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高森藍子「ほたるちゃんの翼」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/07/24(金)21:21:22 ID:hcO


~某芸能プロダクション・夏休みの昼下がり~

関裕美「たた、大変だよプロデューサーさん!!(ドアバターン)」

P「どうした突然」

裕美「あの、なんていったらいいのか、あのね? まずほたるちゃんが、次にほたるちゃんが、とにかくほたるちゃんが(アワアワ)」

P「落ち着け落ち着け。経過を全部説明しようとしなくていいから。結果だけ言ってくれればいいから。な?」

裕美「う、うん(深呼吸)あのね? 驚かないでね?」

P「ああ」

裕美「ほたるちゃんが気絶して医務室に運び込まれたの!!」

P「――そうか解った、すぐ行く。知らせてくれてありがとうな」

裕美「ううん」

P「マストレさんからも体調が悪いという話は聞いていなかったが……大丈夫。あわてなくても医務室のスタッフと相談して、すぐ専門のお医者さんを呼ぶからな」

裕美「おおおお医者さんは絶対呼んじゃだめー!?」

P「えええなんで」

裕美「とにかく早く行ってあげて! 私たちじゃもう、何をどうしたらいいんだか」

P「わ、解った。解らんが解った。すぐにいく」

裕美「急いでだよ! 走ってだよ!!」

P「わかった。わかったって(走って退場)」

裕美「ほんと急いでね!? ……ああもう、どうしてほたるちゃんがあんなことに……!!」




【モバマス】千鶴と泰葉のひみつ会議

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/07/18(土)23:38:26 ID:rOM
【某月某日・某芸能事務所地下倉庫】

松尾千鶴「し、失礼しまーす(ドアガチャー)」

千鶴「……誰もいない」

千鶴「おかしいな。この手紙には確かに、大事な話があるからこの時間に待ってるって」

千鶴「というかこの手紙、差出人の名前が書いてないけど一体誰が私を……ハッ!?」

千鶴「よく考えると差出人も解らない手紙でノコノコ来ちゃった私ってかなり迂闊なのでは!?」

千鶴「わあん、なんだか今更怖くなってきた! でももしちゃんとした用事だったらすっぽかすのも悪いしどうしよう! 不安!」

???「ふふふ、予想以上の本音垂れ流しっぷりだね、松尾さん」

千鶴「ハッ、誰!?」




辻野あかり「餃子にさらわれて」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/05/24(日)08:20:25 ID:l07
○5月某日/都内某所ライブハウス・地下アイドルの現場

ステージ上の辻野あかり『みなさーん!! 今日は来てくれてありがとうございまーす!!』

観客席の夢見りあむ「ひゅー! あかりちゃーん!!」

観客席の砂塚あきら「りあむさん、そろそろ来ますよ!」

りあむ「あ、ほんとだ! ゲットしないと!な!」

辻野あかり『それじゃいきますよー、それーっ♪』

あきら「#反対側」

辻野あかり『今度は逆の方向に……それーっ♪』

りあむ「うわあん届かないー!!(ぴょんぴょん)」

あきら「えいっ……やった、取った!!」

りあむ「くそう、低身長高バストのこの身体が憎いー(ぴょんぴょん)」

あきら「何故そこで自慢を混ぜるんですか……ほら、りあむさんの分」

りあむ「あきらちゃんありがとう! はー、尊み。天使か?」

あきら「そういうのいいから(///)」

辻野あかり『みなさんナイスキャッチです♪ ゲットしたひともそうじゃないひとも、私とそいつらを見たら山形りんごのことを思い出してほしいんごっ♪』

りあむ「まあぼくら今晩寮で会うけど!な!(フンス)」

あきら「迂闊なこと口走らないでくださいよ!?」




【モバマス】昨日と明日をつなぐ旅【松尾千鶴/岡崎泰葉】

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/05/11(月)17:33:31 ID:UIc
○プロローグ・二月末日/松尾千鶴は夢を見る

『千鶴。おい、聞いているのか千鶴』

 忘れられない夢ってありますか。

 繰り返し見る夢ってありますか。

 将来の希望とか幼いころの目標とかじゃなくて、夜見る夢の話です。

 朝目覚めたら途端に不確かになって消えちゃう普通の夢じゃなく、見ればすぐにあの夢だと解るような。

 起きた後も印象深く覚えていて、ちくちくと古い思い出を刺激するような夢が、皆さんにもありますか?

