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輿水幸子「ぶちんっ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456734855/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2016/02/29(月) 17:34:16.03 ID:ieSCX+M70
 
 異様な物音で、ボクは意識を取り戻しました。
 背中に当たる冷たい感触が、もやのかかった視界を徐々にはっきりとさせていきます。
 
 狭くて、真っ暗で、ちょっと鉄臭いロッカーの中。
 換気のために空けられているのか、小さな隙間はボクの頭よりも高い位置にあって、中から外をうかがう事はできません。
 
 ボクはまだ少し混乱している頭で、今までに起きた出来事を思い出そうとしていました。
 
 ボクの名前、輿水幸子。歳は14歳。職業はアイドルをやっていて。
 そうです、カワイイボクは、その魅力を世間の人たちに教えてあげるために、アイドルになったんです。
 
 それで、そんなボクは今、息を殺してこのロッカーに隠れて……
 あれ? どうしてボクは、ここに隠れていたんでしたっけ?




[ 2021/01/18 21:55 ] モバマスSS | TB(0) | CM(0)

【ミリマス】志保「三麺娘とソバの話」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1609418673/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2020/12/31(木) 21:44:33.99 ID:31ioHmBu0

1.前ほどの話


例えレッスン終わりだったとして、冬の夜風は体に酷く沁みる。

コートに手袋、マフラーもして、ダメ押しに帽子を被ってても、ちょっとした衣類の隙間からびゅうびゅう沁み込んで来るんだから。


「くしゅん!」

「だ、大丈夫ですか静香さん?」

「ん、平気」

「はぅ……それならいいのですが。今日はまた一段と冷えますね」


と、続けたエミリーの口からも白い吐息。

彼女も寒さが堪えているんだろう、鼻先がすっかり赤くなっちゃってる。

それを見て、私もぐしゅっと鼻をすする。

すると前を歩いてた貴音さんが振り返って。


「二人ともよければもう少しこちらへと。……私の後ろを歩いていれば、少しは風よけにもなりましょう」

「そんな! 出来ませんよ貴音さん」


私はすぐにそう返した。

だってそうでしょ? いくらビル風を冷たく感じたって、先輩を風よけにするだなんて!





【ミリマス】琴葉は過度なスキンシップ行為を訴えたい!

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1599479935/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2020/09/07(月) 20:58:55.47 ID:V525dxyZ0

「すみません、こっち向いてください!」

「今回の噂についての真相を――」

「相手は高校を卒業したとはいえ、まだ未成年だって聞いてますが」

「これがきっかけになってユニット解散とか……!」

「自社で売り出し中のアイドルに手を出す罪悪感は無かったんですか!?」


次々にがなり立てられる質問と、通りを照らすフラッシュの雨。

被写体を、カッターで切りつけるような、鋭いシャッター音が幾重にも重なる。

そうして熱……。純粋な情熱でなくて、好奇や妬みが織りなす歪んだ形の下卑た熱意。

それが、画面越しでも強く感じられた。

お陰で肩が震えるような寒気を感じ、田中琴葉は乾かしたばかりの髪をくしゃり。

使い終わったドライヤーを手早く片付けると、改めてベッド上のスマホと向かい合う。




【ミリマス】恋知れ北沢チョコ渡せ

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1583326426/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2020/03/04(水) 21:53:47.07 ID:/vJmgnsF0

葉っぱも落ち切った街路樹に雪が足跡を残している。

風に触られ、冷たくなっていた公園のベンチに腰を下ろし、私はその時を待っている。

お昼前。街で一番人通りが少なくなる頃合い。

閑散とした園内の、入り口にある車止めを乗り越えてあの人は姿を現した。

普段通りの気取らない格好で、でも、少しだけ緊張してる……かな?

それが私の気持ちと一緒だなんて、些細な共通点が妙に嬉しくって。


良かった。

私はホッとすると立ち上がって胸を撫で下ろした。

彼との距離が狭まって行く。

一歩、二歩。公園の中央。

向かい合ってお互いに見つめ合う瞳と瞳。




[ 2020/03/05 14:55 ] グリマスSS | TB(0) | CM(0)

【ミリマス】ネコデューサーさんと冬の靴下

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1575466733/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2019/12/04(水) 22:38:53.67 ID:/r2p4Xlx0

その黒ネコは「志保君」と彼女を呼んでいた。

出会ったばかりの頃はまだ「北沢君」呼びだったのに、

ある時「北じゃわ君」とドヤ顔で舌を噛んでしまい、盛大に笑われてからはもっぱら「志保君」呼びで通していた。


対して、志保は彼の事を「プロデューサーさん」と呼んでいる。

他に「ネコタチ」「おやぶん」「毛玉」に「にゃーご」……それから「ツメツメトギトギシッポフリ」なんて変わったあだ名もあるけれど、

志保は黒ネコの役職である「プロデューサー」に「さん」をつけて、目上の者に対する敬意を何時でもしっかり払っていた。




【ミリマス】育と桃子は吸血がしたい

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569686834/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2019/09/29(日) 01:07:14.56 ID:wEDTEyMZ0

