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1 :
◆BAKEWEHPok 2017/02/09(木) 13:49:09.78 ID:
siC4hZFho
ペルソナ5のいちゃいちゃ系エロSSです
ゲームのスケジュールなどは関係ないお話です
2 :
◆BAKEWEHPok 2017/02/09(木) 13:49:49.59 ID:
siC4hZFho
十度を下回る冬の夜。
雑多な都会の空気も冷たい風に流されて、どこか透き通るような清らかさが感じられる。
とはいえ、陽が沈んだ三軒茶屋の路地は寒々しく出歩く人は少々少ない。
しかし、喫茶店ルブランに灯る暖かな団欒を覗けば寂しい所だなんて誰も思わないに違いないだろう。
「んふふー暁のカレー美味しいな! これはそうじろうの味超えたか!?」
「ほー……お前どこかレシピ変えた?」
今は食卓となっているテーブルでカレーを食べる娘である佐倉双葉の批評を聞いた
父こと佐倉惣次郎は半眼になりながらもう一人の少年に問うた。
「何も変えてない」
少年こと、来栖暁は短く答える。
事実、惣次郎の作るカレーのレシピを伝授された暁はそれに何の手も加えていない。
今まで双葉が食べていたカレーと全く同じものを同じように作っている。
「そうなのか。でもなんか美味しいんだよなー……んーデリシャス!」
以前と違う事と言えば、暁が作ったカレーを、暁が配膳して、双葉の目の前に暁がいるということだけ。
つまりは。
「ただ愛情は込めてる」
「へっへーサンキューカレシー!」
「お前らさ、娘いる父親の前でそういうのやめてくんない?」
まあ、そういう事だった。
惣次郎は頭痛を抑えるように額へと手を当て、ついため息をついてしまう。
いっそ、暁がちょいとばかり色気を出して手を加えたならば、店の味を変えるとは何事かと
説教できなくもなかったが、そういうわけでもない。
むしろ基本をしっかり抑えた調理は惣次郎の好むものである。
「はぁ……こいつがきてからは急展開というか、早すぎんだろ……やれやれ……」
家族というには結びつけきれなかった父娘の繋がりを、暁と仲間達が繋ぎ止めてくれたのは嬉しいなんて単語では表現しきれない。
と、同時にその娘をそいつに持っていかれるというのは一体どういうことか。
複雑な感情に二度目のため息をついた。
とはいえ、カレーを食べている双葉の嬉しそうな笑顔と、それを見つめる暁の
優しそうな瞳ときたら、文句など言えるわけもない。
「どしたーそうじろうー? 私と暁の仲を妬いてるのかー?」
「馬鹿……そんなんじゃねえよ全く……今日はもう上がるわ。暁は戸締まりをしっかりして、双葉はあんまり遅くなるなよ」
「おっけー!」
元気のいい双葉の返事と暁の頷きを適当に流して、惣次郎はルブランから自宅へと向かう。