせぇと友紀お姉ちゃんで、野球を見に行くの?」
美羽「薫ちゃん。ちょっとちょっと」アタフタ
薫「どうしたの、美羽お姉ちゃん?」
美羽「二人の邪魔しちゃダメだって」
薫「薫、お邪魔だった?」ションボリ
P「いや邪魔とかじゃないって!」
友紀「そうそう、そうだよ!」
友紀「あ、何なら薫ちゃんも一緒に野球見に行く?」
P・美羽「「えっ?」」
美羽(しまった、フォローしたつもりが逆効果になったっぽい!)
7 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:15:27.85 ID:
ludgYOqS0
薫「いいのー?」
友紀「あたしは構わないよ! プロデューサーも、いいよね」
P「あ、ああ。友紀がいいなら文句はないけど」
友紀「どうせならさ」
友紀「美羽ちゃんも一緒に、野球観戦に行かない?」
8 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:16:34.23 ID:
ludgYOqS0
美羽「私もですか?」
P「そうだなら、せっかくなら美羽も来いよ」
美羽(プロデューサーさんまで……でもこうなったなら、一緒に行った方が色々手助け出来たりするかも)
美羽「そう、ですね。それだったら、私もご一緒させてもらいます!」
友紀「じゃあプロデューサー。四人分のチケット代金お願いね!」
P「はあ!? 全員分、俺が払うのかよ」
友紀「だって『連れてって』くれるんでしょ? 当然奢りだよねー」
P「ええい、ちくしょう。わかったよ。払ってやるよなんでもよ」
美羽「ええ、いいんですか!」
P「ああ、いいよ。別にさ」
薫「せんせぇ、ありがとう!」
友紀「さっすがプロデューサー! 名将は太っ腹じゃなきゃね!」
9 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:18:21.33 ID:
ludgYOqS0
ガチャ
藍子「お疲れ様です」
P「おう、藍子か。お疲れ」
美羽「お疲れ様です」
薫「お疲れ様でーす!」
友紀「お疲れ、藍子ちゃん!」
藍子「? 皆さん、なんだか盛り上がっていますね」
薫「あのね、明後日みんなで野球に見に行くんだ!」
藍子「野球、ですか?」
友紀「そうだ! 藍子ちゃんも一緒に来る?」
P「いや、藍子はさ」
友紀「往生際が悪いよ、プロデューサー。奢るなら四人でも五人でも同じでしょ? 」
P「一緒じゃねえよ。結構でかいよ」
10 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:20:03.35 ID:
ludgYOqS0
友紀「お金に糸目をつけてちゃ、大事な選手も移籍しちゃうぞー」
P「そうじゃなくて。藍子は明後日は夕方から仕事だよ」
美羽「あ、そっか」
藍子「ええ、ラジオの仕事が入っていますから」
薫「そっかー、残念」
P「まあまあ、仕事なんだから。また機会があったな行こうな」
藍子「はい」
ヤイノヤイノヤイノ
藍子「……」
――
―
友紀「楽しみだねー、明後日の野球」
美羽「そうですけど……あの、ユッキーさん」
11 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:21:20.18 ID:
ludgYOqS0
友紀「? どうかしたの」
美羽「さっきは、なんかごめんなさい。せっかく二人で行くはずだったのに」
友紀「あーあれ? 別に気にしてないって。野球はみんなで見た方が楽しいからね。ファンが増えるのはウェルカムだよ!」
美羽「でも……」ションボリ
友紀「もう、気にし過ぎだって! あたしが別に良いって言ってるんだからいいの!」
友紀「というか、いちいち気を使わなくていいって!! そこらへんは、まあさあ……」
友紀「ほら、こう見えてお姉さんなんだから?! それとも信頼できないかな?」
美羽「そうですねー……」
友紀「そこは嘘でもいいから即答してくれよぉ!」
12 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:22:33.33 ID:
ludgYOqS0
美羽「いやあ、ほら。なんというか、確かにユッキーさんのこと信頼してますし、大好きですけど、恋愛とか、そっちの方面は……」
友紀「ちょ、ちょっと待ってよ! あたしだって子供じゃないんだから! これでも? 大人の魅力を日々磨いてだねぇ」
美羽「たとえば?」
友紀「……お弁当を作って、事務所に持っていったり?」
美羽「あれ、おにぎりにお総菜の焼き鳥を合わせただけじゃないですか」
友紀「失礼な! ちゃんとほうれん草の和え物もあったでしょ!」
美羽「それもお総菜でしたよね」
友紀「おにぎりは手作りだよ!?」
13 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:24:32.22 ID:
ludgYOqS0
友紀「ああもう、ともかく! 細かいことはいいの! お姉さんに任せればオッケー!」
友紀「……というか、そういちいち気を使われるとあたしが落ち着かないよ……」
美羽「あはは、そうですね。ちょっとお節介が過ぎました」
友紀「そうそう。そんな気を使ってばっかじゃ美羽ちゃんも持たないからね!」
友紀「景気づけに、あたしの家で親睦会兼、野球勉強会でもしよっか? あたしが付きっきりで教えてあげるよー」ウリウリ
美羽「せっかくですけど、今日はこの後、加奈ちゃんさんと朋さんと、一緒にご飯食べる約束してるんで」
友紀「ああ、そうなんだ」
14 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:26:03.76 ID:
ludgYOqS0
美羽「なんでしたらユッキーさんも来ますか?」
友紀「うーん、流石に遠慮しとくよ。今日の試合は見逃せない一戦だし」
友紀「それじゃあまたね、美羽ちゃん。明後日、楽しみにしいててよね!」ジャネー
美羽「お疲れさまです」デハー
―――
――
美羽(ユッキーさんはああいうけど、正直、まだ不安もあるしなー。ここはやっぱり、私が密かにフォローをしなければ。でも、前よりもあくまで控えめに……)
美羽(その名も、キューピット作戦、ハーフ!!)
