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1 :
1 2016/02/25(木) 23:39:35.59 ID:
2qJ2+40+0
ガルパン小説です。
左衛門佐とおりょうの二人が主役です。
何事もなく、温泉入ってご飯食べるだけのお話。
そこまで長くないです。さっくり読めると思います。
劇場版の内容にちょっぴり触れます。未見の方はご注意を。
心を込めて書きました。ご覧になってくださると嬉しいです。
少し経ったら始めます。
2 :
1 2016/02/25(木) 23:43:13.51 ID:
2qJ2+40+0
斬りつけるような鋭い寒風が大洗に吹いていた。
茨城内陸と比べれば過ごしやすい気候を持つと言われる大洗だが、さすがに港町だけあって、この季節になると冬の厳しさを肌で味わえるようになる。
街道沿いへ並んで植えられた松の木の足元に、海風に煽られたらしき松毬が散らばっていた。
二月の、その日。
県立大洗女子学園学園艦が大洗へと帰港した。
近く行われる予定の戦車道模擬試合に向けた準備のためである。
全長7.6km、高さ690mを誇る学園艦が港へ着くと、見る者は突如として海上へ山が出現したかのような錯覚にすら陥る。
それだけこの船は巨大なのだ。
帰港の日になると町民はこぞって港へ押し寄せ、帰って来た船とその乗員たちを暖かく迎え入れ、これをねぎらう。
街の顔とも言えるこの学園艦を大洗の人々は誇り、また愛してもいた。
船が帰着すると、港は久しぶりの再会を祝う者や街へ繰り出そうとする者で溢れかえり、ちょっとした祭りのごとき様相を見せるようになる。
しかしそれもごくわずかの間で、しばらくすると辺りは元の静かな港町へと戻っていた。
これから一週間、学園艦はこの大洗へ停泊することになる。