ハッと意識を取り戻すと、俺は両手足を縛られてる状態で布団の上に座っていた。

丁度前屈を始める前みたいに左右の足を放り出して、
その足首がロープみたいな物でガッチリと固定されているのが理解できた。

薄暗い視界の中で身じろぎすれば、後ろ手にされた両手がガチャガチャ冷たい悲鳴を上げる。

手錠だ、とぼんやりした頭でゆっくり理解して行った時、耳元で聞き覚えのある彼女の声が聞こえたんだ。

「お兄ちゃん起きた? 桃子だけど」

それは暗がりの中に突然灯ったハッキリ見える明かりのように。

声のした方へ向いてみれば、そこには見知った少女の顔があった。
周防桃子、俺の担当しているアイドルだ。

「プロデューサーさん、わたしもいるよ?」

それから、今度は反対から。

見ればそっちにも女の子が一人座っていて、
中谷育、彼女も俺が担当している765プロダクションのアイドルだった。




【ミリマスSS】家に帰れば琴葉が待っている

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1565522110/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2019/08/11(日) 20:15:10.55 ID:hJ05PNkl0

俺には愛する嫁がいる。

田中琴葉って可愛い嫁がいる。

彼女は昔アイドルだった。今では女優の肩書きの、そんな女性を生涯の伴侶に出来たのは
俺の人生において最大のラッキーイベントだったと誰彼構わず自慢できる。

というか誰でもいいから聞いてくれ。俺はこの幸せを自慢したくって仕方がない。




[ 2019/08/12 11:55 ] グリマスSS | TB(0) | CM(0)

【ミリマス】未来は神様と思い出したい

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1561725093/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2019/06/28(金) 21:31:34.03 ID:lQC6ORQF0

ははは、はーんあん。

ははは、はーんあん。

文字に書き起こすと鳴き声はまさにそんな感じで。

あ、鳴き声じゃなくて泣き声ですね。

とにかく、私が呼びだされた時にははは、はーんあん。

「静かに!」

ぴっ、と彼女の動きが止まり、私はコホン! と神々しく咳ばらいをついて言ったのです。




[ 2019/06/29 06:55 ] グリマスSS | TB(0) | CM(0)

【モバミリクロス】 双葉杏は、お姫さまになる

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461575859/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/25(月) 18:17:39.51 ID:B71wnz440

 ※ このSSには、オリジナル設定やキャラの崩壊が含まれます。
 
 また、この作品はこちらの「 【モバマスSS】双葉杏、王さまになる 」からの続き物です。

===11.「サンセット・ララバイ」

 夕暮れ時、ビルの向こう側へと沈んでいく夕陽が、開きっぱなしにされた玄関をオレンジ色に染め上げる。
 オレンジの光と、影が同時に住む世界。小さなスーツケースと鞄を持って、きらりはそこに立っていた。

「荷物は、それだけ?」

「うん……かさばる物はあらかじめ、全部運んじゃったから」

「そっか。まぁ、忘れ物があるなら、いつでも取りに来れば良いだけなんだけどさ」

「うぇへへ、そうだねぇ。それじゃあ、今までお世話になりましたー☆」

 そうしてきらりが、見送る私にぺこりと頭を下げるから、一応私も、それに応えて。
 頭を上げると、彼女はポケットから一本の鍵を取り出していた。




【モバマスSS】双葉杏、王さまになる

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460385502/

1 : ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/11(月) 23:38:22.66 ID:Anqs7Uvq0
 
※ このSSには、オリジナル設定やキャラの崩壊が含まれます。

===1.「王さま、働かない宣言をする」

「そうか。なら今月もお前さんの給料は、少なくなっちゃうなぁ」

「だからさぁ。あれだけ曲を出して、グッズも山ほど売れて、ライブもお客さんが入ってるのに、
 どうして杏の取り分がこれっぽっちしかないのか。その点をキチンと話し合おうじゃんって言ってるの」

「答えは簡単。曲が売れて儲かるのはレコード会社、グッズが売れて嬉しいのはグッズ屋さん。
 ライブの方は他所よりも回数が少ないし、本気で不労所得を目指してるって言うんなら、
 もう少しやる気を出して頑張ってくれないと……」

「うっ……が、頑張らなくても楽して儲けれるからって、
 杏をアイドルの道に引っ張り込んだのはプロデューサーでしょ? これはそう、契約違反! 詐欺だよ! 
 だから訴えられたくなかったら、今すぐ私をここから帰すように要求する!」

 そうだ、不当な労働環境には、不平不満を申し立てる権利が労働者にはあるはずだ。
 私は宙に浮いた足をぷらぷらと揺らしながら、その事を目の前に立つプロデューサーに必死に訴えた。




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