加奈「美羽ちゃん、マヨネーズを持ってどうしたの?」
美羽「あ、うんうん。何でもないよ」
加奈「安心しなよ美羽ちゃん。それはカロリーハーフだから、たくさんかけても問題ないよ!」
朋「というか、なんでファミレスのテーブルにマヨネーズが?」ラッキーアイテム?
15 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:27:16.45 ID:
ludgYOqS0
――
―――
P「――というわけで」
友紀「やってきたぞー、ドーームーーー!!!」
ワイワイワイワイ
美羽「うわあ、平日なのに、スゴい人ですね。薫ちゃん、私の手を離さないようにね」
薫「うん!」
P「結局この四人か。もう少し人数は増えると思ったけど」
友紀「安心したの、お財布的に?」
P「ちげえよ」マジデ
薫「薫、みんなに声かけたけど、みんな行けないってー」
友紀「いきなりだったからねー、誘う時間もなかったし」
美羽「あいさんは、観戦後のご飯には来るんですよね」
P「その予定」
16 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:28:38.86 ID:
ludgYOqS0
美羽「でもこの中で私たち見つかったら、騒ぎになりませんかね。流石にアイドルが三人なんて」
友紀「大丈夫大丈夫、ここに来てる人達は、アイドルなんか眼中にないからね! あるのはチームの勝利のみ!!」
P「念のため、変装もしてるし大丈夫だろう」
薫「変装って怪盗みたい!」キャッツハッピー&ボウシ
美羽「変装、なんですかねこれ……」キャッツハッピー&サングラース
P「郷に入れば郷に従えって奴さ」キャッツハッピー
友紀「そうそう、それが大事だよ」キャッツハッピー&ダテメガーネ
薫「ねえねえせんせぇ」チョンチョン
P「んっ? なんだ」
薫「薫、この格好にあってるかな?」リョウウデノバシー
P「似合ってる似合ってる」
薫「本当? よかったー」パアァ
P(可愛い)
美羽(可愛い)
友紀(可愛い)
17 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:30:32.04 ID:
ludgYOqS0
薫「あ、見て美羽お姉ちゃん! でっかいヒーローのお人形」
美羽「本当だ」オオキー
薫「光ちゃんが喜びそー。せんせぇ、近くで写真撮ってきていい?」
P「おう、気をつけろよ」
薫「ほら、美羽お姉ちゃん行こう!」
美羽「分かったから」
タタタッ
友紀「あはは、薫ちゃんは元気だねー」
P「全くだな」
友紀「……ところでさ」
18 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:31:23.45 ID:
ludgYOqS0
P「? どうした」
友紀「この伊達メガネ。どう、かな? 似合って……る?」
P「お、おう。悪くない……うん。いいと思う」
友紀「あ、あはは。そう? よかった」エヘヘ
美羽(ハッ! 私が何もしないうちに何だかいい雰囲気に!)
