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忍野忍「そろそろ子供が欲しい」阿良々木暦「は?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1666706880/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/10/25(火) 23:08:00.09 ID:XI5AxasUO
「ちと話があるんじゃが」
「話? なんだよ、改まって」

僕と忍の馴れ初めを、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの出会いを、一から十まで語ろうとするとそれだけで日が暮れて、徒労に途方に暮れてしまうので、簡単に言うと瀕死の吸血鬼に血を捧げた結果、眷属となった僕は吸血鬼が人類と敵だと思い知ることとなり、救った相手を再び瀕死の状態に戻すという栓もない話である。

「お前様は一応、社会人なんじゃろ?」
「一応じゃなく、正式に社会人だよ」
「ならばそこそこの甲斐性はあるとみた」

そんなこんなで主従関係が逆転して今や僕がこの瀕死の吸血鬼の主となり、死なない程度に血を与えて延命させているわけだけど、だからと言って僕は忍に対して主人のように振る舞うことはせず対等な関係を築いていた。

「甲斐性があったらなんだってんだよ」
「そろそろ子供が欲しい」
「は?」

そんな忍から、耳を疑うおねだりをされた僕は牙の抜けた間抜けな声を漏らして金色の瞳をじっと見つめると、吸血鬼は凄惨に笑い。

「そろそろ子供が欲しいと言うておる」

無邪気な笑顔に似合わぬ尖った八重歯を久しぶりに直視して目の前の幼女があのキスショットの成れの果てであると僕は思い出した。




[ 2022/10/30 22:55 ] その他 | TB(0) | CM(2)
[タグ] 物語シリーズ

阿良々木暦「ぶんぶんぶぶぶん!」レベッカ・忍「おーなみばんばばんばーん、じゃ!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1649860382/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/04/13(水) 23:33:02.31 ID:/7Mv21f8O
「というわけで、儂が今日から先生じゃ」
「どういうわけだよ」

昔、ぱにぽにだっしゅというアニメがあって偶然にも物語シリーズと同じ制作会社だったこともあり、ここに『レベッカ・忍』先生が爆誕したということらしい。

「出席を取るぞー」
「僕以外に他に誰が居るってんだよ」
「四の五の言わずに席につけー」

渋々私室の勉強机の椅子に僕が腰掛けると。

「さて、ルーズに恋するお前様よ」
「誰がルーズに恋してるって?」

ルーズソックスなんて今時誰も履いてない。

「儂は子供先生になったわけじゃが」
「見た目だけはな」

見た目は子供、中身は600歳の生き字引だ。

「幼いからと言って馬鹿にしてはならんぞ」
「コーラを一気飲みでもしてみせるのか?」
「コーラどころか儂はお前様の生き血を一気飲みしたことを忘れたのか?」
「仮にも教師が生徒の生き血を飲むな」

僕の生き血を飲んでゲップをされても困る。

「ところで忍先生」
「なんじゃ?」
「MITって略さずに言ってみろよ」
「まちゃちゅーせっちゅこーかだいがく」
「オメガかわいい!!」

定番の噛みギャグは定番だからこそ至高であり、八九寺もびっくりの神っぷりであった。




[ 2022/04/14 14:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 物語シリーズ

臥煙伊豆子「おいで。君の意思で、私の隣に」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1643898551/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/02/03(木) 23:29:11.22 ID:GA97p571O
「え……?」

大昔のRPGやシューティングゲームに横スクロールや縦スクロールという形式があって、日常生活においてそのような景色の見え方をする機会はそう多くはないのだが、時として似たような感覚に陥ることがある。たとえば停車している電車に乗車している際に隣の電車が発車した時だとか、今まさにこうして、エスカレーターで上層階に上がる時などだ。

「臥煙、さん……だよな?」

仕事帰りに気まぐれに立ち寄った大型ショッピングモールのエスカレーターで、臥煙さんらしき人物とすれ違った。なんとなく、臥煙さんというか専門家連中は世俗を離れている意識があったので、よもやその元締めたる臥煙伊豆子さんがここに存在しているとは思わず、他人のそら似かと目を逸らす間際、まるでその瞬間に僕とすれ違うことを知っていたかのように目が合った。そのまま僕は進む。

「まさか上がってきたりしないよな……?」
「やあ、こよみん」

神出鬼没な専門家の元締めの動向など僕には予想などつく筈もないのだが、想定外ならぬ想定通りに片手をあげたくらいにして臥煙さんはエスカレーターに運ばれてやってきた。

「臥煙さん、何をしてるんですか……?」
「君を迎えに来た」

僕のところまで歩み寄ると、さも当然のように偶然ではないと言われて、僕は面食らう。




[ 2022/02/04 16:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 物語シリーズ

忍野忍「それでもいい……それでもいいのじゃ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1637245264/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/18(木) 23:21:04.53 ID:gFdjDzhvO
『忍ちゃん。君は会うべきだ』

