1 :
◆m03zzdT6fs 2014/01/01(水) 06:08:35.02 ID:
EfrQsPtno
鷹富士茄子さんのSSです。特にオチや山場はない、のんびりとしたものです。
以前書いた作品である”モバP「七人目の正直」”の設定を少し引き継いでいます。
初見の方でも問題ないように書いているつもりではありますが、分かりにくい所があれば申しわけありません。
都合上、茄子さんのPに対する呼び方が『Pさん』になっておりますので、その点ご注意ください。
2 :
◆m03zzdT6fs 2014/01/01(水) 06:09:54.58 ID:
EfrQsPtno
静寂。もう、枯葉一枚さえない、冬の装いの木々を見上げながら、小さく息を吐きます。
そうして吐いたゆっくりと広がる白い吐息は、ふわり、ふわりと舞う粉雪に溶け込み、消えてしまいます。
辺りにはじじ、と明滅する電燈が一本立っているだけで、他に人はいません。まあ、それも仕方のないことだと思います。
きっと皆さん、ご自宅のおこたに入っているか、あるいはお蕎麦をゆでている頃でしょう。
そんな中、なぜ私はここに居るのか。ええ、もちろん、私だっておこたに入って、ぬくぬくしたいです。でも、そういうわけにはいきません。
『……遅い、なあ』
思わず、言葉が零れてしまいます。こんなに待ち遠しいなんて、本当に久しぶり。このところ、ずっとずっと忙しかったのですから。
まだかな、まだかな。自分でも、子供っぽいとは思います。それでも、楽しみで仕方がないのは、止めることはできません。
なぜって?
単純なことです。だって――。