薫「美羽お姉ちゃん、どうかしたの? 変な顔ー」
友紀「ホラ、二人とも早くー。急がないと試合始まっちゃうよ!」
薫「うん、分かった!」ダッ
美羽「あっ、待ってー」
―――
――
P「えっと、列は確かここら辺だよな」
19 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:34:04.65 ID:
ludgYOqS0
友紀「あ、あそこだよ」
チケットハイケンデスー
美羽「中でも、席のある方に行くのに、チケット見せるんですね」オネガイシマス
友紀「そのおかげで、酔っ払って別の列に行く心配もないけどさ」オネガイシマース
P「球場でそこまで飲むなよ」オネガイシマス
友紀「どうしても、ヤケ酒したくなるときがあるんだよ……」
P「いいけど、気をつけろよな……」
薫「お願いします!」
ハイドウモー
ワイワイヤイノヤイノ
P「席は……ここかな」
美羽「しかし、ここから見ると、本当に広いですねー」ネッキモスゴイヤ
薫「ホントー!」アツイネー
20 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:35:19.39 ID:
ludgYOqS0
P「毎回満席じゃないとはいえ、よくも埋まるよな」
友紀「ファンからすれば、毎日アイドルがライブやってるようなものだからね!」
薫「そういえばね。薫、ありすちゃんから野球見る時に必要なもの聞いてきたよ!」ガサゴソ
美羽「え、薫ちゃん、まさかビールを!?」
友紀「美羽ちゃん、野球に変なイメージ抱いてない?」
P「たぶん友紀のせいだよ」
薫「えっとね、これ!」
P「ラジオ?」
薫「そう! ラジオで放送聴きながら見るのがいいんだって、ありすちゃんが調べてくれたの!」
美羽(ホッ……ビールじゃなかった)
21 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:36:53.57 ID:
ludgYOqS0
P「確かに、動きとかよく分かるかもしれないけど。今さらポータブルラジオって」
薫「お父さんから借りてきたんだ!」
友紀「チッチッチ、薫ちゃんもありすちゃんも甘いねー」
薫「甘いー?」
P「イチゴパスタよりか?」
友紀「イチゴパスタは忘れよう。確かにラジオも悪くないよ。動きが分かりやすいし。でもね、観戦に必要なのはそんなんじゃないだなー」
美羽「やっぱりビールですか?」
友紀「そう、ビール! ……じゃなくて!」
美羽「じゃなくて?」
友紀「それはね、野球を楽しむ心だよ!!」ドーン
薫「へー」
22 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:37:57.90 ID:
ludgYOqS0
美羽「楽しむ心ですか」
友紀「そう、小難しいこととはいいの! まずは楽しむこと。それが第一だよ」
P「というか、それは第一前提だよな」
美羽「まあそうですね」
友紀「二人ともー、いい感じにまとめたんだから水差さないでよね」ムー
薫「でも、せっかくラジオ持ってきたんだよ?」
美羽「そうだね。でも、今日はユッキーお姉さんが見ながら説明してくれるんだから。ですよね?」
友紀「まっかせてよ!」
薫「そっかー、そうだね! じゃあ友紀おねえちゃん、よろしくお願いします!」
友紀「もっちろん」
友紀「という訳で、景気づけに。お姉さーん! こっちにビール頂戴!」
P「やっぱビール飲むんじゃないか……」
友紀「いやあ、必須ではないけど、あった方がやっぱりね?」
23 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:40:20.20 ID:
ludgYOqS0
ピロン
美羽「あ、誰らからメッセージ……未央ちゃんからだ」
P「どんな連絡だ?」
美羽「大したことじゃないですよ。野球、楽しんで来てって」
美羽(でも未央ちゃん、なんで知ってるんだろ? キューピット作戦ハーフの一環で、私は誰も誘わなかったから、未央ちゃんにも声掛けてないし……?)
薫「美羽おねえちゃんの携帯、電池なくなりそー」
美羽「あ、本当だ。レッスン中に充電しとくの忘れてた」
友紀「そういえばあたしも充電もうないんだよなー」
薫「薫も、お仕事あったから、少ないのー」
P「なんだなんだ、揃いもそろって。俺が充電器もってるから、試合中に充電しとくか?」
美羽「本当ですか?」
友紀「ナイス! さっすがプロデューサーだね!」
P「なんつってもプロデューサーだからな」
P「じゃあ、みんなの携帯は、俺のバックの中に入れとくか」
24 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:41:43.33 ID:
ludgYOqS0
―――
――
ワーワーワー
P「お、始まったぞ」
友紀「まずはスターからの攻撃だねー。まあスターなんか、こっちは先発はうちのエースだからね。負けるはず――」
カキーン
友紀「って、なに打たれてるんだよー!?」
P「一球目からいかれたなー」
友紀「ああ、もたついて……送球を急いでー!!」
美羽「あらー」
友紀「うう……先頭から、二塁ノーアウトとは……」
薫「キャッツ、ピンチなの?」
友紀「うー……まあ、ね。でも、大丈夫。うちのエースならここからピシャッと……」
カキーン
友紀「って!?」
薫「あー。ボールお客さんの席に入っちゃったよ?」
友紀「ああ、初回から何やってんの馬鹿―!?」
25 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:42:52.51 ID:
ludgYOqS0
P「落ち着け! ファールだから!」
薫「ファールだと大丈夫なの?」
友紀「あーうん。えっとね……」
カキーン
P「あ、今度はヒットだ……」
友紀「左中間抜けて……長打コース……」ガックリ
美羽「一点、入っちゃいましたね」アララー
友紀「初回ノーアウトで、いきなり失点なんてー……」
薫「ねえ、ピンチなのー?」
――
―
美羽「なんとか、初回は一点抑えましたね」
友紀「なんといってもキャッツなんだから! 余裕だって!」
P「万塁にされて死にそうな顔してたのに」
友紀「し、してないって!」
薫「次はキャッツの攻撃なんだよねー」
美羽「そうだよ」
友紀「バンバン打てよー。巻き返せよー! ほら、薫ちゃんも応援して!」
薫「うん! 頑張れー!」
26 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:44:00.23 ID:
ludgYOqS0
P「なんだかんだで、六回までで、5-6か」
友紀「まさかウチのエースが崩れるとは……」
美羽「でも、一応キャッツが勝ってるじゃないですか」
薫「ホームラン凄かったね!」
美羽「四回のキャッツのホームランだよね。ホントに、ぐいぐい伸びてね」
友紀「不調の大黒柱の一本だからね。あそこで一気に突き放したと思ったんだけど……」
P「返しに追いつかれたもんな」
友紀「ああいう要所を締めなきゃー。最後に勝てないぞーキャッツ! だいたいさっきの回でも、あそこは代打を送るべきだったんだよやっぱり――」
薫「へー」ズズー
27 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:44:55.01 ID:
ludgYOqS0
美羽「あ、薫ちゃん、飲み物なくなったちゃった?」
P「一番小さいのじゃ少なかったかな」
友紀「プロデューサーがケチるからー」
P「ケチった訳じゃねえよ」
美羽(! そうだ)ミウーン!
