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美琴「傍にいて」

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3 : ◆n9cydZxNSw 2013/08/10(土) 00:31:31.44 ID:OGetzeLF0
時刻は午前四時。外は暗闇に光を射した群青の空が支配している。
まぶたを半分開いた美琴が最初に見たのは、グレーのTシャツを着た上条の後ろ姿だった。

「……おはよう」

呟くような美琴の挨拶は彼にしっかり届いたようで、男性らしいがっしりとした体をびくっと震わせた後、上条は振り向いて微笑みながらお早うを返した。

「……どこか行くの?」

「ん。ちょっと走りにな」

灰色のシャツに短パンと、彼の服装は明らかに外出用の格好であり、「運動に行く」と言えば100人中100人が納得するだろう。
しかし、美琴は不満げに上条の顔をじっと見つめる。
別に浮気などを警戒しているのではない。
そもそも彼にそんな器用さが無い事など百も承知である。
彼女が気に入らないのは唯一つ。

「私を置いてくの?」




【上琴】上条「三回目の翌日」

2 : ◆n9cydZxNSw 2014/07/29(火) 22:56:53.02 ID:m+DtO2dm0
カーテンから漏れる柔らかい陽光と、若干の肌寒さで御坂美琴は目を覚ました。

枕元の目覚まし時計は五時を指している。昨夜の情熱を冷ますかのように窓は開けられ、白いカーテンとベッドのシーツが御坂の視界を白一色に染め上げる。

幻想的な白から抜け出そうと寝呆け眼をこすると同時に、部屋のドアが音を立てて開いた。




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