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忍野扇「だから忘れないでください。この愚か者」阿良々木暦「ああ……わかった」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/10/26(土) 22:18:35.36 ID:hAYTqdlSO
『えへへ、来ちゃった』
『おお、よく来たな、千石。まあ、上がれよ』

あれはまだ、僕と千石との関係が破綻する前。
自宅に訪れた千石を、僕は自室に連れ込んだ。
僕が知る千石撫子は長く伸ばした前髪で目を隠していて目立たず大人しい女の子だったのだが、その日の彼女は珍しくヘアバンドをつけて前髪を上げていた。可愛らしい顔立ちだった。

「ふむふむ、なるほど。気合い充分ですね」
「あれは千石なりの気合いだったのか?」
「それはもちろん。落とす気満々ですよ」

今更そう言われても、もうどうにもならない。
僕はどうやら俗に言う鈍感系主人公らしいので、前髪を上げキャミソール1枚でミニスカートを穿く千石の気合いとやらに気づけなかった。

「いえいえ、ちゃんと気づいていましたよ」
「いやいや、全然気づかなかったよ」
「またまた、謙遜は要りませんって」
「君は僕の何を知っているんだ、扇ちゃん」
「私が知っているのは、愚か者には罪が憑き物だということだけです。なのであなたの罪は、愚かなあなた自身がよくおわかりでしょう? 」

愚か者の罪物語。
愚か者には罪が憑き物。
この物語に名前を付けるならばまさに。

そのタイトルが相応しいと、愚かにも思った。




[ 2019/10/27 13:25 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 化物語

八九寺真宵「はにかみましょうか?」阿良々木暦「是非お願いします!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1562414413/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/06(土) 21:00:13.35 ID:p06yTTmjO
梅雨時に連想する草花を尋ねられた際に、まず初めに紫陽花を思いつく人が大多数を占めるであろうことは、想像に難くない。

かくいう僕もそのひとりではあるものの、紫陽花に対してそこまで思い入れがあるわけではないので、むしろ紫陽花のイラストとセットで描かれることの多い蝸牛にこそ、目を惹かれる。

「ふむふむ。ちなみに阿良々木さんは、実際に紫陽花の葉っぱの上に蝸牛が這っている姿を、その目で見たことがあるのですか?」
「そう言えば、実際に見たことはないな」
「でしょうね。紫陽花の葉には毒がありますので」

食べられもしない毒の葉の上をわざわざ這いずり廻るほど蝸牛は暇ではありませんよと、蝸牛の怪異となり、そして今は神となった、八九寺真宵が得意げに薀蓄を聞かせてきた。

とはいえ、後から調べたところ必ずしも全固体に毒が含まれているわけではないらしいので、あくまでも一般論として、僕は受け止めた。

「じゃあ、お前も紫陽花が嫌いなのか?」
「私は葉っぱなんて食べないので、特別に好きでも嫌いでもありませんが、その紫陽花のお花を見て阿良々木さんが私の元に足を運ぶきっかけとなった今ならば、大好きになれそうです」

なんだか紫陽花に手柄を全て取られた気分だ。
別にきっかけなんかなくたって気が向いたらいつでもこの北白蛇神社に足を運ぶ敬虔なる信者であるこの僕を、今と同じように目一杯の愛を込めて大好きだと言って貰いたいものである。

「あらあら、不満そうですね、あらあらさん」
「あらあらなんて普段言わないような台詞をわざわざ前に付けてまで名前を間違えるのはやめろ。僕の名前は阿良々木だ」
「失礼、かみました」
「違う、わざとだ」
「はにかみましょうか?」
「是非お願いします!」
「にぱっ!」

にぱっと八九寺真宵の可憐な笑顔が咲き誇る。
嬉しそうにはにかむ幼い少女が神様だと言うことも忘れて、僕はお持ち帰りしそうになった。




[ 2019/07/06 22:25 ] その他 | TB(0) | CM(1)
[タグ] 化物語

阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1562334969/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/05(金) 22:56:09.18 ID:vXBrfRKkO
春と夏の間にある、梅雨の時期。
この季節が訪れる度に、僕は身構えてしまう。
振り返ると、そこに黄色い雨合羽を着た少女が立っているのではないかと、不安になる。

「他ならぬ阿良々木先輩の望みとあらば、私としては当然、全裸に雨合羽を着て登場し直すのもやぶさかではない。むしろ、大歓迎だ!」
「シリアスなモノローグを台無しにするな!」

とはいえ、不安は不安でしかなく、心配は杞憂となるのが物語の常であり、僕が再び雨合羽を着た少女に襲われることはなかった。

「本当にお前は全裸が好きだよな」
「阿良々木先輩は全裸が好きではないのか?」
「ああ、好きだよ! 僕だって全裸が好きだ! 大好きだとも! 当たり前だろうが!」

全裸好きな後輩に呆れ果てた僕に対して、神原駿河は分かり切った質問を返してきたので、半ばやけになりながら正直にそう答えると。

「ならば何も問題はなかろう」
「問題が発生する前振りにしか聞こえないぞ」
「しかし、私としては、前振りよりも前触れの方が語感が良いと思う。主に性的な意味で!」
「ああ、僕もお前と全く同感だよ!」

前振りよりも、前触れの方が語感が良い。
何故そう感じたのか。その理由は簡単だ。
目の前で思わせぶりに尻を振られるのと直に前を触られるのとでは、誰だって後者が嬉しい。
とはいえ、そこまでのスキンシップは後輩とするものではないこともまた、明白であり。

「ふむ。それでは遠慮なく」
「お前はもっと遠慮と躊躇いを身につけろ!」
「あっ! こら、阿良々木先輩! 暴れるな! イチモツを目の前で思わせぶりに振り乱すな!」
「振り乱してなんかねぇよ!」

雨合羽を着ていない神原駿河とじゃれ合いながら、ふと見上げた空の雲行きは怪しく、まさに嵐の前振りならぬ、前触れになりそうだと、この時、僕はそんな予感を漠然と抱いた。

やれやれ、これも日頃の行いのせいだろうか。
せっかくの後輩とのデートなのに、雨なんて。
じゃのめの傘など、持ち合わせていないのに。




[ 2019/07/06 09:55 ] その他 | TB(0) | CM(0)
[タグ] 化物語

貴音「わたくしの体重は、5kgなのです」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/03(木) 00:03:14.28 ID:fh+OHqcA0
P「なぁ春香。貴音ってどういう奴なんだ?」

春香「どうしたんですかプロデューサーさん」

P「あいつ、961プロから移籍してきたけど、全然会話とかコミュニケーションが取れなくて」

春香「確かに言われてみればそうかも」

P「これからあいつのプロデュースも始まっていくのに、これだとな……掴みどころがないっていうか」

春香「んー。確かに貴音ちゃんってすっごく不思議な感じですよねー」

P「頼むよ、なんでもいいからあいつの情報を」

春香「難しいですね……。なんかありましたら報告しますか?」

P「頼んだよ」




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