美羽「それじゃあ薫ちゃん、私と飲み物買いに行こっか?」
薫「薫、大丈夫だよー?」
美羽「実は私も別の飲み物を飲みたくなっちゃってさ。薫ちゃんも一緒に来ない?」
P「なんだ、それなら俺の奴飲むか?」ヒョイ
美羽「え、あ!? だ、大丈夫ですよ」
友紀「プロデューサー、デリカーシーないぞー」
P「あ、ああ。そっか」
友紀「代わりにあたしの飲む?」ヒョイ
美羽「いや、ビールはちょっと」
P「お前はモラルがないな……」
28 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:46:39.18 ID:
ludgYOqS0
美羽「薫ちゃん、行かない?」
薫「そうだねー。じゃあ薫も行く!」テツナギー
美羽「という訳で、ちょっと行ってきますね」
友紀「次はスターの攻撃だしね。急がなくていいよー」
――
―
美羽(フッフッフッ、うまく行った! さりげなーく薫ちゃんと一緒に買い物に来て、自然に二人っきりにする)
美羽(その名も、ロンリーの買い出しはおことわんりー作戦!)
美羽(うん、作戦名も決まった……)ドヤァ
薫「美羽おねえちゃん、なんだか嬉しそうだけど、どうかしたの?」
美羽「あ、うんうん。何でもないよ」
29 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:50:27.08 ID:
ludgYOqS0
美羽「それで、薫ちゃんは何が飲みたい?」
薫「薫、オレンジジュース!」
美羽「じゃあ私は。うーん、どうしようかなー」
薫「まだ決まらないのー?」
美羽「うん、ごめんねー」
美羽(薫ちゃんには申し訳ないけど、ちょっと買い物を長引かせなければ)
美羽「あ、薫ちゃんアイスクリームもあるよ。容れ物が、小さなヘルメット!」
薫「うーん。大丈夫! あとであいお姉ちゃんとご飯に行くから、おなかいっぱいになったら困るもん!」エヘー
美羽(かわいい)
美羽「うん、じゃあ私はコーラにしよっかな。ちょっと待っててね、いま買ってくるから」
薫「じゃあ薫、待ってる間、少し探検していい?」
30 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:52:34.96 ID:
ludgYOqS0
美羽「探検?」
薫「うん! 球場って来たことないから。見て回りたいんだ!」
美羽「いいけど、すぐ戻ってくるんだよ。じゃああの柱の所で待ち合わせね」
薫「分かった!」
アリガトーゴザイマース
美羽「おまたせ! ……ってあれ?」
美羽「薫ちゃーん?」
美羽(まだ戻ってきてないんだ)
――
―
美羽(おかしいな……まだ戻ってこないなんて。見回しても薫ちゃんの姿はないし……)
美羽(……もしかして、薫ちゃん迷子になっちゃった?!?!)
31 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:53:45.37 ID:
ludgYOqS0
美羽(球場の中って、結構似てるもんな……)
美羽(そうだ! 携帯に連絡すれば……)
ピロン
友紀「プロデューサー、携帯なってない?」
P「鳴ってるけど、これは美羽のだな」
美羽(って、携帯プロデューサーに預けたままだったー!)
美羽(ど、どうしよう。でも二人に迷惑かけたくないし)
美羽(ともかく、私だけでなんとか探してみよう……!)
