ヘッドライン

星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1654442597/

1 : ◆xa8Vk0v4PY 2022/06/06(月) 00:23:18.80 ID:Sev9O2YP0
『真夏』という単語を聞くと、何を想像するだろうか。
澄み渡るような青空、潮風が心地よい海、
友達と食べる氷菓子、浴衣を着ての夏祭り。
そういった夏の風物詩を何の疑いもなく思い浮かべられるのなら、
その人はおそらく、とてつもなく幸福だ。

彼女は違う。
脳味噌が腐るような暑さ、ところ構わず湧き出る蟲、
それによる苛立ちを隠そうともしない人々。
その上で自分は幸福であると周りに見せびらかそうと必死なリア充ども。

彼女は真夏を、毎年必ず自分に降りかかる災害と考えていた。
湿気により、普段よりよく見るようになる『トモダチ』。
それだけを心の支えにし、彼女はこの数ヶ月をひっそりと・・・
『キノコ』のように、耐え忍んでいた。




[ 2022/06/06 10:25 ] モバマスSS | TB(0) | CM(0)

双葉杏「コーヒーが飲みたい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1608820860/

1 : ◆xa8Vk0v4PY 2020/12/24(木) 23:41:01.21 ID:rtTJ1a3X0
雪の降る夜、街を一人歩く。
辺りには誰もいなくて、静かで、世界には杏しかいないような気分になった。
店の明かりは灯ってるから、実際そんなことはないんだけど。
マフラーで覆っていた口を曝け出し、はぁっと息を吐く。息は白く染まり、天に昇って消えていく。
両手を口の前に持っていき、もう一度息を吐いた。寒さで凍えた手は息くらいでは癒えない。
手のひらを擦って空を見る。空ではキリストの誕生日を祝うように、爛々と星が輝いていた。




[ 2020/12/25 06:55 ] モバマスSS | TB(0) | CM(4)

宮本フレデリカは如何にしてこの世を去ったのか

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1588579559/

1 : ◆xa8Vk0v4PY 2020/05/04(月) 17:05:59.44 ID:p0TmPlc30
「にゃあお」

黒猫が鳴いている。
悲しげな鳴き声が一つ、また一つふわりと飛んで消えていく。

「にゃあお」

猫は鳴くのを止めない。
体の中に溜まっていき、抑えきれなくなったものを垂れ流すように。

「にゃあお」

壁にもたれかかる女性にしきりに頭をこすりつけ、
猫はただひたすらに鳴き続けた。
痛々しい血の赤に覆われながらも、彼女はどこか満足そうに微笑んでいた。
終わりを知らせる夕焼けが女性の髪を金色に照らす。
彼女の名前は「宮本フレデリカ」だった。




ページランキング