あの日、神原駿河が忍野忍を論破したことが強烈に印象に残っている者は僕だけではないと思うが、当の本人たちはどうだろうか。

『400年がかりで蘇ったかつてのパートナーと会わずに済まそうなんて、それは良くないことだ。とても良くないことだ。それは、正しくない』

600年生きた吸血鬼に正しさを説くなど、年端のいかぬ少女には荷が重いというか、ぶっちゃけ無謀なことだけど、年端のいかぬ少女だからこそ言える言葉だったことは確かであり、だからこそ忍は論破されたのだと思う。

『話にならない。誰かと誰かが出会わなければ話にならない。物語にならないだろう!』

当時の心境を神原に訊ねると、伝説の吸血鬼を論破した伝説の後輩は電話越しにあっさりとこう答えた。

『あの時は仕方なかったんだ』
「仕方なかったって何がだ?」
『あの時、私以外に忍ちゃんを説得出来る立場の者が居なかった。だから仕方なかった』

久しぶりに聴いた後輩の声は、あの時よりも少しだけ大人びていて、言っている内容もまた大人びていた。客観的に神原は語った。




[ 2021/11/22 06:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 物語シリーズ

貝木泥舟「竈門炭治郎? 誰だそいつは。知らん」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1626436373/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/16(金) 20:52:53.31 ID:HHo7aQtFO
唐突ではあるが、出任せを語らせて貰おう。

日頃の行いのせいか、四六時中、嘘ばかりついていると思われがちな可哀想な俺であるがごく稀に、本当のことを口にする時がある。

俺が真実を口にする状況は限られており、周りが絶対に信じないような場合のみ、嘘みたいな本当の話をまるで嘘のように語るのだ。

たとえば今この時、俺が置かれている状況などは、まさにうってつけであると言えよう。

時は大正。場所は吉原遊廓。男と女の見栄と愛憎渦巻く夜の街。そんな嘘みたいな空間に俺は存在していて、ひとり酒を呷っていた。

遊廓という界隈がどのような場所で、どんなことをするところなのか気になったならば、両親に訊いてみるといい。近いうちに兄弟が増えるかも知れない。無論、真っ赤な嘘だ。

俺を呼び出したのは忌々しい臥煙伊豆子だ。
先程顔を見せたが奴は遊廓にも関わらず遊女の格好をしておらず、そのことに憤慨して思わず酒をかけて追い出そうとした俺に向かって、臥煙伊豆子は上司気取りでこう命じた。

「冨岡義勇を一晩足止めして彼の命を救え。あとは余計なことをするな。わかったね?」

はて、余計なこととは、何のことだろうか。
賃金代わりのつもりか何人か部屋によこした遊女に「五月蝿い。黙れ。話しかけるな」と吐き捨てて追い出したのは余計だったのか。

しかし、安く見られては今後に支障を来す。
こう見えても俺は専門家であり、仕事をさせようものならば報酬はそれなりに高くつく。

遊廓から出る際、窓辺に佇む臥煙の視線を背中に感じながら、俺は仕事場へと向かった。




阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1626184019/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/13(火) 22:46:59.83 ID:BpNphpLIO
僕に2人の妹が居ることは今更説明する必要はないことだけど、それぞれ強烈な個性を持つ妹たちがどのように人格を形成していったのかについて詳細を知る者は少ないだろう。

多くの人たちにとって出会った当初から火憐ちゃんは火憐ちゃんで、そして月火ちゃんは月火ちゃんかも知れないが、あいつらだって産まれた瞬間にフルマラソンを走れたわけではなく、誰にも教わらずに着物の着付けを完璧に習得していたわけでもないのだ。

残念ながら妹たちが産まれた瞬間の記憶は長い年月によって忘却してしまったが、僕より遅く産まれたという事実だけはどれほどの歳月が経っても変わることはない。

妹たちの記憶について1番古い記憶を探ると、どちらも至って普通の女の子であり、今みたいに奇人変人、あるいは超人の類いではなかったと記憶している。

妹たちと交わした会話について1番記憶に残っているのもまた、ありふれたものだった。

『お兄ちゃんはどっちの方が好き?』
『どっちと結婚したい?』

ロリというかペドの域を出ない幼女たちに詰問されて僕は兄として真剣に悩んだものだ。




[ 2021/07/14 06:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1599572191/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/09/08(火) 22:36:31.22 ID:lUuaoiGOO
月の裏を見たことがあるか。