――
―
友紀「……何でこうなっちゃうかな」
32 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:55:41.32 ID:
ludgYOqS0
P「ツーアウトだけど、万塁か……」
友紀「頼む、抑えろよ、抑えてくれよぅ」
カキーン
友紀「あーー!!」
P「抜けた」
友紀「待って! センターが……飛び込んだ!!」
P「とった、か?」
友紀「ったー!!!」
ワーワー
友紀「ねえ、やったよプロデューサー」ダキツキー!
P「友紀、ちょっと?!」
友紀「やったやったー! センターナイス守備!!」
P「そうだけど、離れろって! 飲み物零れる!」
友紀「あっ! ご、ごめんプロデューサー。つ、つい……!」
33 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:56:47.40 ID:
ludgYOqS0
P「いや……い、いいけど……」
友紀「あ、あはは。盛り上がっちゃってさ」
P「お前、このノリで知らない人に抱きつくなよ?」
友紀「し、しないって! 抱きつく相手くらいちゃんと選ぶよ!!」
P「え、選ぶ?」
友紀「あ、いやぁ……ほ、ほら! 今日はみんなと来てるから気も緩んでさ! 美羽ちゃんがいたら美羽ちゃんに抱きついたんだけどさ」アハハー…
友紀「って、美羽ちゃんは?」
34 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:57:58.60 ID:
ludgYOqS0
P「そういえば、まだ帰ってこないな、あの二人」
友紀「スターの攻撃は長かったのに……ちょっと遅すぎだよね?」
P「連絡して……って、携帯は俺が持ってるのか」
友紀「ああ、そっか」
P「こう遅いのはな……俺、少し探してくるよ」
友紀「じゃああたしも――」
P「いいって。友紀はここで待っててくれよ。野球を見てたいだろ」
友紀「それじゃあ、あたしが美羽ちゃん達より野球をとるみたいじゃん!」
P「違うのか?」
友紀「酷いなプロデューサー!!」
友紀「……時と場合に依るよ?」
P「時と場合に依るのかよ」
35 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 21:59:48.63 ID:
ludgYOqS0
友紀「ともかく、あたしだって心配なんだから、一緒に」
P「冗談だよ。誰かがここに居なきゃ、もし入れ違いになったら困るだろ?」
友紀「まあ……そうだけどさ」
P「すぐに見つかると思うし。待ってくれよ、バックは預かっといてくれ」ジャッ
友紀「あ、ちょっと!」
友紀「……行っちゃった」
ワーワー
友紀「あ、キャッツの攻撃始まる!!」
友紀(……まあ、待ってる人も大事だよ……ね?)
――
―
36 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:01:36.88 ID:
ludgYOqS0
ワイワイガヤガヤ
P(あの二人、売店に買いに来たんだよな……)
P(見当たらないな……)
P(トイレかもしれないけど……)
P(いや、流石にないか。てかは言って調べるわけにもいかないし)ツカマルツカマル
P(別の場所にいったのかな。入場に使った入口のほうに行ってみるか)ダッ
……
…
ヒョッコリ
美羽(うー、トイレにいるかなーって思ったけどやっぱりいなかったな)
美羽(薫ちゃん何処行ったんだろう……)
美羽(やっぱり、プロデューサーたちに……うんうん、せっかくなんだから邪魔しちゃ駄目)
美羽(なんとしても迷子の薫ちゃんは私だけで探さなきゃ……私はそう行くの)
美羽(マイ・ゴー!! なの!)ドヤァ!
美羽(……なんて馬鹿な事考えてないで、早く探さなきゃ)
美羽(私たちが入場に使った入口……)
美羽(の方はさっき行ってみたけどいなかったし、反対側に言ってみよ)ダッ
37 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:03:54.07 ID:
ludgYOqS0
ワーワー
友紀「あー!! また三振……しっかりしろよなーもう」
友紀「ビールでも飲まなきゃやってられないよー」
友紀「……」チビチビ
友紀「……」チビチビ
友紀「……」ポツーン
友紀「……おし!!」タチアガリ!
友紀(やっぱり待ってるのはあたしらしくないや! あたしも探しに行こ!)
ネーチャンタツナヨ ミエネーゾ
友紀「ああ、ごめんごめん」
友紀(っと、プロデューサーのバックもちゃんともってかなきゃね)
友紀「おしっ、じゃあ」
カキーン
友紀「え、打った!? おし行けー!!」
友紀「じゃ、なくて……は、早く探しに行こっ」
38 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:04:44.86 ID:
ludgYOqS0
ワーワーワー
美羽(? キャッツの人が打ったのかな? ここからじゃちょっと見ずらいな)
美羽(そっちも気になるけど、今は薫ちゃんを探さなきゃ)
美羽「薫ちゃん本当にどこにいったんだろう?」
美羽(ここより先には行ってないよね。ほとんど元の席の反対側だし……)
美羽「むー。ここは、やっぱり戻った方がいいかな」
カキーン
美羽(あ、また打ったのかな?)