 私には、そういう夢があるのです。

『千鶴、おい、聞いているのか千鶴』

 幕開けはいつも、私の背中に飛んでくるそんな言葉。

 そう、それはあのころの夢。

 まだ私が、松尾千鶴が福岡でアイドルをしていたころの夢。

 場面はいつも決まってライブバトルの前。

 これから福岡担当のエリアボスとして東京の事務所のアイドルたちと対戦する、その直前。

 あれは私にとって思い出深いライブバトルでしたから、繰り返しあの日を夢に見るのも、仕方がないことかも知れません。

 ――思い返すに、私はたぶん歴代で一番態度の悪いエリアボスだったでしょう。

『私と対決したいの? まあいいけど』

 態度からしてやる気なし。

『ふぅん。楽しかったの? それなら、良かったですね。さよなら』

『はい、おめでとうございます。それの何が不満なの?』

 なんて、冷たい態度で相手の勝利を茶化したりなんかして。




白菊ほたる「しあわせ警報発令中」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/04/19(日)10:26:25 ID:8IN
○某年4月18日/某芸能事務所

白菊ほたる「き、今日からこの事務所でお世話になる、白菊ほたるです! よろしくお願いします!」

関裕美「あ、プロデューサーさんが言ってた新人さんだね」

ほたる「は、はい」

裕美「私は裕美。関裕美。まだデビュー前の研修生だよ」

ほたる「関さん……よ、よろしくお願いします」

裕美「裕美でいいよ」

ほたる「……あ、ありがとうございます、裕美、さん」

裕美「今の間はなあに?」

ほたる「きっ、気にしないでください」

裕美(じっ)

ほたる「ほ、本当になんでもない、ので……」




白菊ほたる「ずびねす、春の背伸び祭り」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/02/19(水)22:16:42 ID:9bM
○都内某所・事務所近くのカフェ

関裕美「はあ、おねえさんぽくなりたいなあ」

松尾千鶴「どうしたの、突然」

白菊ほたる「もう既に裕美ちゃんの姉力はかなりのものだと思うんですが」

岡崎泰葉「姉力って何」

ほたる「そう、あれは私が冷たい雨の中に駆け出してさまよっていたあの日……」

千鶴「あっこれ長くなる奴だ」

泰葉「ほたるちゃんは裕美ちゃん大好きだもんね」

ほたる「もちろんみんな大好きですけどね」

裕美「真剣なんだよ、もう」

千鶴「解ってる。裕美ちゃんはいつでも真面目だもんね」

泰葉「そしてちょくちょく真面目故に暴走する」

ほたる「乃々ちゃんと私と裕美ちゃん。3人でくすぐりあいをしたのは良い思い出です」

裕美「それ以上混ぜっ返すと『きっ』てしちゃうからね?」

千鶴「ごめんなさい」

ほたる「ごめんなさい」

泰葉「ごめんなさい……それで、どうしておねえさんぽくなりたいの」




【モバマス】花は咲いていた

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/02/15(土)22:21:48 ID:pSN
「プロデューサーさん。私、コーヒー買いに行ってきますね!!」

 8thアニバーサリーイベントの開催を月末に控えたある夜のこと、千川ちひろはそう言い残し、鼻息荒く自分たちのオフィスを後にした。
 
 後に残されたプロデューサー氏が何か言いかけたような気がするが、後ろ手にぴしゃりとドアを閉めてシャットアウト。

 眉を寄せ頬を膨らせ足を踏みならし、プロデューサーさんの馬鹿プロデューサーさんの馬鹿と唸りを上げながら廊下をずんずん歩くその姿は、さながら大怪獣チヒロンである。

 もし運悪く大怪獣チヒロンと行きあうものがいればその恐ろしさに思わず道を譲り、しかる後ちひろの様子とプロデューサー氏との関係のこじれについて興味本位の噂を広めたことだろう。