多くの人たちにとって、その質問自体が意味不明だと思うけれど、ある程度の趣旨はわかる。
月は自転と公転周期が同期しているーー要するに常に同じ面を地球に向けているので、地球上では肉眼で月の裏側を観測することが出来ないことから質問として成り立っている。

無論、科学や工業が進歩を遂げた現代ならば、探査機やら有人ロケットを打ち上げて月の裏側を観測することか容易なのは言うまでもない。

それらの手段を用いて撮影された画像は現代人ならばインターネットなどですぐに見つけられるのだけど、それを実際に肉眼で見た者は宇宙飛行士に限られ、極々少数であると言えよう。

興味がある者はそれを見てみたいという理由だけで宇宙飛行士を目指しても良いくらいロマン溢れる話ではあるけど、興味のない者にとってはネットで画像検索するだけで済む話である。

この物語はそんな理屈で私、羽川翼が観測したーーいや、希望的観測を基に綴ったーー阿良々木暦の裏側にまつわる物語なので、やはり興味のある者だけが読むべきものだと、そう思う。

「どうか、私の血を吸ってください」

あの日。高校2年の最悪で最低で最高の春休み。
吸血鬼となった阿良々木くんに自らの首筋を差し出したその瞬間から、物語は幕を開ける。

阿良々木暦の裏側。裏の顔。夜の王の、素顔。

私はそんな物語を望んで、彼の眷属となった。




[ 2020/09/09 09:55 ] その他 | TB(0) | CM(2)
[タグ] 物語シリーズ

千早「怪異……?」

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/16(水) 22:21:54.642 ID:GBrwgVSC0.net
そういや化物語とのクロスです




阿良々木暦「僕がひたぎさんを嫌う未来なんてない」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1589638180/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/16(土) 23:09:40.13 ID:Gzf81c1XO
「今日は阿良々木くんのお尻を開発します」
「唐突だな」

両親も妹も不在だった、ある日のこと。
自宅に遊びに来ていた交際相手の戦場ヶ原ひたぎが突如僕の尻穴の開発に乗り出した。

これまで僕は自分の尻の穴の可能性というものついてそれほど深く考えたことはなく、単なる排泄器官としてこれからも末長く使っていくのだろうと漠然と思っていた。

とはいえ、知識としてならば他の使い道があるらしいということは知ってはいたのだが、怠慢な僕はそれを実際に試したことはなく、ましてや試そうと考えたことすらなかった。

「というわけで、まずは浣腸をしましょう」

浣腸。
要するに、尻から直接下剤をぶち込む行為。
字面的には恐ろしいことこの上ない蛮行ではあるものの、便秘に苦しむ人々にとってはまさになくてはならない特効薬である。

「阿良々木くんは浣腸したことがある?」
「小さい頃にあるかな。覚えてないけど」
「その時に処置した看護師が羨ましいわ」

どういう意味だろう。複雑な気持ちになる。




[ 2020/05/17 13:25 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 物語シリーズ

斧乃木余接「実はいま、僕はパンツを穿いてない」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579534575/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/21(火) 00:36:15.09 ID:igAIR0zkO
「なあ、斧乃木ちゃん」
「なんだい、鬼のお兄ちゃん」

とある日の晩。
暇を持て余した僕は前々から気になっていたことを童女の居候兼、100年使われた付喪神である式神の斧乃木余接に尋ねてみることにした。

「特に深い意味はないんだけど、影縫さんと臥煙さんってどっちの方が胸が大きいんだ?」
「特に深くはないけど不快な質問だね」

斧乃木余接は無表情で適切なツッコミをした。

「教えてくれよ。頼む! こんなこと、君にしか聞けないんだ。僕を助けると思ってさ」
「鬼のお兄ちゃんは救いようがないと思うよ」

救いを求める僕に斧乃木ちゃんは辛辣だった。

「じゃあこうしよう、斧乃木ちゃん。教えてくれる代わりに僕に出来る範囲で何かする」
「何かって? 近所の交番に駆け込んで、お巡りさん僕です! って、自首するとか?」

そんな斬新な自首の仕方は御免被りたい。

「今はまだ、臭い飯は食べたくない」
「将来的には食べてもいいんだね」
「その時は、その時さ」

たとえ豚箱にぶち込まれて臭い飯を食う羽目になろうとも僕は2人の胸のサイズが知りたい。




[ 2020/01/21 09:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 物語シリーズ
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