39 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:06:05.68 ID:
ludgYOqS0
ワーワーワー
友紀「お、また打った!」
友紀「じゃ……なくて」ゴホン
友紀(とりあえず、一回プロデューサーと合流しよ)
友紀(確かあたしの携帯は、プロデューサーのバックの中に……)
ピロロロ
友紀(? 誰かの携帯が鳴ってるけど、薫ちゃんの?)ゴサタチー
友紀(しまった、間違えて出ちゃった?!)
友紀「あ、ごめんなさい。薫ちゃんは今――」
??『友紀くんか?』
友紀「その声は、あいさん?」
あい『これは薫くんの携帯だろ、なんで君が出るんだ』
40 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:06:58.15 ID:
ludgYOqS0
友紀「あはは、いろいろあって。どうかしたの?」
あい『いや、今からそちらに向かおうと思って。君に伝われば十分だが一応、薫くんに代わってくれないか?』
友紀「あー、それがね……」
――
―
あい『美羽くんと薫くんが戻ってこないのか……』
友紀「だから今、探してるところなんだよー」
あい『大方、美羽くんが君に気を使ってるんじゃないのかな?』
友紀「気を使うって……」
あい『思い当たらない訳はないのだろう? だから私も、合流を後からにしたのだから』
友紀「仕事じゃなかったの?」
あい『さて、どうだろうね?』
41 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:08:04.11 ID:
ludgYOqS0
友紀「あのさあ、前も言ったけど。そういうのは別にいいからぁ……」モウッ
あい『フフッ。まあ、薫くんの方は美羽くんがついているから大丈夫だろうが、よろしく頼むよ』デハ
友紀「はーい」ジャネー
友紀「もう、あいさんは……。まあいいや、早くプロデューサーに連絡を……」
ピロン
友紀(今度は美羽ちゃんのが鳴ってる。また下手に触ってまた出ても困るし、無視しとこ)
友紀(あたしの携帯は……あった!)
テルテル
友紀「あ、プロデューサー? あのさ――」
――
―
42 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:09:24.66 ID:
ludgYOqS0
P「まったく、待ってろって言ったのに」
友紀「いいじゃん。待ってるのはあたしの性に合わないんだよ」
P「そうだろうけど」
友紀「あたしだって心配なんだから!」
P「分かってるよ」
P「二人一緒にいてもしょうがないし、また別れて探すか」
友紀「じゃああたしは、あっちね」
P「俺はもっと奥の方を見て見るよ。ぞれじゃあ」ダッ
P(友紀の気持はわかるけど、まさか入れ違いとかになってないよ……)
カキーン
P「お、また打った」
43 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:10:47.37 ID:
ludgYOqS0
ワーワーワー
美羽「あっ、あれは……アウトかな? あ、今のでキャッツの攻撃は終わりみたい」
美羽(結局、薫ちゃん見つからないし……戻ってきちゃった)
美羽「って、あれ」
美羽(席に……誰もいない?)
美羽(まさか……)
美羽(って、まさかも何もないよね)
美羽(二人とも、私たちのことを心配して探しに行ったんだよな、絶対)
美羽(ああ、もう私のバカバカ!)
美羽(二人が探してるのに、私がここで待ってる訳にはいかないもんね!)
美羽(とりあえず、飲み物だけ置いとこ)
――
―
44 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:12:59.98 ID:
ludgYOqS0
P「ったく、本当に何処に行ったんだよ、二人とも」
P(美羽が一緒だから大丈夫だと思うけど……やっぱり警備の人に知らせた方がいいかな?)
P(球場って迷子センターとかあるのかな?)
サッ
P「ん?」
P(なんか今、誰かが隠れた?)
P(……今の人影、見覚えのあるような)
P(まさかな……いや、しかし)
カキーン
P(あら、今度は……キャッツが打たれたのか?)
