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1 :
霧 ◆TDiRBlyxMM 2018/05/22(火) 23:18:43.14 ID:
tDr4hs+Y0
タイトルで嫌な予感がした人はブラウザバック推奨
書き溜めなので短いです
2 :
霧 ◆TDiRBlyxMM 2018/05/22(火) 23:21:59.28 ID:
tDr4hs+Y0
side ほたる
どうしてこんな関係になってしまったんだろう。
とうに夜の帳が降りた部屋で、私は天井を見つめて独りごちました。
流石にこの時間ともなると、外を通る車の数も少なく、窓の外からは時たまエンジン音が微かに聞こえるだけです。
気を抜けば、すぐにでもまどろみに堕ちて行きそうな静寂は、人を物思いに耽らせるのに十分なのでしょう。
始まりはどちらからだったか、という使い古された自問自答。
最早、そんなことは重要でないのかもしれません。
気がつけば、オフが合う度にこの家を訪れ、逢瀬を遂げる。
そんな爛れたルーティーンが形成されてしまっていました。
そこまで性に関する知識が豊富なわけではありませんが、このような関係性をなんと呼ぶのかくらいは知っています。
こうして幾度となく盛り合う中で、私が何度も尋ねられなかった疑問。
二宮さんが事務所で話していた「シュレディンガーの猫」の喩え話を思い出しました。
箱の中に50%の確率で毒ガスが出るような装置と猫を入れます。
蓋を閉めて1時間後に、猫は生きているか?死んでいるか?という思考実験でした。
うろ覚えですが、「物事は、観測するまで結果の重ね合わせ状態にあり、観測されることによって決定される」というような話をしていたような気がします(一ノ瀬さんに、『それはニュアンスが違うよ』などとケチを付けられていましたが)。
蓋を開けさえしなければ、死んだ猫を観測することはない。
疑問をぶつけることさえしなければ、いつまでも幸せな幻想に浸っていられる。
好奇心に負けて箱を開けさえしなければ、猫を殺してしまうこともないのです。
それでも尚、私は確かめる方を選んでしまいました。