 だが幸いなことに時計は20時30分を回ったところで、半数ほどのスタッフは退勤済。

 そしてプロダクションに残っているスタッフもそれぞれのオフィスで残業の最中であったから、常夜灯に切り替わった廊下を進撃して階段を降り、消灯された玄関ホールの自販機前にたどり着くまでの間、大怪獣チヒロンは誰にも目撃されずにすんだのである。
 
 しんと静まった空気に一息ついて自販機に硬貨を投入してから、ちひろは『微糖』と『無糖』の間で少し指を迷わせた。いかに大怪獣チヒロンといえど妙齢の淑女。なんだかこのごろキツくなって来た気がするタイトスカートには弱いものなのだ。

 うろうろと指をさまよわせた末に、結局『いやほら書類仕事には脳に当分が必要ですから』とかなんとか自分に言いわけして微糖を2本買い、それを手にして伝わる暖かさにほっとして――それでようやくちひろは常の落ち着きを取り戻し、今更ながらにやってしまったと頭を抱えたのである。




白菊ほたる「えっ、今年は私も『鬼は外』ってしていいんですか」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/02/03(月)18:43:16 ID:fzw
○2月3日夕刻/女子寮・泰葉ルーム

岡崎泰葉(読書中)「ふむふむ……わあ(ぱらぱら)」

泰葉「えっ、こうなっちゃうの。意外というかなんというか……」

関裕美「大変、大変だよ泰葉ちゃん!(ドアバターン)」

泰葉「わっ、どうしたのいきなり。ノックぐらいしてよ(わたわた)」

裕美「あれっ、今クッションの下に隠した本……」

泰葉「そ、そういうのの詮索はやめておこうよ。というか何か大変だったんじゃないの」

裕美「あ、そうだった! どうしよう、泰葉ちゃん。どうしよう」

泰葉「落ち着いて。ちゃんと話してくれなきゃ助言もできないよ」

裕美「そ、そうだよね。うん、落ち着く……あ、あのね」

泰葉「うん」

裕美「ほたるちゃんが、ほたるちゃんが消えちゃったの!」

泰葉「失踪!? 早くPさんに連絡しないと」




【モバマス×妖怪ハンター】茅の輪巡りて

1 :名無しさん@おーぷん 20/02/02(日)20:53:59 ID:7Mb
・諸星大二郎先生の『妖怪ハンター』とアイドルマスターシンデレラガールズのクロスオーバーSSです。




白菊ほたる「霧の中にて」

1 : ◆cgcCmk1QIM 20/01/04(土)10:35:58 ID:wsm
 すすり泣く声を聞いたような気がして私……白菊ほたるが目を覚ますと、そこは霧の中でした。

 自分の足元もよく見通せないような濃い霧の中で古びた旅行鞄を抱えて、これまた古いベンチに腰掛けているのです。

 まるで頭の中にも霧がかかっているみたいに、頭がぼんやりしていました。

 ここは、どこだったでしょう。

 私はここで、何をしていたのだったでしょう。

 ちょっと首をすくめるようにして辺りを伺うと、かろうじてベンチのすぐ傍に時刻表を張り付けた標識柱が立っていることが解りました。

 ベンチの前にぼんやり見える黒い帯は、多分道路ではないでしょうか。

 くすん、くすんとすすり泣く声は、続いています。

 ぼんやり視線を向けると、泣いているのは同じベンチ、私の隣に座った女の子。
 
 うつむいて、丸まって、ふるえています。

 顔は伏せていて、濃い霧に阻まれて……その子が誰だかは解りません。

 だけど、その背中には見覚えがありました。

 たくさん見てきた背中でした。

 それは、夢を砕かれて泣く女の子の背中でした。




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