45 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:14:27.46 ID:
ludgYOqS0
ワーワー
友紀「ああ、打たれてるー……」
友紀(さっきのチャンスでも点は入らないし、美羽ちゃん達も見つからないし……)
友紀「うう、どこ行ったんだよー」
友紀「って、あれは……?」
カキーン
ワーワー
美羽「また打たれてる……」
美羽(キャッツ、負けちゃうのかな……)
友紀「美羽ちゃーん!」
美羽「あ、ユッキーさん!」
友紀「やっと見つけたよー。もう、心配だったんだから!」
46 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:16:42.70 ID:
ludgYOqS0
美羽「ごめんなさい」
友紀「いいっていいって」
友紀「所で薫ちゃんは?」
美羽「それが……」
――
―
友紀「薫ちゃんが、迷子になった!?」
美羽「ゴメンなさい、本当に」
友紀「ああ、違うんだよ。別に美羽ちゃんを責めてる訳じゃないって」
友紀「美羽ちゃんもその……あたしの事を考えて、でしょ?」
美羽「それは……」ウツムキー
友紀「どうしたの?」
美羽「私、ユッキーさんの為に色々やろうと思ったのに、なんかどれも全然うまくいかなくて……」
美羽「気を使おうとしたら、こんな事になっちゃうし」
友紀「美羽ちゃん……」
47 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:17:57.27 ID:
ludgYOqS0
美羽「本当、ダメダメで私……空回りしちゃって……」
ポンッ
美羽「ユッキーさん……?」
友紀「そんな顔、美羽ちゃんらしくないよ」ナデナデ
友紀「美羽ちゃんは全然ダメダメじゃないよ。いつも一生懸命なんだよ。私だって、そんな美羽ちゃんに助けられてるんだから」
友紀「それに!」
友紀「一生懸命すぎて、失敗しちゃう事もあるかもしれないけど、失敗して立ち止まるのは、あたし達らしくないでしょ! 失敗したらそれを挽回すればいいんだから! 野球と一緒! 守備でミスしたら一発逆転を狙うんだよ!」
美羽「ユッキーさん……」
美羽「……そうですね。ただクヨクヨしていても、ク(ツ)ヨークなれないですもんね!」
友紀「まあ、ギャグの方は頑張ろう」
美羽「あれー?」
48 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:20:00.66 ID:
ludgYOqS0
友紀「それより、薫ちゃんを探そうよ」
美羽「はい!」
友紀「って、そうだ。プロデューサーに伝えとかなきゃ」ゴソゴソ
美羽「それプロデューサーのバックですよね。私の携帯もありますか?」
友紀「そうだね。渡しとかないと。またはぐれたら大変だもんね」ハイッ
美羽「もう、大丈夫ですって」アリガトウゴザイマス
美羽「あ、連絡が来てる。これは……?」
プルルル
友紀「おっ、ちょうどプロデューサーからだ」
美羽(未央ちゃんからだ……でもなんでこんなに?)
友紀「もしもし、プロデューサー? あのね――」
美羽(内容は……)
友紀・美羽「「えっ?」」
カキーン
49 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:21:09.58 ID:
ludgYOqS0
――
―
球場 外
ガヤガヤガヤガ
あい「私は、四人だけだと聞いていたのだが……」
あい「そっちの三人も一緒だったのか?」
凛「まあ」
卯月「どうも」
未央「あ、あははは……」
50 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:22:39.85 ID:
ludgYOqS0
P「つまりだなー。美羽と飲み物を買いに行った薫を、未央が連れて行って、自分たちの席で坐らせたと」
未央「その後に、ちゃんと美羽ちゃんに連絡したんだよ、あたし?」
友紀「だけど、美羽ちゃんは携帯を持ってなくて、連絡がつかなかった」
P「俺と一緒なのは知ってたんだろ、なんで俺に連絡しなかったんだ?」
未央「いやあ、まずは美羽ちゃんと連絡とってから驚かせようと思って」
美羽「あれ、でも席は? 客席に入るのにチケットがいるんじゃ」
薫「未央お姉ちゃんと私のチケットを交換したんだ!」
未央「そう言う訳。だからあたしは席に戻らないで、美羽ちゃんを待ってたんだけどねー……」
51 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:24:19.36 ID:
ludgYOqS0
あい「薫くん、ダメじゃないか。知ってる人でも勝手についていっちゃ。美羽お姉ちゃんに迷惑をかけて」
薫「ごめんなさい……」
未央「薫ちゃんを責めないでよー。悪いのは私だし」
凛「そうだね、未央が悪いよ」
未央「しぶりん?! 少しは庇ってよ!」
美羽「それより、なんで未央ちゃんは野球の事を知ってたの?」
未央「ふっふっふー、それはあーちゃんから聞いたんだよ」
美羽「藍子さんから?」
卯月「でも、藍子さんは仕事があるそうで。それで、未央ちゃんが私達に声をかけてきたんですよね」
未央「そう! だから私だけじゃなくて、りぶじんやしまむーにも責任があるのよ!」
凛「未央」
未央「でも止めなかったのは確かじゃーん。薫ちゃんを席に連れてったのは、しぶりんとしまむーなんだから」
52 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:25:20.65 ID:
ludgYOqS0
凛「うっ、それは……」
P「つまり三人とも、俺達の事を見張って立って訳か」
凛「み、見張ってたというか」
卯月「ちょっとスパイみたいでしたよね」
薫「うわぁ、いいなースパイ!」
P「未央も悪いけど、美羽もだぞ。はぐれてすぐ戻ってきてくれたら、ここまでの事にはならなかったんだから」
美羽「ご、ごめんなさい」
あい「話を聞いてる限りでは、一番悪いのは未央くんのようだがね」
未央「あははー……ごめんなさい。まさかこんなことになるとは」
友紀「ホントだよー。あたしの大事な大事な試合観戦を妨害したんだからねー」
未央「ユ、ユッキー? 目が怖いよー」
53 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:27:36.45 ID:
ludgYOqS0
P「第一、なんでそんな真似したんだ」
友紀「そうだよー。一緒に来たいなら言ってくれればよかったのに。プロデューサーの奢りだったんだから」
未央「いやあ、なんというかさ。ちょっと面白そうな空気を私の鼻が感知しまして。これはスパイかなーって」
友紀「面白そうな空気?」
卯月「未央ちゃんが、お二人のな――」
凛「ちょっと、卯月」
友紀「……何が言いたいのかな?」
未央「な、何でもないって!」
友紀「……」ジトー
未央「あ、あははー……」
54 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:29:02.25 ID:
ludgYOqS0
P「まあまあ、いいじゃないか」
友紀「プロデューサー」
P「本人も言ってるだろ。ここまでの騒ぎにする気はなかったって」
友紀「……そうだね。まあ、結局試合もキャッツが勝ったし」
未央「プロデューサー、ユッキー……うう、二人ともありがとー!!」
P「という訳で、このあとの飯を全部、未央のおごりで勘弁してやる」
未央「え、全部って。この人数を?」
美羽「さっすが未央ちゃん、太っ腹ー」
未央「ちょっと、まだ奢るって言ってないから!?」
あい「薫くんは何が食べたい。遠慮しなくていいんだよ?」
薫「本当? 迷惑じゃない?」キラキラ
未央「うっ……ぜ、全然大丈夫だから。もう、肉でも魚でもなんでも来い!!」
55 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:30:21.67 ID:
ludgYOqS0
薫「やったー!」
凛「私はお魚が食べたいかな」
卯月「私はですね――」
未央「ちょっと、二人は遠慮してよ!?」
ヤイノヤイノ
P「結局、騒がしい感じになっちゃったな」
友紀「いいじゃん、こういうのはうちの事務所らしいし。それに、野球観戦は人数が多い方が盛り上がるしね!」
P「まあな」
友紀「でもさ……」
56 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:40:09.90 ID:
ludgYOqS0
友紀「こういうのもいいけど……」
P「?」
友紀「今度は、二人で来れるかな?」
P「……ああ、いいぞ」
友紀「ホント?」
P「ああ、次は全部奢るかはわからないけどな」
友紀「はははー、それは残念だなー」
P「奢らないと行きたくないか?」
友紀「うーん、そうだね。まあ次は我慢してあげるよ」
P「それか、お前が奢ってくれたっていいんだぞ」
友紀「あははー、次はお互いに自腹にしようよ」
友紀「でも、そうだね……」
友紀「その次があったら、奢ってあげてもいいかな?」
P「本当か?」
友紀「ただし、奢る飲み物はビール限定だからね?」
P「ははは、じゃあ車で来るのは止めておいた方がいいな」
57 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:42:11.10 ID:
ludgYOqS0
薫「せんせぇ、友紀お姉ちゃん、早くー!」
美羽「急がないと置いてっちゃいますよー!」
友紀「分かったよー」
P「ああ、すぐ行く」
友紀「プロデューサー」
P「?」
友紀「約束、だからね!!」
友紀「美羽ちゃんも一緒に、野球観戦に行かない?」
《終》
58 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:43:43.73 ID:
ludgYOqS0
◇おまけ◇
未央「やっぱり昨日はさ、あのまま二人っきりにさせた方がよかったのではー、と思うのですよ」
卯月「それって、球場から帰る時ですか?」
未央「そう。美羽ちゃんと薫ちゃんが呼んじゃったけどさ。そこは気を利かせて、プロデューサーとユッキーを置いていくべきだったんじゃないかなーと」
凛「ちょっと未央、下世話すぎない?」
卯月「それに、周りがどうこう言わないほうがいいって、あいさん、言ってましたし」
未央「そうだけどさ。私としても、応援したい訳ですよ。二人の仲を。それに……」
卯月「未央ちゃん……?」
凛「未央……」
凛「昨日のおごりが痛かったんでしょ? 友紀、ビールをたくさん飲んでたし」
卯月「えっ、ああ……」
未央「うう、あの時に二人とも置いてくればよかった……」スッカラカン
《終劇》
59 :
◆saguDXyqCw 2015/09/14(月) 22:48:19.22 ID:
ludgYOqS0
おしまいです
ドナキチので何か書こうと思ったけど、ユッキの誕生日やんけって事で。少し前に書いた奴の続きをやってみました。
相変わらずイチャイチャが少ないのは何故なのか。
デレステでユッキ分が補充できたので大変満足です。素晴らしいですデレステ(ノーマルしかないけど)。
美羽ちゃんはいつ来るんですかね?
読んでくれた人、本当にありがとうございました。
そしてユッキ、ハッピーバースデー
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 04:02:07.08 ID:GX580cPHo
おつおつ
SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介です
元スレ:
友紀「美羽ちゃんも一緒に、野球観戦に行かない?」
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